著者
中村 誓志 森田 恵美子 木村 貞恵 定本 裕美 上野 正嗣 岩井 礼子 生島 忍 広川 慶裕
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.938-942, 2008 (Released:2010-02-07)
参考文献数
13

Scabies is a major form of dermatitis and in the second edition of clinical management guidelines for scabies drawn up by a committee of the Japanese Dermatological Association in 2007,ivermectin was recommended as a drug of choice for its treatment.Ivermectin had been approved as a treatment for scabies and launched in Japan in August 2006.On administering ivermection to 6 patients who developed scabies in our geriatric mental ward,3 of them subsequently developed hepatic function disorders.In order to investigate the cause of these disorders,we examined their weights,ages,drug interactions,and metabolism.We found that blood levels of ivermectin were easily affected by fat in the diet due to its liposolubility.In addition,since CYP3A4,an enzyme considered to be involved in the metabolism of ivermectin,may increase the toxicity of its metabolic products,we concluded that use of ivermectin should be reviewed.It is recommended that hepatic function tests are carried out a week before and after administering ivermectin,and that it should be given at bedtime to avoid drug interactions.
著者
佐野 智子 森田 恵子 奥山 陽子 伊藤 直子 長田 久雄
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.288-299, 2018 (Released:2018-06-29)
参考文献数
35
被引用文献数
2

