著者
宇田 朗子 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.173-180, 2021-05-22 (Released:2021-07-03)
参考文献数
8

これまでキャラクターに関する研究において,外見についての研究や男性キャラクターにのみ着目した研究は行われてきたが外見以外の魅力に着目した研究や女性キャラクターにのみに着目した研究はあまり行われていない.本研究ではキャラクターの誘因魅力と継続魅力の違いに着目し,女性キャラクターの魅力についての分析を行った.キャラクターのどのような要素に魅力を感じているかアンケートを行い,回答を収集した.アンケートの結果を用いてカイ二乗検定を行い,誘因魅力と継続魅力に魅力的要素の違いに有意な差があることが明確になった.また,アンケート結果を用いて因子分析を行い,どのような要素の組み合わせに魅力を感じるかを調査した.結果として,キャラクターを印象付ける要素が誘因魅力,あとから追加できる要素が継続魅力として有力であることが分かった.
著者
吉田 寿夫 村井 潤一郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.19226, (Released:2021-05-31)
参考文献数
26
被引用文献数
5

Although multiple regression analysis is a frequently used method for multivariate analysis in psychological research, it has been used inappropriately or incorrectly in most studies. To resolve these problems effectively, we investigated and summarized the issues related to the use of multiple regression analysis found in papers published in The Japanese Journal of Psychology and discussed the issues in detail. We argue that researchers should not use multiple regression analysis for simplistic reasons, such as “because there are several independent variables” or “because some relationships between independent variables or between independent and control variables are supposed.” We further argue the importance of carefully considering whether the purpose of the study is to explain or to predict and what kind of causal relationships exist between variables.
著者
村井 吉敬
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.110-128, 1992-12-26

上智大学アジア文化研究所創設10周年記念号
著者
大場 有紗 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.294-300, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
17

これまで物語における「ときめき」を読者に感じさせるメカニズムはほぼ研究されていない.そこで本研究では,物語における「ときめき」を感じさせるメカニズムを重視していると推測される女性向け恋愛ゲームを分析対象とし,「ときめき」に関する特徴を明らかにするために,構造の分析や「ときめき」に関するシーンの抽出を行った.また,男性キャラクターごとの物語構造を比較し,「ときめき」を感じるパターンは大きく3つ存在することを明らかにした.
著者
福元 健太郎 村井 良太 Kentaro Fukumoto Ryota Murai
出版者
学習院大学法学会
雑誌
学習院大学法学会雑誌 = Gakushuin review of law and politics (ISSN:13417444)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.75-99, 2011-09-30

本稿は,戦前日本の内閣は存続にあたって誰の支持を必要としていたかとの問いに,1885年から1947年までの全45内閣の月次データに離散時間の生存分析を適用することによって取り組む.その結果,一方で,議会が多くの内閣提出法案を通すほど,陸相が過去に入閣した経験が長いほど,国務大臣の数が少ないほど,首相選定者の数が多いほど,内閣は長続きすることが明らかになった.他方で,軍部大臣(現役)武官制や政党内閣が内閣の寿命を縮めた,あるいは与党が衆議院に多くの議席を占めるほど内閣が長期間支えられたなどの,証拠は見いだされなかった.以上から,戦前日本は超然内閣というよりも,立法の多寡に内閣の生存が依存するという意味で事実上の議院内閣制であったことが示唆される.
著者
砂原 秀樹 村井 純
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.571-581, 2013-12-01 (Released:2013-12-01)
参考文献数
14

1984年10月,東京工業大学,慶應義塾大学,東京大学のUNIXマシンが接続され,JUNETとよばれるネットワークが誕生した。JUNETは,電話網の上に構築されたネットワークであったが現在のインターネットの基礎となったネットワークである。単にサービスを提供するだけでなく,人と人のつながり,つまりコミュニティーを生み,そこから次世代の計算機環境を考えるグループが誕生した。これがWIDEプロジェクトである。ここではInternet Protocol version 6(IPv6)の開発に関わる活動をはじめとして,グローバルなインターネットに資するさまざまな研究が進められてきた。本稿では,今年25年を迎えるWIDEプロジェクトの取り組みの歴史と成果,今後の展望について述べる。

38 0 0 0 OA 食道楽

著者
村井弦斎 著
出版者
報知社
巻号頁・発行日
vol.春の巻, 1913
著者
ますとみ けい 村井 源
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

物語の基本構造を抽象化するため、星新一のショートショート200作品のオチを分類し、逆転的事象の種類と要因を記述したデータ構造を作成した。オチの分類タグとして[状況設定判明][正体判明][利益喪失]など20前後、逆転のタグとして[人物の立場:被害者>加害者]など10前後を用意し、ケーススタディ分析を行った。今後タグの内容を精査し物語自動生成プログラムの基礎データとする。

32 0 0 0 OA 食道楽

著者
村井弦斎 著
出版者
報知社
巻号頁・発行日
vol.秋の巻, 1913
著者
上原 雄貴 水谷 正慶 武田 圭史 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.461-473, 2012-02-15

