著者
山田 光義
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学留学生センター紀要 (ISSN:13406493)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.3-13, 1997-01

Lu Xun (1881~1936), a world renouned Chinese writer, came to Japan in 1902 to study to become a medical doctor. Later, however, he changed his mind and decided to be a writer. Although in Lu Xun's case his change of heart was approved, present interpretations of Japanese immigration law usually does not allow foreign students' changes of heart. This is due to the overriding emphasis on "the continuity of the purpose of study". This paper examines the reason behind Lu Xun's change of heart and proposes that the current policy of Japanese immigration authority be reconsidered to make the birth of another Lu Xun possible in the future.
著者
横山 優樹 高比良 英朗 望月 信哉 山田 光穗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.J298-J305, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2

われわれは電子端末の使いやすさ,見やすさについて,目のピント調節と輻輳眼球運動の追従精度から評価できないか検討を行っている.視標を奥行き方向にリニアに移動させることができる装置と組合せ,眼球の水晶体調節と輻輳眼球運動を同時に測定する実験装置を開発し,表示媒体,フォントサイズ,文字フォントといったパラメータを変化させ,奥行き方向に移動させた際の輻輳眼球運動と調節応答の分析を行った.その結果,調節変化量は奥行き移動量に近いものの,表示媒体,フォントサイズ,文字フォントによって違いがあること,輻輳の変化量は,これらのパラメータに依存する傾向はあまりみられなかった.
著者
山田 光
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.375-381, 1990-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13

A new method of Differential Non-linearity (DNL) error correction for the successive approximation A/D converter (SAADC) is proposed.The SAADC has very short conversion time and is very useful in various fields. But it has the largest DNL in comparison with any other type of ADC.The DNL is the channel width irregularity of ADC, and is the most difficult error to deal with since it cannot be eliminated by adjustment.The most famous research to equalize the channel width of SAADC is the Gatti's “Sliding Scale Method” proposed 28 years before approximately.This new method of DNL error correction is based upon the peculiar feature of the SAADC.First, the generation mechanism of DNL error is analyzed.Second, a new method of DNL error correction is proposed.Finally, the feasibility of this newly proposed method is confirmed through the computer simulations.
著者
今井 博之 野村 琢家 魚森 謙也 山田 光穂 吉田 辰夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.25-32, 1993-01-22

前後に配置した実視標、およびHDTV偏光二眼式立体ディスプレイにより同位置に呈示された仮想視標を被験者に交互に注視させ、その時の奥行き方向も含めた3次元注視点を測定した結果、両者の奥行き方向の動きに関して違いが見られた。次に3Dおよび2Dの自然動画像を呈示し、被験者が特定の被写体を追跡した際の3次元注視点を測定した。その結果、注視点の奥行き方向の動きに関して、被写体と異なった動きが認められた。また3D、2Dの両者においても違いが見られた。
著者
山田 光胤
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.201-213, 1999-09-20
参考文献数
21
被引用文献数
1