目的 加齢性難聴は大きな健康課題のひとつであり,早期の発見が望まれる。難聴の簡易スクリーニング検査として,指こすり音聴取検査があるが,これまでは加齢性難聴を対象として検討されてこなかった。本研究の目的は,従来の方法を改良した「指こすり・指タップ音聴取検査(Finger Rub/Finger Tap screening test: FRFT検査)」を提唱し,加齢性難聴のスクリーニング検査として,その有効性を検討することである。方法 健康状態を比較的維持し,地域で自立した生活を送っている65歳以上の高齢者を対象とした。介護予防事業(運動教室)の参加者のうち調査協力に同意した73人を対象とし,FRFT検査と純音検査を実施した35人(70耳)を分析対象とした。FRFT検査は,耳からの距離5 cm,30 cm,60 cmの条件で,指こすり音および指タップ音を2回ずつ提示し,その反応を記録するものである。正答を1点,誤答および無答を0点として得点化した。純音検査の結果から4周波数平均聴力を算出し,平均聴力とFRFT合計得点のスピアマンの順位相関係数を算出した。FRFT検査得点を検定変数として,receiver operating characteristics(ROC)解析を行い,感度・特異度からFRFT検査の妥当性を検討した。状態変数は,軽度難聴以上の有無と中等度難聴の有無の2種類で行った。結果 純音聴力とFRFT合計得点に有意な負の相関(r=−0.79, P<0.01)があり,併存的妥当性が確認された。ROC解析により,FRFT合計得点は感度97.6%,特異度71.4%で26 dB以上の難聴を検出可能であった。また,60 cm条件を含めない短縮版(5 cm条件と30 cm条件の合計)でも,感度95.2%,特異度71.4%で26 dB以上の軽度難聴を検出できた。結論 FRFT検査によって,加齢性難聴のスクリーニングが可能であることが明らかになった。非検査耳を遮蔽することなく,軽度難聴以上を検出することができる,非常に簡便で,非侵襲性の高い,優れた検査であることが示された。また,音響分析によって,指こすり音は高音漸傾型の難聴に,指タップ音は低音障害型や全般的に聴力低下がみられる耳垢栓塞にも有効である可能性が示唆された。
著者
森田 恵美子 青山 宏樹 梶本 浩之
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.FcOF1111, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】重症筋無力症(以下、MG)患者にとって、気候や入浴等による外気温の変化は、筋出力低下を引き起こす一要因であるものの、このような症状は一般的には知られていない。MGの簡易的な診断方法としてアイステストがある。これは閉眼した眼瞼の上に、袋に入れた氷を2分間置き、眼瞼下垂が2mm以上改善すれば陽性と判別する方法である。今回はこのアイステストをヒントに、寒冷刺激によってMG患者の疲労度が軽減するという仮説を立て、反復誘発筋電図テスト(Harvey-Masland test)を用いて漸減(waning)現象に着目し検証したので報告する。【方法】対象者は12年前にMGを発症し胸腺全摘出を施行した女性(年齢42歳)1名である。Osseman分類II-A、抗AchR抗体2200nmol/L、症状として日内変動による眼瞼下垂、複視、全身脱力感はあるが、就労を含む日常生活に支障はない状態である。今回の実験はHarvey-Masland testのプロトコールに従って実施した。はじめに、尺側手根屈筋に対して筋疲労を生じさせるため、誘発電位・筋電図検査装置(Nicolet社製Viking Quest S403)を用いて、尺骨神経に最大上刺激(10.2mV)にて周波数50Hzの頻度で電気刺激を5秒間与えた。2分間の休息を入れた後、3Hzおよび1Hzにて尺骨神経を肘関節部内側上顆の直下から刺激し、尺側手根屈筋の表面筋電図を導出した。実験条件は、反復神経刺激を与える前に氷嚢で尺側手根屈筋筋腹を20分間冷却した寒冷刺激および介入なしの2条件とした。また尺側手根屈筋筋腹部の表在温度も測定した。各条件において計測は7回実施し、導出された筋電図の初発に対する5発目の振幅の割合を算出し、平均漸減率を求めた。一元配置分散分析および多重比較にて統計学的検討を行った。【説明と同意】対象者に対して、ヘルシンキ宣言に従い事前に本研究の主旨を説明し、実験に参加する同意を得た。【結果】電気刺激によって誘発された筋電図の漸減率を比較したところ、介入なしの1Hzでは漸減率が92.8%、3Hzでは76.8%であった。寒冷刺激の漸減率は1Hzで99.2%、3Hzでは102.8%であった。介入なしでは1Hzに比べ3Hzの電気刺激の方が有意(P<0.01)に漸減率が高かった。3Hzの反復刺激においては、介入なしに比べ寒冷刺激の方が漸減率が有意(P<0.01)に低かった。また、介入なしの1Hzに比べ寒冷刺激の3Hzの方が漸減率が有意(P<0.01)に低かった。尺側手根屈筋筋腹部の表在温度は介入なしで31.2±0.4度、寒冷刺激で23.6±0.8度であり、両者で有意差が認められた(P<0.05)。【考察】今回の実験では、介入なしの条件下での1Hzの刺激では活動電位の漸減は見られなかったものの、3Hzの刺激では76.8%の漸減が認められwaning現象が確認された。Waning 現象とは、5Hz以下の刺激下で5発目の活動電位の振幅が初発の振幅の90%以下になる現象を示すが、Harvey-Maslandによると、健常者およびMGでは1Hzの刺激を与えても筋活動電位の振幅には減衰は起こりにくく、3Hzの刺激では健常者では減衰は全く起こらないか、せいぜい7%以下である一方、MG患者では顕著に出現するとしている。今回は、このHarvey-Maslandのテストのプロトコールに沿って実施したことで、介入なしでの3Hzの刺激のみにwaning現象が出現したと考えられ、今回の対象者がMG特有の波形を示すことが確認された。この対象者に寒冷刺激の条件下で3Hzの反復電気刺激を与えたところ、漸減率は102.8%でありwaning現象は認められなかった。この結果は寒冷刺激によって表在温度が23.6度まで下がったことで、アセチルコリン分解酵素であるコリンエステラーゼの作用が介入なしよりも抑制されたことが一要因ではないかと考える。以上のことより今回の実験では、MG患者に対しての寒冷刺激が神経筋接合部での疲労および筋出力低下を軽減させる一助となることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】現在MG患者の運動療法においては、疲労回避のための低負荷・高頻度の運動が推奨されている。しかし、MG患者が外気温もしくは自身の表在温度を配慮し運動を行った報告はほとんど見当たらない。寒冷刺激が実際のパフォーマンス後の筋出力低下、疲労度を軽減することが可能であれば、運動実施前の寒冷療法が有効な手段となりうるのではないかと考える。
著者
森田 恵美子 青山 宏樹 梶本 浩之
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.FcOF1111-FcOF1111, 2011

