著者
滝島 雅子 山下 洋子 塩田 雄大
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.54-72, 2019 (Released:2019-12-20)

2019年3月に行った「日本語のゆれに関する調査」について報告する。▶第1章では、「やる」のかわりに「あげる」を使う用法について取り上げる。「植木に水をあげる」「子どもにお小遣いをあげる」「ペットの犬にえさをあげる」に関しては、「おかしくない・使う」という人が7割を超え、誤用とは言えない状況になっている。▶第2章では、気象情報で使うことばについて調査報告を行う。気温の言い方を「〇ド〇ブ」と言うか、「〇テン〇ド」と言うかを聞いたところ、「○テン○ド」を選んだ人のほうが多いという結果となった。また、「0度より低い気温」を言う場合、「氷点下」と「マイナス」のどちらを使うかを聞いたところ、「マイナス」が多い結果となったが、放送で使うことばとしては、自分で言う場合に比べ「氷点下」が多かった。▶第3章の外国語・日本語をめぐる意識については、日本人の大多数は、「(一部の人を対象にした教育ではなく)日本人全体への英語教育」、「(外国人向けの日本語教育よりも)日本人自身の外国語運用能力を高める教育の重視」を望ましいものととらえており、「(英会話には)まったく自信がない」、「小学校での英語教育には賛成」、「日本語を話す外国人が多くなった」と思っていることが明らかになった。外来語が増えることに対しては、「日本語をあいまいにすることにつながる」という意見が5割程度、「日本語を豊かにすることにつながる」という考えが4割程度になった。若い年代ほど英語(および外来語)への親和性が高く、高年層ではその反対に日本語をより重視するような傾向が見て取れる。
著者
福森 隆寛 吉元 直輝 中野 皓太 中山 雅人 西浦 敬信 山下 洋一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.590-598, 2015

近年急速に発展するディジタル技術を用いて日本の文化資源を保存・再現するディジタルアーカイブが注目視されており,これまでに有形文化財に対するディジタルアーカイブの研究が精力的に進められてきた。一方,無形文化財(特に歴史的文化財の音空間)のディジタルアーカイブの研究は,まだ創世期の段階で手がつけられておらず,日本の歴史的文化財の保存・伝承という観点から無形文化財のディジタルアーカイブは急務である。そこで本研究では日本無形文化財の一つである京都祇園祭に着目し,ActionScriptを用いて日本無形文化財の音場体験システムを開発した。はじめに日本無形文化財の京都祇園祭のディジタルアーカイブを目指して,京都祇園祭の山鉾巡行(約4kmにも及ぶ経路を山鉾が4〜5時間かけて巡行)の音響素片を収集した。そして,祇園祭の巡行経路を体験者が指定することで,その経路上のお囃子が体験できるインタラクティブWebシステムを開発した。
著者
山下洋輔著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
2018
著者
山下洋
雑誌
精神科診断学
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.41-48, 2003
被引用文献数
6
著者
亀山 宗彦 佐藤 孝紀 谷本 浩志 小川 浩史 角皆 潤 山下 洋平
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では海表面への落雷に伴う物質循環が起きる可能性を検証した。実際の海水、河川水、純水に純空気及びアルゴン雰囲気下で放電を行うことで実際の落雷を模擬した。本研究では特に窒素酸化物の生成がみられ、放電に伴い硝酸・亜硝酸塩及び亜酸化窒素が生成されていることがわかった。硝酸・亜硝酸は気相中での生成が知られており、本研究でも主な生成は気相中で起こっていたが、液相中でもその生成が起きていることがわかった。また、溶存態・粒子態有機物の生成・分解も確認された。
著者
原田 雄司 田中 達也 中尾 裕典 服平 次男 青木 理 山下 洋幸
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.858, pp.17-00458-17-00458, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
30

Heat insulation by a wall material which has low heat capacity and heat conductivity is one of the effective ways to reduce heat transfer. By the heat insulated coating, wall temperature is fluctuated following the behavior of in-cylinder gas temperature, which decreases the gap between gas and wall temperature. In order to suppress wall heat transfer in wide engine operation range, Model Based Development is required. In this study, wall heat transfer mechanism under wall temperature fluctuated condition by heat insulation was investigated by simultaneous measurement of wall heat flux and flow behavior in wall boundary layer in RCEM. As a result, it was clarified that turbulent energy was influenced by wall temperature behavior, which impact on heat transfer coefficient. In addition, non-dimensional velocity distribution in wall boundary layer was not changed drastically by wall temperature behavior. In terms of modeling under heat insulated condition, wall heat flux was able to be predicted well by wall heat transfer model taking into account of density change in wall boundary layer.
著者
田中 庸介 大河 俊之 山下 洋 田中 克
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.50-57, 2006 (Released:2006-01-31)
参考文献数
29
被引用文献数
8 7

長崎から北海道までの 12 地点でヒラメ稚魚の食物組成および摂餌強度の地域性を検討した。稚魚は主にアミ類,仔稚魚類,エビジャコ類,ヨコエビ類を摂餌し,ヒラメ稚魚の食物組成は主に環境中に多く出現したアミ類で占められていた。環境中のアミ類の出現種および分布量は 1~10 種,3.0~1712.8 mg/m2 と変化し,主要種は地点によって変化した。全ての餌に対する胃充満度とアミ類生物量との間に一定の関係は認められなかったが,アミ類のみの胃充満度は生物量約 200 mg/m2 までは生物量に対応して増加した。アミ類生物量はヒラメ稚魚の食物組成と摂餌強度に影響を与えると考えられた。
著者
生藤 大典 中山 雅人 西浦 敬信 山下 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.112, pp.13-18, 2014-06-27