Japan has created a unique culture, based on the influence and acceptance of Chinese culture since long years ago. This can also be said of medicine. Traditional medicine of Japan, is called "Kampo" medicine, which had been rearanged form Chinese medicine years ago suitable for the topography, climate, and race of the Japanese islands. The rearrangement of Chinese medicine to Japanese medicine started at the latter half of the 16th century. This took place during the Ming era when medical treatment was that of the Chin-Yuan era. In Japan, Li-Chu medicine was accepted among schools in medicine, and resulted in establishing the socalled Gosei-Ho school later. During the 18th century, there arose a movement to search for the origin of its medicine and to follow the original medical treatment. They finally attained the "Chang Han Lun" ("Shokan-Ron" in Japanese), established in the Heu-Han era in China. Many doctors read and studied that textbook and wrote their interpretation in their own books at that time. The medical treatment based on "Shokan-Ron" is called Ko-Ho school. Also the name Kampo, taraditinal Japanese medicine, may be implicated by the original medical treatment of the Han (Kam in Japanese) era. The unique point of Ko-Ho school in medical treatment of Japanese kampo medicine may be the restoration of the old medical textbook "Shokan-Ron" to apply for clinical practice. The following books have left great influence up to the present time, "Ruiju-ho" written by Tohdo Yoshimasu, "Fukusho-Kiran" (1800) and "Fukusho-Kiran yoku" (1809-1853) which contain the method for abdominal examination by palpitation socalled Fukushin, written by Bunrei Inada and Shukuko Wakuda, respectively. On the contrary, Ko-Ho school established a therapeutic method based on the readjustment of disorders mentioned in "Shokan-Ron" (Shokan namely febrile acute illness), followed by the concepts of Hyo-Ri, Kan-Netsu, and Kyo-Jitsu. Also, the school recalled Fukushin (abdominal sho), the sign of the abdominal wall, written in "Shokan-Ron" following the objective restoration. Based on its original Fukusho, other Fukushos were found and extended its original Fukusho, other Fukushos were found and extended its category to apply for other diseases. This has been handed down to the present era. My presentation on this theme, review of Japanese traditional medicine: Kampo, will be given more concretely.
著者
新川 達矢 岩楯 麻由 松山 恵理 山田 光穗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IMQ, イメージ・メディア・クオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.40, pp.19-22, 2012-05-11
被引用文献数
1

書籍の電子化が急速に始まっている。それにも関わらず、今のところ、それほど普及しているとは言えない。電子書籍はスワイプ、フリック、スクロールなど多彩な指の動きを駆使して読書することができる。人が電子書籍に対して抱いている要望や課題をアンケートで調査するとともに、電子書籍を眼球運動や頭部運動、手、指の動きを巧みに使ってどのように読んでいるのかについて調査した.
著者
斉藤 豊 斉藤 奨 大森 康正 山田 光太郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-16, 1964
被引用文献数
2 7

カメムシ類は果樹を食害する農業害虫として重要視されていることは衆知の事実であるが, 近年それによる直接的人体被害も若干しられている.素木(1958)はクロカメムシの臭液腺分泌物が人の眼に入ると結膜炎視力障害等をおこし, 直接皮膚に付着するとその部に水胞を形成する皮膚炎が生じ, 特に乳児はその感受性大なることを紹介している.東北地方の山地では毎年の秋(9月下旬〜10月中旬頃)クサギカメムシの成虫が越冬のため大挙人家内に侵入しここで越冬したのち雪も消え温暖となつた若葉の候(5月頃), 一斉に野外へ飛び出ることがわかつている.その間この虫は屋内いたるところのすき間に見出されるばかりでなく, 衣類・寝具類にまで潜入するにいたる.室内の温度が上昇すると彼等は冬眠から覚めて小活動を開始して歩き廻るばかりでなく, 更に何かの刺激に対し容易に反応して臭液腺より分泌された臭液のため室内は特異的な悪臭で充満されるので, 頭痛, 嘔吐, 食欲不振等を訴える人がしばしばあり, 秋の観光客等もこの不快昆虫のため顔をそむけて宿泊せずに引返すことすらある現状であると聞く.ところがたまたま本年初夏新潟県衛生部からこの不快昆虫の撲滅対策について強い要望があつた.そこで我々はこの機会に本県山地特に新潟県営発電所を中心にして, カメムシ類特にクサギカメムシの生態調査, 殺虫試験等について諸観察を行ないうることが出来たので, ここにその諸結果を記述する.
著者
山田 光男
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.136-140, 1998-12-30
被引用文献数
1
著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09135713)
巻号頁・発行日
vol.J69-D, no.9, pp.1335-1342, 1986-09-25