【目的】<BR>重症筋無力症(以下、MG)患者にとって、気候や入浴等による外気温の変化は、筋出力低下を引き起こす一要因であるものの、このような症状は一般的には知られていない。MGの簡易的な診断方法としてアイステストがある。これは閉眼した眼瞼の上に、袋に入れた氷を2分間置き、眼瞼下垂が2mm以上改善すれば陽性と判別する方法である。今回はこのアイステストをヒントに、寒冷刺激によってMG患者の疲労度が軽減するという仮説を立て、反復誘発筋電図テスト(Harvey-Masland test)を用いて漸減(waning)現象に着目し検証したので報告する。<BR>【方法】<BR>対象者は12年前にMGを発症し胸腺全摘出を施行した女性(年齢42歳)1名である。Osseman分類II-A、抗AchR抗体2200nmol/L、症状として日内変動による眼瞼下垂、複視、全身脱力感はあるが、就労を含む日常生活に支障はない状態である。今回の実験はHarvey-Masland testのプロトコールに従って実施した。はじめに、尺側手根屈筋に対して筋疲労を生じさせるため、誘発電位・筋電図検査装置(Nicolet社製Viking Quest S403)を用いて、尺骨神経に最大上刺激(10.2mV)にて周波数50Hzの頻度で電気刺激を5秒間与えた。2分間の休息を入れた後、3Hzおよび1Hzにて尺骨神経を肘関節部内側上顆の直下から刺激し、尺側手根屈筋の表面筋電図を導出した。実験条件は、反復神経刺激を与える前に氷嚢で尺側手根屈筋筋腹を20分間冷却した寒冷刺激および介入なしの2条件とした。また尺側手根屈筋筋腹部の表在温度も測定した。各条件において計測は7回実施し、導出された筋電図の初発に対する5発目の振幅の割合を算出し、平均漸減率を求めた。一元配置分散分析および多重比較にて統計学的検討を行った。<BR>【説明と同意】<BR>対象者に対して、ヘルシンキ宣言に従い事前に本研究の主旨を説明し、実験に参加する同意を得た。<BR>【結果】<BR>電気刺激によって誘発された筋電図の漸減率を比較したところ、介入なしの1Hzでは漸減率が92.8%、3Hzでは76.8%であった。寒冷刺激の漸減率は1Hzで99.2%、3Hzでは102.8%であった。介入なしでは1Hzに比べ3Hzの電気刺激の方が有意(P<0.01)に漸減率が高かった。3Hzの反復刺激においては、介入なしに比べ寒冷刺激の方が漸減率が有意(P<0.01)に低かった。また、介入なしの1Hzに比べ寒冷刺激の3Hzの方が漸減率が有意(P<0.01)に低かった。尺側手根屈筋筋腹部の表在温度は介入なしで31.2±0.4度、寒冷刺激で23.6±0.8度であり、両者で有意差が認められた(P<0.05)。<BR>【考察】<BR>今回の実験では、介入なしの条件下での1Hzの刺激では活動電位の漸減は見られなかったものの、3Hzの刺激では76.8%の漸減が認められwaning現象が確認された。Waning 現象とは、5Hz以下の刺激下で5発目の活動電位の振幅が初発の振幅の90%以下になる現象を示すが、Harvey-Maslandによると、健常者およびMGでは1Hzの刺激を与えても筋活動電位の振幅には減衰は起こりにくく、3Hzの刺激では健常者では減衰は全く起こらないか、せいぜい7%以下である一方、MG患者では顕著に出現するとしている。今回は、このHarvey-Maslandのテストのプロトコールに沿って実施したことで、介入なしでの3Hzの刺激のみにwaning現象が出現したと考えられ、今回の対象者がMG特有の波形を示すことが確認された。この対象者に寒冷刺激の条件下で3Hzの反復電気刺激を与えたところ、漸減率は102.8%でありwaning現象は認められなかった。この結果は寒冷刺激によって表在温度が23.6度まで下がったことで、アセチルコリン分解酵素であるコリンエステラーゼの作用が介入なしよりも抑制されたことが一要因ではないかと考える。以上のことより今回の実験では、MG患者に対しての寒冷刺激が神経筋接合部での疲労および筋出力低下を軽減させる一助となることが示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>現在MG患者の運動療法においては、疲労回避のための低負荷・高頻度の運動が推奨されている。しかし、MG患者が外気温もしくは自身の表在温度を配慮し運動を行った報告はほとんど見当たらない。寒冷刺激が実際のパフォーマンス後の筋出力低下、疲労度を軽減することが可能であれば、運動実施前の寒冷療法が有効な手段となりうるのではないかと考える。<BR>
著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 鈴木 和雄
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.437-441, 1982
被引用文献数
5

