著者
菅沼 美由起 山村 知生 星野 祐子 山田 光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.8-20, 2017 (Released:2019-11-03)
参考文献数
18

口唇動作認識とは,音声認識と顔認識を組み合わせたマルチモーダル認識であり,発話認識技術の1つとして研究されている。我々はこの技術に着目し,顔認識ソフトを用いた発話トレーニングシステムを本研究室で開発した。今回我々は,本研究室で開発したシステムを用いて英語発話トレーニングを行った。それに伴い本校英語教員の発話データを取得し,データベースの作成も行った。このトレーニングでは英語教員の口唇動作と発話学習者の口唇動作を比較して発話トレーニングを行うことで,プレゼンテーションや面接時の発話改善,外国語の発話能力改善に役立てることを目的としている。発話の改善を示す評価結果は発話学習者に学習へのインセンティブとなる。本稿では発話動作を時系列に並べた口唇動作履歴による主観的な評価に加え,音声を可視化することのできるIPA チャートを用いた客観的な評価法の検討を行った結果を示す。
著者
渡辺 豊子 喜代吉 夏子 山田 光江
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.293-300, 1992
被引用文献数
2

生地の製法・材料の配合・生地の分量の異なるケーキを150~200℃(10℃間隔)で焙焼し、その温度履歴を焙焼温度別、製法・分量別に検討した。さらに焙焼中の膨化過程をみることにより製品の形状に与えた影響についても検討した。その結果1.中心温、周囲温とも焙焼温度が高いほど温度上昇は早く、短い時間で安定(1分間に1℃以上温度が上昇しなくなる)した。2.中心温、周囲温とも温度勾配はスポンジ120g>スポンジ190g>パウンド190g>となり、スポンジ同士では生地分量が多いほど生地温の上昇が遅れたが、容量190g同士のスポンジとパウンドでは泡が少なく油脂量が多いパウンドの方が生地温の上昇が遅れ、両者の製法の違いが大きく影響しているものと思えた。3.周囲温安定までを第1期、中心温安定までを第2期、焙焼終了までを第3期とすることによって、製法別に各期の特徴を明らかにすることができた。4.スポンジは第1期にほぼ膨れ終わり(最終ケーキ高さの93~103%)、第2期でも僅かに膨らむが第3期では焼き縮みがみられ、平らなケーキに焼き上がった。5.パウンドは第1期における膨らみは最終ケーキ高さの77~84%であり、第2期においても膨らみ続け山型のケーキとなった。また第2期における膨らみが大きな変化である場合には上面に割れ目が生じ、焙焼温度が高いほど山型は顕著になった。6.今回の条件では、スポンジは160℃付近、パウンドは180℃付近が色と膨れ具合からみて適切な焙焼温度であると判断し得た。
著者
斎藤 顕宜 山田 光彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.691-695, 2017 (Released:2017-07-01)
参考文献数
17

モノアミン再取込み部位をターゲットとした抗うつ薬の開発は諸外国においても既に終了しており、欧米では多重作用メカニズム型の薬剤が複数承認されている。一方、最近では、グルタミン酸神経やオピオイド受容体に作用する候補化合物が注目を集めている。なかでも、産学連携プロジェクトとして我が国で開発が進められているオピオイドδ受容体作動薬が、全く新しい作用機序をもつ画期的な抗うつ薬となるものと強く期待している。
著者
山田 光彦 斎藤 顕宜 古家 宏樹 山田 美佐
出版者
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

これまでに我々は、グルタミン酸神経伝達を抑制するリルゾールがラットの恐怖記憶の消去学習を促進することを報告した。本研究では、リルゾールの恐怖記憶の再固定化への影響を再曝露時間を区別した文脈的恐怖条件付け試験により検討した。その結果リルゾールは、消去学習促進作用と再固定化阻害作用を併せ持つことが明らかとなった。また、リルゾールの再固定化阻害作用には、背側海馬が関与することが明らかとなった。
著者
山田 光胤
出版者
たにぐち書店
雑誌
漢方療法
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.262-264, 2000-07
被引用文献数
1
著者
新保 正樹 越智 光一 山田 光夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.57-63, 1980-01-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
3 8

ビスフェノール型エポキシ樹脂を促進剤の三級アミンまたはオクチル酸スズの存在する系と存在しない系とで脂肪族α, ω-ジカルボン酸を用いて硬化した. これらの系の硬化促進機構が引張Masaki SHIMBO強さや引張せん断強さ, 官能基の濃度およびゲル量の変化に基づいて検討された. その結果促進剤を添加した系では, 硬化物のエポキシ基反応率, 引張強さおよび引張せん断強さは促進剤を添加せぬ系とほぼ同じ値を示すが, 三級アミンまたはオクチル酸スズの添加によってその硬化時間は短縮された. また, これらの硬化物のけん化および反応率の変化から, 三級アミンによる促進系では硬化物のエステル結合の形成が選択的に促進されエーテル結合の抑制されることが示された.
著者
大友 隆秀 望月 信哉 石井 英里子 星野 祐子 山田 光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.36-42, 2020 (Released:2020-03-20)
参考文献数
23

