著者
漁淵 弘樹 軽部 紘典 鈴木 篤人 小森谷 哲哉 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.57-60, 2009-02-27

電気摺動接触機構は,静止物体から移動物体(回転物体)への電流通電を行なう機構である.そこには機械的に接触する真実接触面が存在し,例えば,モーターの整流子とブラシ間に存在している.しかし,現在においても接触点の解明はされていないのが現状である.そこで本研究では,接触面の発熱および応力による変形に着目し静止状態における実験と解析を行なうことで接触現象解明のアプローチを目的とした.
著者
森谷 公俊
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典學研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.40-48, 1985-03-29

The concepts of arche and hegemonia in Isocrates have the following features in the light of analysis conducted from a politico-historical perspective. In the first place, Isocrates attributed a highly moral and ethical value to the concept of hegemonia. In his Panegyricus, he claimed that Athens alone deserved the title of supreme leader of the Greeks because the city had been a benefactor of the Greeks and a protector of all those who had suffered. This claim never changed throughout his political discourses. Secondly, Isocrates located the essence of arche in sea-power which he criticized as bringing misfortune to Greece, and stressed the ethical superiority of land hegemony. He came to this conclusion in his On the Peace as a result of the downfall of Sparta after the battle of Leuctra and the defeat of Athens in the Social War. His position is in sharp contrast to that of Thucydides and Old Oligarch, who insisted on the superiority of Athens as a sea-power. In the third place, he considered the problem of constitutional reform in the light of his concept of hegemonia. He sought the model of the ideal constitution in the age of hegemonia of Athens and Sparta, and described it in contrast to the age of arche. The concepts of arche and hegemonia in Isocrates reflect the political situation of Greece in the middle of the fourth century when Sparta, Thebes and Athens fell one after the other, and differ from those of historians such as Herodotus, Thucydides and Xenophon.
著者
長谷川 亮 森谷 健二 喜多 幸次 柳谷 俊一 山田 一雅 小川 陸郎
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.19-24, 2003

Since 2000, we have attempted to improve a method of leading and experimental theme in the fundamentals of electrical and electronic engineering laboratory I accompanying with a reorganization from dept. of electrical eng. to dept. of electrical and electronic Eng.. In the second-year class, instructions of how to write a technical report were also included into contents of the electrical and electronic experiment. In the present report, we investigated such a method of leading, the experimental system and other problems based on previous enquetes. As a result, it was judging that current experimental system: members of groups, volume of contents, were adequate for students. Additionally, the instruction of technical report was meaningful for the students and we could confirm the necessity of continuing the efforts. On the other hand, some problems: 1) student's preparations to experiments are not sufficient 2) students frequently depend on teacher's advices 3) teachers are not enough to explain evaluation system to students 4) whether experimental themes are really proper or not, were revealed. These examinations and improvements should be needed continuously in the future.
著者
菅原 千鶴子 森谷 [きよし] 木田春代
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.79-93, 2013-06-28

生涯にわたる人間形成の基礎を培う時期にある就学前の子どもがうける食育は,保護者の食に対する考え方や,生活意識によって大きな影響を受ける。保護者(特に母親)は子どもの食育に関心を持ちながらも,知識や時間などの問題から充分に取り組めない状況にあり,単回の食育に参加できても,継続した食育に参加する機会は多くない。先行研究において,札幌市居住4〜5歳児の90%以上が通園する幼稚園ならびに保育園と協力をして行った長期継続食育教室は,母親の食意識ならびに母親と子どもの食行動改善に有効であった。本研究では,就学前の子どもに「食を営む力」を育てる効果的な食育に協同で取り組むために,両園の食育の実践状況や地域等との連携状況を明らかにし,子どもと母親に対する継続食育活動を協同で推進・発展させる可能性を追求することを目的に,市内の全幼稚園ならびに保育園対象にアンケート調査を行った。アンケート回収率は幼稚園59%, 保育園57%であった。調査結果から,食育年間計画の作成割合は幼稚園より保育園で高率であったが,両園では諸機会を見つけて食育活動を行っていることが明らかになった。しかし,継続した食育活動はきわめて少なかった。 園と母親,地域が連携をし,園内だけでなく地域資源を活用した継続的な食育活動を行うために重要と考えられる事項について考察した。
著者
藤林 真美 梅田 陽子 松本 珠希 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.336-344, 2011-04-01
参考文献数
32

