著者
井上 貴仁 横山 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.192, pp.1-6, 1994-08-09

ヘテロダイン力検出走査型マクスウェル応力顕微鏡により相分離リン脂質単分子膜とフタロシアニン蒸着膜のトポグラフィー、表面電位、誘電率の周波数分散の同時測定を行った。また、当所で開発した先鋭シリコン探針を用いることによって、より高分解能の像を得ることが可能となった。
著者
横山 浩 井上 貴仁 伊藤 順司
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.281-286, 1994-04-05
参考文献数
16
被引用文献数
1

走査型トンネル顕微鏡の誕生というコロンブスの卵は,原子間力顕微鏡をはじめとするSPM(走査型プローブ顕微鏡)と呼ばれる顕微鏡技術の一族に成長・進化し,現在では,表面の形状に留まらず様々な物性・機能をも局所的に観測し画像化する表面解析技術として,著しい発展を見せている.筆者らは,表面電位,誘電率などの電気物性をナノメートルオーダーの分解能で計測するSPMとして,走査型マクスウェル応力顕微鏡(SMM)の開発をすすめている.SMMは,原子間力顕微鏡と同様に,探針に働く力を検出するタイプのSPMであり,外部交流電圧により誘起される強制振動電気力の測定のみから,表面の様々な電気的情報を同時に引き出せることを特徴とする.ここでは,金属薄膜の接触電位差や有機分子薄膜の相分離構造の微視的観察の例を交えて,その概要を紹介する.
著者
横山 浩 井上 貴仁 伊藤 順司
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.709-712, 1994-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
16

走査型マクスウェル応力顕微鏡 (SMM) は,探針と試料との閾の電気的なマクスウエル応力を検出する非接触型SFM (Scanning Force Microscope) の一つである.探針に,複数の周波数成分からなる交流電圧を印加することにより,試料の表面形状,表面電位・電荷,誘電率とその高周波分散などの複数の電気物性情報を,対応する異なる周波数における探針の振動から検出することができる, SMMの分解能は,クーロンカの長距離性に強く影響されて現状では数十nm程度にとどまっているが,電気力そのものに代わって,電気力こう配を検出することで,原理的な分解能向上が見込まれる.ここでは,そのための新しい手法である機械電気混変調法を紹介する.
著者
横山 浩 井上 貴仁 伊藤 順司
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.281-286, 1994-04-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
20
被引用文献数
2