コンシューマー向けの低価格な非接触型の視線入力装置が販売されるなど視線インタフェースには大きな注目が集まっている。我々はこの非接触型の装置を使用した新しいユーザインタラクションシステムの開発を試みた。提案するインタラクションシステムは注視点と注視時間に基づいて、ウェブページからユーザが関心を持つと推定される単語を自動的に抽出し、画面に関連情報を自動で呈示する。本稿では、興味情報の抽出を行うインタラクションシステムの基礎的な検討として、提案するシステムの仕組みと検証を行った結果を示す。
著者
山田 光男 村田 千賀子 安岡 優
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1-2, pp.80-95, 2010-06-30 (Released:2015-03-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1

鈴鹿 F1 日本グランプリには全国から多くの観戦者が集まり,その間交通アクセスや宿泊・飲食・土産など様々な支出を通じて地域経済に直接間接の影響をもたらしてい る.その影響は単に開催市にとどまらず広域にまたがると期待されるものの,これまでその経済効果の詳細な評価・分析が行われてこなかった.ここでは,F1 観戦客や大会主催者,チーム関係者,F1 ビジネス関係者,地元事業者,宿泊事業者等にアンケートやヒアリングによる実態調査を行い,その結果をもとに,東海3県およびその他都道府県の4地域間産業連関表を用いて2006年F1日本グランプリの経済効果を算出した.さらに,県表から市町村の経済効果を計測する簡便法を用いて鈴鹿市および三重県内周辺市町への経済効果の試算をした.
著者
山田 光江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.162-168, 1961-06-15 (Released:2010-03-09)

1. 「家庭生活の在る処家事労働あり」の立場で、大阪市内在住の夫・妻・就学子女から成る家庭を対象に家事労働の担当状態を調査した。2 併せて生活概況を調査し、女中のいる家庭といない家庭の生活程度の差を解析した。3. 分類の基準を設定し、95%信頼限界での本対象数の下限を算出して、集計結果を次の項目に分けた。(1-a) 主婦業務のMinimum Esseme(1-b) 女中に委せ得る家事内容(2) 家族の協力を得られる家事内容(3) 外部サービス機関に委託する家事内容(4) 生活条件によってあったりなかったりする家事内容4. 各分類項目毎に、共通の傾向を探り、そこに含まれる諸要素を考察した。5. 各生活部門別にみると、食生活部門は(1-b)、住生活部門は(1-b)と(2)、衣生活部門は(3)、雑部門は(1-a)に数多くのものが分類され、ここに家事労働の質的分類を、担当する側からと、各生活部門の側からと検討した。
著者
工藤 博章 山田 光穗 大西 昇
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.169-175, 2017-01-01 (Released:2017-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

近年,高精細画像を利用する機会がますます増加し,今後もより高精細化した映像の普及が見込まれている.高精細な映像を用いると,単位視角当りの画素数を保つことで,提示領域の拡大が実現でき臨場感が高まるといわれている.一方,単位視角当りの画素数の増加を実現することもでき,これは現実感の向上につながるといわれている.また,眼球運動の測定装置は,研究機器だけとしてでなく,PC やタブレット端末のインタフェース機器として使われるようにもなってきており,身近になっている.ここでは,今後,精細化画像の一層の普及とともに,立体映像についても精細化の進展,また映像の制御技術の発展を想定し,立体映像の知覚に関して行った心理実験での眼球運動の測定例について報告する.立体映像の提示方法において,知覚上重要となる,奥行きの違いで生じる遮蔽(オクルージョン)領域について着目した.
著者
築山 高彦 山田 光治 愛知県西三河児童・障害者相談センター 岡崎女子短期大学幼児教育学科
雑誌
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学 地域協働研究 (ISSN:21892385)
巻号頁・発行日
no.1, pp.19-27, 2015-03-30

児童養護施設等で発生している暴力問題に対して、児童と職員の安心・安全な生活を保障する取り組みとして、安全委 員会方式が一定の効果を上げている。愛知県の児童相談所が施設と協働しながら、平成24年度からその導入に取り組んだ 具体的な状況について整理し、導入のために必要な条件として、①施設長のリーダーシップ、②中核的職員の存在、③理 事会の理解と支援、④児童相談所のバックアップの4点を、具体的に導入を進めて行く上での必要な手続きとして、①内 部委員の決定、②施設内コンセンサスの形成、③児童への周知・説明、④外部委員の選定・依頼・研修の4点を指摘し、 それぞれについて検討を加えた。
著者
築山 高彦 山田 光治 愛知県西三河児童・障害者相談センター 岡崎女子短期大学幼児教育学科
雑誌
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学 地域協働研究 (ISSN:21892385)
巻号頁・発行日
no.1, pp.29-37, 2015-03-30