多様化した現代社会の中で,ストレスを抱える人口が激増している.ストレスも長期にわたると精神障害の発症を招く可能性が指摘されており,心の健康の維持・増進は重要課題である.本研究では,一般社会人20名を対象として予防的観点から運動トレーニングを4週間介入,介入前後に安静時心電図を測定し心拍変動パワースペクトル法を用いて自律神経活動を分離・定量化し,さらに質問紙法(Center for Epidemiologic Studies Depression:CES-D)を用いて抑うつ傾向を評価した.運動トレーニングの介入により,Δ心拍数とΔCES-D,および副交感神経活動を反映するΔHFとΔCES-Dに有意な強い相関を認めた.これまで運動トレーニングが身体および心理的な改善作用を有することは数多く報告されているが,本研究より,身体と心の改善は独立した変動ではなく心身相互作用である可能性が示唆された.
著者
松本 珠希 後山 尚久 木村 哲也 林 達也 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1011-1024, 2008-12-01
参考文献数
50
被引用文献数
3

月経前症候群(premenstrual syndrome; PMS)は,身体・精神症状から社会・行動上の変化に至るまで広範囲にわたる症状が,黄体期後半に繰り返し出現し,月経開始後数日以内に軽快するという特徴をもつ.種類や程度,継続する期間を問わなければ,性成熟期女性の大半が何らかのPMS症状を自覚しているといわれているが,その成因はいまだ明らかにされていない.本研究では,PMS症状のレベルが異なる女性を対象に,"体内環境の恒常性維持に寄与し,心の状態にも影響を及ぼす"とされる自律神経活動の観点から月経前の心身不調の発症機序について探求することを試みた.正常月経周期を有する20〜40代の女性62名を対象とした.実験は卵胞期と黄体後期に各1回行った.月経周期は,月経開始日,基礎体温および早朝第一尿中の卵巣ホルモン・クレアチニン補正値を基準に決定した.自律神経活動は,心拍変動パワースペクトル解析により評価した.月経周期に伴う身体的・精神的不定愁訴および行動変化は,Menstrual Distress Questionnaire (MDQ)により判定した.MDQスコアの増加率に応じて,被験者をControl群,PMS群,premenstrual dysphoric disorder (PMDD)群の3群に分け,卵胞期から黄体後期への不快症状増加率と自律神経活動動態との関連を詳細に検討した.PMS症状がないあるいは軽度のControl群では,自律神経活動が月経周期に応じて変化しないことが認められた.一方,PMS群では,卵胞期と比較し,黄体後期の総自律神経活動指標(Total power)と副交感神経活動指標(High-frequency成分)が有意に低下していた.PMDD群では,黄体後期の不快症状がPMS群よりもいっそう強く,自律神経活動に関しては,他の2群と比較すると卵胞期・黄体後期の両期において心拍変動が減衰,併せて,すべての周波数領域のパワー値が顕著に低下していた.PMSは,生物学的要因と・心理社会的要因が混在する多因子性症状群であり,その病態像を説明するさまざまな仮説が提唱されてはいるが,統一した見解が得られていないのが現状である.本研究からPMSの全貌を明らかにすることはできないが,得られた知見を考慮すると,黄体後期特有の複雑多岐な心身不快症状の発現に自律神経活動動態が関与することが明らかとなった.また,PMDDのようなPMSの重症例では,月経周期に関係なく総自律神経活動が著しく低下しており,黄体後期にいっそう強い心身不調を経験するとともに,月経発来後も症状が持続するのではないかと推察された.
著者
森谷 菜穂子 高橋 加津美 丸山 俊明
出版者
山形大学
雑誌
山形大学高等教育研究年報 : 山形大学高等教育研究企画センター紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.33-44, 2010-03-31

