著者
汐見 稔幸 志村 洋子 村上 博文 松永 静子 保坂 佳一 冨山 大士
出版者
白梅学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、乳児保育室の環境構成が子どもの行動に与える影響について、環境条件として空間構成と音に注目し、アクションリサーチ的手法を取り入れて調査した。その結果、部屋を単一空間から仕切られたより小さな空間にしたり、部屋から80dBを超える音を減らしたりすることによって、子どもが落ち着き、集中し、じっくり遊ぶようになることがわかった。
著者
森村 洋子
出版者
恵泉女学園大学
雑誌
園芸文化
巻号頁・発行日
no.4, pp.48-58, 2007-05
著者
森 浩一 外山 崇子 三井 真紀 今泉 敏 志村 洋子 中島 八十一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.639, pp.77-84, 1999-03-05
被引用文献数
5

機能的核磁気共鳴画像法 (fMRI) は低侵襲なため、脳機能の局在の研究によく使われる。しがしながら大騒音 (93〜105dB SPL) を伴うので、音による反応を調べるには不向きとされている。MRI 装置内では磁性体が使えないため、音は非磁性のチューブ経由で聞くようになっているが、付属するイヤホンは 10dB 程度の防音効果しかない。そこで、イヤホンを挿耳型にして防音を改善し、連続ではなく間歇撮像で記録することによりほとんど騒音のない状態で音を聴取できるようにした。その結果、第一次聴覚野のある横側頭回 (Heschlgyrus) と聴覚連合野のある側頭平面の信号が、撮像騒音で飽和することなく検出可能であった。
著者
河村 洋子
出版者
日本混合研究法学会
雑誌
混合研究法 (ISSN:24368407)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.68-84, 2022 (Released:2022-08-20)

ポジティブ・ディビアンス(PD)とは、「社会や組織を変えるためのアプローチで、コミュニティがすでに持っている知恵を発見し、それに基づいて行動することを可能にするもの」と定義される。1990 年代にベトナムで子どもの低栄養の問題に対してこの概念が社会課題を解決するためのアプローチとして確立されて以降、複雑な社会課題に活用されている成果を上げてきた。PD を実際に課題解決のアプローチとして活用する際には、量的、質的調査手法を用いて進める必要があるため、混合研究法(MMR)との親和性が高い。相互の理解が進むことで、社会課題実践と研究がより近づき、研究活動の現場での活用度と実践性の高い知見の創出が促進されるだけではなく、PD の活用で求められる思考の転換によって、学術的にも新規性の高い成果が期待できる。本稿は2021 年10 月に開催された国際混合研究法学会混合アジア地域大会のプレカンファレンスワークショップで、著者が多くの MMR 研究者が PD を自らの研究活動に取り入れていくことを狙って、MMR との関係性の中で PD を紹介し、研究実践に取り入れていただくことを提案した内容を整理したものである。
著者
志村 洋子 今泉 敏
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.365-371, 1995-07-20
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

乳児期の初期の音声による非言語情報表出能力の発達を調べるために, 2ヵ月齢児の音声200サンプルに対して, 9対から成る感性情報に関する項目について成人学生による評定実験を行い, 先に報告した6, 9, 12, 17ヵ月齢児の音声に対する評定結果と比較した.その結果, 2ヵ月齢時の音声からも感性情報に対応する因子, 「快」対「不快」, 「他者との拒否的係わり」対「平静な内情表出」因子などが抽出された.2ヵ月齢時の音声は第1, 2因子平面の中心に特定の方向を持たず分布したのに対し, 6ヵ月齢以降では特定の方向が現れ, かつ個人間差異が多様になった.以上の結果は, 6, 9, 12, 17ヵ月児に比較すると特定の方向性はみられないものの, 音声の非言語的要素を通してコミュニケーション行動を行うのに必要な音声を, 2ヵ月齢児でもある程度発声できることを示すものと考える.
著者
尾西 康充 岡村 洋子
出版者
三重大学
雑誌
人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1a-15a, 2001-03-25

