著者
峯松 信明 中村 新芽 橋本 浩弥 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.21, pp.1-6, 2013-12-12

日本語の韻律教育を支援すべく,自然言語処理技術,音声言語処理技術を用いたオンラインアクセント辞書 (Online Japanese Accent Dictionary, OJAD) [1] を構築,運用している。日本語は前後のコンテキストによって単語のアクセントが頻繁に変化する特徴を有するが,アクセント変形に十分対応した日本語教育史上初の教材として,世界中の教育現場で利用されるに至っている。またこれまで,約 4 時間に渡る OJAD 講習会を,国内 10 都市,海外 17 都市で開催しており,どの講習会も好評を博している。OJAD 開発を技術的観点から見ると,アクセント句境界推定,アクセント核位置推定,Fo パターン生成など,音声合成の裏方として機能していた技術を表舞台に出しているに過ぎない。これは音声合成技術の一部を,音声を合成する目的以外に応用している例として考えることができる。本稿では,音声合成技術の応用可能性を考える一つの例として OJAD 開発・運用を捉え,検討する。To support Japanese prosody instruction, the Online Japanese Accent Dictionary (OJAD) [1] has been developed by using NLP and SLP techniques and it is maintained by our laboratory. Japanese is a very unique language in that word accent often changes due to its context. The OJAD was introduced to the Japanese language education community as the first educational system that can handle context-based word accent changes very well and it is actively used by teachers and learners internationally. So far, 4-hour OJAD tutorials have been held at 10 domestic cities and 17 international cities and each tutorial was welcomed to Japanese teachers there. If we discuss development of the OJAD from a technical point of view, the OJAD uses several internal modules of Japanese speech synthesis, such as estimation of accent phrase boundaries and accent nucleus positions, and Fo pattern generation. It is interesting that the OJAD uses these techniques not for synthesizing speech. In this report, by regarding development of the OJAD as one example of using speech synthesis techniques not to synthesizing speech, we discuss new possibility of applying these techniques to new domains.
著者
田島 毓堂 広瀬 英史 重見 晋也
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

15年度インドネシアスラバヤ国立大学、パジャジャラン大学、16年度韓国韓南大学校・梨花女子大学校、17年度台湾大学、浙江大学、18年度愛知学院大学で、国際シンポジウム比較語彙研究を開催し、それぞれ、発表論文集『国際シンポジウム比較語彙研究IV〜X』を刊行、計115件の語彙論に関する研究論文・講演原稿を収録した(A4版総頁数1374頁)。海外では、国際シンポジウム比較語彙研究の開催後に語彙研究者養成のために語彙研究セミナーを開いた。国内では、受講希望に応じて開催した。本研究推進の母体となった語彙研究会では、月例発表会と大会を開いた。期間中に、34回の月例会、3回の大会を開き、21件の講演・研究発表があった(平成18年度の大会は国際シンポジウム比較語彙研究X)。また、語彙研究会では、機関誌『語彙研究』1〜4を刊行して、25件の語彙研究の論文を収めた(B5版総頁数402頁)。更に、「語彙研究会叢書」を6冊刊行した。内容は『比較語彙研究の試み』11〜15、及び、「近代日中学術用語の生成及び発展」である(A4版総頁数1574頁)。これらの成果をふまえて、本プロジェクトの一方の課題であるコード付けのための電子辞書試作版を作成し、CD版として希望のあった関係方面に配布した。試作品ではあるが、現代語にっいては、6、7割のヒット率で個々の語に単語コードと語素コードを電子的に付与することができる。CD版に付載した資料を今後整理し、試作版を増補する予定であり、さらに、古典語と外国語の語彙についても、同様の試みを企画している。遺憾ながら、この計画は科学研究補助金の対象に今年度は認められなかったが、語彙論的研究推進のためには重要な研究なので極力推進していく予定である。
著者
広瀬 雄二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.120, pp.35-37, 2009-07-02

