著者
川井 廉之 星 永進 高橋 伸政 池谷 朋彦 村井 克己
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.1978-1981, 2011

症例は30歳,男性.前医にて緊張性気胸に対する胸腔ドレナージ後に血胸を呈し,医原性の血胸が疑われ当センターへ緊急搬送された.胸部X線写真にて右胸腔に大量胸水貯留を認め,ドレーンからの出血が続いていたため,血気胸の診断で胸腔鏡下緊急止血術を施行した.出血は肺尖部対側の胸壁の断裂した血管からであり,自然血気胸と診断した.術後,再膨張性肺水腫を発症したが,その後の経過は良好で,術後第7病日に軽快退院となった.自然血気胸の中には本例のように初回胸部X線写真で胸水貯留が認められない症例があり,早期の診断と治療のためには,ドレナージ後の注意深い経過観察が重要である.
著者
藤井 敏弘 村井 慎哉
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.201-207, 2005-05-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

毛髪および羊毛からのタンパク質抽出に有効な信大法をヒト爪に適用した. この結果, 従来法と比べ, 信大法を用いた場合の抽出タンパク質量は約2.5倍多かった. また, 毛髪, 羊毛と比べ, 抽出標品は, ハードケラチンやマトリヅクスタンパク質に加え, 爪の特性であるソフトケラチンを含んでいた. 爪ケラチンおよびマトリックスタンパク質にリン酸化分子種が含まれていることから, 翻訳後の修飾が強く示唆された. 毛髪タンパク質溶液からフィルムヘ簡便に変換するブレキャスト法, ポストキャスト法, ソフトポストキャスト法を爪タンパク質に適用したところ, すべての方法でフィルム形成が見られ, 70~90%の高い割合で回収された. フィルムはハードケラチンを主成分とし, ソフトケラチン, マトリックスタンパク質を含んでいた. タンパク質溶液からフィルムヘ1分以内の短時間で形成されるプレキャスト法およびポストキャスト法で得られたフィルムは白色で不透明性であったが, 一方, 形成に5~40分ぐらい必要なポストキャスト法 (pH5) とソフトーポストキャスト法で得られたフィルムは半透明性を示した. SEM観察から, 半透明性のフィルムは不透明のフィルムよりもその表面が滑らかであった. これら半透明性のフィルムは, 270~295nmに吸収をもつことから, 新規のUVケア機能をもつ製品へ期待される.
著者
津村 哲史 村井 秀幸 廣瀬 圭一 山崎 幹夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.156, pp.53-58, 2009-07-23

近年,高度情報化社会が急速に進展しており,その社会インフラを支えるIT機器の役割が重要視されている.そのIT機器への電力供給は無停電・無瞬断が要求されており,地域毎に異なる電力系統の品質把握及びそのバックアップ電源として設置される非常用発電装置・無停電電源装置等の故障リスク分析は非常に重要である.このような理由から,全国約8,000の通信ビルにおける停電情報や,それらビル内に設置された約20万の電源装置から収集した装置の故障・復旧時間のフィールドデータを基に,給電信頼度データベースを構築した.このデータベースを用いることで,停電事故に関する年次,季節毎の傾向や地域特性の把握,及び装置の種類・容量規模等ごとの給電システムの信頼度評価を可能するシステムを開発したので,それらの概要について報告する.
著者
村井 聡一 牛尼 剛聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.24-34, 2013-09-27

