1 0 0 0 日本語原学

著者
林甕臣遺著 林武臣編纂
出版者
建設社
巻号頁・発行日
1932
著者
尾田 友紀 林内 優樹 藤野 陽子 松本 幸一郎 安坂 将樹 吉田 啓太 好中 大雅 和木田 敦子 入舩 正浩 岡田 貢
出版者
一般社団法人 日本障害者歯科学会
雑誌
日本障害者歯科学会雑誌 (ISSN:09131663)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.419-425, 2016 (Released:2017-06-30)
参考文献数
26

自閉症スペクトラム障害患者に対し全身麻酔下歯科治療を行った直後から,自傷行為とてんかん発作が増悪した症例を経験したので報告する.症例:36歳男性.障害:知的障害を伴う自閉症スペクトラム障害,てんかん.主訴:最近歯の痛みが原因ではないかと思われるパニックが起きるので診てほしい.既往歴:近くの総合病院の歯科で定期的にブラッシングなどの口腔ケアは受けていたものの,歯科治療経験はなかった.幼少期より爪で歯肉をひっかくなどの自傷行為がみられ,歯肉には退縮が認められた.現病歴:初診2~3カ月前より,露出した根面を介助磨きする際に患者が嫌がりパニックが起きるようになったため,入所先の職員と両親が歯科的精査を希望し,当科を紹介された.現症:全顎的に頰側歯肉が著しく退縮しており,その退縮が根尖部にまで及んでおり,治療が必要な歯が多数認められた.経過:複数歯の治療が必要なこと,現在痛みがあると思われること,居住地が遠方であること,歯科治療に対する恐怖心が強いことなどの理由から全身麻酔下歯科治療(2泊3日)を行うこととした.入院中の経過は順調であったが,入所施設に帰宅した直後より,自傷行為の増加や多飲行為による低ナトリウム血症の発症,その結果てんかん発作が頻発したため,近郊の総合病院に緊急入院した.退院後,自分で飲水ができないよう入所施設において環境整備を行うことにより,次第に自傷行為は減少した.現在は,メンテナンスのため当科に定期的に来院している.
著者
小林 志津子 関本 美穂 小山 弘 山本 和利 後藤 英司 福島 統 井野 晶夫 浅井 篤 小泉 俊三 福井 次矢 新保 卓郎
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.29-35, 2007-02-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
23
被引用文献数
3

1) 日本の医学生が臨床実習中に受ける不当な待遇 (medical student abuse) に関する報告はこれまでされていなかった.2) 日本の医学生を対象にしたわれわれの調査では, 回答者の68.5%が, 何らかのmedical student abuseを臨床実習中に受けたと報告した.3) 臨床実習においては, 指導医の「neglectやdisregard」があると学生の実習意欲を顕著にそぐことが回答者の意見から推測できた.4) 医学教育の関係者はmedical student abuseに注意を払い, 防止策を講じる必要がある.
著者
増田 一太 篠田 光俊 松本 祐司 中宿 伸哉 宇於崎 孝 林 典雄
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb0496, 2012