東北公益文科大学では,2年次にRubyを用いた基本的なプログラミングを必修科目としている。計算機技術者を目指すための講義とは異なり,そこでは仕事を遂行する手順の組み立て,考え方,レポート文書の構成法を深く学ばせることを目的としている。全くの初心者を対象に実際に重ねて来た講義を基に,ゆとり教育世代の学生に対する情報処理基礎教育のあり方進め方になどについて展開する。
著者
広瀬 茂男
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.116, no.3, pp.162-165, 1996-02-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
4
著者
江波戸 智希 廣重 陽介 吉岡 利貢 広瀬 統一
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.75-84, 2021-10-31 (Released:2021-11-26)
参考文献数
29

股関節・鼠径部痛(Groin Pain:以下GP)の既往者におけるランニング動作の特徴を3次元動作解析を用いてバイオメカニクス的に明らかにすることを目的とした.過去1年間に股関節・鼠径部に痛みを有したことがある脚,11脚を股関節・鼠径部痛群(GP群)とし,痛みの既往がない脚,14脚をコントロール群(C群)として検討を行った.結果,GP群のランニングの特徴として支持期において遊脚側の骨盤が下制しているトレンデレンブルグ徴候が認められた.また股関節は内転位となり,足関節は回外から回内への角度変化が少なかった.GPのリハビリテーション・予防にはランニング動作における骨盤,股関節,足関節運動の改善の必要性が示唆された.
著者
遠藤 倫正 横田 公男 森鼻 英征 渕上 勝人 広瀬 衞 下山 仁一
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.148, pp.107-120, 1980 (Released:2009-09-04)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

The pressure hull of a deep submersible is a unique structure which requires sophisticated technology in its design and fabrication aspects. This paper presents the design and fabrication practices, which the authors have adopted to the pressure hull of the 2, 000m deep submergence research vehicle, “SHINKAI 2000”, ordered by Japan Marine Science and Technology Center. She is an up-to-date research submersible, having the greatest depth capability in Japan.She is under construction in Kobe Shipyard of MHI and scheduled to be completed in Oct. 1981. Her pressure hull has been tested successfully under external pressure of 1. 1 times as much as maximum operating depth. To complete the hull, the results and experiences from the R & D, which the authors have conducted extensively since 1969, have been effectively applied.This paper also discusses the future subjects to the deeper submersible, such as 6, 000m and deeper classes.
著者
渡辺 智子 広瀬 理恵子 安井 明美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.731-738, 1999-11-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
24
被引用文献数
9 8

無洗米(水稲品種:コシヒカリおよびヒノヒカリ)についてその表面構造,成分含有量と嗜好性を検討した.その結果,いずれの品種にも共通していたことは,(1) 精白米は,無洗米処理により糠が剥離し表面構造に変化がみられ,灰分,Cuを除く無機質(特にMgおよびFe),ビタミンB1およびナイアシンで有意な損失がみられた.(2) 無洗米飯は精白米飯に比べ,脂質およびMgが有意に低い値,Ca,NaおよびKが有意に高い値を示した.(3) 無洗米飯は炊飯による成分変化がほとんど見られなかった.精白米飯は洗米操作によると考えられる灰分,無機質,水溶性ビタミン類の損失がみられた.(4) 無洗米および無洗米飯は,精白米およびその飯に比べ,明度がやや高い値を示した.(5) 官能評価の結果から,無洗米飯は精白米飯に比べ,外観の白さ,透明感,つやおよび色で評価が高くコシヒカリで有意差が見られた.これらの結果より,無洗米飯は精白米飯に比べ,Ca,Na,K,Zn,Cu,水溶性ビタミンを多く含有し,嗜好面ではほとんど差がみられないことがわかった.
著者
広瀬 正浩
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.56-65, 2008-11-10 (Released:2017-08-01)

