著者
松本 博 村井 誠三
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.291-294, 2021 (Released:2021-06-28)
参考文献数
6

当院で外来維持透析中の患者110名および職員16名において2020年4月1日から4月8日の間に透析患者3名と看護師3名の新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)がPCR検査で確認された.3名の高齢男性患者は咳嗽と発熱で発症し,そのうち2名は糖尿病と脳梗塞による仮性球麻痺を合併し,類天疱瘡でステロイド薬を服用中であった.2名の看護師は発熱で発症した.COVID‒19発生後,すべての患者と職員にPCR検査を行い無症状な看護師1名が陽性であった.透析患者3名と看護師1名が入院,看護師2名は自宅待機となり,全員がCOVID‒19より回復した.2020年7月すべての患者と職員を対象とした新型コロナウイルス抗体価は,罹患歴をもつ5名(入院中の1名を除く)以外は全員陰性であった.それ以後2020年10月10日まで新たなCOVID‒19発症は経験していない.
著者
村井 俊哉 後藤 励 野間 俊一
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

病的賭博に代表されるなんらかの行為の対する依存は「プロセス依存」と呼ばれ、物質への依存症と共通する病態機構を持つのではないかと推測されている。プロセス依存の基盤となる認知過程・脳内過程の解明を目的とし、病的賭博群に対して、報酬予測や意思決定課題を用いた機能的神経画像研究を実施した。結果、病的賭博群において報酬予測時における報酬系関連脳領域の神経活動の低下を認め、さらにその賦活の程度と罹病期間の関連が見出され、同神経活動が病的賭博の臨床指標になりうる可能性が示唆された。
著者
村井 淳志
出版者
東京都立大学教育学研究室
雑誌
教育科学研究 (ISSN:02897121)
巻号頁・発行日
no.4, pp.23-32, 1985-07-31
著者
村井 邦彦 酒井 大輔 中村 嘉彦 中井 知子 鈴木 英雄 五十嵐 孝 竹内 護 村上 孝 持田 讓治
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.1202020056, (Released:2012-02-16)
参考文献数
49

椎間板ヘルニアに伴う神経痛の病態には,神経根の炎症機序が関与している.その一因に,椎間板髄核が自己の組織として認識されない隔絶抗原であるので,髄核の脱出に伴い自己免疫性炎症が惹起されることが考えられる.一部の髄核細胞の細胞表面には,眼房細胞などの隔絶抗原にみられる膜タンパクFasリガンドが存在し,Fas陽性の免疫細胞のアポトーシスが惹起され,自己免疫反応は抑制されるが,二次的に好中球の浸潤が惹起され,炎症を来す可能性がある.近年,われわれはマクロファージやナチュラルキラー細胞などの細胞免疫反応が,椎間板ヘルニアに伴う痛みの発現に関与することを示した.Fasリガンドや,細胞免疫の初期に発現するToll 様受容体に着目すれば,坐骨神経痛の新たな治療法が開発できる可能性がある.
著者
斉藤 勇璃 白石 智誠 太田 和宏 根本 さくら 石川 一稀 宇田 朗子 小川 卓也 友広 純々野 中村 祥吾 山内 拓真 西川 和真 宍戸 建元 長野 恭介 蓬畑 旺周 稲垣 武 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二 角 薫 松原 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

