著者
杉浦 真治 深澤 遊 山崎 一夫
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.143-144, 2002
参考文献数
6

Platurocypta punctum (Stannius) (Diptera: Mycetophilidae) was firstly recorded from Japan based on the adult specimens emerged from a fruiting body of Fuligo septica (L.) (Myxomycetes: Physarales: Physaraceae). We observed the larvae feeding on spores within the fruiting body at Kamigamo Experimental Forest in Kyoto, central Japan. P. punctum may be closely associated with slime molds.
著者
田中 智大 橋本 直明 関川 憲一郎 大久保 政雄 小林 克也 松浦 広 光井 洋 鈴木 丈夫 岸田 由起子 山崎 一人 薬丸 一洋 田村 浩一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.574-580, 2008 (Released:2009-01-09)
参考文献数
23
被引用文献数
1

症例は75歳,女性.65歳時に胃癌にて幽門側胃切除術を受けた.微熱と肝機能障害で近医より紹介受診.来院時,肝胆道系酵素の上昇を認めた.ウイルス性肝炎および自己免疫性肝炎は否定的だった.単純CTで肝および脾のCT値が著明に上昇し,MRIでT1W, T2Wともに著明な低信号を認め,鉄沈着症を疑った.他臓器への鉄沈着を示唆する所見はなかった.血清鉄は210 μg/dlと高値,血清フェリチン値も6600 ng/mlまで上昇していた.生検した肝組織では,Kupffer細胞のみならず肝細胞内にも著明な鉄の沈着を認めた.患者に輸血歴は無かったが,胃癌術後の鉄欠乏性貧血に対し,鉄剤を断続的に約30カ月間静注された既往があり,その前後でのCT所見に変化を認めた.二次性鉄過剰症(続発性ヘモクロマトーシス)と診断し,デフェロキサミン500 mgの筋肉注射を開始,その後瀉血療法を併用し血清フェリチン値は1199 ng/mlまで改善した.鉄剤静注継続の際に注意すべき病態である.
著者
尾縣 貢 安井 年文 大山〓 圭悟 山崎 一彦 苅部 俊二 高本 恵美 伊藤 穣 森田 正利 関岡 康雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.422-432, 2000-05-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
1

A study was conducted to examine the relationship between the physical characteristics and race patterns of 400-m running in three elite 400-m runners.The experiments were composed of a physical fitness test and an analysis of 400-m race patterns.Maximal O_2 intake, maximal anaerobic power, isokinetic muscular endurance and isokinetic maximum muscular power were evaluated in a laboratory.Final 400-m races in the Japan Championship and the National Sports Festival were filmed using video cameras, and analyzed to calculate the changes in running speed during the 400-m distance.In accordance with the race analysis results, the three 400-m runners were divided into two types.One was the "even pace"type, which showed a tendency to maintain a higher running speed until the finish of the race.The other was the "first half"type, which showed the highest speed from the start until the 190-m point.The even pace type had a higher maximal O_2 intake and isokinetic muscular endurance of the lower limbs.The first half type was a good record holder over 100-m and 200-m distances.These results indicate that physical characteristics influence the race pattern of 400-m running.
著者
中井 泉 山崎 一雄 望月 明彦 飯田 厚夫 河嶌 拓治
出版者
筑波大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1988

