著者
木村 年晶 内山 伊知郎
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.23-32, 2015

The relationship between emotional valence of social interactions and subjective happiness (SH) of elderly groups was investigated based on the convoy model in young adults (<i>n</i>=30), early-elderly (<i>n</i>=30), and late-elderly (<i>n</i>=29) groups. Results of a simple correlation analysis indicated a positive correlation between mean closeness scores and SH Scale scores in young adults and a positive correlation between mean emotional valence and SH Scale scores in early-elderly and late-elderly people. Moreover, multiple regression analysis was conducted by adding variables: health status scale score, the rate of relatives living together, the number of interactions, the mean frequency of the interactions per month, the rate of the same sex, which indicated that the significant correlation coefficient between mean closeness scores and SH scale scores disappeared, and that the number of interactions predicted SH in the young adult group. Furthermore, SH in the early-elderly and late-elderly groups was predicted by the mean emotional valence score. Results of this study suggested that selecting interactions with others with positive emotions was necessary for SH in elderly people, which supported the socioemotional selectivity theory.
著者
木村 俊作
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.632-635, 1991-09-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
18
著者
木村 敦 木村 あやの
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Suppl, pp.17-20, 2016-01-25 (Released:2016-02-12)
参考文献数
13

本研究では, 学生による授業評価アンケートを匿名で実施した場合と記名で実施した場合とで評価結果に差異があるかどうかを検討した. 平成25~26年度の情報環境学専門科目 (小グループ演習を含む講義科目)2科目において, 匿名の授業評価アンケートに加えて記名の授業評価アンケートを履修者に実施し, 両アンケートに含まれる同一の評価項目4項目について評定値 (各5段階評定) を比較した. その結果, 全16項目中13項目については匿名条件と記名条件での差はみられなかった. 一方で, 3項目については条件間で有意差がみられたことから, 回答分布を比較して条件間の差異に関与する要因を議論した.
著者
木村三樹 編
出版者
帝国講学会
巻号頁・発行日
1926
著者
木村 昭郎 原田 浩徳 大瀧 慈
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

原爆被爆者の高令化に伴い骨髄異形成症侯群(MDS)の増加がみられているが、広島市内の4病院において過去15年間に診断されたMDSをリストアップし、87例の被爆者MDSを集積した。被爆者情報は研究代表者の所属する広島大学・原医研が構築した被爆者データーベース(13万人)によって確認し、個人骨髄線量は当研究所が構築したABS93Dによって検索し、放射線被曝による発症相対リスクの統計学的解析をすすめている。予備的結果としては、以前院内統計によって得られた1Svあたり2.5よりさらに高い値が得られている。次に、被爆者MDSでは白血病関連遺伝子AML1遺伝子のラントドメインに高頻度に点突然変異を認め、変異を認めた例の被ばく線量は比較的低線量と考えられた。そこで、標本等の試料を過去にさかのぼって収集し、被爆者10例を追加して解析をすすめた。また、AML1遺伝子のラントドメインよりC末端側についても、非被爆者を含めて点突然変異を5例に見出した。ラントドメイン以外に変異を見い出したのは最初であり、このうちの1例は点突然変異により発現されるAML1分子は正常のものよりも大であった。AML1の変異は放射線誘発MDSに特異的である可能性を有しておりAML1変異と被爆との関係を明らかにすることで、放射線誘発MDSの発症機構を解明することが出来ると考えられる。
著者
松本章代 木村実穂 佐伯啓
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-4, 2013-06-29
被引用文献数
1

外国語による会話を練習させるための仕組みとして,指定日時に学習者のスマートフォン (Skype) に電話をかけ,教員があらかじめ用意した音声データを自動再生するシステムを提案する.生身の人間相手ではないため学習者は羞恥心を抱かずに実践的な会話を練習できるというメリットがある.学習者の発話は録音,さらに音声認識によって自動でテキスト化する.録音データと認識結果は学習履歴として教員・学習者の双方から確認できる.この機能は,発音の客観的な評価を行えるのみならず,発話が記録されることにより聞き取りの集中力向上 (=聞き流し防止) 効果が期待できる.また,配信した音声データは学習者が後から繰り返し聞くことも可能である.つまり本システムは,電話によって発話の練習を強制する側面と自主的な復習をサポートする側面を併せ持っている.
著者
神田 和幸 木村 勉
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

聾者の言語である手話は学校教育が始まる以前から存在した。手話の歴史は聾者の歴史と同じ長さである。現在から手話の源流を探るには未就学聾者の手話を採集し研究するしかないが、離島や僻地などに人知れず居住し高齢化により絶滅に近い状態にある。未就学聾者の手話は数手話、色名手話、親族名称がないなどの特徴があり、指さしが多いのが特徴的である。一方、生活に密着した語彙は現代の手話よりも描写力があることがわかった。個人方言性が強いが共通性もみられる。
著者
木村 勲
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 文学部篇 = Journal of the Faculty of Letters, Kobe Shoin Women's University : JOL (ISSN:21863830)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-20, 2014-03-05