走査型トンネル顕微鏡の誕生というコロンブスの卵は,原子間力顕微鏡をはじめとするSPM(走査型プローブ顕微鏡)と呼ばれる顕微鏡技術の一族に成長・進化し,現在では,表面の形状に留まらず様々な物性・機能をも局所的に観測し画像化する表面解析技術として,著しい発展を見せている.筆者らは,表面電位,誘電率などの電気物性をナノメートルオーダーの分解能で計測するSPMとして,走査型マクスウェル応力顕微鏡(SMM)の開発をすすめている.SMMは,原子間力顕微鏡と同様に,探針に働く力を検出するタイプのSPMであり,外部交流電圧により誘起される強制振動電気力の測定のみから,表面の様々な電気的情報を同時に引き出せることを特徴とする.ここでは,金属薄膜の接触電位差や有機分子薄膜の相分離構造の微視的観察の例を交えて,その概要を紹介する.
著者
志村 将 楢山 浩生 高國 憲二 中前 万奈美 山本 美帆 山本 祐司 河野 伸吾 本間 伸晴 中谷 祐子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E0441, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】本研究では長期療養型である当院においてPTとして関わりのある移乗・移動能力がQOLにどの程度関与しているのか検討する。【方法】対象は当院入院患者様96名。年齢23~97歳。平均68.3歳。脳血管障害62名、脊髄損傷8名、その他26名。QOLの評価表はSF-36を用い、移乗・移動能力の評価にはFIMを用いた。SF-36は面接法にて測定し、同日にFIMの移乗・移動項目を病棟聴取にて測定した。統計処理は、SF-36下位尺度平均得点をFIM移乗・移動の自立・介助に分けT検定で比較した。SF-36 の下位尺度(身体機能、日常生活機能身体、体の痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、日常生活機能精神、心の健康)とFIM移乗・移動での点数をスピアマン順位相関係数にて比較した。年齢別では、各年代別に分けて当院入院患者様と国民標準値のSF-36各得点をT検定にて比較した。認知面の検討では、認知症が診断されている者、過去のHDS-Rのデータから認知症が疑われる者の群(15名)とそうでない者の群(82名)に分け、両群のSF-36各平均得点とFIM移乗・移動の比較をT検定にて行った。【結果】SF-36下位尺度平均得点をFIM移乗・移動の自立・介助に分け比較をした結果、移乗・移動の自立・介助間で有意な差が認められた(P<0.05)。SF-36下位尺度の比較では、FIM移乗と身体機能(r=0.48,P<0.01)、FIM移動と身体機能(r=0.41,P<0.01)の比較にて相関が認められた。年齢別では、SF-36各得点の国民標準値との比較にて、有意な差は認めなかった(P>0.05)。認知の検討では、FIM移乗・移動得点とSF-36各平均得点の比較で、認知症が疑われない者で有意差(P<0.05)はあるが疑われる者で有意差は認めなかった(P>0.05)。【考察】FIM移乗、移動の自立・介助間で有意な差が認められたことから入院生活における移乗・移動能力は生活の質において重要な要素であることが示唆された。下位尺度においてもSF-36の身体機能得点とFIM移乗・移動得点との相関が認められたことから移乗・移動能力は身体機能得点に影響していることが示唆された。年代別での国民標準値との比較では、有意な差は認められなかったことから当院での入院生活においても全国的に平均なQOLが得られていることが示唆された。しかし国民標準値は70歳代までであり、それ以上の比較が困難であったことから当院入院患者様に合った評価表の検討も必要であると考える。認知面での検討では、認知力低下が疑われる者にQOLとFIM移乗・移動得点の有意差が認められなかった理由として自らの身体面、精神面を正確に把握できていなかったためだと考えられる。【まとめ】今回の研究では、移乗・移動能力という面の運動能力とQOLとの相関が認められました。今後の課題は、認知面の評価を十分に行い、精神面とのつながりを明らかにする。それを踏まえた上で介入前後の比較を検討し、PTとしての関わりに継げていきたいと考えます。
著者
丸山 浩司 吉野 徹 鍵 裕之
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.306, 2011 (Released:2011-09-01)

非晶質炭酸カルシウム(ACC)はCaCO3・nH2Oと表される準安定な物質である。n値(含水量)によって、加熱によるACC結晶化の際の結晶化温度が異なることが報告されている。本研究では、圧力によってACCが結晶化する可能性に着目し、ACCの加圧実験を行った。また、真空乾燥にACCの含水量を制御できる可能性についても併せて検討した。ACCは、氷浴した0.1 M CaCl2水溶液と0.1 M Na2CO3水溶液を用いて合成した。乾燥には到達圧力の異なる2種類の真空ポンプを用いた。TG-DTAにより、これらの含水量はそれぞれn=1.49およびn=0.60であり、有意に異なることが分かった。それぞれのACCを0.08-0.8 GPaの範囲で加圧し、XRDおよびIRで測定したところ、ACCの圧力誘起結晶化が初めて観測された。この結晶はカルサイトおよびファーテライトであり、圧力によって多形比が変化することが分かった。また、含水量によりACCの結晶化圧力および多形比が異なることも分かった。
著者
外山 浩司 竹下 隆晴 松井 信行
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.3, pp.354-360, 1996-02-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
9
被引用文献数
2 4

The authors already proposed the new control scheme of the PWM converters where the control scheme was performed on the estimated voltage and phase of the source, thus eliminating the voltage sensor.The paper deals with a stability problem of a sensorless PWM converter control. Under consideration of the parameter error, the stability analysis of the proposed control is examined. In addition to that, a design procedure of the estimation gains is also examined. For the stable starting of the system, the initial estimation of the amplitude and phase angle of the source voltage is proposed.The effectiveness of the theoretical stability and estimation gain design has been confirmed by experiments.
著者
山本 潤 西山 伊佐 横山 浩
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2003年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.283-284, 2003-10-14 (Released:2017-01-10)

