著者
小川 賀代 小村 道昭 梶田 将司 小舘 香椎子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.51-59, 2007
被引用文献数
10

理系人材不足の背景をふまえて,今まで以上に「実践力」を有した人材を輩出することが急務であり,このための人材育成システムの再構築が求められている.本論文では,日本女子大学が長年にわたり蓄積してきた人的資源である卒業生の情報を活用したロールモデル型eポートフォリオ(RMP)を提案し,その構築を行った.本手法は,ポートフォリオの評価指標設定に社会で活躍する卒業生の学生時の成績を利用するため,評価指標の決定のための組織だった議論の必要がなく,導入が容易である.また,業種・職種別のロールモデルと現在の自分の実践力を比較することができ,自分の現在の能力,またどの能力が基準に達していないかなどを視覚的にとらえられる.よって,自分の目指す職業に要求される実践力の強化を効率よく行うことができる.蓄積情報は,就職時の自己PRに活用したり,教員による実践力育成支援に役立てることができる.システム構築は,eポートフォリオはオープンソースを活用し,これにRMP解析部分を独自拡張した.
著者
吉田 和也 梶 龍兒 飯塚 忠彦
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.563-571, 2000-10-20
参考文献数
26
被引用文献数
3 2

Oromandibular dystonia is characterized by involuntary contraction of the masticatory and tongue muscles, causing difficulties in mastication or speech. Muscle afferent block (MAB) therapy by intramuscular injection of lidocaine and alcohol is aimed at reducing muscle spindle afferents. We treated 37 patients with oromandibular dystonia by intramuscularly injecting 5 to 10ml of 0.5% lidocaine with 0.5 to 1ml of 99.5% alcohol. The muscles for injection were chosen from among the masseter, the inferior head of the lateral pterygoid muscle, the anterior belly of the digastric muscle, the genioglossal muscle, the medical pterygoid muscle, the sternocleidomastoid muscle, and the trapezius muscle. The effect of therapy was assessed subjectively on a linear self-rating scale ranging from 0 (no improvement) to 100 points (complete cure). All patients showed clinical improvement with reduced EMG activity in the affected muscles. The mean number of injections was 10.1±5.8. The overall subjective improvement rate was 60.8±25.4%. Maximal mouth opening (26.0±7.7mm) in patients with restricted mouth opening increased significantly (<I>p</I><0.0001, <I>t</I> test) after treatment (37.1±7.6mm). Some patients had tenderness, stiffness, or swelling of the muscles after repeated injection. The discomfort disappeared spontaneously after discontinuing therapy. MAB therapy is an effective means of treating oromandibular dystonia that has no major side effects.
著者
梶原 勝美
出版者
専修大学学会
雑誌
専修商学論集 (ISSN:03865819)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.25-30, 2008-07-18 (Released:2011-02-17)
著者
橋本 伸也 野村 真理 小森 宏美 吉岡 潤 福田 宏 姉川 雄大 梶 さやか
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

東中欧諸国・ロシアで深刻の度を増している第二次世界大戦と社会主義時代の歴史と記憶をめぐる政治化と紛争化について、現地調査や国際研究集会の開催などを通じて、実相解明を進めた。6回の国内研究会の開催、個別研究論文の執筆に加えて、2014年度にはエストニアのタリン大学で夏季ワークショップを開催して成果をproceedingsとして公開するとともに、2015年には関西学院大学で国際会議を開催して、東アジアの歴史認識紛争との対比により問題構造の多元的把握に努めた。研究代表者の単著(既刊)や雑誌特集号に加えて、2017年中に国際的な論集と研究分担者らの執筆した共著書2点の刊行が決まっている。
著者
梶原健吾 鳥海不二夫 大橋弘忠 大澤博隆 片上大輔 稲葉通将 篠田孝祐 西野順二
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.597-598, 2014-03-11