樋口一葉は近代日本における最初の職業的女性作家である。しかし、小説としては源氏物語や西鶴など伝統文芸の系譜のなかにあり、もっぱら古文で書いたということもあって旧派とみなされてきた。実際、代表作の『たけくらべ』(一八九五年)や『にごりえ』(同)は、遊郭や銘酒屋街という前近代的な場所における人間模様を扱ったもので、一見モダンを感じさせるものではない。とりわけ男女の凄惨な死で唐突に終わる『にごりえ』の評価は、代表作とされながら分かれるところもあった。ストーリー的に無理があるのだが、作品の魅力は疑いなく、すでに古典の地位を得ている。本稿は『にごりえ』の三年前に内田魯庵により邦訳された『罪と罰』が一葉に与えたインパクトを明らかにする。孤独地獄のラスコーリニコフに重なる虚無的なヒロインお力の検証を通じ、古い言語表現のなかに息づく一葉の先導的なモダニズムを検証する。
著者
林田 稔 木村 廣道
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.807-818, 2016-02-01 (Released:2016-02-01)
参考文献数
6

現在,羽田空港の対岸に位置する殿町地区は,ナノテクノロジー,ロボティクスからレギュラトリーサイエンス分野に至る研究施設が集積し,急ピッチで世界最先端の研究開発拠点の形成が進んでいる。われわれは,ハブ空港・羽田に隣接した立地性を生かして国内外から優れた知と技術を呼び寄せ,地域の資源を総動員したイノベーションエコシステムの構築に取り組んでいる。本稿ではセンター・オブ・イノベーションプログラムの採択拠点の1つである「スマートライフケア社会への変革を先導するものづくりオープンイノベーション拠点(COINS)」に焦点を当て,産学官医金連携によるオープンイノベーションの推進について紹介する。また,イノベーションエコシステムの構築において重要である(1)インフラ,(2)投資,(3)人材育成の3つの観点から,われわれの取り組みについて概説する。
著者
加藤 史訓 野口 賢二 諏訪 義雄 木村 晃 河合 雅史 高木 利光 小俣 雅志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_1396-I_1400, 2012 (Released:2012-11-15)
参考文献数
4
被引用文献数
7 12

Field survey on coastal dike damage and scouring induced by the Great East Japan Earthquake Tsunami was conducted in the Southern Part of Sendai Plain. Erosion rate of dike cross section was estimated by using topographical data obtained by airborne laser scanner. The erosion rate tends to increase with relative height of coastal dike from the landside ground. Tsunami overtopping caused scouring at the landward toe of coastal dike, being a trigger of dike failure. Cross-sectional shape of the ground induced by scouring and thickness of tsunami deposit was estimated by portable dynamic cone penetration test and trench survey.
著者
渋谷 俊昭 金山 圭一 上野 健一郎 木村 洋子 後藤 昌彦 籾山 正敬 北後 光信 白木 雅文
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.91-95, 2010-10-20

歯周組織に及ぼす喫煙の影響を検討する目的で,歯肉線維芽細胞へのニコチンの影響について検討した.歯肉線維芽細胞は通常の培地で24時間培養され,次に1μg/ml,0.1μg/ml,0.01μg/ml のニコチン含有培地で培養した.細胞増殖能を測定するために培養終了24時間前に3H-Thymidine を添加した.培養終了後に放射能計測を行い,細胞分裂能を観察した.さらに同様の培養後に細胞形態を観察した.また細胞骨格の観察の目的でFITC Phalloidin で染色し,ストレスファイバーの観察をおこなった.ニコチン添加1μg/ml 群では有意に細胞増殖能が低下した.また1μg/ml 群では細胞形態は紡錘型を呈していた.さらに細胞骨格のストレス線維は収縮し,粗になっていた.これらの結果から,歯肉線維芽細胞の増殖にニコチン摂取が抑制的に関与することが示唆された.
著者
長尾 和明 山本 浩之 笠 博義 竹津 英二 木村 義弘
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集 (ISSN:18849091)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.263-268, 2003-11-17 (Released:2011-06-27)
参考文献数
6

Iiyama tunnel has bored into Tertiary sandstone, mudstone and tuffbreccia which include inflammable gas like methane gas, at boundary of Nagano and Niigata prefecture. For methane gas is very combustible and explode easily, investigation and monitoring of inflammable gas is very important for safety construction of the tunnel. It was reported that horizontal exploratory boring, automated monitoring system and ventilation system for dilution of the gas were applied effectively on this tunneling.
著者
鈴岡 節 木村 和広 伊藤 悦雄 天野 真家
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.105-106, 1990-03-14
被引用文献数
2

