著者
森谷 峰雄
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, 2002

本報告は、筆者が20代の時に得た宗教体験を示し、人間能力の限界乃至可能性の一例を示したいと思う。学術的報告ではなく、たとえば、ウィリアム・ジェイムズ張りの「宗教体験の諸相」の一例にはなるであろう。しかし、私は散文ではなくて、詩の形で報告することをお許し願いたい。人間の生き方如何の問題の根本的問いかけに対するひとつの答えになると思う。キリスト教における宗教的体験は人に巨大な量の霊的エネルギーと新生を与えるものである(発表は筆者個人の経験による)。宗教経験は次の8つの要素で特色つけられる、1)罪の悔い改め、2)神の御子による罪の許しの真の感覚、3)心に洪水のような喜びが湧き上がる、4)霊的的宇宙に到達する、その広大さの中で、自らが針の大きさに縮小する現実感を得る、5)知性・感性は冴えている、6)良心の感覚は例外的に強まる、7)この世は神の世界からは絶望的なほど堕落しているという意識を持つ、8)超越的なるある実在者と常に一体となってその方から純粋の喜びが来る。
著者
森谷 峰雄
出版者
佛教大学文学部
雑誌
文学部論集 = Journal of the Faculty of Letters (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
no.99, pp.59-72, 2015-03

ヨルダン川の東岸で、洗礼者ヨハネによって洗礼を受けたイエススは、天から声によって、神の御子として宣言される。そして、直ちにユダヤ地方の荒地に追いやられ、そこ四〇日間サタンから誘惑を受けた。ヨハネから洗礼を受けた人々は、その間、イエススの不在によりて大いに、懸念を催す。洗礼者ヨハネ神の御子聖霊ヨルダン川聖母マリヤ荒野の誘惑
著者
若田 忠之 森谷 春花 齋藤 美穂
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3+, pp.96, 2018-05-01 (Released:2018-07-17)
参考文献数
2
被引用文献数
1

前報であるWakata&Saito(2017)に引き続き,複数の感覚間の関係性に着目したCross-modal 研究における,色(視覚),音楽(聴覚),香り(嗅覚)の3つの感覚に共通する印象次元を抽出し,その印象次元における各感覚の関係性の検討および前報の結果に加えて香り,音楽に対する調和色の傾向と印象との関係性を検討することを目的とした.その結果,色の明るさとあざやかさと対応する印象次元が認められ,特に因子1は明るさ,あざやかさの判断と関連し,その判断が香りと色,音楽と色の感覚間の調和関係に影響を与える傾向が示された.
著者
小森谷 久美
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会誌 (ISSN:13473115)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.45-63, 2003

SOHO (Small Office Home office) becomes a hot topic in the mass media etc. and the number of SOHO workers goes on increasing steadily for several years. SOHO workers can do the work at home or wherever, along with the development of improved information technology and the diffusion of network. It is the first step to create an environment to realize the needs of SOHO worker's. But SOHO workers are facing to some problems after they become sole proprietors, such as the problem of raising funds, the heavy tax system, the development of business partners, and the lower social cognition of SOHO workers. In order to solve these problems, several supporting organizations are formed, such as public agencies, private enterprises, non-profit organizations (NPO), SOHO workers network etc. Each sector attempts to support the development of SOHO, which provide hardware and software including office, training programs, and so on. This thesis presents a case study of MITAKA city in Tokyo, which makes local authorities as a policy to support the development of urban industry. This thesis is organized as follows. In chapter 1, the background of building SOHO CITY in MITAKA and the features of supporting system are described. And I take up the survey results that are evaluated by SOHO workers. In chapter 2, the features of the SOHO workers in MITAKA and the problems of SOHO are illustrated. In chapter 3, the actual situation of SOHO workers is expressed by using transaction cost approach. Now, the costs of information searching can be reduced due to the development of information technology. On the other hand, the credit costs are increasing. In order to decrease the credit costs. I insist on making a community. Community builds a future-oriented relationship between person and person. It is possible to solve the problem by making a community. The successful community cases of "RAKUTEN-ICHIBA" and "WASEDA Shopping Association" are also introduced in this section. Finally, chapter 4 concludes the thesis. I compare successful community with SOHO support plan of MITAKA. I make it appear that MITAKA has to establish community next phase, and propose a SOHO community model to support the development of MITAKA.
著者
高木 絢加 山口 光枝 脇坂 しおり 坂根 直樹 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.193-205, 2012
被引用文献数
1