本研究はQ-スウィッチを付けたNd-YAGレーザーを用いることにより歯石・歯垢を含む歯面付着物や歯質着色が安全に, かつ容易に除去しうるかどうか研索したものである。これらの付着物や着色の除去は予防歯科学領域での関心事である。<BR>エネルギー密度1.2~2.7J/cm<SUP>2</SUP>/パルスのレーザー光を歯面着色, 歯質着色, 歯石・歯垢付着, 小窩裂溝内容物を有するヒトの抜去歯牙39歯のエナメル質に照射すると, 付着物や着色の部位や種類により除去の難易性に若干の差異はあるが, これらの物質は有機性窩溝内容物を含めいずれも除去された。また臼歯部の小窩裂溝についても, 有機性の窩溝内容物は除去され, 窩溝壁や深部が部分露出した。Q-スウィッチを使用しないノーマル発振の同レーザー光では, このような結果は得られなかった。除去後のエナメル質表面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で調べると, 歯面の照射部位にチョーク様のスポットやクレーターは認められなかった。これらの結果からQ-スウィッチを付けたNd-YAGレーザーを歯石・歯垢などの歯面付着物, 歯面・歯質着色および小窩裂溝内容物除去の目的に臨床的に用いうる可能性が示唆された。
著者
福島 あゆみ 岡田 洋右 谷川 隆久 河原 智恵 三澤 晴雄 中井 美穂 廣瀬 暁子 神田 加壽子 森田 恵美子 田中 良哉
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.311-316, 2003-04-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
16

症例は52歳女性. 1996年 (平成8年) に低血糖昏睡 (血糖12mg/dl) で近医に緊急入院したが, 低血糖発作が頻発するため1997年 (平成9年) 当科入院.考えられる低血糖発作の原因を除外した後に, インスリン (IRI) 血糖 (PG) は0.44~1.07, 血管造影で膵尾部に径1.5cm大の濃染像が疑われることより, インスリノーマの診断で膵体尾部脾合併切除 (90%) を施行したが, 術中所見, 切除膵の組織学的検討で異常所見を認めなかった. しかし, その後も夜間空腹時低血糖発作を反復するも, 発作時のIRI PGが0.07と過剰インスリン分泌は消失していたことから, 術後低血糖の主因としては反応性低血糖を考え, ボグリボース内服と夜間補食 (2単位) を開始. 以後, 日常生活には支障ないものの, 依然として早朝空腹時血糖は50mg/dl前後であり, 2001年 (平成13年) 9月病状再評価のため施行した選択的動脈内カルシウム注入検査 (ASVS) にて, 30秒後にIRIが2.5倍以上に上昇し陽性. また, ボグリボースと夜間補食中止下でのdaily profiieでは食後高血糖がみられ, 著明なインスリン抵抗性と低血糖時のインスリン分泌抑制を認めた.本例の低血糖の病態としては, ASVSの結果および術後経過より, 術前の病態としては膵β細胞のび漫性機能亢進があったのではないかと考えられ, 広汎な膵切除によるインスリン総分泌量の減少に加え, ボグリボースにより反応性のインスリン過剰分泌を減少させることで重篤な低血糖発作を改善することができたと推測される.
著者
加地 浩 森田 恵美子 池田 正人 日野 義之 筒井 隆夫 紙谷 尚子
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.549-554, 2001-07-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
12
被引用文献数
1