「立ち読み」は書籍選別に有効な手段である.これまでにも,ユーザのクエリに基づいて効果的な選別を行う手法は提案されているが,未読の小説においては,ユーザは小説本文に含まれるキーワードをクエリとして指定することは困難である.本論文では,Web上で閲覧できる電子化された小説を対象とし,「立ち読み」を始める箇所の効率的発見を支援するインタフェースを提案する.本インタフェースでは,小説の選別においては,小説の内容に興味をひかれるかどうかが重要と考え,「物語の進行における興味をひく度合いの推移」を可視化した興味喚起度マップを利用する.興味喚起度マップでは,ユーザの興味をひく度合いが高い単語が密に出現する箇所が,ユーザの興味をひく度合いが高いと考え,単語の興味をひく度合いは,小説のレビューを用いて推定する.興味喚起度マップは,層構造を持ち,上位の層は全体像の把握ために利用し,下位の層は詳細な内容の把握のために利用する.本インタフェースでは,ユーザが興味喚起度マップ上の単語をクリックすることによって,効率的に「立ち読み」を行うことができる.被験者による実験によって,本インタフェースを利用した「立ち読み」によって,Webブラウザを用いた「立ち読み」よりも,電子化された小説を効果的に選別できることが示された.Book browsing is one of effective methods to select books in bookstores. Some techniques have been proposed for supporting effective book selection based on user queries, but people can hardly give sufficient queries for unread novel. In this paper, we proposed a browsing interface for supporting a user to decide whether the user reads an electronic novel effectively on the web. Our interface provides an attractiveness map, which visualize a transition of attractiveness in a target novel, for effective selection of a novel. An attractiveness map has a layered structure and a section where high attractiveness words appear in high density has high value. The attractiveness of a term in a novel is estimated automatically from online book reviews of the novel. A user can browse the electronic novel effectively by clicking on attractiveness terms on the attractiveness map. Experimental results show that browsing of our interface supports users to decide whether the user would like to read a target novel or not more efficiently than browsing of a web browser.
著者
村井 信彰 加藤 聰彦 伊藤 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.195, pp.33-36, 2005-07-14
被引用文献数
1

モバイルネットワークの普及に伴い, Mobile IPがその基本プロトコルとして注目されている.IETFでは, IPv6アドレスに対応するとともに, 経路最適化やイングレスフィルタリングを行うバックボーンルータへの対処などを考慮したMobile IPv6を標準化している.しかしMobile IPv6には経路最適化を行う際の制御メッセージ転送のオーバヘッドが大きいなどの問題点がある.そこで本論文ではこのような問題を解決するために, 移動した際に入手する気付アドレスをホームアドレスとして用いて発信し, 通信中にさらに移動した場合は, 気付アドレスを割り当てたアクセスルータにHA機能を実現することにより, そのアクセスルータ経由でIPパケットをフォワーディングするMobile IPv6方式について, 詳細設計を行った結果を述べる.
著者
高安 浩平 村井 妙 安野 恭平 小林 亮介 池田 智武 上家 潤一 代田 欣二
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.105-111, 2016 (Released:2016-07-09)
参考文献数
19
被引用文献数
1

8歳,未去勢雄の右側大腿部皮膚に発生した小腫瘤を骨外性粘液性軟骨肉腫と診断した。組織学的に腫瘍は小葉構造を示し,血管に乏しく粘液性基質に富んでおり,腫瘍細胞は多形性で特徴的細胞索を形成していた。免疫染色で腫瘍細胞はvimentin,S-100a,neuron-specific enolaseおよび synaptophysin に陽性を示した。切除手術6ヵ月後には再発や転移を認めなかったが,15ヵ月後には右大腿部から腹部に亘る大きな再発腫瘍と多発性肺腫瘍を認め,剖検により,これらの腫瘍が原発腫瘍と同様であり,軟骨や骨を侵襲していない事が確認された。
著者
佐藤 雅明 繁富利恵 上田 憲道 党聡維 植原 啓介 砂原 秀樹 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.144-158, 2009-01-15
被引用文献数
1