【はじめに、目的】 座位姿勢における腰痛は、一般的に椎間板障害をはじめとする退行性変性疾患に多く合併する症状であるが、椎間板障害はほとんどない若年期に出現するこの種の腰痛は、若年者特有の病態が予想される。本研究の目的は、当院にて椎間関節障害と診断された若年期の症例に対し、座位時の腰痛の有無による理学所見、X線所見の違い、また、座位姿勢時の重心動揺に特徴があるのか否かについて検討したので報告する。【方法】 2009年4月から2011年4までに当院を受診し椎間関節障害と診断された症例の内、15歳以下の症例52例を対象とした。対象を一般に言う体育座り時に腰痛を訴える32例(以下S群:平均年齢11.4歳)と座位時以外の腰痛が主体の20例(以下F群:平均年齢13.3歳)に分類した。座位姿勢の重心動揺の計測には、無作為にS群より21例(以下S2群:平均年齢12.5歳)、F群より7例(以下F2群:平均年齢12.7歳)を抽出した。また、腰痛を有さない正常例14例(C群:平均年齢11.5歳)も併せて計測した。理学所見の検討として、体幹の伸展及び屈曲時痛、腰椎椎間関節の圧痛、多裂筋の圧痛それぞれの割合を求め比較した。X線所見は立位の腰椎側面像より、腰椎前角(L1とL5の椎体上縁のなす角)、腰仙角(L5椎体後縁と仙骨背面とのなす角)、仙骨傾斜角(仙骨上面と水平線とのなす角)について両群間で比較した。重心動揺の計測は、ユメニック社製平衡機能計UM-BARIIを使用した。重心動揺計のX軸を左右軸としその軸上に左右の坐骨結節を一致させた。次に、Y軸を前後軸としこの軸上に両坐骨結節の中点が一致するように体育座りを行わせた。Y軸とX軸との交点より前方重心は+、後方重心は-で表記した。計測時間は5分間としY方向動揺平均変位(mm)を求め、S群、F群、C群で比較した。理学所見の検討にはX2検定を、X線学的検討には対応のないt検定を、重心動揺の検討には一元配置の分散分析を用い有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究の趣旨,個人情報の保護の意を本人と保護者に説明し同意を得た.【結果】 体幹伸展時痛の陽性率はS群68.8%、F群85.0%であり有意差は無かった。体幹屈曲時痛の陽性率はS群71.9%、F群30.0%と有意差を認めた(p<0.01)。腰椎椎間関節の圧痛所見の陽性率はS群65.6%、F群75.0%と有意差はなかった。多裂筋の圧痛所見の陽性率はS群81.3%、F群40.0%と有意差を認めた(p<0.05)。腰椎前彎角はS群平均29.3±9.8°、F群平均32.1±6.1°と有意差は無かった。腰仙角はS群平均40.1±7.7°、F群平均46.7±5.6°でありS群で有意に仙骨が後傾化していた(p<0.05)。仙骨傾斜角はS群平均33.1±7.1°、F群平均43.6±6.0°でありS群で有意に仙骨は直立化していた(p<0.05)。座位時重心動揺は、S2群平均-73.3±30.3mm、F2群平均-49.4±46.2mm、C群平均-53.8±43.1mmであり3群間で有意差は無かった。【考察】 椎間関節障害に特有の症状は体幹伸展時痛、椎間関節の圧痛であるが、これらに加え、特に体育座り時の腰痛を訴える若年期の症例では、体幹屈曲時痛と多裂筋の圧痛の陽性率が有意に高い事がわかった。また、X線学的にも、腰仙角、仙骨傾斜角で有意に仙骨が後傾している事が明らかとなった。つまり体育座りにおいて腰痛を訴える症例は、普段の生活から仙骨が後傾した後方重心有意の姿勢である事が伺われ、これは同時に腰部多裂筋の活動が高まると共に、筋内圧が持続して高い状態にある事が推察される。一方、実際の重心動揺の計測結果では3群間に有意差は見られなかった。しかしながら立位姿勢における仙骨の後傾は座位としてもその傾向は認められると考えられ、必然的に胸腰椎を屈曲位とすることでバランス調整を行っていることが重心動揺変位量に差が出なかった理由と考えられた。逆に、胸腰椎の過屈曲で代償した座位姿勢は、腰部多裂筋の持続収縮に加え筋膜の伸張を惹起し、筋内圧はさらに高まる結果となる。つまり、座位時の腰痛を訴える症例に有意に認められた体幹屈曲時痛や多裂筋の圧痛は、一種の慢性コンパートメント症状と考えると臨床所見との整合性が得られるところである。【理学療法学研究としての意義】 本研究は若年者にみられる座位姿勢腰痛を臨床所見、X線所見、重心動揺の面からその関連性を検討したものである。若年者腰痛を症状からカテゴライズし、特徴的な臨床所見と姿勢との関連性に言及した点で、今後さらに詳細な臨床観察に繋がることが期待される。
著者
加藤 大弥 林 達也 砂原 秀樹
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

