著者
松浦 雄一郎 田村 陸奥夫 山科 秀機 肥後 正徳 藤井 隆典
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.14, no.10, pp.1258-1261, 1982

心ペースメーカー植え込みは年々増加し,これに伴い初期には予想もしなかったような合併症がみられるようになった.その中の一つに皮下ポケット内で本体が長軸上に回転し,電極離脱あるいはリードの断裂をきたすという"The Pacemaker Twiddler's Syndrome"がある.これまで私どもは充電型ペースメーカーを19例に植え込んでいるが, そのうちの1 例に本症候群が生じた. すなわち,心筋梗塞後房室ブロックのために充電型ペースメーカーが植え込まれた57歳女性に,本合併症が発生,充電ができなくなるという事態が発生した.非観血的に用手整復は容易であったが,再発を繰り返し,大胸筋膜下に本体を植え換え,再手術後5年の現在,再発なく経過している.これまで充電不能を呈したというPacemaker Twiddier's Syndromeの報告はみあたらないので,ここに報告した.
著者
竹末 芳生 横山 隆 児玉 節 山東 敬弘 村上 義昭 宮本 勝也 津村 裕昭 立本 直邦 松浦 雄一郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1921-1925, 1994-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17

過去5年間において当科で経験した術後MRSA腸炎24例を対象とし,発症時期によりMRSAを分類し,その病態,発症機序につき検討した.術後6日以内の早期発症は16例, 7日以降の晩期発症は8例認められた.早期発症例は中等,重症例が75.0%を占め,また末梢血中白血球減少例が62.5%であり,晩期発症例の25.0%, 12.5%と比較し高率であった.これは早期発症例では術後腸管運動が回復しておらず, MRSAが産生した毒素が腸管内にとどまり血中に吸収されたためと考えた.晩期発症例の特徴は長期絶食(11.8±3.1日),抗生剤長期投与(13,9±8.2日)であった.これらは常在細菌叢の変化を生じ, MRSAへの菌交代現象をおこし易いが,腸管運動が正常のため毒素血症は稀であり,軽症例が多くを占めたと推察した.晩期発症例は内科領域で経験されるMRSA腸炎と類似の発症機序が考えられ,早期発症例が術後腸炎の特徴を有していると考えた.
著者
市川 徹 横山 隆 檜山 英三 松浦 雄一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.732-738, 1995
被引用文献数
2 or 0

広島大学第一外科において経験した小児期に初回手術を受けた先天性胆道拡張症(CBD)24例を一期的分流手術後3年以上経過例14例,初回内瘻術後再手術例4例,初回外瘻術(うち3例は胆道穿孔合併)後分流手術例6例に分け術後経過,合併症を術式別に検討した.一期的分流手術例では術後短期間膵炎や胆管炎症状を認めるものや,術後数年間肝内胆管拡張を認めるものも有るが徐々に軽減しており概ね問題は無い.胆道穿孔合併例や,初回胆管炎や膵炎が内科的にコントロールできないものには,初回胆汁外瘻造詮術を行い合併症予防のために有用であった.二期的分流手術後の術後経過も一期的分流手術例に比し差を認めず良好であった,これに対し初回内瘻造般例は,その後全例重篤な胆管炎を起こし,2年から15年後に分流手術を要しており,たとえ無症状でも早期に分流手術を行うべきである. CBD の分流手術にあたっては胆汁の充分なドレナージは当然必要であるが,膵管内 protein plug や結石を認め更に膵液流出障害が考えられる場合は膵液ドレナージ術の付加も考慮すべきである.