本研究で取りあげる梅川文男は,戦後,三重県議会議員(一期)・松阪市長(三期)をつとめ,革新の立場から手腕をふるった人物である。一九六一(昭和三六)年の就任から死去する六八年まで在職した松阪市長の時代には,文化行政の面で,いくつもの貴重な業績を遺している。『都市部落』・『農村部落』の出版(朝日文化賞受賞),三重県解放運動無名戦士の碑の建立,松阪市戦没兵士の手紙集『ふるさとの風や』の出版,本居宣長記念館の建設(完成したのは没後)などである。戦後半世紀を経た今日から見れば,もはやありふれたものに映るかも知れないが,当時としては,どれも時代に先がけた取り組みばかりであった。彼の取り組みの特徴を一言で述べれば,松阪が担っていたそれまでの歴史的な過去を,それらが持つ正の部分も負の部分も含めて正視しようという姿勢が貫かれている点にある。そのような行政上の実績を評価するうえで,忘れてはならないのは,梅川文男が戦前,農民組合の活動に携わりながら,プロレタリア詩を創作した詩人であったという事実である。戦前に活躍した三重県ゆかりのプロレタリア詩人として,四日市の鈴木泰治と並ぶ,きわめて貴重な存在である。雑誌「詩精神」は「プロレタリア詩雑誌の〈正系〉」(伊藤信吉)をうけ継ぐものであり,そこには,「堀坂山行」というペンネームで書かれた作品が毎号のように掲載されている。三四(昭和九)年一月から翌年十二月まで続けられた「詩精神」には,新井徹・後藤郁子を中心として,小熊秀雄・田木繁・遠地輝武・大江満雄・鈴木泰治など,すぐれた詩人が集まっていた。そのなかの一人として,「農民組合運動のさ中にある詩人」(新井徹)の立場から,梅川文男は農民運動および水平運動に直接関わる詩をいくつも寄稿していたのである。そこで本稿では,まず彼の文学活動について論及しようと考える(次号では,当時の農民組合運動について,淡路時代の記録を紹介しながら,彼の軌跡を明らかにしたい)。さらに巻末には,梅川文男に関わる研究資料として,大山とし氏から閲覧の許可をいただき,翻刻した書簡を紹介する。三・一五事件によって神戸で検挙起訴されていた梅川文男の様子がうかがえる貴重なものである。治安維持法違反の容疑で官憲に拘引されたのが二二歳,それから五年間も囚われの身となるのだが,その若さにもかかわらず,彼には「悟り切った人のようなユウユウたる御心境」がうかがえたという(書簡09 : 二九年六月一八日)。河合秀夫の妻いく子夫人が梅川の父辰蔵に宛てて記した書簡十六通,二八(昭和三)年七月一九日から三〇年九月二九日に至るまでの記録を,原文に従って掲載する。
著者
加藤 美生 木内 貴弘 河村 洋子 石川 ひろの 岡田 昌史 奥原 剛
出版者
帝京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

保健医療課題を取り扱ったプライムタイムテレビドラマの研究状況を文献調査から把握した。視聴者の医師像の認知および医師への信頼度の影響を分析したところ、医療ドラマの外科医の描かれ方によって信頼度を左右する可能性があることが明らかになった。テレビドキュメンタリー番組に登場した患者の語りについてはその重要性が近年認識されつつあることがわかったが、公害や薬害の番組数は種類によって制作数の偏りが見られた。エンターテイメント・エデュケーション実施団体や医療ドラマ制作者へのヒアリング調査により、制作者の制作動機や課題を収集し、メディアと医療をつなぐ会を設立し医療ドラマ制作教育プログラムを実施した。
著者
隅田 寛 瀧村 洋子
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-26, 2003

