著者
松村 宏 斎藤 究 石岡 純 上蓑 義朋
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.152-162, 2011 (Released:2011-07-29)
参考文献数
3
被引用文献数
18 18

In Fukushima and neighboring prefectures, the distributions of dose rate and γ-ray count rate of radionuclides from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station were measured on expressways on March 15, 16, 17, and April 8, 2011, using an NaI(Tl) detector and a LaBr3 detector. A radioactive plume that contained 133Xe, 132Te, 132I, 131I, 134Cs, and 136Cs was observed at Koriyama on the afternoon of March 15. The plume arrived in the Nakadori region of Fukushima prefecture, which is surrounded by two mountain ranges, and most of the radioactivity there was deposited by rainfall. Although the distributions of 132Te, 132I, 134Cs, 136Cs, and 137Cs were similar, the distribution of 131I was different from the others. The effective nuclides for the dose rate measurement were 132Te and 132I on March 15-17 and 134Cs and 137Cs on April 8. The initial distribution profile of the dose rate on March 15-17 was retained on April 8 because the deposited radioactive material was not moved from the initial location and there was no additional effective deposition of radioactivity.
著者
森永 頼鷹 河野 仁彦 大下 隆司 高橋 一志 石郷岡 純
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.86, no.臨時増刊1(医学部精神医学講座 石郷岡純教授退任記念特別), pp.E150-E153, 2016-01-31
著者
藤岡 純一
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.45-55, 2012-03

Respect for human rights is one of the cornerstones of Sweden’s migration policy. Human rights apply throughout the world, irrespective of country, culture and association.Sweden has been accepting a large number of immigrants including refugees according to this basic idea. Different measures such as Swedish education, compulsory and upper secondary school, vocational training for adults and employment promotion have been taken for many years. Today about 14% of Swedish population is foreign-born.However, problems arise in educational achievements, employment rates, income they gain etc.This paper describes the status quo and problems of Sweden’s migration policy. New measures against the problems are also mentioned. So far there have been few papers in Japan on Swedish migration policy.Achieving a society which is characterized by mutual respect for differences within the limits set by the fundamental democratic values should be quite important for Japanese society in the future.
著者
藤岡 純一
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 = The journal of the Department of Social Welfare, Kansai University of Social Welfare (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-14, 2014-09-20

本稿は,生活権を基軸にすえて,現代におけるスウェーデンの福祉財政の特徴を究明することにある.スウェーデンは世界で有数の福祉国家として知られ,GDP に占める社会支出が最大の国のひとつである.近年,フランスやデンマークに後塵を拝しているが,依然として高い水準にあり,財政の効率化を進めながらも,社会支出の額は増加し,福祉国家を堅持している. 財政は,基本的人権のうち社会権,すなわち,生存権,教育権,労働権,環境権を,人々の生活権として保障する経済的基盤である.本稿では,福祉財政ないし生活権財政を,財政学,社会福祉学,そして憲法上の規定から位置づけている.そして福祉を人々のwell-being として広く捕らえている. OECD によると,スウェーデンは幸福度(well-being)の高い国で,平等度も世界で最も高い国に属する.財政はそのすべての要因ではないが,重要な要素と位置づけられる.近年,社会的に排除されてきた人々を,コミューン(市)が協同組合やNPO を共同で包摂する取り組みが進められている.現代の財政を研究するとき,生活権を基軸にすえるとともに,社会的包摂の観点も不可欠になっている.
著者
岡 純 上田 国寛
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.100-108, 1979-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
112

Recent studies on chromatin structure have elucidated a subunit structure called nucleosome, which consists of 200 base pairs of DNA, two molecules each of the histones H2A, H2B, H3 and H4, and one molecule of histone H1. The nucleosome core contains 140 base pairs of DNA coiled on the surface of a histone octamer. Nucleosome cores have been crystallized and shown to be flat particles with dimensions of 110×110×57Å.Nucleosomes seem to persist in DNA replication and transcription. Judging from the fact that the DNA coding for active genes is preferentially digested by DNase I, the templateactive chromatin has an altered conformation of nucleosomes. Evidence is accumulating to suggest that the increase in DNase I susceptibility of active genes is attributable to histone acetylation or to interactions with nonhistone proteins. Poly ADP-ribosylation of nuclear proteins is also suggested to play a role in chromatin function.
著者
石郷岡 純 山城 一郎 福山 嘉綱 若田部 博文 三浦 貞則
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.88-95, 1985-04-30