最終年度はこれまで不十分であった状態分析に重点を置いて研究を進め、以下の成果が得られ美術考古学試料の新しい分析法として確立できた。a)古代鉄器の腐食相の状態分析弥生時代のものと推定される腐食した鉄刀について、鉄の2次元状態分析を行った。試料は中心部に反射率の高い金属鉄の地相があり、周辺部は赤褐色のさび相が発達している。またその外縁部には黒色のやや反射率の高い相が帯状に広がっている。それぞれの部分について、鉄の吸収端スペクトルを測定した結果、黒色の酸化相は四三酸化鉄(磁鉄鉱Fe_3O_4)の様な2価と3価の鉄を含むもの、赤褐色の酸化相の部分は酸化第二鉄または針鉄鉱(FeOOH)であることがわかった。さらに選択励起蛍光X線分析により、状態別の2次元イメ-ジを得、鉄器の鉄地相とさび相の分布状態をイメ-ジとしてとらえることができた。このような分析は放射光蛍光X線分析で始めて可能になったものである。b)天目茶碗の油滴の状態分析中国福建省建窯の窯跡からプラマ-教授が1935年に採集した油滴文様のある天目茶碗の破片について研究を行った。本研究は建窯で焼造された曜変天目茶碗の研究の一貫として行ったもので、油滴の実体と成因を明らかにすることを目的とした。油滴の部分は周囲の地の部分に比べて鉄が濃縮しており、鉄のK吸収端スペクトルにより両者の状態を比較した。標準試料との比較により、油滴の部分のスペクトルの吸収端エネルギ-はFe_2O_3に類似し、また地の部分のスペクトルのエネルギ-はFe_3O_4に近く、前者の方が含まれる鉄はより高い酸化的状態にあることがわかった。油滴の成因として焼成時に於ける内部からの気泡の発泡によるという説が有力であるが、今回の結果は内部から酸素などの酸化性のガスが発生し、周囲に比べて鉄が酸化されたと考えると妥当である。
著者
山崎 一穎
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.49-71, 2002-03-15

鴎外史伝の特異性は、読者が参加をすることである。書き手である鴎外の手元に読者から寄せられる情報、書き手が読み手へ情報の提供を呼び掛けるという双方向性が機能して、書き手と読み手との間にネットワークが成立し、伝記文学が誕生する。このようなネットワークを解明する資料で今日残されているのは、天理大学の天理図書館所蔵の「『伊澤蘭軒』森鴎外自筆増訂稿本」と、その補訂の論拠となった資料の一部が、東京大学総合図書館所蔵の鴎外の手沢資料集に収録されている。本稿では従来等閑に付されてきたこの両資料の関連を検討する。このことは初出稿と定稿との異同を探るだけでなく、鴎外が補訂した根拠資料を顕現化することになる。さらに情報ネットワークの実態を解明することは、『伊澤蘭軒』の本文の生成過程を明らかにすることになる。それのみならず、『伊澤蘭軒』に於ける資料の扱い方から、鴎外史伝の方法を解明することにもなる。本稿は補訂稿とその根拠資料を通して、本文の生成過程の一端を復元する。
著者
廣重 亮一 曽我部 昭好 山崎 一利 高橋 信夫 井上 章二 金城 一彦
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.13-27, 2017

木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻を目的として,非加硫ブチルゴム,EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム)の2種のゴム基材とそれらに防蟻剤を添加したゴム基材の防蟻性を室内で検討した。また,現場での給水および排水配管2種のさや管工法における利用を想定した形状の試験体を作成し,それらの防蟻性能を野外試験で検討した。<BR>その結果,非加硫ブチルゴムは室内試験でDOT(八ホウ酸二ナトリウム四水和物)無添加で穿孔が見られたが,DOT を添加することで穿孔は抑えられ,ビフェントリン0.175%添加で穿孔はまったくみられなかった。野外試験ではDOT 無添加,添加区とも食害・貫通は見られなかった。<BR>EPDM も室内試験では非加硫ブチルゴムと同様の傾向を示したが,排水系及び給水系EPDM パッキンとも野外試験では食害は全く見られなかった。非加硫ブチルゴム,EPDMパッキン中のDOT の各試験における溶脱は僅かで,長期に有効な防蟻機能を維持可能なことが確認され,これらのゴム基材は,木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻に充分使用できると考えた。
著者
蘆田 真吾 片岡 真一 山崎 一郎 山下 元幸 大橋 洋三 森岡 政明 執印 太郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.567-570, 1997-08