大脳動脈輪は左右対称に描かれていることが多いが、実際には変異が多く、左右非対称例も多い。大脳動脈輪の左右非対称性について知識を有することはコメディカル分野においても重要である。たとえば診療放射線技師にとっては、脳血管造影読影を誤らないために必要である。今回、左右非対称大脳動脈輪と下小脳動脈の一例に遭遇したのでその形態について観察した。<BR>中大脳動脈の径に左右差は認められなかった。右前大脳動脈交通前部は左に比べて極めて細かった。通常と異なり、前交通動脈の太さは左前大脳動脈と同等であった。この例では、前大脳動脈交通後部は左前大脳動脈の延長として構成されているように見えた。後交通動脈に関しては、右に比較して左側が極めて細かった。また、右後大脳動脈交通前部も極めて細く、右後大脳動脈交通後部は右後交通動脈の延長として構成されているようにみえた。<BR>その他に、左前下小脳動脈は通常に脳底動脈から起始していたが、右前下小脳動脈は椎骨動脈から起始していた。また、左後下小脳動脈に比較して、右後下小脳動脈の径は極めて小さかった。<BR>今回の例は、交通動脈の変異としては左右非対称の代表的なパターンに当てはまる。しかし、椎骨動脈から起始する前下小脳動脈に関しては、このような変異の報告は少なく、本例は数少ない例かも知れない。<BR>血流に関して、右後頭葉はおもに右内頚動脈からの血液を受けていたことが類推される。また、右前頭葉は右内頚動脈からよりもむしろ左内頚動脈からの血液を受けていたことが類推できる。このように、大脳半球に分布する動脈血流の左右差は小さかったものと思われるが、仮に内頚動脈や椎骨動脈が動脈硬化等による血流障害を起こしたとすれば、血流障害の原因となった動脈の血液循環経路から通常に予想される症状とは異なる症状を呈した可能性がある。
著者
西村 洋子
出版者
日本介護福祉学会
雑誌
介護福祉学 (ISSN:13408178)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.214-225, 2006-10-01

平成12年,介護保険制度導入後のA市保健・医療・福祉サービス調整推進会議(以後,サービス調整会議と略す)の下位組織である6ブロック会議からC,Eブロック(以後,地区と略す)を選び,その地区会議運営(過程)に関する評価を試みた.地区会議では地域住民のニーズとその対応方法の検討,事例検討等を通じて,サービス調整会議への課題の提言等をしている.関係者から研究的立場での参加が許可された,C,E地区に平成13年9月から1年間オブザーバーとして出席し,記録と会議の資料等により状況を把握した.会議の内容を,(1)行政制度・施策,(2)地域ケア,(3)利用者への個別ケアに分類して,課題(問題点)が提起された議題について協議結果を,(1)解決(○),(2)一部解決(△),(3)保留・解決せず(×)に分類して判定した.事例検討の結果,提出者より提起された課題への解決策に対する提出者の対応状況,およびその結果・課題の解決状況を提出者より聞き取った結果を参考にして,対応・一部対応・対応せず,また,解決・一部解決・解決せずの3分類を用いて定性的評価を行った.地区会議への出席者は行政関係者およびケアマネジャー等であり,利用者のニーズを充足するための協議,困難な課題を有している事例の検討を行っているが,必ずしも問題解決に至っていない.事例が有している困難な課題として,「精神的不安定」「家族への対応困難」「入退院上の問題」が比較的多かった.多機関・多職種が参加する地区会議運営の課題は,利用者のニーズ把握,サービス提供方法,評価等に関する専門的知識・技術を参加者が共有し,効果的な協議を通じて課題解決を図ることである.
著者
廣川 空美 森口 次郎 脊尾 大雅 野村 洋子 野村 恭子 大平 哲也 伊藤 弘人 井上 彰臣 堤 明純
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.311-319, 2021-05-15 (Released:2021-06-03)
参考文献数
17