現在,認証・識別において,長い時間をかけて社会システムとして確立してきた物理媒体による認証や識別手法が,電子化の普及により変革を迫られている点があり,パスワード認証の限界を始め,例として,指紋認証の初期時代におけるいわゆる「グミ指」と言われる攻撃手法や3Dプリンターによる「判子の危殆化」が喫緊の課題として挙げられる.これらはNIST SP800-63における知識,生体,所有の典型例でもあり,認証手法に関する社会的な転換を迫られている.そこで本論では所有による認証・識別に焦点をあて,改ざん・複製の検証を行い,実生活における人間の目視での認証と機械的なパターン認識での受容についての考察を行う.
著者
小林 将輝
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学ドイツ文学会研究論集 (ISSN:18817351)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.95-116, 2009-03

In den letzten Jahrzehnten hat sich die Forschung bezüglich Hans Christian Andersen in der Hinsicht gewandelt, dass seit etwa 1980 oft auch seine Reiseberichte auf vielfältige Weise erwähnt wurden. In der gegenwärtigen Forschung gibt es wichtige Arbeiten wie z. B. die von Uwe Ebel, die sich damit auseinander setzen, wie das "wirklich" Erfahrene des Reisenden in fremden Orten in der Literatur umgesetzt wird. Basierend auf diesen Forschungsergebnissen, werden in dieser Arbeit die Darstellungsweisen der "fremden" Erfahrung in Eines Dichters Basar behandelt. Diesen Reisebericht veröffentlichte Andersen 1842, nachdem er 1840/41 durch Deutschland, Italien und Griechenland bis in die Türkei gereist war. In Eines Dichters Basar wird oft betont, dass schöne Landschaften oder lebendige Anblicke in Städten mit Worten unbeschreiblich seien und nur ein Maler diese darstellen könne. Doch ist es auch unübersehbar, dass der Autor in diesem Reisebericht versucht hat, die Kraft der malerischen Darstellung im Text zu verwenden und durch eigene sprachliche Konstrukte die Reiseerfahrungen zum Ausdruck zu bringen. Diese lassen sich in drei charakteristische Darstellungsweisen einteilen: Als erste diejenige, die Gegenstände wie bei Gemälden oder Fotografien, schildern. Zum zweiten die, die bei den Lesern den Eindruck des Gemäldes selbst erwecken soll und zuletzt diejenige, die poetische Effekte hat. Mit der ersten Darstellungsweise wird hier prinzipiell auf die Quantität der präzisen Darstellung hingewiesen. Ein Bild eines Gemäldes oder einer Fotografie nimmt zahlreiche Gegenstände mit konkreten Formen in das Tableau auf. Auch in Eines Dichters Basar trifft man sehr oft auf solche Textstellen. In der deutschen Version des Abschnitts "Aussicht aus meinem Fenster" wird z. B. der Anblick des Platzes "Piazza Fiorentini" mit über 60 Zeilen beschrieben. Vielen Gegenständen wird hier mit sehr langen Darstellungen sorgfältig Ausdruck gegeben. Die Darstellungsweise, die bei den Lesern den Eindruck des Gemäldes selbst erwecken soll, ist in wiederholten Ausdrücken wie "malerisch" oder "Bild/Gemälde" sowie Wörtern, die sich auf Malereiarbeiten beziehen, erkennbar. In Eines Dichters Basar sind viele Ausdrücke dieser Art verstreut. Die Landschaften und Szenen, die sich der Reisende anschaut, werden als "malerisch" geschildert und die Anzahl der zusammenhängenden Ausdrücke häuft sich auf über 20. Zudem ist die Anzahl der Wörter, die sich auf die Malereiarbeit beziehen, auch sehr zahlreich. Durch die Wiederholung der Ausdrücke assoziiert der Leser unbewusst das Geschriebene mit dem Gemalten. In der dritten, die poetischen Effekte beschreibenden Darstellungsweise, geht es um Textteile, in denen kurze Geschichten sowie Legenden oder symbolische Figuren eingeführt werden. In Eines Dichters Basar finden sich viele dieser kurzen Geschichten und Legenden, wie z.B. "Metallschwein" oder "Pegasus und die Vetturinpferde". Auch gibt es Figuren wie Grab oder Vogel, die als Metapher dienen und damit Vergangenheit und Poesie symbolisch repräsentieren. Mit solchen Effekten erweist sich dieser Reisebericht nicht nur als ein bloßes Reisedokument, sondern gewinnt auch phantasiehafte und poetische Weltbilder. Nach Ebels Auffassung ist hier eine Poetisierung der Welt zu finden. Sie gibt diesem Reisebericht eine "Stimmung", damit sie die Alltagswelt "ästhetisch genießbar macht". Mit diesen drei Darstellungsweisen zeigt Eines Dichters Basar eine künstliche Komponente, die auch Elemente von Gemälde und Literatur in sich beinhaltet.
著者
池田忍 小林緑編著
出版者
明石書店
巻号頁・発行日
2010
著者
保尊 隆享 若林 和幸 曽我 康一
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.135-143, 2003 (Released:2006-01-31)
参考文献数
31

