著者
細川 康二 西田 優衣 吉野 雅人 岸田 正臣 久保 富嗣 山賀 聡之 志馬 伸朗
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.513-516, 2019-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
10

背景:広島市消防局では,心停止傷病者で主治医から心肺蘇生を行わない(DNAR)よう指示されれば蘇生処置を中止する運用がされてきた。本調査の目的は,現状を把握し課題の有無を明らかとすることである。方法:2015年4月からの2年間,同局管内で医療機関搬送までに蘇生処置中止希望が表明された心停止傷病者について,救急救命処置録等の情報を解析した。結果:対象は38例であった。蘇生処置中止希望は文書で1例,ほかは口頭で確認され,87%で主治医か主治医の属す医療機関の医師から確認された。医師よりDNAR指示が出されたのは63%であり,37%で主治医が現場に出向するため不搬送となった。結語:広島市消防局において救急要請後に蘇生処置中止希望が確認される事例では,蘇生処置の中止希望は文書で確認された1例を除くすべてが口頭で確認され,約6割で医師よりDNAR指示が出されていた。救急要請される背景をさらに調査し対策する必要がある。
著者
志馬 伸朗
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.139-143, 2012-06-30 (Released:2016-04-25)
参考文献数
28

人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia: VAP)は人工呼吸中の患者に発生する最も高頻度で重篤な合併症である.その発生機序には,広義の誤嚥が大きく関与している.誤嚥への対応策を中心に,現時点までにランダム化比較試験やメタ解析により有効性が確認されたVAP予防策をまとめた.消化管液の逆流を避けつつ気道分泌物のドレナージを促す体位管理,経十二指腸・小腸経路による経腸栄養,カフ上部吸引口付きチューブによるカフ上部分泌物の吸引,さらには適切な呼吸終末持続陽圧(PEEP)の使用などが,誤嚥防止観点からVAP予防に有効な介入である.これら予防策の確実な適用のためには,サーベイランスによる評価,医療従事者への教育などが必要である.