45歳女.全身倦怠感,口渇,視力低下を主訴として入院,糖尿病を指摘されており血圧194/100mmHg,腹部CTで右副腎は雪だるま型,左は球状に腫大,副腎シンチグラムで両側副腎に集積がみられ,両側副腎多発腺腫又は結節性過形成によるクッシング症候群と診断手術右副腎に黄褐色の腫瘤とblack adenomaの2種類と左副腎に黄褐色の腫瘤が認められた.high performance liquid chromatographyにて右のblack adenomaと左副腎腫瘍のコルチゾール,11デオキシコルチゾール含量はもう一つの腫瘍及び左腫瘍周囲組織に比べて高かった.術後ハイドロコーチゾンの補充療法を行い,術後ACTHは正常範囲となり,CRH負荷試験も正常範囲に回復したWe report a case of Cushing's syndrome due to bilateral adrenal adenomas. A 45-year-old woman was found to have Cushing's syndrome during the course of treatment for diabetes mellitus. The diagnosis of Cushing's syndrome was based on the absence of a diurnal rhythm in plasma cortisol and failure to suppress plasma cortisol by 1 or 4 mg of dexamethasone. The plasma level of adrenocorticotropic hormone (ACTH) was below the normal range, and plasma cortisol responded normally to rapid ACTH injection. Abdominal computed tomography revealed bilateral adrenal tumors. Bilateral uptake of radiocholesterol by the adrenal cortex was observed in adrenal scintigraphy. Bilateral adrenalectomy was performed. Microscopic examination and analysis of steroid contents by high performance liquid chromatography showed that the tumor was cortisol-producting adenoma.
著者
西村 雅史 伊東伸泰 山崎 一孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1395-1403, 1999-04-15
被引用文献数
27

我々は先に 日本人が感覚的にとらえている単語単位を 既存の形態素解析プログラムの出力である形態素単位との統計的対応関係から自動推定する方法を提案し それを認識および発声の単位とする離散単語発声の日本語ディクテーションシステムを構築した. この人間の考える単語単位を連続音声認識の認識単位としても利用することを試み 特に 他の大語彙連続音声認識システムで用いられることの多い形態素単位と比較してその有効性について調査した. また 認識単位の定義が一意に決まらない現状をふまえて 日本語の連続音声認識システムの評価方法を提案するとともに 不特定話者の大語彙音声認識実験結果について報告する. 男女各10名に対する認識実験の結果 文字誤り率3.0% 単語誤り率4.3%が得られた. さらに 句読点の自動挿入方法や 未知語モデルと単語N-gramモデルによる単語単位の自動分割方法などについても述べる.In this paper, we discuss a word-based continuous dictation system for Japanese. We previously proposed a statistical method for segmenting a text into words on the basis of human intuition, and developed an isolated-word-based Japanese dictation system. By comparing the word units used for the isolated word recognition with grammatical units, we show that the former are also very useful for continuous speech recognition. Evaluation of the performance of this continuous dictation system showed that the character error rate was 3.0%, and that the word error rate was 4.3%. We also present a method for inserting punctuation marks in spoken texts automatically, and a method for segmenting Japanese text into words by using an N-gram model, focusing on the handling of unknown words.
著者
池井 寧 山崎 一夫 古賀 章浩 森川 恒 福田 収一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.579, pp.3618-3624, 1994-11-25

The present paper describes a new design of a fluid driven microactuator which comprises a planar piston, a four-way control valve, and a mechanical feedback system that controls the output in accordance with an input displacement. Fabrication processes of the microactuator include bulk micromachining of two sheets of silicon substrate and their assembly by electrostatic bonding to glass plates. The output characteristics were measured supplying the compressed air. Generated output force was partially linear to supplied pressure and to valve displacement. However, the magnitude was asymmetric in terms of driven directions, which results from geometrical configuration essentially introduced by an anisotropic etching of the silicon. The position of the output shaft was sufficiently controlled with a designed magnification factor multiplied to the input displacement in both static and dynamic senses.
著者
山崎 一夫
出版者
大阪市立環境科学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

