著者
木村 陽子
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.155-166, 2006-03-15
著者
木村 和也
出版者
広島大学
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
vol.2, 2002-03-20

自動車メーカー同士が激しい競争を繰り広げ, 終わりのないコスト削減をしている。自動車業界においては, 従来のような, グループ内での実質的な継続的取引の保証は, もはや期待することはできなくなってきている。したがって, 今後はグループ外企業との競争に勝てるような競争力を身に付けなければ, 子会社といえども取引を獲得することができなくなるばかりか, 企業として存続することすら危うくなる可能性がある。とりわけ, わが国の会計制度が連結決算重視へとシフトしたことにより, 事態は深刻である。連結対象企業の業績がグループ全体に反映されることになったため, 子会社の業績がグループ全体の足を引っ張ってしまうからである。すなわち, 過去によくみられた, 業績不振のグループ企業があればたとえ料金が高くとも優先的に発注してきたような行為は, 市場の評価の低下につながって資金調達を困難にさせ, やがては財務状況を悪化させる要因ともなる。そうなると, 競争力のない子会社はもはや親会社としても株式を保有し続ける意味はなくなり, 処分してしまうという選択肢も生まれてくるからである。本研究は, 再編が著しい自動車業界における物流サービス企業の自立化の可能性について検討する。筆者が勤務するマロックス株式会社の視点から, 新規事業を立ち上げ, グループ外企業への販売比率を高めて自立化していくための条件と成功要因を抽出する。そのベンチマーキングの対象として取上げられたのが株式会社バンテックである。バンテックは, 日産の物流を担うグループ企業であったが, 経営陣による企業買収方式(MBO)によって日産自動車との資本関係を絶ち, 自立化に成功している。バンテックの自立化の成功要因(KFS)を要約すると以下の7点になる。(1)高度なノウハウがあった(2)集中性と広域性を兼ね備えた拠点ネットワークがあった(3)一般向け事業の初期の段階で良質の顧客を確保することができた(4)プロジェクトチームをうまく機能させ, 分野・顧客別の事業部制組織に発展させた(5)投資に関してある一定の範囲で自由度があり, 一般向けに設備投資できた(6)経営危機を契機に, 親会社が一貫して自立を促した(7)系列内取引の受注量の減少と共に一般売上拡大のインセンティブが高まったこれらのKFSのうち, マロックスが容易に満たしうる要因は, (1)に限られる。したがって, マロックスがバンテックと同じビジネスモデルで自立していくのは, きわめて困難である。しかし, マロックスとしてはマツダ向け以外の顧客を開拓していかなければ将来はない。この危機感をテコに, 並々ならぬ決意をもって事業, 組織, 戦略を抜本的に見なおす必要がある。そのために, 以下の問題を創造的に解消しなければならない。(1)既存のノウハウを活かして自動車産業内で取引の拡大を図る(2)営業力の強化(3)一般向けのノウハウの蓄積(4)キャリアパスの再構築をして組織を活性化させる(5)戦略の一貫性基本的には, 本業に近い領域で短期的なキャッシュフローを稼ぐ間に, 着々と一般向けの新規事業の領域でビジネスを展開するノウハウを蓄積するという事業展開である。九州地区には自動車関連市場において高い成長性が見こまれる(工場の生産台数が1995年の80万台弱から2010年140万台を超えると推計)。マロックスは山口県の防府地区に拠点を有しており, これを活かせば, 九州から広島への物流サービスを供給することができる。その一方で, 外部との提携関係を結び, 一般向けの物流サービスのノウハウを蓄積する。自立化を前提にした事業展開を継続的に行うためには, 戦略の一貫性を保って組織を活性化させる必要がある。バンテックが行ったように, プロパー社員と転籍社員を区別した二元的人事処遇制度を取りやめ, 年功的な要素を排除して, 実力主義の考え方のもとで, より高い目標にチャレンジし, より高い成果を上げ会社へ貢献した人が高い成果を得る仕組みを構築して組織を活性化させる必要がある。そのためには, この人事制度を支えるような戦略的な一貫性が不可欠なのである。
著者
木村 良次 寺谷 文之
出版者
京都大學木材研究所
雑誌
木材研究 : 京都大學木材研究所報告 (ISSN:00497916)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-11, 1959-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
後藤隆志 武藤康平 山本英雄 平野智大 見神広紀 木村啓二 笠原博徳
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.12, pp.1-7, 2013-12-09