視線の動きから画像を分折する試みを行っている.そのためには,視線の動きを視対象から情報を受容するための成分と,視対象を移動するための成分に分離する必要がある.前者を注視点と呼び,その注視点をここでは,眼球運動の随従運動の性質から定義した.すなわち眼球運動速度の5度/秒をしきい速度として注視点を分離するというものであり,その結果,視線の動きを注視点と注視点間の移動成分に明確に分離することが可能となった.また,この注視点の定義を組み込んだ注視点情報分析装置(Vision Analyser)を開発し,視線の動きをリアルタイムで総合的に分析することが可能となった.更に,このVision Analyserを用いた分析例としてVDT画像と一般動画像の見方の違いおよび芸術方面への応用例として写楽の浮世絵の分析の参考資料となった実験結果についても併せて述べ,注視点の定義が妥当であることを示す.
著者
高橋 均 豊島 靖子 山田 光則 小野寺 理
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

臨床的、病理組織学的にこれまで報告のない小脳変性症の3家系、3剖検例について臨床症状、および病理組織学的所見を検討した結果、それぞれが独自の臨床症状を呈し、中枢神経系の障害部位が明らかに異なり、1C2免疫染色によって陽性となる多数の核内封入体もまた、それぞれ特徴ある分布で存在していることを確認した。そのうち、1家系1剖検例でSCA17のホモ接合体であることが判明した。SCA17ホモ接合体の報告はこれまで全くなく、臨床病理学的所見と併せ、報告した。当研究所ではすでに、胎児脳cDNAライブラリーより単離された300個以上の新規クローンに基づく、増大CAG繰り返し配列を持つcDNAシークエンスとプライマーセットを開発しており、これを用いた未解明神経変性疾患の大規模スクリーニングシステムが確立している。未知の2家系についてはこれらのヒト脳で発現している増大ポリグルタミン鎖について増大の有無を確認したが、その異常伸長を認めたものはない。さらに未知の2家系中の1家系では通常のウエスタンブロッティング法により、1C2により染色される蛋白の存在を確認していたが、同サンプルの2次元電気泳動と2次元のウェスタンブロッティングを行うことで、原因蛋白(ポリグルタミンを有する)と考えられるスポットを複数同定するに至った。同定したいくつかのスポットを単離し、MALDI-TOF MS(当研究所備品)を用いてポリグルタミン鎖を持つペプチドの周辺アミノ酸配列を決定した。単離したスポットには短いポリグルタミン鎖を有する蛋白が含まれていた。
著者
宮岡 礼子 大仁田 義裕 小谷 元子 山田 光太郎 岩崎 克則 梶原 健司 中屋敷 厚 長友 康行 佐々木 武 岩崎 克則 大津 幸男 梶原 健司 長友 康行 中屋敷 厚 山田 光太郎 二木 昭人 マーティン ゲスト ウェイン ラスマン 庄田 敏宏 入谷 寛 石川 剛郎 梅原 雅顕 川久保 哲 田丸 博士 藤岡 敦 松浦 望 西納 武男
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