紅葉の色彩は植食性昆虫に対する警告信号であるとする仮説と、秋に好蟻性アブラムシを誘引し翌春にアリによって木を植食性昆虫から守ってもらう機能があるとする仮説を、野外調査で検証した。4 地点3 樹種の調査から2 仮説が支持されることはなかったが、紅葉が虫に対する抵抗性と相関をもつ例があった。また、150 種以上の植物で新葉と古葉の色彩を比較したところ、春の新葉と秋の古葉の色が異なるケースが多く認められ、春と秋で葉色に対する選択圧が異なることが示唆された。
著者
谷口 伸一 山崎 一眞
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究はエコ・ミュージアム(Eco-Museum)の本来の定義に基づき、以下の課題について実践的に研究する。(1)エコ・ミュージアム・マスタープランの設計手法を提案する。(2)ユビキタス技術を応用してエコ・ミュージアムに対応した学習型観光システムを研究開発する。(1)の研究に関しては、(1)彦根をテストベッドとするエコ・ミュージアムの形成、(2)エコ・ミュージアムの重要要素"elder"に相当する「語り部」の発掘と育成モデルの提案、(3)文化遺産の保護活動に関する方法論の提案からなる。(1)では彦根旧城下町地区の歴史遺産の特性や分布状況から6つのサテライトからなる「彦根エコ・ミュージアム」を提案した。(2)では「それぞれの彦根物語」と題した市民研究会を開催して、歴史、文化、自然、建築、観光などの分野から「語り部」を発掘した。本研究会は平成21度末で72回を数えるに至った。(3)では文化遺産としての価値が高い芹橋地区足軽屋敷の存続に向けて「彦根古民家再生トラスト」を立ち上げ、売却に出された足軽辻番所を地域住民が主体となって募金活動を行い買い上げた。この市民活動が行政を動かすことになり、彦根市が再生することになった。これらの研究は都市計画論と地域デザイン論に基づいて実践しており、エコ・ミュージアム・マスタープランの設計手法として提示できたと考える。詳細を「びわ湖世界の地域デザイン」として刊行した。(2)の研究に関しては、(1)QRコードに代わる当該地点の情報取得技術の開発、(2)コンテンツデータベースの構造化設計技法の確立、(3)観光者が発見や連想から学習する観光の仕組みづくりの実証研究を進めてきた。(1)ではおサイフケータイ(R)の普及が8割を超えているため3者間通信を利用した情報取得装置「ユビキタスみちしるべ」を開発し操作性を向上させた。さらにPICマイコンで制御し、太陽電池駆動のための省電力化を図るとともにSDメモリに記録された音声ガイダンスを実現した。なお、文字、画像、音声、動画などのマルチメディア情報の配信は携帯電話の通信機能を活用した。(2)ではデータベースの設計技法である実体-関連モデルとオブジェクト指向モデルの応用により、学芸員のような高度な知識がなくても観光魅力の概念拡張を含めて構造化設計ができる技法を提案した。(3)ではエコ・ミュージアムに定義される「発見の小径」を学習しながら散策できる「ケータイまち遊び検定」システムを作成した。さらに、携帯電話のGPS機能とカメラ機能により観光者の気づきや疑問をその場で撮影してWebサーバに送信し、それらを集約してGoogleの地図に重ね合わせる「ケータイまち遊びマイニング」も完成させた。これらのシステムにより物見遊山の観光から、点である観光魅力を深く理解し、さらにそれらを線としてつなぎ合せて文脈とする学習型観光が提案できた。
著者
松良 俊明 三上 由記 若林 陽子 山崎 一夫
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.59-65, 2006-08-07
被引用文献数
1

京都府南部を流れる木津川の中流域には多数の砂州が形成され,多様な地表性昆虫が生息している.砂州を構成する基質はシルト,砂,礫など多様であり,各微地形に応じて生息している地表性昆虫も異なっていると推測される.本研究は,砂州内の様々な微環境(水際,礫地,砂地,堤防斜面の草地)に生息している地表性昆虫に焦点をあて,微環境間で構成種がどのように違うかを調べたものである.2000年5月から11月にかけ,月に1度の割でピットフォール・トラップを各環境ごとに10本埋め,1日後に回収した.トラップあたり平均捕獲数(183.6個体)の約7割はトビムシ目が占めた.これを除いて環境間で比較すると,草地ではアリ類が最も多くを占め,他の環境ではコウチュウ目が半数を占めていた.捕獲数の多かったコウチュウ目について分析したところ,属レベルで見たとき,最も多様な環境は「草地」であり,続いて水際>礫地>砂地となった.水際ではハネカクシ類が,その他の環境ではオサムシ科が多数を占めていた.
著者
新垣 吉也 宮本 剛 山崎 一郎 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.50, pp.7-12, 2001-07-30
被引用文献数
2

東京タワーのデータ等を用いて、風で送信アンテナが揺れることにより発生する受信信号のドップラーシフトの概算を行なった。OFDM復調器を用いた室内実験を行ない、受信周波数変動時のSFN受信信号の品質劣化を調査した。さらに、屋外SFN送受信実験を行なった。このとき、アンテナ振動装置によって送信アンテナの一つを振動させ、その影響について調査した。