美容外科受診患者に対し,精神科的立場からコンサルテーション活動を行った。この結果,容姿,容貌を気にし始めた年齢は10台から20台の若年に集中しており,対象部位は顔面とくに鼻が多く,約半数が"醜形"に対する関係念慮を抱いていた。これらの特徴は,従来醜貌恐怖症で指摘されていたことだが,美容外科受診患者全体の特徴としてとらえられるものと思われた。また受診患者の男女間の心理的特性は対照的であり,これについて若干の考察を行った。さらに,醜貌恐怖症の診断について検討し,社会適応,対人関係の障害を診断基準の一項目として加えることを提言した。また,リエゾン精神医学の立場から,現在までの美容外科に対するコンサルテーション活動の反省と問題点について指摘した。
著者
杉山 昌広 西岡 純 藤原 正智
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.577-598, 2011-07-31

気候工学(ジオエンジニアリング)は「人為的な気候変動の対策として行う意図的な惑星環境の大規模改変」である.緩和策・適応策の代替にはならないが,温室効果ガス排出削減がなかなか進まない中,地球温暖化が危険な水準に達してしまうリスクを踏まえ,昨今,気候工学は欧米を中心に注目を浴びている.IPCCの第5次評価報告書でもレビューの対象となった.気候工学は,太陽放射管理(SRM)と二酸化炭素除去(CDR)の二つに大別される.SRMは太陽入射光を減らすことで気温を低下させる.CDRは二酸化炭素のシンクを促進するか工学的回収をして地球温暖化の原因を除去する.例えば海洋に鉄を散布し光合成を促進させる手法が提案されている.数ある気候工学で最も注目されているのはSRMの一つである成層圏へのエアロゾル注入である.火山噴火後の気温低下が示すように物理的な裏づけがあるが,降水の地理的パターンを変えるなど副作用も懸念されている.成層圏エアロゾル注入を主な対象とする気候工学モデル相互比較実験GeoMIPも立ち上がった.地球温暖化対策とはいえ,気候を直接改変する考えには,さまざまな社会的な課題がある.気候工学は一国が実施すると地球全体の気候に影響がでるため,何らかの国際枠組を必要とする.短期的には自然環境での実験についてのガイドラインが不可欠であり,国際的な議論がはじまっている.
著者
三原 麻実子 原田 萌香 岡 純 笠岡(坪山) 宜代
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.629-637, 2019-10-15 (Released:2019-11-09)
参考文献数
21

目的 避難所生活での食事状況の改善は喫緊の課題である。避難所における栄養改善のための新たな要因を探索する目的で,弁当等の食事提供方法の有用性について解析した。方法 宮城県による「避難所食事状況・栄養関連ニーズ調査」の結果を2次利用解析した。2011年3月に発生した東日本大震災から約2か月後(216避難所)と約3か月後(49避難所)における弁当の提供有無とエネルギー・栄養素提供量,食品群別提供量等の関係について解析した。また,炊き出し回数との関連性についても解析した。結果 発災約2か月後では弁当の提供有無によってエネルギー・栄養素提供量に有意差がみられたが,発災約3か月後では有意差は認められなかった。発災約2か月後では,弁当の提供が無い避難所に比べ弁当を提供した避難所では,エネルギー,たんぱく質,魚介類,油脂類の提供量が有意に高値を示した。一方,弁当を提供した避難所ではビタミンB1,ビタミンC,いも類,野菜類の提供量が低値を示した。発災約2か月後に炊き出しが有る避難所では,いも類,肉類,野菜類の提供量が有意に高値を示した。結論 発災約2か月後において,避難所での弁当の提供は,エネルギー・たんぱく質や,避難所において不足するといわれている魚介類の提供量も増やす可能性がある一方,ビタミンB1やビタミンCの提供量は低くなる可能性が示唆された。これらの結果から,エネルギーやたんぱく質の提供が求められる発災後の早い段階で弁当を提供することは食事状況改善につながると考えられる。しかしながら,弁当の提供のみでは提供できる栄養素に限界があるため,炊き出し等を柔軟に組み合わせて食事提供をすることが望ましい。
著者
原田 萌香 瀧沢 あす香 岡 純 笠岡(坪山) 宜代
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.547-555, 2017 (Released:2017-10-07)
参考文献数
21