邦人若年女性の約半数が日常的に四肢などに冷え感を有していることが報告されている.我々はこれまでに,若年女性の冷え感と低いエネルギー摂取量や体温・熱産生に関与する交感神経活動が関連していることを見出している.この結果に基づき本研究では,「若年女性の冷え感は,体熱産生が低いために,深部体温は保持されるものの末梢体温が低下し,その自覚症状として表れている」との仮説を立て,以下の実験による検証を試みた.被験者は,「四季を通じて日常的に四肢などに強い冷え感を自覚している女性(冷え群)」と「四季を通じて日常的に四肢などに冷え感をほとんど自覚したことのない女性(非冷え群)」各10名(18-21歳)とした.前夜から絶食した被験者に半袖半ズボンの検査衣を着用してもらい,異なる2日の午前8時30分に,体組成と安静時エネルギー消費量測定,もしくは体温と温度感覚(冷え感),交感神経活動(心拍変動解析)測定を26℃の実験室で行った.深部体温の指標として鼓膜温,末梢体温の指標として手先と足先の皮膚温度を,高感度サーモセンサーで60分間連続測定した.冷え感はビジュアルアナログスケールを用いて15分間隔で測定した.冷え群では非冷え群と比較して,体温・熱産生に関与する交感神経活動が有意に低く,除脂肪体重あたり安静時エネルギー消費量も低値傾向を示した.鼓膜温は全測定ポイントで2群で差がなかったが,冷え群では60分後の体温較差(鼓膜-手先,鼓膜-足先)が開始時と比べて有意に増加した.足先の冷え感スコアと鼓膜-足先の体温較差には,有意な正の相関を認めた.以上の結果から,日常的こ強い冷え感を有する若年女性は,(1)低い安静時エネルギー消費量,(2)深部体温には差がないが26℃・60分の曝露で深部-末梢体温較差が増加,(3)体温較差が大きいほど冷え感を強く感じるといった特徴を有することが示唆され,本研究の仮説が支持されたと考えられる.
著者
脇坂 しおり 小橋 理代 菱川 美由紀 山本 百希奈 池田 雅子 坂根 直樹 松永 哲郎 森谷 敏夫 永井 成美
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.297-304, 2009 (Released:2010-01-29)
参考文献数
29
被引用文献数
9 4

胃電図は, 腹部に装着した表面電極から経皮的に胃筋電活動を記録する非侵襲的な胃運動評価法である。本研究では, 胃電図を指標として朝食欠食と朝の胃運動の関連を検討するために, 朝食摂取習慣のある女性11名 (21.5±0.2歳) に, 1週間の朝食欠食および1週間の再摂食試験を連続して行った。各試験の前後に検査日を設け, 前夜から絶食した被験者の体組成, 空腹感と食欲 (Visual analog scaleによる) を測定し, 午前9時より胃電図と心電図を同時に記録した。得られた胃の電気信号を解析し, 1分間に約3回生じる正常波パワー (Normal power), 正常波パワー含有率 (% Normal power) およびその出現頻度 (Dominant frequency; DF) を定量した。心電図からは心臓自律神経活動を定量した。1週間の朝食欠食は, 有意ではないが% Normal powerとDFを低下させた。DFは欠食後から再摂食後にさらに低下した (p=0.074 versus baseline) 。朝食欠食後の空腹感スコア (r=0.55, p=0.077), 食欲スコア (r=0.60, p=0.051) と % Normal powerの相関には有意傾向が認められた。以上の結果より, 1週間の朝食欠食が習慣的に朝食を摂取している若年女性の胃運動を減弱させる傾向が認められたこと, および, 胃収縮運動の強さが空腹感や食欲の強さと関連している可能性が示唆された。
著者
吉野 亥三郎 森谷 周行 八木 光 山下 進
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.174, pp.365-375, 1993 (Released:2009-09-04)
参考文献数
16

Focussing on the sea-going maneuverability of a 105-passenger hovercraft, the authors made investigations through series of model tests and computer simulations. The wind forces acting on a scale model, which represents superstructure and cushion form, were measured in a wind tunnel test. Oblique towing tests with self-lifting model were carried out for the hydrodynamic characteristics between cushion skirt and water plane. Regarding the characteristics of control surfaces, the force measurement tests with ducted propeller and rudder in wind tunnel were carried out. Based on these results of model tests, the authors developed a simulation program which employs proper mathematical models for each force components, namely cushion skirt, wind, propellers, rudders and thruster. The output of simulation showed fairly good agreement with the results of actual sea trial. Especially in the case of course keeping in beam wind, the reverse of check-helm direction around Froude number of 1.0 experienced in actual operations were confirmed through computer simulation. Lastly the results of extensive investigations on the sea-going maneuverability of the hovercraft are explained.
著者
森谷 周一 Shuichi Moritani
出版者
関西学院大学
巻号頁・発行日
2015-09-09
著者
渡辺 浩司 伊達 立晶 田之頭 一知 森谷 宇一 戸高 和弘 菊池 あずさ 石黒 義昭 萩原 康一郎 吉田 俊一郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

