著者
徳永 良邦 山崎 一正
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.699-704, 1995-06-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
28
被引用文献数
2 1
著者
山崎 一夫 高倉 耕一 今井 長兵衛
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.173-175, 2010-07-30 (Released:2017-08-10)
参考文献数
14

オオタバコガの幼虫が大阪市の家屋内でパンを摂食しているところを見出された.この幼虫は偶然に人家,食料品店,あるいはパン製造所のいずれかに侵入し,パンを見つけて摂食にいたったものと考えられる.この幼虫はそのままパンを食餌にして飼育したが,蛹化せずに死亡した.本報告は大蛾類が加工穀物食品を加害した稀な報告例であり,本種のパン食の記録としては2例目である.本種は葉以外に花や果実などを好んで摂食する習性があり,鱗翅目幼虫を捕食することも知られている.本種において稀にパン食が見出されるのは,多食性とタンパク質を多く含む食物を選好する習性が原因なのかもしれない.
著者
山崎 一穂
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.1027-1032, 2021-03-25 (Released:2021-09-06)
参考文献数
4

Avadānakalpalatā (Av-klp)はカシミールの詩人Kṣemendra (西暦990–1066年頃)によって書かれた108章からなる仏教説話集成である.同作品の第31章第32詩節には「心」(manas)を「恩知らずな者」(akṛtajñaḥ)に喩える〈直喩〉(upamā)の用例が見られる.古典詩論家達は〈直喩〉が成立する条件の一つに喩えるものと喩えられるものの文法上の性と数,格の一致を挙げる.問題の〈直喩〉ではそれぞれ,喩えるものと喩えられるものである「心」と「恩知らずな者」という語が文法上の性を異にする.本論文はKṣemendraがなぜ詩論家達の規定に抵触する〈直喩〉をここで用いたのかという問題の解明を試みるものである.喩えるものと喩えられるものの文法上の一致が成立しない〈直喩〉の用例は劇作家Bhavabhūti (西暦8世紀)の戯曲作品Mālatīmādhava第9幕第10詩節に見られる.註釈者Jagaddhara (西暦13–14世紀頃)は,問題の詩節では〈情〉(rasa)が示唆されているので,〈直喩〉の文法上の不一致が許されると説明する.このことから,西暦8世紀頃には,詩論家達の規定の枠内で〈直喩〉を組み立てることよりも,〈情〉を示唆することを重要視する文学的慣習が戯曲詩人達の間に存在したことが推定される.演劇論家Dhanaṃjaya (西暦10世紀後半)は,Bharataの演劇論を体系化し,演劇論書Daśarūpaを著している.同書の第4章では八種類の〈情〉が定義されている.Av-klp第31章第32詩節に先行する第27詩節と第28詩節にはそれぞれ,abhilāṣa「欲求」,vīṇā「ヴィーナー〔の音〕」という語が見られる.Dhanaṃjayaによれば,前者は運命やその他の理由で一緒になることができない男女に生じる〈恋〉(śṛṅgāra)の〈情〉が成熟していく最初の段階を,後者は〈恋〉の〈喚起条件〉を言葉で表現するのに用いられる語とされる.このことはAv-klp第31章第32詩節で〈恋〉の〈情〉が示唆されていることを意味する.以上の点を考慮すると,Av-klp第31章第32詩節に見られる〈直喩〉の喩えるものと喩えられるものの文法上の不一致は,Kṣemendraが詩論家の規則を満たすことができなかったことを意味するものではなく,彼が〈情〉を示唆することを,詩論家の規則に従って〈直喩〉を組み立てることよりも重視したことによる結果であると解釈できる.
著者
山崎 一彦
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.89-95, 2017-03-30 (Released:2019-09-02)
参考文献数
9
著者
高谷 哲夫 安心院 純子 長谷川 純 山崎 一
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.516-518, 2003-10-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
11

星状神経節ブロック (SGB) は網膜の血流を増やし, 視神経炎の治療に有効とされている. SGBで, 視神経炎後の視覚障害が著明に改善した症例を経験した. 症例は60歳の女性で, 左眼の視力低下と両眼の乳頭浮腫, および右眼のマリオット盲点の拡大, 左眼の中心暗点とマリオット盲点の拡大を認め, 両眼の視神経炎と診断された. ステロイド治療によって視力はかなり改善したが, 左眼の色覚異常や変視症などの視覚異常が残った. 視神経炎罹患1年6カ月後, 両手のレイノー現象のために当科外来で左SGBを開始した. 7回目のSGBを行った頃より左眼の変視症と色覚異常の改善を徐々に自覚するようになった. 約半年間の計23回のブロック後には, 色覚異常と変視症は著明に改善し, 視力もさらに改善して軽度の小視症を残すのみとなった. 陳旧性の視神経炎でも積極的にSGBを試みる価値があると考える.
著者
大塚 雄一郎 久満 美奈子 根本 俊光 松山 浩之 堀内 菜都子 福本 一郎 山崎 一樹 米倉 修二 花澤 豊行
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.903-909, 2021-06-20 (Released:2021-07-01)
参考文献数
14

