著者
則竹(安藤) 寛子 加藤 豊望 梶原 一人 鈴木 徹
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.263-270, 2012-06-30 (Released:2013-06-30)
参考文献数
12

The quality of ice cream surface degrades significantly from alteration of the surface properties due to the repetition of thaw-recrystallizing accompanied with temperature vibration at subzero temperature, a little above the melting temperature. For understanding the phenomena in detail, ice crystals in ice cream after once thawed and recrystallized was observed morphologically, and evaluated quantitatively by fractal analysis. It was shown that the shape of ice crystal recrystallized from once thawed ice cream was modified from round shape to complex shape, of which the degree depended on thawing temperature at subzero temperature. However, the ice crystal retuned gradually into round shape with increasing the holding time at the thawing temperature. These phenomena would be caused by spatial micro distribution of high concentration part which was organized in thawed ice cream by freezing concentration. That is, the complex ice crystal formed in thawed ice cream at subzero temperature would be induced by losing the micro uniformity of concentration.
著者
戸梶 民夫
出版者
SHAKAIGAKU KENKYUKAI
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.69-85,178, 2009

The purpose of this paper is to clarify the aspect of the "Resolution of Shame" that Transgender individuals acquire through body transformation, in contrast to the concept of performativity in Queer Studies. In the 1980s, the body transformation of Transpeople changed its meaning from non-subjective subordination in the Institution of Patriarchyto queering "Subordination-Subjectivation" to the norm. However, in the mid-1990s, the equation of body transformation to the performativity of the Queer theory was strongly criticized by Transpeople and in transgender studies. In this criticism, two positions were taken. One position emphasized the restraint of the body transformative practice in an ontological context. The other position said that the body transformative practice could not be reduced to the construction of identity and a gender stereotype, and that it intended to have feelings of "Safety" and "Belonging." This position also showed that the body transformative practice of Transpeople includes two kinds of Performativity (identification and assimilation). By reading the trans-embodiment analysis by Jay Prosser (a theorist in transgender studies who represents the latter position) making use of the theoretical frame of Eve K. Sedgwick's "Absorption Performativity/Theatrical Performativity," this paper strives to show that there is a positifying of the goal of Safety and Belonging in the bodily transformation of Transpeople and this positifying is accomplished by a theatrical performativity distantiating shameful bodily parts.
著者
山中 遥 中川 浩美 佐々木 芳恵 原田 裕美 梶原 享子 大盛 美紀 津川 和子 横崎 典哉
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.580-584, 2018-07-25 (Released:2018-07-28)
参考文献数
10

乳児期の発症は稀なEvans症候群の1例を経験した。症例は生後5か月の男児。主訴は発熱と嘔吐であった。近医での血液検査で高度の貧血と血小板減少を指摘された。入院時の生化学検査では溶血性貧血を示し,直接・間接クームス試験はいずれも陽性であった。血小板関連免疫グロブリンG(PAIgG)は高値であった。骨髄所見では過形成であったが,骨髄細胞に異形成は認めずmyeloid erythroid ratio(M/E比)は低下しており,巨核球の増加を認めた。本症例では年齢が低く,膠原病や感染症などの自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia; AIHA)および特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura; ITP)をおこす主な基礎疾患があることは否定的であったため,自己免疫性リンパ増殖症候群(autoimmune lymphoproliferative syndrome; ALPS)の検索も行った。しかし,フローサイトメトリー検査や遺伝子検査からALPSは否定された。以上からEvans症候群と診断し,γグロブリン製剤や各種免疫抑制剤併用による治療が継続されている。
著者
梶原 洋
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館年報 = Tohoku Fukushi University Serizawa Keisuke Art and Craft Museum annual report (ISSN:21862699)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-80, 2010-06-23

小札は、アッシリアに始まり、内陸アジアを通して東西に広がった。本論では、ユーラシアに分布する小札について、アルファベットや記号、数字を用いて簡単に小札の縅孔、綴孔などの配置を表現し、それに基づいてA-Hの形式分類と細分を行った。小札鎧は、ユーラシア全体の分布をみると、内陸アジアを中心に西はヨーロッパから東は日本まで分布している(表1)。編年的には、5-6世紀を中心に古くは紀元前から新しくは19世紀まで用いられたことが分かる。(表2)。日本列島における小札鎧もユーラシアに広範に分布する小札鎧文化伝統の最東端に位置するものである。鎧文化における大陸との関係は、古代ばかりでなく中世もしくは近代にまで続き、大鎧の成立や北海道、樺太のアイヌ民族の鎧の存在にも大きな影響を与えたことが考えられる。 Lamellar armor, constructed of hundreds of small rectangular lamellae of wood, hide, bone, antler, bronze, or iron, has been widely used across Eurasia, from Europe to Japan. Rectangular lamellae with holes for lacing one to another with straps or cordsf irst appeared in Assyria in the eighth or seventh century B.C., then spread through central Asia to Siberia, Mongolia, China,Korea and finally Japan in the fifth century A.D.
著者
梶田 学 真野 徹 佐藤 文男
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.148-167, 2002-03-20 (Released:2008-11-10)
参考文献数
37
被引用文献数
5 8