我々は,これまでに高い臨場感を容易に与えることのできる3次元音場再生技術として,パラメトリックスピーカの超指向性を利用する静止音像構築手法を提案してきた.この手法はパラメトリックスピーカからの再生音を部屋の壁や床,天井に反射させることで,あらゆる方向からの音の到来を表現できる.しかしながら,パラメトリックスピーカの放射方向を連続的に制御できないため,移動音像の表現が困難であった.そこで本稿では,パラメトリックスピーカによる移動音像の実現に向けて,曲面状に超音波素子を配置した曲面型パラメトリックスピーカによる移動音像構築手法を提案する.人は音像の方向を知覚する際,両耳間の音圧差を手掛かりとし,その音圧差が連続的に変化するとき音像の移動を知覚する.そこで提案手法では,信号が入力される超音波素子を隣接順に切り替えることで,パラメトリックスピーカ本体を動かすことなく放射方向を制御し,受聴者周辺の音圧分布の制御を行う.評価実験の結果,提案手法により連続的に移動する音像を構築可能であることを確認した.
著者
卜蔵 建治 山下 洋 鈴木 哲夫
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.309-315, 1982-03-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

Using the original infrared digital data of GMS, we obtained the distribution of equivalent black body temperature of the land surface of Tohoku District in the cold summer in 1980 and examined the locality of rice-plant damage caused by cool air mass in that summer.Obtained results are as follows:1. There is a close relationship between the distribution of paddy rice index and the trajectory of cold maritime air mass, what we call “Yamase”, in the northern Tohoku District.2. Inspection of the data derived from the extensive observations without discontinuity make clear the relation between the low temperature area caused by “Yamase” and the damaged area as well as the relation between the trajectory of “Yamase” and orographic features.3. During the prevailing period of “Yamase”, the sensible heat supply from ground surface in daytime is too small to bring about the upward motion in cloud layer, while the increase in horizontal momentum is significant in the cloud layer.4. It is confirmed that the clouds caused by “Yamase” attain the coastal region of the Sea of Japan crossing over the Oou Mountains. The accurate prediction of this phenomenon is likely to be of great importance so as to prevent the cold summer damage.5. In the southern Tohoku District, cloud formation due to Baiu-front activity makes it insufficient to detect the low-level “Yamase” current using the data of the observation from space.6. The data of vertical temperature profile radiometer are needed to analyze “Yamase” advecting in lower layer.7. This is the first time for the area damaged owing to “Yamase” in cold summer to be investigated using the GMS data. Accumulation of the case studies like this will hopefully help us to make out more accurately what the relation between the damaged area and the trajectory of “Yamase” is all about.
著者
山下 洋一 井上 弘一 中村 昇一 二川原 淳志 森 保 中尾 亮 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.29-29, 2008

建築内装材料「壁紙」のうち塩ビ系壁紙(製品シェア96%)のインベントリ分析を実施中。原材料、製造、流通・施工、使用(居住環境)、廃棄(リサイクル等)の各段階での構成要素の確認と原単位の確認および調査を実施。この範囲でインベントリ分析に取組むのは初の試み。21年度末までに第一段階の統合化を図る予定。20年度内はカーボンフットプリントに注目、二酸化炭素排出量に絞り研究した経過報告を行う。
著者
松井 隆博 井上 弘一 中村 昇一 二川原 淳志 森 保 坂井 広志 鳥海 臣吾 山下 洋一 中尾 亮 松村 年郎 山口 博司 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.51-51, 2011

塩ビ壁紙が環境へどのような影響があるのかをLIME2によって評価を行った。影響カテゴリーとして地球温暖化と室内空気質汚染等を対象とした。温暖化については1次データにもとづく業界代表値インベントリーを作成し評価した。室内空気質汚染については、パッシブサンプラー法による壁紙の放散量試験を行い、ホルムアルデヒドの放散量からLIME2により人間健康への影響を試算した。
著者
吉益 光一 宮下 和久 福元 仁 竹村 重輝 清原 千香子 山下 洋 宮井 信行 吉川 徳茂 清原 千香子 吉川 徳茂 篠崎 和弘 宮井 信行 山下 洋
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

児童の注意欠陥多動性障害(ADHD)の原因として、妊娠期間中の母親の飲酒や喫煙などのライフスタイル要因が注目されている。今回、ADHD の子どもを持つ母親とそうでない子どもの母親に聞き取り式の面接調査を行い、これらの要因がADHD に関連しているかどうかを検討した。結果、妊娠中の喫煙のみADHD の子どもの母親に多かったが、妊娠中の精神的なストレスや母親自身のADHD 傾向の影響を除くと、統計学的に意味のある違いは認めなかった。
著者
嵯峨山 茂樹 伊藤 克亘 宇津呂 武仁 甲斐 充彦 小林 隆夫 下平 博 伝 康晴 徳田 恵一 中村 哲 西本 卓也 新田 恒雄 広瀬 啓吉 峯松 信明 森島 繁生 山下 洋一 山田 篤 李 晃伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.73-78, 2003-12-12

擬人化音声対話エージェントのツールキット"Galatea"の開発プロジェクトについて報告する.Galateaの主要な機能は音声認識,音声合成,顔画像合成であり,これらの機能を統合して,対話制御の下で動作させるものである.研究のプラットフォームとして利用されることを想定してカスタマイズ可能性を重視した結果,顔画像が容易に交換可能で,音声合成が話者適応可能で,対話制御の記述変更が容易で,更にこれらの機能モジュール自体を別のモジュールに差し替えることが容易であり,かつ処理ハードウェアの個数に柔軟に対処できるなどの特徴を持つシステムとなった.この成果はダウンロード可能となっており,一般に無償使用許諾している.