鼻口蓋管嚢胞は鼻口蓋管の胎生期の遺残上皮から発生する. 近年では低侵襲な内視鏡下の開窓術の報告が増えているが, 鼻口蓋神経や上歯槽神経を損傷するリスクがある. 開窓術による鼻口蓋神経の損傷が疑われた1例を経験した. 症例は55歳女性, 硬口蓋前方が膨隆し鼻中隔が前下方で左右に膨隆していた. CT・MRI で鼻腔内に進展する鼻口蓋管嚢胞を認めた. 全身麻酔下に鼻中隔粘膜を切開し嚢胞壁を切除して鼻口蓋管嚢胞を両側鼻腔内に開窓した. 術後に嚢胞は消失したが, 両側上顎の第1, 2, 3歯の違和感を訴え, 術後3年後も両側上顎第1歯の歯肉部の違和感がある. 開窓時の鼻口蓋神経の損傷が原因と考えた.
著者
河上 康子 山崎 一夫 大橋 和典 中浜 直之
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ダンダラテントウは赤道地方から中緯度地域に広く分布し,1910年-1990年にかけて,気候の温暖化に伴い九州地方から関東・北陸地方へ分布を拡大した.本種は鞘翅の斑紋型に黒色から赤色の多型があり,分布北限に近い高緯度ほど黒い型が多く,低緯度ほど赤い型が多いクラインを示す.本研究では本種の21地域232個体のミトコンドリアCOI領域620bpを解読し,分布北限地域では遺伝的多様度がやや減少していること,遺伝的集団構造は2つの系統があることを解明した.ふたつの系統のうち片方は古くから分布している琉球以南で割合が高く,もう片方の系統は分布北上後の本州での割合が高かった.
著者
山崎 一生 飯島 泰蔵
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, 1971-03-15
著者
山崎 一 吉村 哲彦 神崎 康一
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.143-149, 1996-05-16 (Released:2008-05-16)
参考文献数
15

長伐期優良材生産を指向した間伐木選定に関して,ファジィ推論を用いた簡単な規則による選木モデルを構築し,一熟練者の経験的判断の再現を試みた。モデルの入力値は,幹,樹勢および配置に関する計測情報であり,林木の残伐判定が出力である。面積0.05haのプロット内の林木に対して推論を適用した結果,判別率で全木86%,間伐木63%の精度が得られた。これは同一要因を説明変数とする判別分析の精度をやや上回った。また,システム調整の点においてもファジィ推論の利便性が認められた。本研究により,林業における経験的判断に対するファジィ推論の有効性が明らかになった。さらに,優良材生産を指向した選木では,林木配置および隣接木との相対的な形質比較が重要であることが確認された。
著者
山中 亮 松林 武生 佐伯 徹郎 榎本 靖士 山崎 一彦 杉田 正明
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.307-313, 2016-06-01 (Released:2016-05-14)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to examine the relationships between running performance and the cross–sectional area of the psoas major, peak oxygen uptake, and running economy in male junior long–distance runners. The subjects were 37 male junior athletes who achieved good records in interscholastic athletic competition during 5 years (2011–2015). Their seasonal best times in a 5,000 m race (5,000m–SB) were 14:04.11 ± 0:07.25 (13:53.64–14:16.15). In a multiple regression analysis, 5,000m–SB was statistical significantly correlated with the cross–sectional area of psoas major (16.0 ± 1.7 cm2) measured on magnetic resonance imaging and peak oxygen uptake (4.25 ± 0.36 l min-1 [76.9 ± 5.8 ml min-1 kg-1]) during a lactate curve test comprising five stages. However, 5,000m–SB was not related to oxygen uptake at the work–load which was less than the load at the lactate threshold estimated by using the lactate curve test results. These results suggest that a high volume of the psoas major, the largest hip–flexor muscle, and peak oxygen uptake are among the important factors for junior long–distance runner performance.