Chiral TWIN molecules are consists of two equivalent monomer liquid crystal molecules connected by hydrocarbon spacers. In case that the spacer length is just twice as side-chain length of the monomer, the mixture of chiral twin/monomer system has complete spatial commensurability. We have found for the first time that the mixing of the small amount of the TWIN molecules strongly destabilize the smectic phase of the monomer and induce new types of TGB modulated phases, because the TWIN molecules strongly freeze the fluctuation motions of the monomer molecules, which is the origin of the excluded volume interaction to stabilize the smectic layers themselves. Spatial commensurability and strong lateral attractive interaction play important roles to the fluctuation freezing effect. We have investigated the chiral twin/monomer by polarizing microscope, X-ray diffraction, viscoelastic measurement and dynamic light scattering.
著者
原本 英司 片山 浩之 大垣 眞一郎
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.315-320, 2009 (Released:2010-01-09)
参考文献数
26

The occurrence of pathogenic viruses and indicator microorganisms in water samples from a wastewater treatment plant in Japan was investigated monthly from July 2003 to June 2004. Forty-eight samples of raw sewage, treated sewage before chlorination, effluent after chlorination, and reclaimed water after advanced wastewater treatment using sand filtration and ozonation were subjected to a virus concentration method using an HA electronegative membrane, followed by virus detection using a TaqMan PCR method. Noroviruses of genogroups I and II were detected in all 12 raw sewage samples, showing much higher concentrations in winter, an epidemic season. Corresponding to the occurrence in raw sewage, the concentrations of noroviruses in treated sewage and effluent also increased in winter. The concentrations of enteroviruses and adenoviruses in the tested samples were relatively constant compared with those of noroviruses. Noroviruses and adenoviruses were still detected even after advanced wastewater treatment, but the concentrations of these viruses were much lower than those in the effluent samples. Viruses were removed by wastewater treatment as effectively as indicator microorganisms (total coliforms, Escherichia coli, and F-specific phages), suggesting that sewerage systems can contribute to reducing the load of pathogenic viruses discharged into aquatic environments.
著者
齋藤 政則 篠山 浩文 齋藤 明広 篠山 浩文 安藤 昭一 シノヤマ ヒロフミ 齋藤 明広 Akihiro Saito サイトウ アキヒロ 知久 和寛 Kazuhiro Chiku チク カズヒロ 安藤 昭一 Akikazu Ando アンドウ アキカズ
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.35-41, 2010-03

市販されている各種糸状菌由来の糖質分解酵素剤に注目し、加水分解活性が弱く配糖化活性が強い酵素の有無を調べ、その精製を試みた。その結果、Trichoderma sp.由来の市販キシラン分解酵素剤に、キシランのみを基質とした場合、その加水分解活性がないにも関わらず、キシランとカテコール共存下ではキシランを分解しカテコールを配糖化する酵素が認められた。本酵素は分子量約73,000の単量体で機能するものであり、20残基のN末端アミノ酸配列は既知のキシラナーゼと相同性が認められなかった。これらの諸性質から本酵素は新規であることが示唆された。至適pHと至適温度はそれぞれ4.0と40℃であった。
著者
山内 勇人 曽我 進司 河野 秀久 近藤 俊文 佐山 浩二 丹下 宜紀 藤田 繁
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.840-843, 1995-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

We report a case of tsutsugamushi disease found in south western Shikoku. A 64-year-old male who lived in Towa Village in Kochi, developed a fever and headache on April 6, 1994, and was admitted to Uwajima City Hospital on April 15, with a ten-day history of illness. He had an eschar on the right anterior side of the breast and an enlargement of the right axillar lymph node, without a rash. Laboratory data showed mild liver injury and atypical lymphocytes with 6% in peripheral blood. After his blood was drawn for rickettsial isolation, the minocycline was administered. His symptoms improved rapidly and was discharged in good condition.We successfully isolated the causative agent, Rickettsia tsutsugamushi, and designated it as the Shiba strain. High antibody titer against the Kato, Karp and Gilliam strains was detected in serum on admission and increased during the course of the disease.In Shikoku, tsutsugamushi disease is rare and only 13 cases were reported during last ten years. Especially in south western district of Shikoku, there have been no case reported since 1960. This case is important epidemiologically and suggests that we should pay attention to this disease.
著者
岡村 靖 北島 正大 荒川 公秀 立山 浩道 永川 正敏 後藤 哲也 倉野 彰比古 中村 正彦 丸木 陽子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.91-102, 1979-03-01