車両の持つ情報を集約し,統計的処理を施すことで交通情報等の生成を行うプローブ情報システムでは,収集される情報に車両が情報を取得した際の位置と時間が含まれる.情報発信者のプライバシ保護の観点では,情報は車両を識別することができない匿名で,かつ発信される情報に依存関係がない状態で収集されることが望ましい.しかし,匿名環境では,プローブ情報システムは悪意ある情報発信者による虚偽情報の大量発信を排除できない.また,旅行時間等の連続したデータを必要とするプローブ情報の生成ができない.本論文では,プライバシを考慮したプローブ情報システムの構築のための匿名認証方式の提案を行った.本方式を用いることにより,情報収集者は,情報発信者の匿名性を担保したうえで,連続したプローブ情報の収集が可能となる.また,提案した方式の動作を検証するために,匿名認証システム,およびプローブ車両シミュレータとプローブ収集センタの設計と実装を行った.この環境で評価実験を行った結果,提案方式によってプライバシを考慮したプローブ情報システムの構築が可能であることが分かった.In the current Probe Vehicle Information system, collected information includes the position and the time when the vehicle obtained the information. In order to protect the privacy, a vehicle should not be identified by the collected information. For the information collector, it is better to eliminate the possibility of the attacks to the system using the information such as identity thief or fallaciousness by malicious third party. In order to generate high quality service, continuous information such as the travel time on a road is required. In this paper, we proposed the anonymous authentication system for developing the probe vehicle information system considering the privacy. By utilizing the proposed system, probe information can be collected continuously while keeping the anonymity of the information sender. The proposed system was designed and developed in order to verify the feasibility of the proposed system using probe vehicle simulator. The verification proved that the proposed system considering the privacy can be deployed.
著者
村井 潤一郎
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.56-57, 2000-09-30

2 0 0 0 OA 食道楽

著者
村井弦斎 著
出版者
報知社
巻号頁・発行日
vol.続編 秋の巻, 1913

2 0 0 0 OA 食道楽

著者
村井弦斎 著
出版者
報知社
巻号頁・発行日
vol.続編 冬の巻, 1913
著者
越川 絵里子 奥田 豊子 村井 陽子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 2 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.35-44, 2007-02

小学生の食生活・食行動の実態を把握するために,2005年10月~11月に,大阪府下の小学校5校で,5,6年生の男女883名に対して食事を中心とした日常生活に関する質問紙調査を行い,欠損値がなかった児童711名に対して解析を行った。朝食を楽しんだかという項目に関しては,男女による有意な差は認められなかった。今朝の朝食が「とても楽しかった」と答えたのは全体の8.3%,「楽しかった」と答えたのは36.1%,「あまり楽しくなかった」と答えたのは33.6%,「つまらなかった」と答えたのは21.9%であり,朝食を楽しいと答えた児童とつまらなかったと答えた児童は約半数であった。調理行動,学習態度や意欲に関する項目の多くは,朝食が楽しかった群と楽しくなかった群の間に有意な差が認められた。朝食を楽しんで食べていた児童は調理行動が多く,学習態度が良好で意欲が高いことが推測される。保護者,児童ともに従来より少し早く起きて,朝食を楽しむために,「食事内容の充実」と「楽しい食卓作り」をすることの重要性が示唆された。We investigated the possibility of enjoying breakfast in enhancing the learning attitude and motivation in elementary school children. A questionnaire was given to elementary school children who had today's breakfast (368 boys and 343 girls). About half (44.5%) of the children enjoyed their today's breakfast (enjoyable group) , and the other did not enjoy it (non-enjoyable group). The enjoyable group had more cooking behavior ( 5±7 k 3.1 in 12 items), favorable good learning attitude ( 4.2±1.8 in 8 items) , less negative learning attitude (1.7± 1.4 in 5 items) , and less indeterminate symptoms ( 4.3±3.3 in 15 items) than the non-enjoyable group (cooking behavior: 4.6± 3.0 items, good learning attitude: 3.4±1.8 items, negative learning attitude: 2.l± 1.4 items, and indeterminate symptoms: 4.8 ± 3.3 items). There were significant differences between the two groups in all four factors. These results suggested that enjoying breakfast had positive effects on the learning attitude and motivation in elementary school children.
著者
松原 仁 佐藤 理史 赤石 美奈 角 薫 迎山 和司 中島 秀之 瀬名 秀明 村井 源 大塚 裕子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

人工知能の新しいグランドチャレンジとしてコンピュータに星新一のようなショートショートを創作させるプロジェクトを開始した。知性を理性と感性とに分けるとこれまでの人工知能はもっぱら理性を対象としていたが、ある程度理性はコンピュータに扱えるようになってきた。芸術作品の創作ができればコンピュータにも感性が扱えると示せたことになると考える。ここでは本プロジェクトの概要について述べる。
著者
村井 吉敬
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.29-46, 1983-06

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。