はじめに 山形大学附属博物館(以下当館と記す)では通年の事業として,特定のテーマに沿った「特別展」と一般市民を対象とした「公開講座」をそれぞれ年に一度開催している。近年,大学法人化にともなって当館にも地域貢献や社会連携の課題が課せられている。このような社会背景や学内環境の変遷のもと,昭和50年代から30年以上にわたって継続されてきたこれらの事業も一大転機を迎えることとなった。本稿は,初めて学外との連携において行なわれたこれらの事業について報告するものである。開催概要については文末の図表1・2にまとめたのでご参照願う。平成19年度の開催当初から3年間,ただただ無我夢中で振り返る暇もなかったが,ここで一区切りつけて反省することによって,高等教育研究機関のひとつであると同時に,地域に開かれた社会教育施設を目指す当館の課題が明らかになると思われる。
著者
森谷 修 小林 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2208-2217, 2003-08-15
被引用文献数
5

Synchronous CSMA with multiple CA方式の運用性の改善を図るべく,負荷トラヒックに応じて衝突回避(CA)用スロット数を適応的に設定する可変スロット方式について考察した.実現にあたっては,同時アクセス数の予測法やCAスロット数の設定法の確立がポイントとなる.実装例を用いたシミュレーションにより特性を評価したところ,多数のCAスロットを装備した固定スロット方式とほぼ同等の性能を発揮しながら,CAスロットの有効利用率を高めることによって,ネットワーク資源の効率的かつ安定な運用を実現した.さらに,固定スロット方式では不可避だったシステム管理者がネットワーク長や伝送速度に応じてCAスロット数を設定しなければならなかった運用管理上の煩雑さを回避できる見通しを得た.A contention-based access system with variable collision avoidance slots has been developed in order to improve operation abilities of a synchronous CSMA/MCA (carrier sense multiple access with multiple collision avoidance) system. This proposed system sets the number of CA slots adaptively according to offered traffic. Simulation results show that it provides high throughput performances comparable to those of fixed-slot systems with a lot of CA slots, avoiding the waste of network resources and complicated network managements on fixed-slots systems.
著者
飯野 友里恵 森谷 友昭 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 (ISSN:02853957)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.49-52, 2011

モーションキャプチャシステムを用いて取得されたデータを利用して,ストリートダンスの動作解析を行った.ダンス経験者と初心者のモーションデータを取得し,その違いが数値的に表れているか,特徴抽出を試みた.解析結果によれば,上級者との違いを初心者へ伝達し,練習効率を高めるための処理とシステム化を検討したので,報告する.
著者
森谷 智子
出版者
長崎県立大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:18841104)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.1-17, 2012-03

2007年2月にサブプライム問題が表面化し、その後、2009年にかけて金融危機が生じたのは記憶に新しい。サブプライム危機が発端となり、証券化商品市場に対する様々な問題が指摘されることになった。このようなことを受け、今回の金融危機の原因究明が早急に求められている。これまで、投資するうえで安全性が高いと評価されてきた証券化商品の信用力が問われると同時に、証券化商品の発行額が低迷している。今回の金融危機は、証券化という金融技術が招いたと一般的に批判されているが、格付機関による格付けの甘さ、さらには大手金融機関(投資銀行)のお金の流れに対する問題をも指摘されるようになっている。こういった根本的な問題を解決するために、2010年7月、米国においてドッド=フランク法が施行された。このドッド=フランク法は、1930年代の脆弱な金融制度を抜本的に変革するものとして期待されている。この法律に基づき、現在、金融機能全体の見直しが進められている。そこで、本稿では、今後、証券化商品市場を再活性化させていくためには、どのような施策が必要であるのかについて検討している。