胃切除者におけるOGTTではしばしば急峻高血糖型の血糖曲線oxyhyperglycemiaを示すことが知られている. 職域の定期健康診断でスクリーニングされ, 75g-OGTTを受けた2257名の中に胃切除術を受けた者が60名見出された, 今回, これら症例の糖尿病関連諸検査指標と日本糖尿病学会新診断基準 (1999年) との関係で, 診断上の特殊性につき再検討した.平均血糖値は前値 (FPG) 96.9, 1時間値 (PG-1) 179.1, 2時間値 (PG-2) 86.6mg/dlであったが, 血糖値から糖尿病型と判定された者は6名, 境界型6名, 正常型47名であった.血糖以外の指標ではHbA1cは平均6.896と高値を示したが, FRA, 1, 5-AGの平均値は各々256μmol/l, 16, 2μg/mlと基準範囲内にあった.またこれらの指標はFPG, PG-2のみならずPG-1との間にも有意の相関を示した. OGTTを用いるこれらの症例の最終診断は困難な場合があり, 関連する各検査値に力口え, 常に糖尿病家族歴, 胃手術歴を問診しておく必要がある.
著者
森田 恵美子 横山 久代 竹田 良祐 山科 吉弘 河合 英理子 福村 智恵
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.317-325, 2020-08-01 (Released:2020-07-15)
参考文献数
49

We examined the relationship between masticatory ability and bone mineral density (BMD) and the role of muscle strength in those relationships in 156 female university students. Masticatory ability was assessed using a color-changeable chewing gum method. The BMD of the calcaneus was measured using quantitative ultrasonography and represented by a T-score, the standard deviation (SD) from the mean BMD of young adults. Body composition, grip strength, physical activity level, and daily nutrient intake were also assessed. Osteopenia, defined as the T-score < ‒1.0 SD, was present in 43 participants (27.6%). There was no significant relationship between masticatory ability (ΔE) and T-score in all participants. In participants with normal BMD (T-score ≧ ‒1.0 SD: the normal BMD group), masticatory ability significantly correlated to BMD (r = 0.289, p = 0.002). There was significant correlation between ΔE and grip strength neither in all participants nor in either group, although the grip strength in the normal BMD group was greater than that in the participants with osteopenia (the low BMD group) (p = 0.039). Physical activity level was positively correlated to the total daily energy intake (r = 0.193, p = 0.041) only in the normal BMD group. The present results suggest that masticatory ability is associated with BMD in young females with normal BMD, but the role of muscle strength in those relationships remains unclear. Meanwhile, there was no relationship between masticatory ability and BMD in young individuals with lower BMD.
著者
森田 恵子 石川 幸代 永田 美和子
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.15, pp.49-57, 2009

高齢者の背景や日常生活をイメージ・理解するための教育方法として、ライフ・ヒスリー・インタビュー(以LHI)時に円グラフを用いてタイムスタディを聴取した。このLHI記録用紙に記述された「一日の過ごし方から気がついたこと」の学びを質的に分析しカテゴリ化を行った。150の記録単位、10カテゴリ、27サブカテゴリが抽出され、円グラフを用いたタイムスタディによる学生への学習効果は以下の2点であることを考察した。この教育方法は、高齢者の日常生活の量と質を理解する方法として有効であること、及びIADLの視点を養う効果があることが示唆された。また、それは高齢者の文化・社会的活動の重要性及びその量と質を理解する教育方法として有効であると考える。As a method of teaching a fuller understanding of the elderly, we had students take Life History Interviews (LHI) and construct pie-charts of their subjects' daily life. We analyzed students' written reports on what they had learned about how the elderly spend their days. We identified 150 activities, divisible into 10 categories and 27 subcategories. This method improves student understanding of the Quantity and quality of daily life among the elderly, and is useful (in developing) their awareness of the Instrumental Activity of Daily Living (IADL). It is also effective in helping them to appreciate the quantity. quality and importance of the culture and social activities of the elderly.
著者
松井 希代子 柳原 清子 佐藤 正美 能登原 寛子 下 綾華 塚本 愛実 中村 優希 西野 ひかり 東 郁江 兵田 亜未 村田 奈穂 元橋 茉佑 森田 恵里 米澤 智亜紀
出版者
ウェルネス・ヘルスケア学会
雑誌
Journal of wellness and health care (ISSN:24333190)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.125-135, 2017