南西諸島の中部に位置する沖縄島には亜種リュウキュウウグイスC.d.riukiuensis(Kuroda1925)のみが留鳥として繁殖分布すると考えられてきた。しかし,我々の調査により沖縄島に生息するウグイスには上面が褐色の褐色型と灰オリーブ褐色の灰緑色型の二型が含まれていることが判明した。これら二型間の生息時期及び形態の違いを明らかにし,分類学的扱いを検討するたあに沖縄島で捕獲調査を行った。その結果,褐色型が留鳥,灰緑色型が渡り性の越冬鳥であること,褐色型の方が灰緑色型よりも翼差が短く,鼻孔前端嘴峰長が長いなど13の形態形質中9形質に有意差が認められること,翼式にも型間で明確な違いがあること,多変量を用いた解析でも形態的な差が明確に認あられることなどが明らかになった。両型の測定値から作成した線形判別関数式(正判定率雄100.0%,雌96.9%)を用いてリュウキュウウグイスのタイプシリーズ(14標本)の判別を行った結果,全て灰緑色型に判別されたことに加え,測定値と羽色の類似性から灰緑色型はリュウキュウウグイスと同定され,越冬期のみに沖縄島に生息する渡り性の亜種であること,分類学上異名(synonym)の問題を持っていることが示された。一方,羽色の類似性から褐色型は絶滅したと考えられている南大東島の固有亜種ダイトウウグイスC.d.restrictaと推測され,線形判別関数式を用いてダイトウウグイスのタイプシリーズ(2標本)の判別を行った結果,いずれも褐色型に判別された。測定値や羽色の比較でも両者は良く一致した。以上のことから,褐色型はダイトウウグイスと同定され,南大東島のみでなく沖縄島にも留鳥として分布し,沖縄島では絶滅を免れていることなどが明らかとなった。
著者
梶浦 英明 横向 慶子 大野 寿彦
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.139-144, 1999 (Released:2018-05-30)
参考文献数
26
被引用文献数
2

エタノールは酒類の主成分のひとつでありながら、ヒトにおける味覚の研究報告は比較的少ない。報告により不一致があるが、エタノール自体には苦味、甘味があり、ビール、ワインなどのアルコール飲料の中では苦味を強める傾向がある。動物においてはエタノールの味の感じ方に種差があり、マウスでは系統差がみられる。エタノール濃度は溶液の粘度に影響し、「こく」と正の相関がある。
著者
北谷 秀樹 梶本 照穂 河野 美幸 小沼 邦男 野崎 外茂次 桑原 正樹
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.884-890, 1996-10-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
16

小児の包茎への対応には,社会・文化的背景も考慮に入れる必要がある.そこで小児の包茎の治療指針の一助にする目的で男児をもつ父母の意識調査を行った.対象は当科関連の産院で男児を出産した1466家族で,封書によるアンケート方式で行った.また,当大学病院の看護婦330名にも同様のアンケートを行った.質問内容は,どのような状態を包茎と考えるか,どんな害があると考えているか,どのように対処したのか等に加え父親自身の体験も聞いた.その結果,父母からは420通の回答(有効回答率 : 31.5%)を,看護婦からは98%の回答を得た.回答者の3分の2は真性包茎の状態を包茎と考えていた.また包茎の害は不潔,亀頭包皮炎,早漏の原因,結婚生活の支障,等が多数を占めたが,その認識には父親,母親,看護婦の間で違いが見られた.父親の50%が中学生の頃に,25%が高校生の頃に亀頭が露出するものだと思っていた.父親の33%がかつて自分が包茎ではないかと悩んだことがあり,その平均年齢は15.2歳であった.この調査の結果から,亀頭の露出時期には個人差が大きく,多くは中学生頃から始まるものと推察される.従って,小児の包茎が病的か正常範囲内かの判定は思春期以降に行われるべきで,幼小児期の手術適応は一定の臨床症状のあるものに限るべきであるとおもわれる.今後,社会的な面を含めた検討が必要である.
著者
梶原 直子 冨山 智恵子 二宮 隆博 細貝 祐太郎
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.42-46_1, 1983-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
19
被引用文献数
2 6

高速液体クロマトグラフィーを用い, 杏仁中のアミグダリンの分析法を検討した. すなわち, 杏仁中のメタノール抽出物について Zorbax ODSカラム, 溶離液としてアセトニトリル-水 (14:86v/v%) を用いたところアミグダリンの保持時間は約7分, 回収率平均97.4%変動係数2.08%, 定量限界50ngで精度, 分離能とも良好な結果を示した. 杏仁豆腐の各調理過程におけるアミグダリンの消長をこの方法によって測定したところ, 最終製品では原材料に対し0.3% (5.07ppm) に減少した. 市販杏仁豆腐及び杏仁製品からはアミグダリンは検出されなかった.
著者
森 晃爾 永田 智久 梶木 繁之 日野  義之 永田 昌子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.145-153, 2013 (Released:2013-10-23)
参考文献数
12
被引用文献数
1