シナリオライターの負担軽減と物語多様性の担保という観点から,ゲーム自動生成システムの開発の必要性が指摘されてきている.これまでに固有名の組みあわせによるシナリオ自動生成やダンジョン自動生成など,いくつかの挑戦は行われてきたが,ゲーム全体において一貫した世界観やストーリー展開を実現するのは困難だった.そこで本研究ではロールプレイングゲームを対象として,シナリオ自動生成,ダンジョン自動生成,BGM自動選択を統合したシステムの開発を行った.シナリオ自動生成においては,既存のゲーム作品のシナリオ分析結果に基づき,クエスト単位でのシナリオ自動生成を行った.次に生成された複数のクエストを統合してストーリーの破綻がない複合的なシナリオの自動生成を実現した.また,ダンジョンは自動生成を実現し,マップやキャラクターは生成されたシナリオに沿ったものを作成した.さらに,シナリオの各場面の機能や登場人物の感情状態に合わせたBGMの自動選択を実現した.これらのゲームの各種要素を自動的に生成して統合することで,ロールプレイングゲーム自動生成システムの構築を行った.
著者
橘 啓盛 池谷 朋彦 高橋 伸政 村井 克己 青山 克彦 星 永進
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.790-794, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は38歳女性.月経に一致した左気胸を発症し当センターを紹介された.月経22日後に行った胸腔鏡下手術にて,肺瘻の部位や気腫性嚢胞は確認できなかったが,左胸腔内の臓側,壁側胸膜にびまん性に多発する褐色の結節を認めた.病理学的に臓側,壁側胸膜ともに子宮内膜組織を認め,月経随伴性気胸と診断した.術後第3病日に月経が開始し右気胸を併発したが胸腔ドレナージにより改善した.後にホルモン療法を施行し,術後1年の経過では気胸の再発を認めていない.本症例は月経直前に手術を施行したため脱落する前の病変が観察されたと考えられた.発症機序は腹腔からの子宮内膜組織の侵入と臓側胸膜病変の脱落による気胸発症と推測された.壁側胸膜に子宮内膜組織を認めることはまれであり,月経随伴性気胸の発症機序を考えるうえで,本症例は興味深く貴重な症例と思われた.
著者
野村 正人 村井 義洋
出版者
近畿大学工学部
雑誌
近畿大学工学部研究報告 = Research reports of the Faculty of Engineering, Kindai University (ISSN:2434592X)
巻号頁・発行日
no.53, pp.27-31, 2019-12-21

[Abstract]Hiragana is separated by line endpoints, line intersections, and curve vertices, the distance between the lines is determined in pixels, and the aspect ratio is determined to determine whether the golden ratio and silver ratio are included. It has been clarified that the golden ratio is included in the ratio of. He also revealed that √2 rectangular diameter called Porte d'Harmonie, which has been considered ideal since ancient times, and √3 rectangular diameter drawn from it are included in Hiragana characters. Furthermore, it was clarified that the ratio of the line length in the hiragana letter shape includes the golden ratio and the silver ratio.
著者
村井 実
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.33, pp.50-64, 1976-05-10 (Released:2009-09-04)

Defining “goodness” we may say “goodness” is a word as a symbol for the structural actions of some of mechanism with which man is internally endowed.The structural operation with which man is internally endowed, is some type of activity which requires simultaneous fulfilment of the four needs of “reciprocity”, “usefulness”, “non-contradiction” and “beauty” ; when these function can be judged temporarily satisfied, a state is reached to which the expression of “goodness” applies.Hence, what is called “goodness” cannot be grasped by a simple realistic way of thinking- “goodness” existing as reality. Neither can it be explained sufficiently by some sort of nominalistic thinking- “goodness” as just a word for some kind of feeling.It is clear, then, that the fundamental problem of education, i.e. to make children “good”, contains some deep relation to this problem of understanding the meaning of “goodness”.
著者
村井 実
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.34, pp.1-17, 1976-10-10 (Released:2009-09-04)

“Goodness” is understood as a signal expressing the simultaneous satisfaction of the 4 needs of “reciprocity”, “effectiveness”, “unreservedness”, “beauty” with which all men are equally endowed : this is an interpretation of “goodness” suggested in this paper.If this proposition is valid, it follows that education, i.e. the endeavour to make the child “good”, must concentrate on activating this structural mechanism inherent in the child. Furthermore, from this point of view, various theories and discussions concerning education must be subjected to a fundamental critical upraisal examining whether they are built on this understanding of “goodness”.In this sense, in this paper several educational theories are critically examined. In particular, as a typical example of critical examination, the recent theory of L. Kohlberg on moral education was chosen as a theory which lacks a satisfactory scrutiny of “goodness”
著者
村井 実
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.32, pp.1-18, 1975-10-10 (Released:2009-09-04)
参考文献数
6

In all enunciations concerning education, the terms “good” or “not good” are very frequently used, in fact statements on education cannot be made without reference to these concepts. Thus it is obvious that attention in educational research should be directed toward a closer examination of the term or the concept of goodness.However, in fact, this kind of attention is lacking among present-day resear-chers : the first point made in Part I of this paper is that this situation is not as it ought to be.On the other hand, a number of attampts were made, especially since the time of G. E. MOORE, by persons not necessarily qualified as educational researchers, to determine the concept of “goodness” : the second point of Part I of this paper is to show that such attempts, from the viewpoint of interest of the educational researcher, have remained somewhat unsatisfactory.Hence, the third point made in Part I of this paper is that for the educational researcher it is necessary to approach the problem of “goodness” not only as a general research problem of “goodness”, but that an attempt is called for to determine its nature also from its own standpoint, i. e. from the point of view of educational research.In the future, the author plans in a Part II to attempt a new clarification of the concept of “goodness”.
著者
村井 不二男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1324-1326, 1960-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
4