人間の寿命は70年±10年であり, 無限の空間と久遠の宇宙実存において思惟するならば, 人間の一生は瞬時の生命に過ぎない。しかし, その間, 先天的な素因, および, 環境要因に加えて, 感情や意志, すなわち, 人間の大脳皮質, とくに, 新皮質の神経細胞の機能が, 側体のhomeostasisを司る内分泌一自律神経系に種々の影響を及ぼして疾病が発生し, また, 多様な予後を示すので, 心身相関の問題は, 疾病の発生, 経過, および, 治癒の上に極めて重要である。したがって, 疾患の発生機序について, 心理学, 内分泌学, ならびに, 自律神経学の3方面から, 系統的な研究, ならびに, 考察を行い, 疾患のとらえ方に新しい概念を導入した。そして, この概念に基づいて疾患の診断と治療を行なう意義の重要性を提起した。その具体例として, 内分泌疾患, 自律神経失調症, および, 分娩における, 心身の環境因子と精神-自律神経-内分泌系との関連について研究を行った成績を述べた。(1979年1月16日 受付)
著者
上野 満雄 中桐 伸五 谷口 隆 有沢 豊武 三野 善央 小寺 良成 金澤 右 雄山 浩一 小河 孝則 太田 武夫 青山 英康
出版者
Japan Society for Occupational Health
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.483-491, 1984

日本国有鉄道の新幹線は,早朝から深夜まで過密ダイヤのもとで,高速度を出して走行している.したがって,新幹線車両の清掃労働者は主に,深夜労働に従事することを余儀なくされ,頻回な夜間勤務を行っている.本研究は,新幹線車両清掃労働者の健康に及ぼす夜間勤務の影響を検討したものであり,特に,連続夜勤の回数と健康障害の関係について評価を行った.本研究は二つの調査研究から成っている.<br>最初の研究では,勤務実態と健康実態を明らかにするため, 1か月間の夜動の頻度,連続夜勤の回数,自覚症状を調査した.調査は,大阪駅で働く246人の男性清掃労働者に対して,日本産業衛生学会交代勤務委員会作成の質問用紙を配布する方法を用いて, 1981年に実施した.調査結果は,勤務形態別に3グループに分けて比較検討を行った.<br>グループAは,夜勤専従者であり,勤務編成は,週に5回の連続夜勤を基本とする102人のグループである.グループBは,一昼夜交代で週3回勤務をする124人のグループである.グループCは,週6回勤務の日勤者20人である.これら勤務の形態別比較の結果,グループAにおける胃腸障害,全身疲労感の訴え率が最も高く現われていた.<br>最初の研究結果にもとづいて, 2番目の研究では,連続夜勤の回数と健康障害の関係について検討を行うため,ケース・コントロールスタディを行った.研究対象は,最初の研究で対象とした夜勤労働者の中から60人を5歳階層ごとに無作為抽出し, 3グループに分け各グループ20人ずつとし,方法は,産業衛生学会疲労研究会作成の疲労自覚症状を勤務の前後で1労働週にわたって自記させた. 3グループは,グループA20人,グループB20人,グループD20人である.グループAとBは,最初の研究の同じ勤務形態であるが,グループDは,グループAのコントロールとして,夜勤3日目を非番日に変えた勤務に従事させた.調査の結果,グループAとBでは最後の勤務後に疲労自覚症状の訴え数が第1日目の勤務前と比べて有意に増加していたが,コントロールのグループDでは訴え数の有意な増加は認められなかった.<br>これら二つの研究結果から,夜間勤務の形態と労働者の健康状態の間に密接な関連があり, 5連続夜勤の3日目を非番日にすることは,労働負担を軽減するうえで効果的であることが明らかとなった.したがって, 5回以上の連続夜勤に就労する新幹線清掃労働者の職業的健康障害を防止するためには,連続夜勤回数の頻度や労働時間に関する勤務条件の改善がなされるべきであると考えられた.