等径超曲面の分類問題の大部分を解決し,運動量写像で表現することにより,可積分系理論との関連性を根拠づけた.特異点をもつ曲面の基礎理論を進展させ,種々の局所・大域理論を明らかにし,ルジャンドル写像を用いた新しい視点を開発した.リーマン・ヒルベルト対応を介してパンルヴェ方程式の力学系を研究し,カオス性の観点を開拓した.高種数Gromov-Witten理論のモジュラー性,ミラー対称性を論じ,また量子コホモロジーから得られる正則微分をポテンシャルにもつ曲面の構成を通じて,tt*幾何に貢献した.
著者
木村 弘信 原岡 喜重 河野 實彦 八牧 宏美 高野 恭一 岩崎 克則 古島 幹雄 山田 光太郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1)一般超幾何関数およびOkubo方程式の研究,2)Painleve方程式をはじめとする非線形可積分系の研究が本課題の目的である.GL(N,C)の正則元の中心化群の共役類はNの分割によって決まるが,一般超幾何関数は,このようにして得られる極大可換部分群の普遍被覆群の指標をラドン変換して得られるGrassmann多様体Gr(n,N)上の関数である.この積分表示の被積分関数から定義される代数的なde Rham cohomology群を具体的決定を行った.この問題はn=2の場合には一般的に,またn>2のときにNの分割が(1,...,1)や(N)の場合にすでに解決していたがそれ以外の場合には未解決であった.今回,分割が(q,1,...,1)の場合にcohomology群のpurity, top cohomology群の次元,具体的な基底の構成を与えた.この結果は関数を特徴付けるGauss Manin系を決定するときに重要である.また,分割が(N)の場合,すなわちgeneralized Airy関数の場合にde Rham cohomologyに対する交点理論を整備し,その交点数をskew Schur関数を用いて明示的に決定する研究を行った.このときに,特異点理論におけるflat basisの類似物が重要な役割を果たすことが示された.アクセサリパラメータを持たない方程式については,Okubo方程式についての結果を用いることによって,解の積分表示を持つことが示された.この積分表示はGKZ超幾何関数の積分表示の特別な場合になっており,その枠組みでの明確な位置づけと不確定特異点をもつ方程式を含む総合的な理解はこれからの課題である.Painleve方程式については,解全体をパラメトライズする解析的な空間である初期値空間の研究において,この空間にSymplecticな構造がはいること,初期値空間の幾何学的構造がPainleve方程式を本質的に決定してしまうことが示された.さらにPainleve方程式に関する不思議な現象が発見された.Painleve II型方程式は自然数によって番号付けされるひとつの系列の有理関数解を持つことが知られているが,この有理関数解を係数とするgenerating functionを作るとそれはAiry関数の無限大での漸近展開から得られることが分かった.
著者
桑原 恒夫 玉城 幹介 山田 光一 中村 喜宏 満永 豊 小西 納子 天野 和哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.1013-1024, 2000-09-25
被引用文献数
22

我々が提案しているCAIと教師がリアルタイムで協調しながら教育を行う個人進度別教育支援システム(MESIA)では, CAIと教師が行き詰まった生徒に対して様々な方法で支援を行っている.本論文では専門学校におけるMESIAを用いた教育実験において, これらの機能の有効性を生徒の主観評価, 利用率, テストの解答の正解化(誤答から正解への変化)への寄与で評価した結果を述べる.その結果, MESIAに実装した機能のうち, CAIから与えられた小テスト, 正解に近い誤答に対するヒント(以後, ヒントという), 解答の作成指針を与えるヒント(以後, HELP/MOREという), 教師から与えられるメッセージが特に有効であることを示す.また教師によるメッセージは同一テスト中に与えられる一連の支援の後半に利用率が高く, その正解化への寄与率が他の支援と比較して最も高いことと相まって, 行き詰まった生徒に対する切り札的な支援になっていることを示す.ただし正解化に寄与した支援数自体は, CAIによる支援数の合計がこの教師によるメッセージの支援数よりはるかに多く, CAIの支援機能によって教師の稼動が大幅に減少していることを述べる.
著者
山田 光男 木下 宗七
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我が国企業の中国での直接投資・現地生産が、日中経済の産業と貿易にどのような影響があるか、中国地域経済の特徴を考慮しながら、日中韓計量経済モデルや日中産業連関表の枠組みにより分析を行った。機械部門での日本企業の中国への進出は相互貿易を高め、輸出特化度を低下させてきた。日本から中国への生産シフトは、電気機械・一般機械部門の方が自動車部門よりも日本への影響が少ない。また、中国に於ける日系企業の省エネ活動は、他の企業にも普及しなければ中国全体の環境改善にはつながりにくい。
著者
大島 英子 樋上 純子 山口 美代子 殿畑 操子 山本 悦子 石村 哲代 大喜多 祥子 加藤 佐千子 阪上 愛子 佐々木 廣子 中山 伊紗子 福本 タミ子 安田 直子 米田 泰子 渡辺 豊子 山田 光江 堀越 フサエ 木咲 弘
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.338-345, 1999-11-20
被引用文献数
9