目的:昨今,企業全体で整合性の取れた産業保健活動の展開が必要になってきており,そのためには,活動方針の明確化,活動基準の策定,産業保健スタッフの配置や意思疎通を企業全体で行っていく必要がある.その際,産業保健分野の高度な専門性を有し,統括産業医や総括産業医等(以下,統括産業医)の名称を与えられ,企業全体の産業保健活動をリードする産業医が任命されるようになってきた.しかし,これまで国内において,統括産業医の実態や機能に関する実態調査やそれに基づく検討はまったく行われていない.そこで我々は,統括産業医の機能と企業内での位置づけについての実態を明らかにすることを目的として,実際に大企業において統括産業医として任命されている産業医に対するインタビュー調査を行った.対象と方法:従業員数5,000名以上で,「複数の事業場と複数の産業医が存在する企業において,企業単位での産業保健活動の方針や活動の管理の役割を果たす産業医」を調査対象とし,条件を満たす統括産業医14名にインタビューを行った.インタビューのスクリプトをコード化し,統括産業医として果たしている具体的な機能と企業内での対象者の位置づけについて分析を行った.結果:分析の結果,5つの事項が示唆された.機能としては,1) 統括産業医は産業保健に関する全社的な方針,基準,計画の策定に主体的に貢献していること,2) 産業保健に関する全社方針や基準等は,その実行性を確保するために,事業拠点を統括する本社の事業部門等から出されるとともに,統括産業医が事業拠点の産業医や産業保健スタッフに対して指導や情報提供をしていること,3) 労働安全衛生マネジメントの内部監査や業務監査の一環で実行状況の評価が行われている企業があり,統括産業医が専門的に貢献していること,4) 産業医や産業保健スタッフの会議を主宰するなどの方法で意思疎通を行ったり,基準の技術的事項などについて全社的な研修を行う努力をしていることが示唆された.また,5) 総括産業医が役割を果たすためには,意思決定者である人事担当役員等の職位の経営層に直接または間接的に提案できるような位置づけや関与が重要であることが示唆された.考察:企業全体での整合性が取れた産業保健活動を推進している企業では,企業活動の意思決定や指揮命令等の機能を用いるとともに,統括産業医のもつ産業保健に関する専門的な知識を活用していると考えられた.また統括産業医が,産業保健専門職の確保や意思疎通に大きな役割を果たしていることが考えられた.今後,統括産業医業務の事例収集,統括産業医のコンピテンシーの明確化などを行った上で,研修プログラムの開発と提供が必要と考えらえる.
著者
西谷 真人 宗清 芳美 杉野 友啓 梶本 修身
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.123-129, 2009 (Released:2009-11-11)
参考文献数
45
被引用文献数
4 6

先端的な疲労研究を行っている 7 大学をはじめ,食品メーカー,医薬品メーカーなど 19 社および大阪市で構成された産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」において,抗疲労食品の開発が進められている.抗疲労食品とは,健常者が身体的あるいは精神的に負荷を与えられたときにみられる作業効率の低下ならびに休息欲求と不快感を伴った状態を軽減する食品と定義される.健常者の疲労においては,その発現に酸化ストレスが大きく関わっていることが分かってきており,抗酸化物質の疲労に対する効果について精力的に研究が進められている.中でも動物の骨格筋や脳に多く含まれるイミダゾールジペプチドは,その抗酸化作用により動物試験およびヒト試験で最も顕著な抗疲労効果が確認されている.本稿では新規抗疲労成分イミダゾールジペプチドについて詳細に述べることにする.
著者
梶田 和宏 川村 卓 島田 一志 金堀 哲也 八木 快
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.171-187, 2019-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
55

This study clarifies the features of throwing motion to second base of professional baseball catchers.Eleven catchers of two Nippon Professional Baseball Organization teams were participants. Using the highest confidence data among analytical trials for throwing time, we defined it as ‘the time required from catching until ball arriving at second base with shortest time’. Following five characteristic features were revealed. 1) In time parameter, professional catchers have a difference in motion time (the time required from catching to release in amateur catchers), especially during the beginning phase having a relation with duration time (arrival time from the ball release to the second base), the throwing phase having a relation with the throwing time and release speed (speed average of ball speed of 3 frames after releasing the ball), and the grip changing phase having a relation with motion time. 2) Further, professional catchers have a tradeoff relationship between the motion time and the duration time as well as amateur catchers; and, particularly good professional catchers can shorten the duration time even while shortening motion time leading to shortening of the throwing time. 3) In stride parameter, professional catchers have a difference in the length of the pivot foot in amateur catchers, especially, the X component has a relation with the motion time while the Y component has a relation with the duration time, and the stride length is likewise; there was no relationship between all the items. 4) In release parameter, professional catchers maintain a higher projection height of the ball than amateur catchers and maintain the tendency of the projection angle to be lower, improving the throwing accuracy, especially the elevation angle is related to the duration time and the release speed, but the azimuth angle is likewise; there was no relationship between all the items. 5) In center of gravity of the body, professional catchers have a relation with the movement speed of the center of gravity of the body and the release speed as well as amateur catchers, but the moving distance of center of gravity of the body is likewise; there was no relationship between all the items.