本論文では,スマートフォンやタブレット等で広く用いられる Android において,従来マルチコアプロセッサ上での並列化が困難で,その高速化が望まれていた 2D 描画ライブラリ Skia を,OSCAR 自動並列化コンパイラにより,プロファイラ情報に基づいた自動並列化を行う手法を開発したのでその方法を説明する.OSCAR コンパイラは Parallelizable C により記述された逐次プログラムから様々な粒度で並列化解析を行い,自動的に並列化 C ソースを出力する.しかし,Skia は Android 内のライブラリであり,利用する描画命令ルーチンにより制御フローが大きく変化するため,最適な並列化解析を行うことが困難である.そこで,本論文では Skia のような制御フローがコンパイル時に特定できないプログラムに対し,Oprofile を用いて取得したプロファイル結果を OSCAR コンパイラにフィードバックすることで,並列化対象を特定の領域に絞り,高い性能向上が得られる手法を提案する.なお,並列化対象領域が Parallelizable C コードでない場合でも,解析結果により実行コストが大きい部分から Parallelizable C に変更し,チューニングを施すことで並列化が可能となる.本手法を,描画ベンチマークとして広く使われている 0xbench を NVIDIA Tegra3 チップ (ARM Cortex-A9 4 コア) を搭載した Nexus7 上で評価を行った.並列化 Skia の実行においては,並列化部分の速度向上を正確に評価するため, Android を core0 に割り当て,残り 3 コアを Skia が利用できる形とした.評価の結果として,DrawRect で従来の 1.91 倍である 43.57 [fps],DrawArc で 1.32 倍の 50.98[fps],DrawCircle2 では 1.5 倍の 50.77[fps] といずれも性能向上結果が得られた.
著者
木村 明生 峯川 好一 北浦 敏行 中野 宏秋 後藤 郁夫 池田 長繁 阿部 久夫 小野 忠相 中林 敏夫
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.789-796, 1987
被引用文献数
1

大阪空港検疫所において帰国時に下痢を申告した海外旅行者の腸管寄生原虫検索を行った. 1983年と1984年の2年間 (第1期) 及び1985年7月から1986年6月までの1年間 (第2期) に分けて検索を実施して, 次の成績を得た.<BR>1) 第1期調査は, 旅行期間が5日以上の1,256名についての検索を行ない, Giardia lamblia (39例) をはじめとして7種の腸管原虫を検出した (検出率3.9%).<BR>2) 陽性者の旅行期間は, 98%が10日以上であり, 30日以上の長期滞在者は全体の67.4%であった.<BR>3) 検出率には季節的変動が認められた.<BR>4) 第1期のG.lamblia陽性者39名中36名 (92%) がインドへ旅行しており, ついでタイ25名 (64%), ネパール16名 (41%) であった.インドまたはネパール旅行のG.lamblia陽性者中の70%以上は, それぞれの国で10日以上滞在していた.<BR>5) 第2期ではインド・ネパールへ10日以上旅行した者の178名について検索を行ない, G.lamblia 25例 (14.0%) をはじめ3種の腸管原虫を検出した.<BR>6) 両期間のG.lamblia陽性者64名のうち29名 (45.3%) から, 病原細菌や他の腸管原虫が同時に検出された.<BR>7) 第1期でのインド・ネパール10日以上滞在者中のG.lamblia陽性率は, 1983年12.9%, 1984年12.2%で, 第2期 (14.0%) とほとんど変りなかった.
著者
長田 龍介 頭川 峰志 木村 友厚 永原 詩乃
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.431-434, 2015
被引用文献数
1

