著者
斉藤 豊 斉藤 奨 大森 康正 山田 光太郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-16, 1964
被引用文献数
2 7

カメムシ類は果樹を食害する農業害虫として重要視されていることは衆知の事実であるが, 近年それによる直接的人体被害も若干しられている.素木(1958)はクロカメムシの臭液腺分泌物が人の眼に入ると結膜炎視力障害等をおこし, 直接皮膚に付着するとその部に水胞を形成する皮膚炎が生じ, 特に乳児はその感受性大なることを紹介している.東北地方の山地では毎年の秋(9月下旬〜10月中旬頃)クサギカメムシの成虫が越冬のため大挙人家内に侵入しここで越冬したのち雪も消え温暖となつた若葉の候(5月頃), 一斉に野外へ飛び出ることがわかつている.その間この虫は屋内いたるところのすき間に見出されるばかりでなく, 衣類・寝具類にまで潜入するにいたる.室内の温度が上昇すると彼等は冬眠から覚めて小活動を開始して歩き廻るばかりでなく, 更に何かの刺激に対し容易に反応して臭液腺より分泌された臭液のため室内は特異的な悪臭で充満されるので, 頭痛, 嘔吐, 食欲不振等を訴える人がしばしばあり, 秋の観光客等もこの不快昆虫のため顔をそむけて宿泊せずに引返すことすらある現状であると聞く.ところがたまたま本年初夏新潟県衛生部からこの不快昆虫の撲滅対策について強い要望があつた.そこで我々はこの機会に本県山地特に新潟県営発電所を中心にして, カメムシ類特にクサギカメムシの生態調査, 殺虫試験等について諸観察を行ないうることが出来たので, ここにその諸結果を記述する.
著者
大森 康伸 水野 英一 廣澤 春任
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.17-24, 1994-04-21
被引用文献数
1

海王星の中性大気モデルを推定し、レイ・トレイシングを用いて、NASAの惑星探査機ボイジャー2号から送信されたマイクロ波の大気中での伝搬のシミュレーションを行なった。推定にはボイジャー2号の電波科学観測実験のデータを用いるが、分子数密度分布が特定の緯度でしか得られていないので、これを等ポテンシャル面を参考することにより外挿を行ない、任意の緯度の分子数密度分布を得ている。このシミュレーションは、後のコヒーレント・シグナル・アレイングに用いる位相差の推定のために、2受信局への伝搬経路長の変化を求めるのに用いる。
著者
岩渕 博史 岩渕 絵美 内山 公男 高森 康次 永井 哲夫 田中 陽一
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.703-707, 2006-12-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

Glandular odontogenic cyst (GOC) was first proposed by Gardner et al in 1988 as an infrequent developmental epithelial cyst occurring in jaw bones. We describe our experience with a case of GOC arising in the mandible and report the clinical course. The patient was 52-year-old woman with clearly bordered multilocular radiolucent lesions in bothsides of the mandibular premolar region. These cysts were extirpated, and the specimens were studied by routine pathological examination and immunohistochemical staining with cytokeratins. The diagnosis was established to be GOC. The cyst recurred 3.5 years after surgery, and reoperation was performed.
著者
岩渕 博史 岩渕 絵美 内山 公男 高森 康次 永井 哲夫 田中 陽一
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.703-707, 2006-12-20
被引用文献数
2 1

Glandular odontogenic cyst (GOC) was first proposed by Gardner et al in 1988 as an infrequent developmental epithelial cyst occurring in jaw bones. We describe our experience with a case of GOC arising in the mandible and report the clinical course. The patient was 52-year-old woman with clearly bordered multilocular radiolucent lesions in bothsides of the mandibular premolar region. These cysts were extirpated, and the specimens were studied by routine pathological examination and immunohistochemical staining with cytokeratins. The diagnosis was established to be GOC. The cyst recurred 3.5 years after surgery, and reoperation was performed.
著者
小川 純也 小川 浩子 福山 泰広 長谷川 剛 下江 弘美 平松 佳子 栢森 康司
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.19-23, 2011-03-20 (Released:2012-04-04)
参考文献数
5

犬前十字靱帯断裂に対して脛骨粗面を前方に転位することによる膝関節の安定ができるTTA手術は,その手術手技が比較的簡単で,そのうえ術後の成績も安定しているため今現在では世界中で行われるようになっている。その一方で本邦ではまだあまり一般的には行われていない。本院では,約7年前,まだこの手術法が確立する前からこの手術を始める機会を得られ,その結果数例においてではあるが術後の合併症を経験し,その発生の原因の究明や予防に努め,今現在では安定した手術結果を納めている。今回は,本院における全ての手術成績と合併症を示しその原因と対応を紹介する事で,今後日本においてこの手術を始める時の礎となることを期待している。
著者
津村 良祐 木村 暢夫 藤森 康澄 岩森 利弘
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院 = RESEARCH FACULTY OF FISHERIES SCIENCES, HOKKAIDO UNIVERSITY
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:13461842)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1-2, pp.19-24, 2006-11

Ship motions on the small fishing boats for scallop cultivation in Funka-Bay, Hokkaido, are usually influenced by the dynamic force of large scale cultivation facilities. On the rough sea condition, it would generate fatal ship motions like large amplitude rolling motion. To reduce such ship motions under fishing conditions, we designed a new type of mooring device with buffer materials used as absorber for ship motions. We carried out the tank experiment used the model in the wave conditions corresponded to the actual fishing operation to confirm the effect of reducing ship motion. For the waves in the long-period frequently generated under rough sea, the damping effect of the absorber was effective to reduce rolling motion, and accounting for nothing less than 10.0% compared with the normal mooring device without the absorber. As a result, the mooring device with absorber is effective for the improvement of seakeeping qualities of the fishing boats for scallop cultivation.
著者
岡田 博 森 康子
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-9, 2000
参考文献数
8
被引用文献数
2