安全委員会方式を導入している施設の活動の状況と職員へのアンケート調査から、安全委員会方式導入の効果と効果的 で安定的な安全委員会の運営のために必要なことについて検討した。導入の効果としては、個々の児童も職員も意識面や 行動面でよい変化が認められること、組織としての対応が徹底されたこと、関係機関との連携が強化されたこと、職員の 児童処遇への自信や安心感が生まれてきていることが挙げられた。また、効果的で安定的な安全委員会の運営のためには、 「丁寧で継続的な聞き取り調査の実施」、「厳重注意以前の対応の的確な選択」、「厳重注意の適切な実施と日々のアフター フォローの重要性」、「児童・職員への周知の徹底」を指摘した。
著者
吉松 浩 山田 光穗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.1042-1051, 1995-08-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

Miniature eye movement is characterized by it's complex waveform, small amplitude and unconsciousness. Involuntary movement like this may be affected by various psychological and physical states. From a view point of a fractal dimension analysis, the characteristics of miniature eye movements were investigated for estimating our sensitivity of feeling. The correlation dimension was used as a fractal dimension for quantizing complexity of miniature eye movements drift components. Validity of sufficient total calculation data (i. e. 18, 000 points for 12 embedding dimensions using a bandpass filter) were confirmed. And also differences between experimental data and noise of measurement system were simulated using pseudo white noise. And 1/f power spectrum of experimental data was confirmed using Fast Fourier Transform. This suggested that miniature eye movement may be a biological chaos. The applications of this analysis may be not only sensitivity of feeling estimation but also a medical application as a diagnosis of dementia.
著者
山田 光義
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学留学生センター紀要 (ISSN:13406493)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.4-12, 2000-03

Japan is often said the country of dual system or double standards. The Japanese people are criticized that they differentiate between honne (reality) and tatemae (facade or enunciated principle). The situation concerning international students' workpermit in Japan is not the exception. The policy of Japanese government as tatemae is that the Certificate of Eligibility which guarantees international students the entry to Japan as residents is issued only to those students who have either sufficient financial background or who have guarantors supporting them financially. The reality, however, is that almost all international students without Mombusho scholarship apply for the work permit. Since the work permit is automatically granted, they are engaged in broadrange of part-time jobs. Comparing with the policy of the U.S. I argue the inconsistency of the policy of Japanese government concerning international students' work permit.
著者
倉賀野 妙子 北尾 敦子 和田 淑子 山田 光江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.889-893, 1988

クッキーの甘味評価と硬さの関係を材料配合比の点から明確にするため, Scheffé の 3 成分系の単純格子計画法を用いて, 材料配合比の異なるクッキーを調製し, 甘味の官能検査を行い, 材料配合比および既報 で得た定速圧縮破断特性値と対応検討した.<BR>クッキーの甘味評価値とバター, 砂糖, 卵の材料配合比との間に, 小麦粉 40, 45, 50 % 水準とも 3 次の推定式ならびに推定曲線が得られた. 甘味は砂糖のほかに材料配合比による影響を受ける. 卵の存在は甘味の強さを弱める方向に働くことが示された. 生地の砂糖濃度が同じでも卵を多く加えるとみかけの破断応力が大きくなり, クッキーが硬くなることが原因の一つと考えられる.
著者
吉松 浩 山田 光穗
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.1042-1051, 1995-08-20
参考文献数
34
被引用文献数
9 1

視線は, 一点を注視している場合, 常に微小運動を行い, 不随意眼球運動として固視微動と呼ばれる.不随意運動は, ヒトの身体的・心理的状態を反映する可能性があり, 特に固視微動による視覚的注意や疲労の定量的評価へ, その時に映像のどの部分を注視していたか等の認知レベルの評価と統合し, 視覚情報に基づく感性評価への可能性がある.しかしながら固視微動は, 眼球運動モデルの中で外部雑音として扱われている.本研究では, 固視微動のドリフト成分の両眼間水平方向の相対運動について, フラクタ次元解析を行い, その不規則な実験データの定量的評価が可能であることをデータ点数依存性から示した.さらに, 擬似白色雑音と眼球運動データとの比較, および高速フーリエ変換により, カオスを示唆する1/fスペクトルを得た.固視微動の定量化は, 被験者の心理状態や情動反応の客観的評価の可能性ばかりではなく, 痴呆診断等の医用応用への可能性がある.