ワードプロセッサのかな漢字変換において,多くの同音異義語に対してユーザが正しい漢字を選択する必要がある.この作業を軽減するための手段として,現在は短期学習(同音語内で最も最近選択された語が優先される)と共起テーブルの利用とが一般に用いられている.しかし,短期学習の場合,前とは違った分野の文章を入力するしかな漢字変換の質が下がる.また共起テーブルは予め作成することが非常に困難である上に,共起テーブルでは対処できない場合がある.これらの問題を克服するために,かな漢字変換に神経回路網技術を導入した.神経回路網を用いたかな漢字変換では,入力されている文章の文脈を把握する.そして文脈に応じて同音語内の語の優先順位を変え,今までに出現していない語であっても,現在の文脈と関連する語であれば,選択され易くする.
著者
浜口 斉周 宮崎 勝 藤沢 寛 西村 敏 木村 徹 大竹 剛 望月 貴裕 高橋 正樹 米倉 律 小川 浩司 東山 一郎
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.66, 2010 (Released:2010-11-15)
被引用文献数
1

テレビ・動画の視聴において、時間や場所の制約にとらわれないオンデマンド視聴や、口コミ・友人のお勧めに従うような、視聴スタイルのパラダイムシフトが起こっている。テレビ局は番組をただ放送するのではなく、適切なコンテンツを適切なユーザーに適切な形で届けることが求められている。本研究では、ビデオオンデマンドと番組レビューSNSを組み合わせたソーシャルTVにおける視聴行動に着目し、実験サイトを構築して被験者を集め、実際に行動ログの収集・分析を行なった。分析の結果、テレビ放送とは大きく異なる視聴行動の変化を捉えることができた。ソーシャルTV特有の視聴行動とその効果、サービス提供方法や必要な技術について論じる。
著者
氏家 恒太郎 山口 飛鳥 木村 学 久光 敏夫 平 朝彦
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.115, no.3, pp.353-366, 2006-06-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
34
被引用文献数
3 3

Fluid behavior during the evolution of the plate boundary fault (pbf) from a trench to seismogenic depths is the central problem when evaluating the relationship between fluids and seismicity in subduction zones. Ocean Drilling Program Legs 190 and 196 at the toe region of the Nankai accretionary margin reveal that fluid-filled dilatant fractures and underconsolidated underthrust sediments lead to an elevated fluid pressure in and below the pbf, respectively. The pbf with elevated fluid pressure extends down-dip to 35 km, resulting in the absence of seismic behavior at shallow depths and mechanical decoupling between accreted and underthrust sediments. Underconsolidated underthrust sediments are primarily caused by rapid tectonic loading compared to the rate of fluid escape in underthrust sediments and secondarily by a lowpermeability cap due to the compactively deformed pbf. Fluid-filled dilatant fractures represent the overconsolidate state within the pbf, which is caused by the generation of high fluid pressure after compactive deformations.The exhumed plate boundary rocks (i.e., tectonic melange) in the Shimanto accretionary complex indicate that the underthrust sediments became rocks due to dewatering, pressure solution, and other diagenetic reactions, thus acquiring elastic strength. The pbf in the upper part of the seismogenic depths was weak due to elevated fluid pressure, this facilitated the downward step of the pbf and the underplating of underthrust rocks. The pbf under low effective stress was unlikely to nucleate the instability; however the fluid-related repeated deformations, which probably reflect the seismic cycle in the subduction zone, could be recorded. The coseismic deformations were attributed to hydraulic implosion breccias, injection of ultracataclasite, and fluid inclusion stretching in the pbf. Implosion breccias suggest rapid depressurization associated with the passage of the rupture through dilational jog. Other deformations represent shear heating and fluidization along the narrow ultracataclasite layer, which could enhance the propagation of instability at the pbf in the upper parts of the seismogenic depths.
著者
木村 知宏
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.23-33, 2015

本研究では、情動・覚醒質問紙と唾液中コルチゾール、心拍数を用いて、デジタルゲームの異な る要素が感情経験と生理反応に与える影響についての検討を行う。大学生30名を対象として実験が行わ れ、唾液の採取と質問紙による主観的反応の測定がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験参加者 は、対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモード、またはコンピュータと対戦するゲームモード、 ゆっくりと村での生活を楽しむゲームのいずれかをプレイした(各ゲーム内容をプレイした群を、それ ぞれスキル学習群、対戦群、統制群とした)。その結果、コルチゾール分泌量と心拍数においてはゲー ム内容の違いによる差は見られなかったが、主観的反応において差が見られた。反応速度を要求するゲー ムの要素は、緊張感と活力感を生起させることが示された。