本実験では,焼成条件の違いがハンバーグの内部温度に及ぼす影響について検討し,次の結果を得た。 1.ハンバーグ内部の最低温度を示す点は,焼き始めはオーブン皿に接している底面の近くにあるが,生地の焼成とともに,底面から上の方に移動し,約10分経過の後からは厚さのほぼ中心付近にあることが明らかとなった。2. ガスオーブンの庫内温度を180℃,200C,230℃と変えてハンバーグを焼成した場合,焼成温度の違いは75℃到達時間の違いにあらわれるだけでなく,余熱にも影響を及ぼした。焼成温度が230℃の場合では,75℃到達後すぐに取りだしてもなお内部温度上昇が顕著に起こるので,75℃以上1分の条件を満たすことは十分可能であり,焼成時間の短縮も期待できる。 3.焼成開始時のハンバーグ生地品温が0℃,10℃,20℃と異なる場合,75℃到達時間は0℃では22分,10℃と20℃では16分となり,有意差が認められた。このことから,チルドなどの0℃付近の品温のハンバーグは,焼成の時間設定を長めにする必要があるが,焼成後オーブンから取りだしてからの内部温度の推移に差はなかった。 4.電気オーブンとガスオーブンでの焼成を比較すると,庫内を230℃に予熱して焼成した場合,ガスオーブンの方が75℃到達時間は0.9分早く,余熱最高温度も6.5℃高くなり,75℃以上保持時間も5.7分長かった。これらの差はガスと電気の熱量の違いによるものと思われる。 5.70℃まで焼成したハンバーグと,75℃まで焼成したハンバーグとを官能検査したところ,両者の間に有意差は認められず,75℃まで焼成しても焼き過ぎとは判定されなかった。厚生省指導による75℃以上1分間加熱は,ハンバーグの焼き色,香り,触感,味などの点で十分賞味できるものであることが認められた。
著者
本郷 仁志 山田 光穂
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.70, pp.7-12, 1992-10-26
被引用文献数
2

To examine how rapidly, and to what extent, humans obtain sufficient information for searching during fixation, we experimented with visual search by masking the subject's central vision at various onsets and sizes after he had fixated there. The subjects counted circles embedded in distractors. From the results, we learned that, in an area of 4.2 degrees, sufficient visual information could be acquired in 33 ms. The oculomotor control system was not affected by masking. The distribution of the fixation duration varied according to the onset of masking. suggesting that eye movements were quickened by the masking of central vision, and saccades occurred about 130 ms after at the onset of masking.
著者
渡辺 豊子 大喜多 祥子 福本 タミ子 山田 光江
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.308-314, 1997-11-20
被引用文献数
3

ケーキバッターにおいては,製法により生じるバッター比重の相違が焼成中の温度上昇に影響を及ぼすと言われているため,撹拌程度を規制して3種の同一比重バッターを調製した。そしてこれらのバッターの物性を検討すると共に,この物性の影響を受けないモデル加熱法を考案し,バッターの熱伝導を調べ,バッターの熱の伝わりやすさやケーキ形状に及ぼすバターの有無・製法の影響をみた結果,1.撹拌規制によりスポンジとバタースポンジの両バッターは,共に流動性が増した。また同一比重の3種バッターの物性を比較すると,卵起泡のスポンジとバタースポンジはバター起泡のパウンドに比べ,柔らかく流動性があり,バッターの流動性にはバターの有無よりも製法が大きく影響するといえた。2.同一比重バッターの流動を抑えて一方向から加熱したモデル加熱Iの結果,スポンジは温度上昇が速く,バターを含むバタースポンジとパウンドの温度上昇は同程度遅れた。従ってバッターの熱伝導は製法の違いよりもバッター構成成分(バター有無)の影響を大きく受けるといえた。また加熱特性値を求めたモデル加熱IIからも同様の結果を得た。これらのことから成分の違いがバッターの有効熱伝導度に影響を与えることが認められた。3.既報でバタースポンジの温度上昇がパウンドほどには遅れなかった原因は,バタースポンジバッターの比重が小さかったためと考えられ,バッターの熱の伝わりやすさには有効熱伝導度よりも比重の影響が大きく関与すると考えられた。4.ケーキ形状は周囲部が焼き固まる時期に中央部の膨化が進行中か終了しているかで決まり,これにはバッターの熱の伝わりやすさが影響し,この熱の伝わりやすさには比重が大きく関与した。