著者
中川 登美雄 杉本 裕美
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.295-304, 2004-09-25

石川県加賀市の大聖寺層から産出したEchinarachnius microthyroidesに見られる捕食痕について研究した.捕食痕は産出した241個体中120個体から見つかった.捕食痕率はカシパンウニの大きさにより大きく異なり,長さ28mm以下の個体では22.0%であるのに対して長さ28mm以上の個体では69.5%であった.円筒型で2〜3mmの修繕跡のない小さな径を持ち,酸によるエッチングが見られ,複数の穴が開けられている個体は6.7%とまれであることからLiracassis japonicaのように殻高数cmのトウカムリ科巻貝による捕食痕と考えられる.ほとんどの捕食痕は完全で,反口側に開けられていることから,捕食者はカシパンウニの上部(反口側)から襲いかかったものと推定される.Echinarachnius microthyroidesはトウカムリ科巻貝により捕食され,波の影響により浅い海に集積したと考えられる.

1 0 0 0 OA ICG副作用の3例

著者
河内 正男 杉本 裕之 富江 鋭毅 安斉 勝行 花田 英輔 斉藤 達也 小笠原 寛 栗原 稔 矢嶋 輝久 竹内 治男 八田 善夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.437-441, 1987-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
10
被引用文献数
3

ICGは安全性が高く, おもに肝機能検査として臨床に汎用されている.しかし副作用は皆無ではなく, 強いショック例や死亡例も存在する.今回我々は当科および関連施設において過去8年間に経験したICG副作用例を検索した.ICG検査施行2, 753例中, 死亡例は認められなかったが, 明らかにICGと関連した副作用症例が3例 (0.11%) 存在した.第1例は43歳男性, ヨード過敏症不明.ICG静注後1分30秒でショック症状出現, 心停止, 呼吸停止したが, 蘇生術で救命し得た.第2例は55歳女性, 診断は慢性肝炎, ICG静注後1分で血圧低下, 悪心, 嘔吐出現し, 抗ショック療法で改善した.本例はヨード過敏症を有していた.第3例は59歳女性, 診断は肝硬変症で, ヨード過敏症は認めない.ICG静注後より悪心, 悪寒を訴えたが, 安静のみで消失した.ICGの副作用は軽症例を含めると全国で100例以上の報告を数えるが, このうちショック症状を呈したものは20例以下で, 死亡例は5例である.副作用発現頻度は施設によりばらつきがあるが, 0.05~0.3%である.ICGには微量ながらヨードが含まれており, ヨード過敏反応による場合も多いとされているが, ヨードテスト陰性例においても, また, 薬剤その他のアレルギーの既往の無い例も数多く報告されている.ICGによる副作用は稀ではあるが, 死亡例も存在することから, 術前, 術中の細心の注意が必要であることを再認識する意味で, 若干の考察を加え報告した.
著者
木村 淳 浅田 昭 伏見 岳志 松本 義徳 杉本 裕介 清水 秀人 阪本 真吾 鉄 多加志 Schottenhammer Angela Jago-on Sheldon Clyde B. Lacsina Ligaya Sheppard Bob McCann Ian
出版者
東海大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2016-2018年の3ヶ年で、千葉県御宿町沖で1609年に沈没したスペイン船籍ガレオン船サン・フランシスコ号の船体遺存可能性の調査及び初期マニラ・アカプルコ交易船の船体・造船技術及び関連遺物把握の考古学研究を実施した。御宿町の岩和田沖合とされる同船の推定沈没範囲において、船体や関連遺物の遺存状況の検証を明らかにする水中考古学探査・潜水調査を行った。マルチナロービーム音響測深機による海底地形計測及び磁気探査、潜水調査によって、沈没可能性地点を浅海と沖合岩礁(真潮根)の二つに絞り込んだ。サン・フランシスコ号関連の文献精査、国外のマニラ・アカプルコ交易沈没船遺跡の比較研究を実施した。
著者
平井 健太郎 杉本 裕彦 石破 暉之
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.192-204, 1981-03-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
50
被引用文献数
5 5