著者らによって単離されたマタタビの有効成分の一つであるマタタビラクトン,C10H16O2(I)の化学構造についてのべる。Iの過マンガン酸カリウム酸化によって2種のネペタリン酸がえられた。またIの加水分解により,一部は相当するオキシ酸(VI)を結晶としてあたえ,このものの閉環によってイソイリドミルメシン(IVb)がえられた。これらの結果からマタタビラクトンはイリドミルメシン(IVa)とイソイリドミルメシン(IVb)の混合物であると推定される。

2 0 0 0 OA [お伽噺]

著者
村井静馬 著
出版者
小森宗次郎
巻号頁・発行日
vol.桃太郎噺, 1876
著者
大平 恵 坂上 慎二 大平 洋 渡邊 安寿香 池田 大輔 吉田 和博 山口 佳奈 村井 毅 黒澤 隆夫 辻野 一三 大塚 吉則 西村 正治
出版者
ライフ・サイエンス
雑誌
Progress in Medicine (ISSN:02873648)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.2043-2048, 2009

近年,胆汁酸吸着レジンであるコレスチミドには,血中コレステロール値を低下させるだけでなく,血糖値を低下させる作用を併せ持つことが報告されている. 胆汁酸とエネルギー代謝との関連が明らかになってきており,コレスチミドの血糖降下作用のメカニズムにも胆汁酸分画の変化が関与している可能性もある. われわれは,外来通院中で高LDLコレステロール血症を伴う2型糖尿病患者19例に対しコレスチミドを12週間投与し,血中胆汁酸分画の変化と血糖降下作用との関連を検討した. 投与後,血中LDLコレステロール値の低下とともに,臍周囲径,空腹時血糖値,HbA_[1C],HOMA-Rの有意な低下を認めた. しかし, 血中総胆汁酸濃度とその分画の濃度には変化を認めず,HbA_[1c] や臍周囲径の変化との相関関係も認められなかった.コレスチミドによる血糖降下作用は,血中胆汁酸分画の変化とは関連せず,他の機序が関与していることが示唆された.
著者
口 武雄 村井 不二男 磯江 幸彦 玄 亟培 林 雄二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.507-528, 1969-06-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
84
被引用文献数
27

表題のネコ科動物の嗜好植物から著者らは2種の塩基(アクチニジンとボシュニアキン)を,C9-ラクトンとしてボシュニアラクトン,オニクラクトンおよびミツガシワラクトンを,C10-ラクトンとしてイリドミルメシン,イソイリドミルメシン,ジヒドロネペタラクトン,イソジヒドロネペタラクトン,ネオネペタラクトン,`イリドミルメシン,cis,cis-イソイリドミルメシンciscis-ジヒドロネペタラクトンとcis,cis-イソジヒドロネペタラクトンを,cis,cis-ラクトンとしてアクチニジオリドとジヒドロアクチニジオリドを単離した。これらの塩基,ラクトン類はいずれもネコ科動物に対して顕著な興奮作用を持っている。一方,クサカゲ淳ウの一種,ヨッボシクサカゲロウの雄もまたマタタビに強く誘引されることが知られており,著者らは虫果および葉から7種のイリドイドーアルコール類を単離した。これらのアルコ一ルは,ネオマタタピオールではl0-6μgで,マタタピオールおよびデヒドロイリドジオールは10-3μgで,またイリドジオール,5-ヒドロキシマタタピエーテル,7-ヒドロキシジヒドロマタタピエーテル,アロマタタピオールは1μgでそれぞれクサカゲロウを誘引する。著者らは上に述べた活性物質のすべての構造を化学的およびスペクトル的方法により決定し,かつ,それらを立体特異的に,あるいは生合成的経路で合成に成功した。またC11-ラクトン合成の途上ジエンからアレンーアルコールが光増感酸化でえられることを見いだした。C9-モノテルペンの立体化学は,ボシュニアリン酸のすべての異性体を確実に合成することにより確立された。
著者
村井 誠人
巻号頁・発行日
pp.1-38, 1992

(02401010) 平成三年度科学研究費補助金(一般研究A)研究成果報告書 研究代表者村井誠人(早稲田大学文学部教授)