一九八〇年代に柄谷行人が掲げた「交通」という概念を音楽的実践の契機と捉えた坂本龍一は、アルバム『NEO GEO』(一九八七年)のコンセプトとして、地球上の様々な音楽や文化的生産物が互いに等価であるような多元的な世界像を構想した。だがそれは、資本主義に依拠した世界市場を支え、商品の供給源として旧植民地アジアを再属領化することであった。「交通」は、戦争を容認し、植民地主義的な思考を導くという暴力的な側面を持っていたのである。
著者
橋谷 元由 平田 光穂 広瀬 泰雄
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.182-187,a1, 1968-02-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
14
被引用文献数
9 8

エタノール水, i-ブロパノール-水。i-プロパノール-水, の2成分系に塩化カルシウムを飽和させ.常圧の気液平衡を測定した.すべての系において比揮発度が増大し, 共沸が消えた.これらの実測値は著者らが改良したJohnsonらの式によって相関された。また, これらの効果的な実験結果の応用として.還流液に塩化カルシウムを加えて全還流蒸留を行ない.塔頂試料として高純度のエタノール, i-プロバノールが縛られ, この方法による共沸混合物分離の可能性が示された。
著者
広瀬 立成
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.25-33, 1977-01-05

反粒子第1号の発見はDiracにより予言された陽電子である. 今からおよそ45年前のことであった. それ以後, 陽子を始め共鳴状態も含めた総ての素粒子に対して, 必ず反粒子状態が存在することが確認されてきた. 反粒子は素粒子界に於ける影武者である. 常に粒子と対になって発生し, 粒子と結合して消滅する. この反粒子の出没自在の特異な性質は, 量子数保存という量子力学の最も基本的な法則から理解できる. 近年消滅反応は電磁相互作用や強い相互作用の研究に大変有効であることが認識されてきた. 素粒子の世界が粒子と反粒子に対して全く対称に創造されている以上, 両者を対等に理解して始めて素粒子全体の描像が解明されるのである. 反粒子が反粒子原子を形成してから消滅に至るまでの道筋を追いながら, 強い相互作用の中で反粒子消滅の果す役割を概観しよう.
著者
水島 淳 広瀬 健一
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.297-302, 2022 (Released:2022-05-11)
参考文献数
17

Communities of practice have been applied in coach development programs around the world. The purpose of the current study was to explore the concept of community of practice, the theoretical background, the literature on community of practice for sport coaches, and the value creation process in community of practice. The findings of this study should offer some insight into how we can implement community of practice for coach learning and development.
著者
広瀬 孝文 ボーチェック ボレスラフ A.
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
聖徳学園岐阜教育大学紀要 (ISSN:09160175)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.28-56, 1976-07-20

This is a study of the relationship between the status of permanent neutrality and the modern system of collective security. The point in question is whether or not the status of permanent. Neutrality is compatible with the system of collective security which requires its members to participate in coercive measures against a common enemy. Based on a number of scholastic arguments presented in the past this is a comparative study of two different arguments : one by Switzerland which is not a member of the United Nations, and the other by Austria which has been a member of the U. N. since 1955. First, it examines these arguments in order to determine why Switzerland and Austria chose different, courses. Then, actual practices of these states in relation to the U. N. are examined in order to probe the possibility or impossibility of the existence of permanent neutrality in the United Nations. It is, then, concluded that, from a legal point of view, there remain many conditions that must be met before a permanently neutral state can become a member of the U. N. without any anxiety. But Austria became a member for her own politicalreasons, and the stability of her status in the U. N. largely depends on the political atmosphere of the organization. Whether a member of the U. N. or not, a permanently neutral state can contribute a great deal to the world peace in its own way.
著者
多田隈 建二郎 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2003, 2003
被引用文献数
1

人が乗れるほどの耐荷重性をもつ薄型の全方向移動車両用に当研究室で開発したOmni-Discを, よりシンプルで, モーメントに耐えやすい構造を持った段差踏破可能型全方向車両用のOmni-Discへと改良した。