著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所
雑誌
山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所報告 (ISSN:0386636X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-14, 2012-03

山形大学附属博物館後藤文庫が持つ、近世村山地方の郷土本『老の寐言』を国語学的に検討した。文章語体を旨として書かれながらも、聞き手を意識した箇所での断定辞ジャの使用、あるいは助辞ニの脱落や助辞イの使用が観察され、音韻面でも促音や撥音の使用といった口頭語性が諸処に発現している。さらに連接母音こと ai・oi におけるイからエヘの交替、チからツへの交替、カタ行有声化などの方言的事象も色濃く観察され、さらに同系統の江口本では、音韻現象において後藤本とは異なる現れ方をしていることが判った。 キーワード:近世村山地方郷土本, 口頭語性, 音韻表記, 村山方言資料
著者
山本 健太郎
出版者
中国社会文化学会
雑誌
中国 : 社会と文化 (ISSN:09129308)
巻号頁・発行日
no.32, pp.117-137, 2017-07
著者
山本 子朗 吉富 和彦
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.826-834, 1970-08-20 (Released:2009-10-20)
参考文献数
67
著者
山本 晴彦 岩谷 潔
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.73-81, 2006-01-31
参考文献数
27
被引用文献数
4

2004年台風15号は, 9月19日には九州の西海上を通過し, 夜半から翌朝にかけて強い勢力を維持しながら日本海を北東に進み, 青森県の津軽半島に上陸した後, 根室の南東海上で温帯低気圧に変わった.台風の通過時に伴い相川(佐渡市), 酒田, 秋田でそれぞれ38.3m/s, 39.6m/s, 41.1m/sの最大瞬間風速を観測し, 台風通過時には著しい少雨傾向にあった.このため, 海塩粒子が海からの強風により飛散して稲体に付着し, 通過時の少雨により塩分が洗い流されずに強風により出来た傷から侵入して細胞を脱水させる潮風害が東北・北陸地方の日本海沿岸で発生した.海岸からの距離と1穂当たりの塩分付着量(mg/穂)の関係には高い負の相関関係が認められ, 海岸付近では2.7〜3.2mgの塩分が1穂に付着し, 海岸から離れるにつれて付着量は減少し, 約1kmでは2〜2.5mg, 10kmでは0.5mg前後まで激減した.台風15号による農業被害は, 秋田県, 山形県, 新潟県(台風16号・18号を含む)でそれぞれ180億円, 102億円, 72億円で, その中でも水稲の被害額が3/4を占めた.水稲収量の平年比は, 秋田県象潟町での9.0%をはじめ, 県南部沿岸の本荘由利地域, 新潟県の佐渡市で大きく低下した.また, 潮風害の影響が顕著であった新潟県の佐渡地域では規格外が19.8%, 秋田県本荘地域でも11.1%に達し, 品質の低下が顕著に現れた.
著者
山本(前田) 万里
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.53-60, 2006 (Released:2006-06-29)
参考文献数
24
被引用文献数
1

茶に含まれている主要カテキン,エピガロカテキンガレートの 2 倍強の抗アレルギー活性を持つメチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)を「べにふうき」(1993 年野菜茶業研究所枕崎育成)などの特有の茶品種に見いだした.「べにふうき」茶葉中のメチル化カテキンは,発酵(紅茶製造)で消失し,下位葉に多く含まれ,本州では 2 番茶,3 番茶で含量が高まることを明らかにした.「べにふうき」は,輪斑病,炭疽病に抵抗性があり,樹勢が強く非常に多収な香りの良い品種である.メチル化カテキンの作用機作は,初期アレルギーで重要なマスト細胞内の情報伝達系抑制(チロシンキナーゼ活性化抑制,高親和性 IgE 受容体発現抑制,ミオシン軽鎖リン酸化抑制)による脱顆粒抑制であり,「べにふうき」緑茶は,ヒトボランティア試験でスギ花粉症,通年性アレルギーの症状を軽減した.それを受け,食品メーカーと共同で「べにふうき」緑茶容器詰め飲料及び菓子を開発した.
著者
岩崎 武輝 奥村 次郎 山本 嘉昭 松井 薫 水口 善夫 宇野 正敏
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.531-538, 2011 (Released:2012-03-27)
参考文献数
16