メンタルヘルス不調者のサポートのために,地域職域連携が謳われているが,実行性のある取り組みは少ない。とくに小規模事業場は課題が多く,地域と職域との密接な連携による対策が求められる。地域で実践されている好事例や認識されている課題を挙げ,メンタルヘルス対策の連携の阻害要因を整理し,実行性のある連携方法を提案することを目指したシンポジウムを開催した。 産業保健総合支援センターを核にした地域専門医療機関との連携による事例では,地域の専門医療機関の情報提供とその有効活用の工夫が示された。地域における産業保健を支援する医療リソースの把握と事業場への情報提供は産業保健総合支援センターが貢献できる領域である。 京都府では,医師会や行政が,地域の産業医,精神科医,人事労務担当者等関係者間で,連携目的に応じた定期的な会合や研究会を開催しており,多様な「顔の見える」多職種連携が展開され,関係者間で発生する課題や不満も含めて議論されている。 社会保険労務士として企業のネットワークを,障害者雇用に活用している事例では,地元の事業活動の核となる金融機関や就労移行支援事業所等と連携して,有病者や障害者のインターンを中小企業で受け入れるプロジェクトが展開されている。フルタイムの雇用にこだわらず,事業場のニーズと有病者の就業可能性をすり合わせる仕組みは,メンタルヘルス不調者の復職などに応用できる可能性がある。 相模原市では,評価指標を設定しPDCAを回しながら零細企業を対象とする支援を行っている。具体的には,市の地域・職域連携推進連絡会において,中小事業所のメンタルヘルス対策を含めた健康づくりの推進を目的に,事業所を訪問し,健康経営グッドプラクティスを収集して,他の中小事業所の事業主へ周知する取り組みを行っている。 連携の阻害要因には,職場から労働者の家族等に連絡が取りにくい点,メンタルヘルス不調者が産業保健のケアの対象から漏れたときの支援の維持方法,保健師等専門職がいない職場でメンタルヘルスを進める工夫,サービスを展開するマンパワーの不足が挙げられた。職域と地域の連携のギャップを埋めるためには,保健師や臨床医を含む関係者による,それぞれのメリットを求めた連絡会や勉強会等の顔の見える関係づくりは有用で,小規模事業場へのアプローチは健康問題全般の支援にメンタルヘルスを組み込む形で行うことが受け入れやすいと考えられた。
著者
大塚 泰介 山崎 真嗣 西村 洋子
出版者
日本生態学会暫定事務局
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.167-177, 2012 (Released:2013-10-08)

水田の多面的機能は、そこに生息する生物間の相互作用に負うところが大きい。水田にキーストーン捕食者である魚を放流して魚を放流しない水田と比較すれば、対照区つきの隔離水界実験(メソコスム実験)になり、水田の生物間相互作用を解明する上で有効である。水田にカダヤシを放流しても、カに対する抑制効果が見られないことがある。カダヤシはカの幼虫・蛹のほかに、その捕食者や競争者も食べるので、捕食による効果の総和が必ずしもカを減らす方向に働かないためである。メコン川デルタの水田に3種の魚を放し、魚を放さない水田と生物群集を比較した実験では、ミジンコ目が減少し、原生動物とワムシが増加し、水中のクロロフィルa濃度が増加するという結果が得られている。水田にニゴロブナの孵化仔魚を放流した私たちの実験でも、これと類似の結果が得られた。ニゴロブナの後期仔魚および前期稚魚はミジンコ目を選択的に捕食し、ほぼ全滅させた。すると放流区では対照区よりも繊毛虫、ミドリムシなどが多くなった。また放流区では、ミジンコ目の餌サイズに対応する植物プランクトン、細菌、従属栄養性ナノ鞭毛虫などの数も増加した。メコン川デルタと私たちの結果は、ともに典型的なトップダウン栄養カスケードとして説明できる。また、魚の採食活動が、底泥からの栄養塩のくみ上げや底生性藻類の水中への懸濁を引き起こしたことも示唆される。これとは逆に、コイの採食活動によって生じた濁りが、水田の植物プランクトンの生産を抑制したと考えられる事例もある。こうした実験の前提となるのは、魚が強い捕食圧を受けていないことである。魚に対する捕食圧が大きい条件下での水田生物群集の動態は、今後研究すべき課題である。
著者
竹村 洋子 持田 裕司 松本 正江 大沼 昭夫
出版者
大日本蚕糸会
巻号頁・発行日
no.59, pp.21-26, 2011 (Released:2013-10-08)

人工受精においては,雌蛾の交尾嚢内に精包が形成されておらず,交尾嚢内で活性化した精子は直接受精嚢に到達する。交尾嚢を破壊した雌蛾に通常の雄蛾を交尾すると,交尾嚢導管に精包が固定され通常交尾と同様の受精卵を産み, 精包は交尾嚢の代替えとなりえるが,人工受精では受精卵は産下されなかった。精巣を除去した無精子精包は,精子以外の全ての分泌液を含んでいる。未活性精子を人工受精した雌蛾にこの無精子精包雄蛾を交尾させると受精卵が産下され,この方法は人工授精法における精子のトリプシン処理の代替えとなり得ることが明きらかになった。

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著者
基太村 洋子
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.389-398, 1979-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
39
被引用文献数
1 1