目的 避難所の食事を改善する新たな要因を探索する目的で,東日本大震災の避難所における食事提供体制(炊き出し回数,炊き出し献立作成者等)が食事内容を改善するか否かを検討した。方法 宮城県内の避難所386か所を対象とした,「避難所食事状況・栄養関連ニーズ調査(調査主体:宮城県保健福祉部)」の結果を二次利用し,被災から約1か月後の2011年4月時点での食事内容や炊き出し回数,献立作成者等について解析を行った。結果 1日の食事提供回数が0回または1回だった避難所はなかった。食事提供回数が2回の避難所に比べ3回の避難所では主食の提供は有意に多かった(P<0.05)が,主菜・副菜・乳製品・果物について著しい改善はみられなかった。食事回数以外の改善要因について検討したところ,炊き出し回数が多い避難所では,主食・主菜・副菜・果物の提供回数が多かった(P<0.05)。また,栄養士らが献立を作成した避難所では,乳製品および果物の提供回数が多かった(P<0.05)。結論 炊き出し実施は,災害時に不足するといわれている主菜・副菜・果物の提供を多くし,さらに献立作成者が栄養士らの場合,乳製品および果物の提供が多かった。これらの結果から,主食が中心となる災害時の食事は炊き出し実施や栄養士らが食事に関わることで改善される可能性が示唆された。
著者
藤岡 純一
出版者
国立社会保障・人口問題研究所
雑誌
海外社会保障研究 (ISSN:13443062)
巻号頁・発行日
no.184, pp.4-15, 2013-09

スウェーデンにおいて家族などのインフォーマル介護が見直されてきたのは1990年代であった。1998年、コミューン(市)の介護者支援を奨励する規程が社会サービス法に追加された。介護者協会などのボランティア組織と協働しながら、国の補助金によって介護者支援が促進されてきた。ホーム(家庭における)レスパイトやショートステイ、介護者出会いセンターやグループ活動などである。2009年7月に、社会サービス法のその条項は、奨励からコミューンの義務に変わった。しかし、問題点も残されている。障害または長期疾病の子どもを介護する者への支援でコミューンの取り組みが遅れている。週11時間以上介護・援助・支援をしている「非常に濃密な介護者」は、健康、就労、生活の質において問題が残っている。介護者支援について知らない介護者がまだ多い。これらの問題点を解決するとともに、非常に濃密な介護者には、要介護者への社会サービスをさらに充実することが、負担の軽減に繋がる。
著者
藤岡 純一
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.95-103, 2010 (Released:2018-10-01)

1990年代に家族・親族介護の重要性が再認識され、社会サービス法の奨励規定と国の補助金によって、コミューンの家族・ 親族介護者の支援が進められてきた。そして、2009年7月1日に新しい条項が施行され、家族・ 親族介護者に対する支援はコミューンの義務となった。他方、この支援にはコミューンとボランティア・非営利組織との協働の取り組みが各地で発展している。本論文では、社会サービスの歴史の中で家族・親族介護者支援を位置づけるとともに、ボランティア組織との協働のあり方に注日した。
著者
太田 和子 岩岡 純子 上條 裕子 岡田 みどり 野村 祐次郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.9, pp.1593-1600, 1989-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
42
被引用文献数
7