A 45-year old male patient suffered mutilation of his fingers except for the thumb in the right hand, and a crush injury of the whole left hand simultaneously while operating a rolling machine. The right hand was reconstructed with a double 2nd-toe implantation. After training his pinch motion in the right hand, a myoelectric prosthesis was attached to the left hand. He used his right hand for pinching task and the left hand for grasping task. His DASH score was 173 before functional reconstruction of the bilateral hands, and it was 84 at 5 years after treatment. A comparison was made concerning the functional results between the right hand reconstructed with the toe transfer and the left hand with the myoelectric prosthesis in order to discuss the prognosis for each treatment.
著者
河原 豊 遠藤 利恵 川下 剛生 木村 照夫
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.314-316, 2002 (Released:2003-06-30)
被引用文献数
1

The influence of ferrous contaminations or keratin treatments on the degradation of bast fibers induced by the irradiation with ultraviolet rays was investigated. The ferrous contaminations accelerated the degradation. The treatments with keratin were effective for suppression of the degradation, and enhanced the tensile strengths of bast fibers.
著者
西川 まり子 木村 誠子 芥川 清香 津田 右子 井筒 潤子 久米 絢弓
出版者
広島国際大学看護学部
雑誌
広島国際大学看護学ジャーナル (ISSN:13495917)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.53-59, 2012-03-31

日本と肩を並べ世界トップクラスの長寿国であるマルタ共和国は,非常に小さな島国で日本ではほとんど知られていない.マルタ共和国の人口は40.3万人で,年間約1 ,000万人の外国人観光客を受け入れている.この小さな国の医療観光者を含む全ての人々に平等に行き渡る無料で質の高い大きなヘルスケアについて,日本でも参考にし得る事があるか模索した.その結果,患者中心で外国人を含めた皆に平等なヘルスケアを目指している事,タイムリーに整う多言語通訳サービスの充実と退職した看護師の積極的な人材活用への挑戦は日本も参考にし得ると考える.
著者
木村 晟
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢大学文学部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
no.42, pp.p63-117, 1984-03
著者
狩野 実希 浅野 充寿 松村 穣 村松 賢一 佐藤 明 大和 恒博 武居 一康 新田 順一 淺川 喜裕 牛木 真理子 高橋 雅弥 木村 知恵里
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.329-335, 2013 (Released:2014-09-13)
参考文献数
18

症例は, 67歳, 男性. 数カ月前より繰り返す失神発作を認めていた. 2010年9月, 意識消失を主訴に救急要請し, ショック状態で当院に搬送された. 心臓超音波検査で全周性の心嚢液貯留と右心系の虚脱所見を認めたため, 心タンポナーデと診断し入院した. 数日後には自然吸収されたが, その後も心嚢液の再貯留と消失を繰り返した. 心嚢穿刺により心嚢液の性状は血性であったが, 出血源の同定は困難であった. 出血源同定ならびに心タンポナーデ解除目的に試験開胸を行った. 右室前面の心筋表面より断続的に静脈性の出血がみられ, 縫合止血した. 術後, 心嚢液の再貯留なく経過した. 急激な心嚢内出血により心タンポナーデを呈することは決して稀ではないが, 本症例のように心嚢への出血と吸収が数日単位で起こり, 繰り返し心タンポナーデを引き起こす病態は今まで報告がなく, 病態機序がはっきりしなかった. 非常に稀な経過をたどった特発性心嚢内出血の症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

1 0 0 0 OA 射精の研究

著者
木村 行雄 安達 国昭 木崎 徳 伊勢 和久
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.218-228, 1974 (Released:2010-07-23)
参考文献数
22
被引用文献数
1