The involvement of anti-gravitational polysaccharides in gravity resistance, one of two major gravity responses in plants, was discussed. In dicotyledons, xyloglucans are the only cell wall polysaccharides, whose level, molecular size, and metabolic turnover were modified under both hypergravity and microgravity conditions, suggesting that xyloglucans act as anti-gravitational polysaccharides. In monocotyledonous Poaceae, (1→3),(1→4)-b-glucans, instead of xyloglucans, were shown to play a role as anti-gravitational polysaccharides. These polysaccharides are also involved in plant responses to other environmental factors, such as light and temperature, and to some phytohormones, such as auxin and ethylene. Thus, the type of anti-gravitational polysaccharides is different between dicotyledons and Poaceae, but such polysaccharides are universally involved in plant responses to environmental and hormonal signals. In gravity resistance, the gravity signal may be received by the plasma membrane mechanoreceptors, transformed and transduced within each cell, and then may modify the processes of synthesis and secretion of the anti-gravitational polysaccharides and the cell wall enzymes responsible for their degradation, as well as the apoplastic pH, leading to the cell wall reinforcement. A series of events inducing gravity resistance are quite independent of those leading to gravitropism.
著者
林 政彦
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.118-124, 2001-06-20 (Released:2009-01-15)
参考文献数
13
被引用文献数
3
著者
小林 久子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.71-78, 1990-10-31 (Released:2009-11-18)
参考文献数
12

1重度失語症例の9年間にわたる訓練の経過を報告する.症例は初診時63歳の右利き男性.右片麻痺と構成障害を伴い,観念運動失行も疑われた.自発語はわずかな残語のみで,発話開始時には発語器官の模索行動が顕著であった.最初の3年間,言語機能の改善を目的とした訓練をおこなったが,目立った改善はなかった.また指差しやジェスチャー,描画は拙劣でそれらを単一の代用コミュニケーション手段として活用することはできなかった.そのため日常のコミュニケーションに困難を示した.4年目より語用論に基づいた治療法PACE (Promoting Aphasics' Communicative Effectiveness)を家族の協力を得,また他の患者とともにおこなった結果,描画やその他の手段を併用することが可能になり,また伝達の内容は目前にはないことがらの報告や要求へと広がった.その結果,日常のコミュニケーションは改善し,コミュニケーション意欲の向上が見られた.
著者
林 初男
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.102-114, 2014-10-01 (Released:2014-10-01)
参考文献数
50