イソオキサゾール類とエナミン類との反応により,ピリジン誘導体が生成することを見いだした。たとえば,イソオキサゾールと1-(1-シクロヘキセニル)ピロリジンを,THFまたはジオキサン溶液中,低原子価チタン塩(塩化チタン(IV)と亜鉛末から調製)の存在下還流して,1,2,3,4-テトラヒドロキノリンが得られた(収率75%)。同様の方法により,イソオキサゾール類とβ(またはα)-置換エナミンから,種々の3(または2)-位置換ピリジン類が得られた。しかし,5-メチルイソオキサゾール類との反応では,ピリジン類の収率はきわめて低かった。
著者
木田 新一郎 栗原 晴子 大林 由美子 川合 美千代 近藤 能子 西岡 純
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.87-104, 2021
被引用文献数
4

<p>沿岸域において,今後10 年程度の期間で取り組むべき研究の方向性と意義,そしてその遂行に必要な研究基盤について論じた。沿岸域は外洋域と陸域を結びつける,フィルターかつリアクターとしての役割をもつ海域であると同時に,人間社会に身近であり,多様で生産性豊かな海域である。沿岸域の物質循環を理解し,将来にわたってその豊かな生態系を維持していくためには,物理・化学・生物が分野横断的に連結し,組織立ったプロセス研究を進める必要がある。変化の時空間規模が小さい沿岸域の現象を把握するには,観測データが依然として不足している。しかし,これまでの長期モニタリングデータに加えて新たな観測機器の開発,衛星観測の高解像度化,ドローンの登場によって状況は大きく前進しつつある。この現状をふまえて,今後必要と考える研究基盤と数値モデルの展望を議論した。</p>
著者
渡邊 絵都子 吉岡 純希 吉野 友美 本田 真美
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.319, 2018

はじめにデジタル・ホスピタル・アートとは患者や医療者のニーズに合わせたデジタルアートの実践によりケアの支援を目指すものである。背景当クリニックでは、一般診療・発達専門外来などに加え、重症心身障害児の日中ショートステイを実施している。その活動の一部で個々のニーズに合わせたデジタルアートの実践を行っている。方法方法1:楽器の音によってプロジェクションマッピングされた映像が反応したり、児童が選んだカードの模様が投影されることを実施した。方法2:カード型のRFIDを利用し、近づける動作に伴い音やキャラクターが出てくるデジタルアートを実施した。結果症例1:クリスマスイベントとして実施し、児童のプロジェクションマッピングへの注目は高く、カードの選択では首を振ったり、視線を背け明確な意思を示した。症例2:カード型のRFIDによって反応する因果関係は理解し、自分好みの反応を何度も繰り返し楽しむ様子と周囲に共感を求める場面がみられた。症例3:RFIDのカードを保持できない児童には指に引っかけ、上肢を能動的に動かせるよう環境設定することで介助なく、何度も上肢を動かす様子がみられた。まとめ重症心身障害児(者)の多くは、非言語コミュニケーションを使っているが、自身で明確な意思を表出したり、身体的に行動することが難しいことから、受け身的な活動やコミュニケーションになりやすい。自己決定・自己選択がなされるかは、本人の動機を満たすためのどのような選択肢があり、どのようにしてその中から選択をし、選択を行った結果、どのようなことが引き続き起こり、その変化が、自分にとってどのような意味を持つかによって左右される。個々に合わせたデジタルアートを提案することで、自分で操作し、相互が共感し合う活動場面を設定する中に、コミュニケーション行動が発達する重要な要素が期待される。
著者
成田 心 岩橋 和彦 永堀 健太 沼尻 真貴 吉原 英児 大谷 伸代 石郷岡 純
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.229-235, 2014-03-15

抄録 抗うつ薬の一種であるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は,そのターゲット部位の1つであるノルアドレナリントランスポーター(NET)に作用し精神症状を安定させる効果がある。このことから,NETがパーソナリティに影響する可能性が考えられる。インフォームド・コンセントの得られた健常者201人のDNAを対象にNET遺伝子の2多型を判定し,対象者にNEO-FFIを実施して,NET遺伝子多型がパーソナリティに関与しているか検討した。-182T/C多型において,全体で開放性(O),男性で外向性(E)に有意差が認められた。さらに,1287G/A多型において,男性で神経症傾向(N)に有意差が認められた。よって,NET遺伝子多型がパーソナリティに関与している可能性が示唆された。