1, 3-Dithiolium and 1, 3-oxathiolium cations are positively charged 6π electronic species and the C-2 carbon which has the largest positive charge density is bonded with two hetero atoms leading to high sensitivity toward nucleophiles.We have investigated the aromaticity of 1, 3-dithiolium cation and chemical behavior of the both cations toward nucleophiles as well as synthetic application of biologically active compounds.In light of our results, dithiolium cation forms an interesting class of versatile compound in view of its nonbenzenoid aromaticity and oxathiolium cation exhibits a high reactivity toward a variety of nucleophiles providing novel heterocyclic compounds and their precursors depending on the nature of the reagents and the reaction conditions. Thus, oxathiolium cations proved to be highly versatile synthetic intermediates.
著者
杉本 裕司
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.17-40, 1997-03-20

本論考は、日本人の道徳性の発達の仕方とその可能性を、認知発達論と深層心理学との「対話」によって検討することを目的としており、その際前者としては主としてL・コールバーグの主張を、そして後者としては河合隼雄(ユング派)の主張を引き合いに出し、考究の対象とすることにしたい。
著者
今井 健太 北村 光司 西田 佳史 竹村 裕 杉本 裕
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1A1-W02_1-_1A1-W02_4, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)

A large number of injuries were occurred in Japanese school environments. To prevent school injuries, it is important to understand accident situations and prioritize intervention targets. However, it is difficult for a risk manager of each school to do this since each school does not have data enough for statistical analysis. In this study, we developed the system that allows to grasp serious accident situations by integratively utilizing data distributed in multiple schools. The developed system finds serious accident situations that a school risk manager should know as follows. First, the system registers situational feature vectors for accident situations data by using a textmining technology. Second using the database, it searches accidents situations similar to the actually occurred situations. Finally it shows most expensive accidents using medical cost data. The effectiveness of the system was confirmed using 5,817 school injury data.
著者
鈴木 弘 若林 良二 武藤 憲司 島田 一雄 浅井 紀久夫 杉本 裕二 大澤 範高 近藤 喜美夫 田中 健二
出版者
東京都立航空工業高等専門学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:03871355)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.45-50, 2000-09

We have held several experiments on distribution of some events with satellite communications. We held a distribution experiment of 7th satellite design contest by transportable VSAT terminal on October 17,1999. In this paper we describe the outline of the systems of these distribution experiment and the way we did our experiments. The results of the questionnaire investigation for these experiments are presented and compared with each other.
著者
藤川 陽子 菅原 正孝 濱崎 竜英 米田 大輔 南 淳志 杉本 裕亮 岩崎 元
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.261-276, 2010-03

地下水中に自生するバクテリアを用いた亜ヒ酸・砒酸・鉄・マンガン・アンモニア同時除去の生物ろ過システムの開発を行ってきた。様々なバクテリアのうち,鉄バクテリア(溶解性の鉄及びマンガンを生物学的に酸化し,これらを酸化物として沈積させるバクテリア)および硝化菌が著者らの生物ろ過システムでは大きな役割を果たす。この報告では2004年以来の生物ろ過のパイロット試験結果を概括する。目的は砒素の効率的除去を達成するための最適運転条件探索である。
著者
竹内 順子 柴坂 寿子 佐治 由美子 菊地 知子 塩崎 美穂 入江 礼子 小玉 亮子 私市 和子 中澤 智子 石塚 美穂子 肥後 雅代 今井 由美子 片桐 孝子 高坂 悦子 浜崎 由紀子 藤田 まどか 阿部 厚子 江波 諄子 杉本 裕子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

乳幼児0~2歳が過ごす学内保育所(お茶の水女子大学附属「いずみナーサリー(以下、ナーサリー)」)の教育的質の向上と、大学全体のコミュニティとしての教育環境「大学の中で赤ちゃんが笑う」構想を実現するために、下の3つの視点から研究を総合的にすすめた。(1)週1日から週5日の通所日数自由選択や一時保育、また、1日の保育時間もフレキシブルに決められる多元的保育体制において、保育の質を保証するための保育方法、カリキュラム(学び/育ちの履歴)開発(2)環境的教材、芸術的表現教材の開発(3)大学の特性を生かし多世代・他分野との協働を生かしたコミュニティ的実践。平成24年3月に最終報告書「大学の中で赤ちゃんが笑うII」を発行した。