For the past 4 years and half 39 cases with ejaculatory disturbance were experienced in our clinic.1) Age and Incidence. The incidence of ejaculatory disturbance was 0.5% of the whole outpatients of our clinic. The age of the patients ranged between 17 to 40 years with the highest incidence in the thirties.2) Classification of ejaculatory disturbance. In this report ejaculatory disturbance was classified into 4 groups: Group A; the patients who complained of abscence of both ejaculation and orgasm; Group B, the patients who complained of absence of ejaculation but maintained orgasm; Group C, the patients who maintained both ejaculation and orgasm; Group D, the patients who maintained ejaculation but complained of loss of orgasm. The incidence of these 4 groups were as follows: Group A, 15 cases (38%); Group B, 8 cases (21%); Group C, 13 cases (33%); and Group D, 3 cases (8%).3) Past history. In Group A, 6 cases had past history of mental diseases; 1 case, polyomyelitis; and 1 case, stomach ulcer. In these cases ejaculatory disturbance occurred during the medication for the diseases. Therefore, these diseases or the medication for them were suspected to be the causative factors of ejaculatory disturbance. No specific history which was suspected of relation to ejaculatory disturbance was found in Group B, C, and D.4) Physical examinations. No remarkable findings were obtained in the physical examinations throughout the groups.5) X-ray examinations. Plain films of lumbo-pelvic region. Spina bifida occulta was seen in 4 cases of 39 cases with ejaculatory disturbance; abnormal enlargement of the intravertebral space, in 1 case; and deformity in the lumbar vertebra, in 1 case. The relation between these anomalies and ejaculatory disturbance could not be clarified.Cystography. No remarkable finding was seen in Group A, C, and D. In Group B patency of the internal urethral orifice was seen in 7 cases. In 6 of these 7 cases the internal urethral orifice opened slightly by abdominal straining and in 1 case the orifice was seen patent without the straining. In one case irregularity of the internal urethral orifice was seen. Retrograde ejaculation occurred by masturbation in these cases. Therefore, cystography was found to be effective in diagnosis of retrograde ejaculation.Urethro-vesicography. In 1 case of Group B patency of the internal urethral orifice was seen and in 1 case irregularity of the posterior urethra was seen. In Groups A, C, and D no remarkable finding was seen.6) Reflexes and sensory and motor disturbances. Some cases of ejaculatory disturbance showed abnormality in reflexes, sensory and/or motor disturbances. However, the relation between these disturbances and ejaculatory disturbance was not clarified.7) Cystometrogram. In 13 of 15 cases of Group A some abnormalities were suspected in the higher center of the urinary bladder. The cystometrogram in these cases was hypotonic without micturition contraction. Both the effect of nitrazepam administration and respiratory effect on the cystometrogram were clearly seen. Two of 15 cases showed disturbance of the peripheral nerves in addition to them. In Group B there was no case which showed abnormal cystometrogram except for a case in which the lesion was suspected in the lower region of the spinal cord. In Group C and D there was no case which showed abnormal cystometrogram.8) Treatment. In Group A vitamin B1, vitamin E, androgen, tranquilizers and imipramine hydrochloride were administered, but no remarkable effect was obtained by them. However, trihydroxpropiophenone, a COMT inhibitor, showed marked effect on 2 cases of Group A. In Group B the internal urethral orifice was narrowed by plastic operation. After the operation ejaculation became normal with normal orgasm. In the cases of Group C and D, the same drugs as in the Group A were used. But no remarkable effect was obtained by these drugs except for a case of Group C
著者
木村 午朗
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.167-179, 1967-02-01 (Released:2011-07-05)
参考文献数
108
被引用文献数
1 2
著者
木村 友子 加賀谷 みえ子 福谷 洋子 小杉 信之
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.887-895, 1990-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