Cancer medicine is becoming more sophisticated and complex, and therefore it is becoming more difficult to care for people at the end of life. This study was performed to identify the nature of positive attitudes to nursing practice of nurses in general hospitals, and to examine their associations with various different factors. The participants were 683 nurses working in 41 wards in eight regional general hospitals. The survey was carried out as an anonymous self-administered questionnaire. Four factors were identified as constituents of nurses' positive attitudes to nursing practice. These consisted of three factors concerning attitudes and knowledge, comprising [The practice of specialist end-of-life specific care], [Making the best arrangements until the end], and [Spiritual care], and one affirmative sentiment, that of [The confidence to nurse someone at the end of life]. The mean score for factors related to knowledge of nursing practice was > 4 points on a 6-point scale, corresponding to "Somewhat applicable," whereas the mean score for the sentiment [The confidence to nurse someone at the end of life] was > 3 points, corresponding to "Not really applicable." In terms of related factors, for all factors other than spiritual care, positive attitudes to nursing practice increased significantly with increasing experience. There was no association with having cared for a dying family member. Although having experienced an educational opportunity was not associated with the practice of case conferences for deceased patients, it was significantly associated with the experience of having been able to talk at length about the care they had provided and their own thoughts in venues such as case conferences, receiving recognition by colleagues at their own level of seniority or above, and reflection. Improving nurses' positive attitudes to nursing practice in end-of-life care in general hospitals, therefore, depended not on personal characteristics, such as having taken care of a dying family member, but rather on having repeatedly overcome difficulties in the course of nursing experience. Talking at length about care and expressing one's own thoughts, receiving recognition from colleagues at one's own level of seniority or above, and reflection on nursing practice were all important in this process.がん医療が高度・複雑化し、結果、人々が「死」を看取っていくことが難しくなっている。本研究の目的は、総合病院における看護師のがん終末期の実践への肯定感はどのようなものかを明らかにし、要因との関連を見ることとである。対象は地方の 8 つの総合病院 41 病棟683 名の看護師である。自記式質問紙調査を行い、看護師の実践への肯定感は 4 因子の構造として見いだされた。それは【終末期固有の専門的ケア実践】、【最期までの最善の調整】、【スピリティアルなケア】という実践への態度や認識と、【最期を看取っていく自信】という肯定的心情であった。実践への認識の平均値は 6 段階中 4 点台で、「どちらかといえばできる」レベルであり、【最期を看取っていく自信】の心情は 3 点台で「どちらかといえば自信がない」であった。関連要因では、スピリティアルケアを除く全ての因子で、経験年数が増すと実践への肯定感が有意に高まっていた。また、身内の死の看取り経験は関連がなかった。一方、教育的働きかけを受けた経験との関連は、デスカンファレンス実施の有無とは関係がなかったが、自分の行ったケアや思いを十分に語った経験、先輩や同僚に認められた経験、そしてリフレクションが有意に関係していた。つまり、総合病院の終末期ケアにおいて、看護師の実践への肯定感の高まりは、身内の死の看取りなどの個人的特性ではなく、看護経験の中で、困難感からの転換の形で積み重ねられていた。その過程では、ケアや思いを十分に語り、先輩や同僚に認められ、そして実践をリフレクションすることが重要となる。
著者
前田 裕弘 松田 光弘 森田 恵 正木 秀幸 白川 親 堀内 房成 小山 敦子 濱崎 浩之 藤本 卓也 入交 清博 堀内 篤
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.118-125, 1993-04-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17