近年の人工知能の技術の発展により、チェスや将棋等の完全情報ゲームでは人工知能が人間のプロを相手に勝利するようになった。一方で、不完全情報ゲームについての研究は多くはない。そこでコミュニケーションゲーム“人狼”に着目し、人工知能が目指すべき新たな目標として設定する。本研究ではこのゲーム内で使用される主な言葉をプロトコル化し、各エージェントがそのプロトコルで会話をすることでゲームが進行される。過去の会話内容やプレイヤー数等を環境とし、発言内容や能力者の行動等の戦略をQ学習により学習させ、最適戦略を解析する。
著者
梶並 知記 松村 瞬 辻 裕之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1747-1755, 2017-11-15

本稿では,テトリス®のプレイにおける,HOLD機能の使用傾向について4つの観点から分析した結果を報告する.テトリス®は,盤面に上方から落下してくる4つの正方形を組み合わせたテトリミノと呼ばれる7種類のブロックを用いてプレイするパズルゲームである.プレイヤは,落下中のテトリミノに回転操作を加えて横1ライン隙間なく埋め,そのラインを消す.テトリス®には,落下中のテトリミノを,後で使うために一時的に保持するHOLD機能を備えている.従来,テトリス®を対象にした研究には,AIを用いた自動プレイに関するものや,テトリス®が人間に与える影響に関するものがある.それらの従来研究に対し,本研究は,人間であるプレイヤのテトリス®のプレイ技能向上を長期目標とした研究の1ステップである.本稿では,テトリス®のプレイヤをプレイ技能に応じて熟練者と非熟練者の2つに分類し,プレイヤのプレイ技能に応じてHOLD機能の使用傾向について分析する.Tetris Online Polandから操作ログファイルを収集し,(1) HOLD機能を使用する頻度,(2) HOLDするテトリミノの種類,(3) HOLDするテトリミノの順序,(4) HOLDミスの頻度が,プレイ技能に応じて異なることを示す.
著者
梶原 健佑
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.499-511, 2004-10-12
著者
松本 和久 菅納 隆 岡本 太一 木村 一史 梶山 元治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.451, pp.19-23, 2008-01-17

集合住宅等の既設管路内にドロップケーブルを通線する場合、ケーブルの摩擦が大きいと通線が困難であり、通線距離が長いと管路内でケーブルシースが磨耗して損傷することが懸念される。また、架空に布設したドロップケーブルがクマゼミの産卵により断線し、通信遮断に至る被害も報告されている。このような課題を解決するため、低摩擦化および耐摩耗性を向上させた新規配合のノンハロゲンシース材料を用い、クマゼミ産卵被害を防止する光ドロップケーブルを開発した。
著者
梶田 隆章
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.326-331, 2003-05-05
被引用文献数
4

Cosmic ray particles entering the atmosphere interact with the air nuclei and produce neutrinos. These neutrinos are called atmospheric neutrinos. The atmospheric neutrino anomaly observed in Kamiokande is now understood as due to neutrino oscillations by high statistics measurements of the atmospheric neutrinos in Super-Kamiokande. The studies of the atmospheric neutrinos have matured into detailed studies of neutrino masses and mixings.
著者
渡辺 亮 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.393-394, 2015-09-18

我々は皮膚表面に温度変化を提示することで上下方向の移動感や触力覚を生じる錯覚現象を発見し,その性質を研究 してきた.本現象では温度上昇時に上方向の移動感や膨張感を,温度下降時に下方向の移動感や吸引感を生じる.我々 はこの錯覚現象を利用し,直立した人間の左右それぞれの足裏に逆方向の移動感を提示することで段差や地面の傾き を表現できると考えた.本稿では足裏に温度変化を提示する装置を開発し,刺激温度の変化が生起する感覚や姿勢に どのように影響するのか検証した.
著者
藤原 清司 金広 文男 梶田 秀司 横井 一仁 齋藤 元 原田 研介 比留川 博久 五十棲 隆勝
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.427-434, 2005-05-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
2 3