目的:今までの子宮頸部細胞診のいわゆる日母分類からベセスダ新分類の移行に伴い,成績判定及び事後指導に関する日本人間ドック学会のガイドラインを再考する必要が出てきた.武田病院グループ健診施設の婦人科部門の子宮頸がん検診において,ベセスダ新分類を導入した判定基準を作成し,それを基に今後事後指導を実施したいと考える.方法:武田病院グループ5健診施設のうち,同一検査所に依頼している4施設の,2010年2月初めから6月末までの子宮頸がん検診受診者4,948人について,受診者年齢・ベセスダ分類・日母Class分類を行った.新分類に基づいて,健診施設としての判定及び診断をつけ,それに対応した事後指導表を新たに作成した.結果:武田病院グループの4健診施設における最近5ヵ月間の子宮頸がん検診受診者数は4,948人であった.ベセスダシステム2001分類では,異常なしを示すNILMは4,853人であった.従来の日母Class分類では,異常なしを示すClass I,IIは4,914人であった.異常なしに関して,単純に計算すると新分類(ベセスダ分類)では従来分類(日母分類)に比べて61人の減少,総受診者数の1.23ポイント減となった.主な原因は,採取方法による細胞数の不足によるものと考えられた.新分類では,NILMは異常なしの結果報告でよく,それ以外の診断のついた受診者はすべて受診勧奨となり,要精密検査の紹介状を必要とする事後指導が必要であった.新分類の結果に対する受診者への平易な説明文が重要と思われた.結論:NILM以外に判定された区分は,すべてD判定となり,事後指導が必要である.今後,現在学会で分類されているA,B,C,D,Eと子宮頸部細胞診結果の対応を,新しくベセスダ分類に対応した判定区分の新ガイドラインを学会としても設定すべきと考えられた.
著者
中村 賢二 山本 和久
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.729-731, 1977
被引用文献数
2

The patient was a 21-year-old man who acquired unilateral deafness while he was exposed to extremely loud sound of discotheque for about 4 hours.<br> His hearing type was of a dish, with a mean hearing loss of slightly over 50 dB in the middle frequencies. He was positive for recruitment phenomenon. No abnormal temporary threshold tone decay could be observed. He received treatment for approximately 2 months with slight improvement in hearing. Only 10 dB was elevated in frequencies of 500 Hz or below during treatment.<br> He had no subjective symptoms such as vertigo, dizziness and giddiness, nor any abnormal findings in equilibrium tests.<br> He was diagnosed as noise-induced sudden deafness caused by the sound of discotheque.
著者
福永 寛 櫻木 悟 藤原 敬士 藤田 慎平 山田 大介 鈴木 秀行 宮地 剛 川本 健治 山本 和彦 堀崎 孝松 田中屋 真智子 片山 祐介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.S2_154-S2_158, 2011

Kounis症候群とはアレルギー反応に伴い急性冠症候群をきたす症候群であり, 冠攣縮に合併したタイプ1とプラーク破裂に伴う血栓形成に起因するタイプ2に分類される. 今回, われわれはKounis症候群により心肺停止をきたした2症例を経験したので報告する.<BR>症例1: 76歳, 男性. 腰部脊中柱管狭窄症の術中にセフォペラゾンを投与したところ, アナフィラキシーショックを発症した. 下壁誘導にてST上昇を認めたため急性冠症候群と診断, 緊急冠動脈造影にて右冠動脈#1に血栓および#4AVに完全閉塞を認めた. 血栓吸引療法のみで再疎通が得られた.<BR>症例2: 61歳, 男性. 起床時より四肢・体幹に蕁麻疹を認め, その後, 心肺停止となり, 当院へ搬送された. 心肺蘇生術にて心拍再開したが, その後, 心室頻拍が頻発, 急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 冠動脈に有意狭窄は認めなかったが, 心電図上胸部誘導で一時的にST上昇を認めたため, 左前下行枝の冠攣縮と診断した.
著者
山本 光昭
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.110-112, 1997

新たな災害医療体制の方向性の要点は, 「初動の遅れの解消」, 「地域単位の対応の強化」, 「住民主体の活動の支援」, 「日常からの訓練・備え」であり, その観点から, 災害拠点病院の整備, 広域災害・救急医療情報システムの整備, 災害医療に係る保健所機能の強化, 搬送機関との連携などが必要である。災害時における初期救急医療体制の充実強化には, 住民をはじめ, 医療関係者, 救急関係者の支援, 協力を得ることが重要であり, 積極的に推進されることが期待される。