近年,インターネットを介した各種サービスにおいて,ユーザごとの行動履歴や趣味趣向に応じた最適化されたサービスを適時に提供することで,新たな付加価値を生み出すための取組みが行われている.実際にこのようなサービスを利用するためには利用者が専用のアカウントを登録するといった特別な操作が必要である.また,従来ホストの識別にIPアドレスやMACアドレスが利用されているが,IPアドレスはネットワーク環境によって変化し,MACアドレスは詐称可能であるため,継続的にホストや所有者を特定できない.そこで本研究では,特定のユーザが利用するデバイスごとに,ユーザの利用形態によって特徴的なトラフィックパターンが現れるかを事前に調査した.そして,その結果を用いてネットワーク上に発信されているパケットのヘッダ情報を収集,解析することでホストおよびユーザを特定する手法を提案した.本提案手法において,ユーザが発信するパケットのペイロード情報はプライバシ侵害の懸念があるため,パケットヘッダ情報のみを収集することでホストおよびユーザを特定することを目的とする.そして,200人ほどが参加するカンファレンスや学術ネットワークにおいてユーザの許諾を得たうえで実験を行い,ホストやユーザを本手法によって特定可能であることを示した.これよって,サービス提供者はユーザに特別な操作や設定などを求めることやデバイスの制約などを受けることなく,ユーザごとに特化したサービスを提供できる可能性を示した.As demand for internet services specifically customized for each user increases, service providers make effort to build extra value on their services by providing useful services, based on personal action history and personal interest. However, in order to use these services, they require users to install specific application. IP addresses and MAC addresses are being used for host identification, but IP addresses vary as the hosts' network environment change, and MAC addresses are deceivable. Therefore, continually specifying hosts and users is impossible. In this paper, we propose a method to identify and track users by collecting and analyzing network traffic, which enables users to receive customized services without installing special application nor user of specific devices. Payloads of packets, transmitted by users, are subjected to privacy, so in the method, host and user identification is performed by collecting information from packet header. This methods' practicability has been verified through experiments, performed on a conference and an academic network. Through the experiment, possibility for service providers to offer users user specific services, without requiring users to perform particular actions nor setting, nor limiting users to use specific devices, has been shown.
著者
矢部 信成 村井 信二 横瀬 崇寛 尾戸 一平 吉川 貴久 北里 憲司郎 清水 裕智 小島 健司 水野 達人 大久保 恒希 味生 洋志 池谷 仁美 林 量司 中村 雄二 浅野 朗
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapter
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.184-185, 2015
被引用文献数
3

Transanal rectal foreign bodies are foreign items retained in the rectum following direct insertion through the anus. In general, the treatment strategy is to attempt endoscopic removal of the foreign body through the anus. At our hospital, there were 4 cases of rectal foreign bodies during the 4-year period from April 2010 to March 2014, and the foreign bodies were removed endoscopically in all the cases. All the patients were male, with a median age of 22.5 years (16 to 87 years) . Their motives for the foreign body insertion were sexual preference in 2 cases, amusement in 1 case, and habitual practice to induce defecation in 1 case. The foreign bodies found were vibrators in 2 cases, the plastic cap of an nasal spray in 1 case, and a toothbrush in 1 case. In all the cases, the removal was carried out under intravenous conscious sedation. The instruments to be used for the removal procedure were determined according to the case. Non-invasive procedures for the removal of transanal rectal foreign bodies are greatly beneficial for the patients.
著者
村井 潤一郎
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.63-78, 2017-03-30 (Released:2017-09-29)
参考文献数
72
被引用文献数
8

本稿の目的は, 主として2015年7月から2016年6月までの期間について, 教育心理学領域における社会心理学的研究の概観をした上で, そこで用いられている研究法・統計法について考察することである。本稿前半では, 2016年に開催された日本教育心理学会第58回総会における社会心理学的研究のテーマと研究法について概観した。その結果, テーマ, 発表件数についてはほぼ例年通りの傾向であり, 大多数の研究で質問紙調査法が用いられていた。また, あわせて, 上記期間における「教育心理学研究」の社会心理学的研究についても概観した。以上を受け, 本稿後半では, 尺度作成, ウェブ調査, 重回帰分析, 事前事後テストデザインの4点から研究法・統計法について論じ, 今後の研究の改善のためにいくつかの考えを述べた。
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.135-140, 2010-05-15 (Released:2010-07-10)
被引用文献数
1 1

近年,文学や音楽,美術,映画,漫画等のさまざまな芸術を研究するにあたって,微細なデータを扱い,一貫性を有した科学的分析手法に基づいたフィクションの研究に注目が集まっている.本研究では,文学テクストの表層に見られる語彙を作家の文体的特性が宿る最小の構成要素とみなし,作風の変遷を計量的に明らかにすることを目的としている.対象としたデータは,現代の日本文学を代表する小説家村上春樹の長篇とし,そのテクスト中から抽出した語彙を品詞と意味カテゴリーに分類したのち,それぞれクラスター分析を用いて近似的な作風を持つ作品群を明示化した.その結果,品詞分類からは「初期三部作」をはじめとした通時的な区分によってのクラスターが,また意味分類からは「初期三部作」の続篇とも呼ばれる一作品を含んだ「鼠四部作」のクラスターが形成された.