女子大学生の昼食行動と食生活との関連を調べる目的で, 女子大学生の昼食の取り方について弁当群 (A群) 146人, 外食群 (B群) 140人の計286人に昼食行動に関する意識調査を行い, さらに岡じ対象者のA・B群より弁当群 (a群) 60人, 外食群 (b群) 60人を無作為抽出し, 生活行動調査と食物摂取量調査を実施し, 次の結果を得た.(1) 対象者は自宅生が94%と多く, 昼食のとり方は弁当群 (4日以上弁当/週) 51%, 外食群 (4日以上外食/週) 49%であり, それぞれ簡便化を志向し, 習慣化していた.(2) 月額の小遣い額は弁当群27,911±13,381円, 外食群31,589±13,027円であり, 外食群の昼食代は小遣いの22~33%に相当した.(3) 身体状況では弁当群・外食群ともに, 体型は太っていると思う傾向が強く痩身型志向が多くみられ, 生活行動調査でも消費エネルギー量は摂取エネルギー量を弁当群が 253 kcal, 外食群が292 kcal上まわり, 痩身体型の現状を裏づけた.また両群ともに疲労感のある者は91%に及んだ.食欲は, 外食群では弁当群に比し, 食欲のない者が5%高率であった.休養では, 休養不足がちと思う学生は外食群のほうが弁当群より21%多かった.(4) 生活行動調査では弁当群は学業時間が53分長く, 一方, 外食群では休養に関与する睡眠時間が17分と余暇時間が31分長く, 両群の生活時間に若干の相違を認めた.(5) 食事調査による欠食率は, 外食群のほうが弁当群に比し, 朝食10%, 昼食6%, 外食3%高かった. 1日あたりの栄養素摂取量では, 栄養的には弁当群のほうが多少良好とはいえ両群ともにエネルギー量が低く, カルシウム, 鉄の不足が顕著であった.摂取食品数も両群ともに22品目前後にとどまっていた.(6) 買取り調査での昼食内容は弁当群では食品数平均10品目をとっていたが摂取重量301gと少なく, また所要量の1/3量に対し, エネルギー量や栄養素不足の現状にあった。一方外食群は, エネルギー量は充足していたが, 食品数は弁当群に比し平均8品目と少ない.(7) 外食内容の選択は両群ともに好み・見た感じを優先していた.(8) 食生活の満足感では満足者は弁当群42%, 外食群33%にすぎず, 不満足者は外食群が3%多かった.総合的にみると, 外食群は家事的生活時間や余暇時間がやや長く, 一方, 弁当群は外食群に比し勉学時間が長く, 1日あたりの食事調査からは欠食者も少なく, 栄養素摂取量ではやや良好と判断された.しかし総体的には両群ともにやせ志向を根底に摂取食品数, 食事量, 安易な食選択等々, 昼食行動に慎重さが欠け必然的に1日のエネルギー量や栄養素不足になっていることがうかがわれた.今後いっそう自己管理能力を高めるための積極的アドバイスを加えた実践的教育の強化の必要性を痛感するとともに, 近い将来健康な母親となるべき女性としての反省と努力を望みたい.
著者
木村 友子 梅村 けい子 小川 安子 小川 政禧
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.22, no.9, pp.655-659, 1969 (Released:2009-11-16)
参考文献数
5

以上述べたように蔬菜果実類に対する超音波洗滌処理は銅イナン含有農薬添付による残留銅イオンの除去に対し非常に有効であることが判る。しかし, 処理の条件によっては, 組織, 細胞を破壊し, 食用に供し難くなる怖れなしとしない。最初1分間の超音波処理による急激な第1次的洗滌効果に比し, 5分間, 10分間と処理時間を延長した時, 処理時間に比例してなされる銅イオンの除去は困難であって, 完全に除去しようと試みれば遂には組織, 細胞の破壊を招く。従って, 組織, 細胞を損傷することなく, 付着する銅イナンを除去するためには, 更に検討を要するものと思われる。本研究の要旨は昭和43年12月1日, 日本家政学会中部支部第15回例会においてこれを報告した。
著者
阿部 宣男 稲垣 照美 木村 尚美 松井 隆文 安久 正紘
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.41-50, 2003
被引用文献数
2 5

The fantastic light of firefly, which keeps fascinating the heart of Japanese from ancient time, and the ecosystem, are taken up as one of cure fields being benefit from the nature. In this study, from the viewpoints of semantic differentials and engineering, we focused on the light of firefly, and we examined whether they cause the human spirit any effects or not. It was possible to find for welfare utilizations that there is the high possibility that a sufficient cure effect exists in the light emission pattern of firefly and the ecosystem. This research is the first basic trial turned to the creation of cure space for hospices and welfare facilities, which utilize the firefly and the mini ecosystem artificially modeled in an enclosure.