インドネシア東カリマンタンおよび西カリマンタンからサトイモ科の3新種,Aridarum incavatum, Bucephalandra magnifolia, Hottarum brevipedunculatumを記載した。これらは全て渓流沿い植物である。体細胞染色体数はいずれも2n=26であった。
著者
東海 正 大本 茂之 藤森 康澄 兼廣 春之 松田 皎
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.715-721, 1997-09-15
参考文献数
19
被引用文献数
6 3

A separator-trawl used for a mantis shrimp catch in Tokyo Bay has a separator panel and two codends; separator net-panel (100mm stretched mesh length) on part of the top of the first codend (62mm mesh length) which is covered with the second codend (33.6mm mesh length). The fishermen hoped mantis shrimp as a main target species would be caught in the second codend and be separated from starfishes retained in the first codend, because large amounts of starfishes cause difficulty in fishermen's hand-sorting on deck. Separation efficiencies of the trawl were obtained from the catch numbers in the two codends in a fishing experiment. Separation efficiency between species <i>i</i> and <i>j</i> is defined as γ<i><sub>i</sub></i>+γ<i><sub>j</sub></i>-1, where γ<i><sub>i</sub></i> is the recovery ratio in the codend for <i>i</i>-species, that is, a proportion of the <i>i</i>-species catch number in the <i>i</i>-species codend. While the recovery ratio for starfish in the first codend was 0.96, that for mantis shrimp in the second codend was 0.66 which was not so high as expected. Thus, separation efficiency between mantis shrimp and starfish was 0.62. Although the separator net-panel has enough large mesh size for small animals, e.g. small crab <i>Carcinoplax vestina</i>, some species of low swimming ability failed to pass through the separator panel and were retained in the first codend. This implies that separation performance of the separator-trawl depends on the swimming ability of each species in the net as well as mesh selectivity of the separator net panel.
著者
大森 康正 斉藤 奬 松井 繁巳
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.191-193, 1960

本年(1960)6月中旬頃, 新潟市山ノ下地区に黒い小さなハエが非常に多く発生しているという情報が同市東保健所に入つた.その後, 本種は一時下火になつたかのように見えたが, 梅雨の明けた7月中旬頃から山ノ下地区から約1kmはなれた市内沼垂の貯木場付近一帯に再び大発生し, 近くの民家に侵入して住民を悩し始めた.本種は同定の結果, Drosophila virilisクロショウジョウバエと判明した.新潟市内のショウジョウバエについては筆者らの一人斉藤が1957年に調査しているが, 今回の発生は当時の採集量に比べて問題にならぬくらいの大発生である.筆者らは今回の異常発生について発生源その他を調査し, 併せて殺虫剤散布も試みたので, その成績を紹介したい.
著者
斉藤 奨 大森 康正 松井 繁己 小松原 忠知
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.229-232, 1962

新潟県で採集されたショウジョウバエは2科5属23種であり, そのうち新潟市では2科4属18種が得られた.主な3種, カオジロショウジョウバエ, オオショウジョウバエおよびキハダショウジョウバエの季節的消長をみると, いずれも7月中旬に山を形成したほかオオショウジョウバエは10月下旬に, キハダショウジョウバエは11月上旬に再び山を形成する双峰型の消長を示した.その他の種はほとんど秋季に主として採集された.なおクロショウジョウバエの異常発生が1960年と1961年の2カ年にわたり梅雨明けにみられた.
著者
鈴森 康一 神田 岳文 脇元 修一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

これまでの多くの機構(メカニズム)では、硬い材料が用いられていた。本研究では柔らかいゴム材料のみで構成され、かつ機能性を有する新たなマイクロメカニズムの開発に関して基盤技術の構築と実際のメカニズムの具現化という2つの側面から実施した。基盤技術として、高精度なゴムの成型法や接着法を確立し、機能性ラバーシート、内視鏡用アクチュエータ、マイクロチェックバルブ、大湾曲アクチュエータといった新たなメカニズムを実現した。
著者
松山 聡 久保 喜平 大橋 文人 高森 康彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.201-203, 1997-03-25
被引用文献数
2 8

イヌ,ネコ,ウシ, ウマおよびウサギの正常肝臓組織より, 癌抑制遺伝子の一つと考えられているプロヒビチンcDNAの一部のクローニングをRT-PCR法により行った. その結果, 今回, RT-PCRにより増幅された部分は, 各動物種間でcDNAの塩基配列では約90%, アミノ酸配列では約95%以上の相同性を示した. したがって, これらのRT-PCR産物は, 各動物のプロヒビチンcDNAの一部であることが示唆された.
著者
安藤 仁 加賀谷 尚史 竹森 康弘 野田 八嗣
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.723-729, 1997-11-05
被引用文献数
1

HP陽性消化性疾患患者78例に対し除菌治療を施行し(PPI+AMPC 17例,PPI+AMPC+CAM 61例),HP抗体価およびPGI・II値,I/II比の推移について検討した.HP除菌例(<I>n</I>=68)では,治療後HP抗体価の低下およびPGI・II値の低下,PGI/II比の上昇を認めた.特にPGII値の低下とPGI/II比の上昇は除菌治療開始2カ月後の早期より著明でその後も持続した.一方,HP非除菌例では,治療後HP抗体価およびPGI/II比に明らかな変化はなく,PGI・II値がPPIの影響かむしろ早期に一過性の上昇を示した.以上より,PGII値とPGI/II比はHP除菌効果を早期より反映して変動することが示された.