成人T細胞白血病(ATL)患者の血清を健常人の末梢血単核細胞(PBMC)に添加し,そのPBMCのCD 3抗原の発現を観察した. CD 3抗原の発現が低下している急性型ATL患者の血清を添加したときのみ健常人PBMCのCD 3抗原の発現が低下した.しかし, CD 3抗原の発現が正常の慢性型ATL血清では,この現象はみられなかった.同様の結果が細胞培養上清添加時にもみられた.細胞培養上清をSephacryl S-200を用いて分画し,健常人PBMCのCD 3抗原を低下させる活性を分子量40-60 kDの分画に認めた.各種抗サイトカイン抗体を用いた中和実験および各種サイトカイン添加実験より,この可溶性因子が既知のサイトカインとは異なる因子と考えられた.この因子が臨床的に急性型ATLに認められ,くすぶり型および慢性型ATLに認められないことより, crisisに関与している可能性も考えられた.
著者
林 重雄 米田 孝史 川田 明 長沢 隆士 森田 恵
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.113, no.11, pp.1231-1238, 1993-11-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

It is important to include the behavior of load in studies of loss of generation and consequent load shedding and also in studies of long-term dynamics of a power system. This paper proposes a method which estimates load-frequency and load-voltage characteristic constants separately at the same time, by using normal operating data.The power system can be represented as an equivalent model which is composed of a major bus load, an equivalent impedance and a voltage source behind it. When the load capacity is small enough compared with the total system capacity, variations of active power of the load have little effect on frequency changes in the total system. Voltage changes behind the equivalent impedance are caused by variations of the operating condition in the external system, so voltage changes are independent to variations of active and reactive power of the major bus load under the state of nominal frequency and voltage. So coherences between them decreases to zero according to the increase of data in number and it is possible to estimate the load-frequency and load-voltage characteristic constants. Necessary measuring periods and accuracies of estimation are clarified and the effectiveness of the proposed method is verified by simulation results.
著者
森田 恵美子 海津 嘉蔵 瓜生 康平 江藤 澄哉
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.197-205, 1990-06-01

糖尿病における尿細管障害の有無を臨床的に検討するために, 外来患者102例(A群)の空腹時来院時尿および入院患者23例(B群)の24時間蓄尿の尿中酵素(NAG, ALP, LAP, γ-GTP)を測定し, 各種検査項目との関連性を検討した. その結果, 1)A群の尿中酵素では, NAG高値例が42.2%と最も多かった. 重回帰分析の結果, NAGはHbAlc, 年齢, 尿蛋白と, 他の3酵素は尿中β2-microglobulinとの関連が認められた. 2)B群では, 87%がNAG高値であるのに比し, 他の3酵素の上昇例は少なく, ほとんどが腎症合併例であった. また, ALP, LAP, γ-GTPには互いに相関が認められたが, NAGと他の3酵素間には相関がなかった. 糖尿病におけるNAG上昇は, その局在性より糸球体上皮細胞と近位尿細管上皮細胞のlysosomal dysfunctionを反映し, ALP, LAP, γ-GTP上昇は腎症による尿細管障害, 即ちbrushborderdamageを反映していると推察された.(1990年2月15日 受付, 1990年3月9日 受理)
著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 神宮 純江 南部 由美子 新谷 早苗
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.197-202, 1981
被引用文献数
2

福岡市博多保健所において昭和50年度から同54年度までの間に実施された3歳児歯科健診時の各種資料を基に, 同期間における3歳児健診受診状況ならびにう蝕罹患状況の推移, さらには, 保育環境および保健所の実施した母子保健活動とう蝕罹患状況との関連を検討した。健診受診率およびf歯率ほこの期間毎年有意に増加し, う蝕罹患者率および一人平均df歯数は有意に減少した。なお, う蝕罹患型別罹患者率については有意な増減は認められなかった。<BR>昭和54年度においては, 被健診児が第1子である方が第2子以下よりう蝕罹患者率が有意に低率であり, また, f歯串は保育園非就園児が就園児より, そして祖父母と同居している方が核家族より有意に高率であった。<BR>また, 同保健所管内で保健所が行なう母子保健活動の度合は異なった地区別のう蝕罹患状況の変化を昭和50年と54年について比較すると, う蝕罹患者率および一人平均df歯数はそれぞれ母子保健が推進された地区においてより高い改善傾向がみられた。

1 0 0 0 IR 耳介肉腫の1例

著者
森田 恵 吉原 俊雄 石井 哲夫 相羽 元彦
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.282-283, 1991-03-25

第9回学内病理談話会 平成2年11月10日 東京女子医科大学南別館2階大会議室