This paper investigates a method through which a human-size humanoid robot can fall over backwards safely. Squatting-extending motion of legs reduce impact of falling and shock-absorbing parts of the robot keep the force at a permissible range. The robot could stand up itself again after falling.
著者
梶島 岳夫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.10_54-10_57, 2014-10-01 (Released:2015-02-06)
参考文献数
5
著者
石津 日出子 大鹿 淳子 代継 由紀 竹井 よう子 藤野 吉世 平岡 英子 中原 満子 金谷 昭子 大江 隆子 原 知子 藤井 美紗子 嘉ノ海 有紀 梶本 五郎 深見 良子 的場 輝佳 高村 仁知 木村 雅美 湯川 夏子 百本 紀子 堀内 攝之 熊谷 篤呼 大山 美紀代 大重 淑美 太田 馨 富山 久代 福井 広子 真砂 佳美
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.304-309, 1993-11-20
被引用文献数
8

油脂の風味の強さを5段階表示したものを対照にし、180℃で大豆油を加熱し、同じような5段階の風味をもつまでに要した加熱時間、ならびに各段階のフライ油で揚げたポテトについて官能検査を行い、油脂と揚げポテトの風味を比較した。1.第1回目の合同実験では、フライ油の風味の点数3(油っぽい、油臭い、重い)に達するまでに要した加熱時間は、最も早い機関で16時間、遅い機関で50時間で、その差は大きかった。2.5段階表示の油脂の風味を経験した後の第2回目の合同実験結果では、フライ油の風味3に達するまでの時間は、16時間から22時間内で、第1回目の合同実験に比べ機関間のバラツキは非常に小さくなった。3.風味3のフライ油のアニシジン価は7機関の平均で150、カルボニル価は13.7であった。4.風味5(新鮮油)、4、3のフライ油で揚げたポテトの味、香りは、それぞれフライ油の5、4、3の風味とよく似た味、香りを示した。揚げポテトの風味が明らかに低下する時は、風味3のフライ油で揚げた時である。したがって、風味の良い、おいしい揚げポテトを作るためには、フライ油の風味の点数3が使用限界としての目安にできると考えた。
著者
梶野 洸 坪井 祐太 佐藤 一誠 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

教師付き学習における教師データをクラウドソーシングを利用して作成する試みが広まっている.このようなデータは信頼性が低いため,真の教師データの推定や,このデータを用いた識別器の学習に関する研究が行われているが,真の教師データが一部存在する場合の研究は行われていない.本研究ではクラウドソーシングで得られた教師データと真の教師データを併用して直接識別器を構成する手法を提案し,その性能を検証する.
著者
水流添 覚 山元 章 平島 義彰 福田 一起 梶原 伸宏 西田 周平 下田 誠也 荒木 栄一
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.837-842, 2014-11-30 (Released:2014-12-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

症例は65歳の2型糖尿病男性で経口薬・インスリン併用中だが,高血糖,肥満が是正されないためSGLT2阻害薬を導入すべく入院となった.メトホルミン,利尿薬内服を中止の上でイプラグリフロジン50 mg開始.血糖改善は良好で2日目から約10 %のインスリン減量を実施.3日目に全身性皮疹,腎機能障害(Cr 1.6 mg/dl),ケトーシス(3-OHBA 626 μmol/l),軽度代謝性アシドーシス(PH 7.348, HCO3- 18.3 mmol/l)に加え高度高K血症(7.3 mEq/l)を来した.症例は高K既往,K高含有食品(昆布)常用,ARB内服など高Kを呈しやすい素地があった.これに利尿薬中止,SGLT2阻害薬開始後の腎機能低下,アシドーシス,インスリン作用不足によるK細胞外シフトが加わり高Kを発症したと推察する.高Kを呈しやすい背景の患者へのSGLT2阻害薬導入ではK値に注意を要する.