工学でも大きな興味が持たれている脳のニューロンや神経回路網は非線形なシステムである.ニューロンは規則的に発火するだけでなく,膜電位あるいは刺激の強さや周波数に依存して不規則に発火することがある.この不規則な発火はカオスと呼ばれる決定論的な力学則に従う非周期振動である.神経回路網の場合は,ニューロンの集団活動を反映した電場電位が周期刺激に対して引き込みやカオス応答を起こす.すなわち,ニューロン集団の同期の程度や同期したニューロン数が刺激に応じて変化する.本稿では,非線形ダイナミクスの観点から脳を概観し,脳の情報処理機構に関する研究の一例として,海馬における確率共鳴と記憶パターンの想起について述べる.
著者
小林 万里 石名坂 豪 角本 千治 若田部 久 小林 由美 清水 秋子
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.207-214, 2007-12-30
参考文献数
12

北海道東部から襟裳岬に至るゼニガタアザラシの1970年以来の個体数減少と納沙布岬周辺で混獲され大量死亡する個体の関係を知るために,1982年と1983年に納沙布岬周辺のサケ定置網におけるアザラシ類の混獲数調査が行われた(以下,80年調査).80年調査からちょうど20年後,海洋環境の変化や北海道東部のゼニガタアザラシの個体数が増加傾向にある中,アザラシ類の混獲数や特性の変化を知るために,過去と同じ要領で納沙布岬周辺のサケ定置網におけるアザラシ類の混獲数調査を2002年と2003年に実施した(以下,00年調査).その結果,80年調査と比較して,00年調査の結果では,歯舞漁協管内の15ヶ所の定置網におけるアザラシ類の混獲数は,ほぼ同数(80年調査272頭,00年調査261頭)で,また,アザラシ類がもっとも多く混獲される定置網の位置や混獲されたアザラシ類の種構成[最多がゼニガタアザラシ(<i>Phoca vitulina stejnegeri</i>)で,次いで多いのがゴマフアザラシ(<i>Phoca largha</i>)]に違いは見られなかった.しかし,全アザラシ類の混獲数に占めるゼニガタアザラシおよびゴマフアザラシの割合(80年調査ではゼニガタアザラシおよびゴマフアザラシの割合はそれぞれ77.6%,20.6%,00年調査では91.2%,7.7%)には有意な差が見られた.また,ゼニガタアザラシの混獲時期は,80年調査では9月中旬と11月中旬に混獲数が多くなる2山型を示したのに対し,00年調査では,定置漁業の開始直後の9月上旬に混獲数が多く,定置漁業が終わるにつれ減少する傾向が見られた.千島列島全域におけるゼニガタアザラシとゴマフアザラシの分布の中心は,択捉島以南の,特に歯舞群島・色丹域に集中して分布していると考えられているため,今後の保全管理を考える上には,歯舞・色丹グループと道東グループとの関係が重要と考える.<br>
著者
奥富 幸 林 洋 松島 陽子 大場 由実 中川 由紀子 小池 裕 永野 智恵子 関村 光太郎 神田 真軌 橋本 常生
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.206-212, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1

畜産食品中シロマジンの高精度な分析法を開発した.本法には3つの特徴があり,1つめは2種類の溶液(メタノールとマキルベン緩衝液(pH 3.0))を試料種によって用法を変えて抽出すること,2つめは逆相–強陽イオン交換ミックスモードカラム精製の際0.14%アンモニア水で洗浄すること,3つめは両イオン交換マルチモードODSカラムでLC分離を行いMS/MSで測定することである.これらにより,5種類の畜産食品由来の成分の影響が小さく,絶対検量線での定量が可能となった.添加回収実験の結果,真度77.2~92.1%,併行精度2.2%以下,室内精度6.1%以下となり,妥当性ガイドラインの基準に適合した.実態調査の結果,生乳および鶏卵からシロマジンの残留が認められた.