キケロ、クインティリアヌスといった古代ローマの弁論家は、弁論術の学的な根拠を追求するわけではなく、学的な根拠は古代ギリシアのアリストテレスによって作られた弁論術を継承している。18世紀になると弁論術の学的な根拠はバウムガルテンによって書きかえられた。現代におけるレトリック復興は、古代の弁論術を継承するものではなく、古代の弁論術への誤解と「認識がレトリカルだ」とする現代の考え方とによる。
著者
相馬 秀廣 田 然 魏 堅 伊藤 敏雄 森谷 一樹 井黒 忍 小方 登
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2009年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.65, 2009 (Released:2009-06-22)

1.はじめに 発表者らは,高解像度衛星画像などを利用して,中国乾燥地域における古灌漑水路・耕地跡の復元に取り組んでいる.内モンゴル西部の黒河下流域では, QuickBird衛星画像の判読により,Bj2008囲郭,蜂の巣パターン遺跡(仮称)などが抽出された.Bj2008囲郭については,本学会の2008年春季学術大会で相馬他によりその存在を指摘したものの,詳細は不明であった.発表では,2008年12月実施の現地調査結果を含めて,両遺跡について判明したことおよびそれらの意義について報告する. 2.Bj2008囲郭 この囲郭は,相馬他(2008)が最初の報告である.一辺の長さが約120~140mの方形に近い形状で,それらは漢代のK688囲郭およびK710囲郭とほぼ共通し.黒河下流域で最大級の遺跡である.K710囲郭と同様に,南門の痕跡が明瞭である.現地では,500mほど離れた付近に西夏・元代の陶片が存在するものの,囲郭付近には前漢代の陶片が散在する.これらの点から,Bj2008囲郭は前漢代のものと判断される.その存在が明らかになったことにより,以下のような新知見などが得られた. Bj2008囲郭周辺には,断片化した盛土型灌漑水路跡およびヤルダン化した農地跡が分布する.同様の農地跡はK710囲郭周辺でも確認されており,漢代に,Bj2008囲郭周辺で農耕が実施されていたことが判明する.QuickBird衛星画像では,ヤルダン化した農地跡は,水路沿いなどに比高3-4mの紅柳包などが発達することが多い西夏・元代の農地跡とは,明瞭に区別される.このような農地跡の現況の相違は,それぞれ放棄された時代の指標として有効であることが示唆される. 黒河下流域には,従来,3つの候官(A1遺跡:殄北候官,A8遺跡:甲渠候官,卅井遺跡:卅井候官)が知られている.それらの平面的配置は,大まかにはA1遺跡と卅井遺跡を結ぶ線を斜辺とする直角二等辺三角形を呈し,漢代の黒河はA8遺跡付近を経て北東の古居延澤へ注いでいた.Bj2008囲郭はほぼこの斜辺 上,卅井遺跡から25kmほどに位置し,漢代の黒河を挟んで反対側のK688囲郭はA1遺跡南方約27kmにある.これらの点から,Bj2008囲郭は,3つの候官やK688囲郭などとともに.前漢代の屯田に際して基準点の一つであったことが判明する.Bj2008囲郭抜きに行われてきた従来の居延オアシスに関する諸解釈は,再検討を迫られることになる. Bj2008囲郭の北西角と南東角を結ぶ対角線は,ヤルダンや囲壁破損などから示される,卓越する強風方向にほぼ並行する.これは,囲郭建設に際して,強風から囲壁の破壊を防ぐことが意識されていたことを示唆する.同様の状況はK710囲郭でも明瞭であり,著しく囲壁の破壊が進行したK688囲郭でも確認される.これらのことから,漢代の黒河下流域では,一辺が120m前後の方形に近い囲郭建設に際して,強風方向が配慮された可能性が強く示唆される. 漢代の120m前後の方形囲郭建設で,強風方向が配慮されたとすれば,同じ乾燥地域であるタリム盆地楼蘭地区のLE遺跡も漢代の建設である可能性が浮上する.このことは,LE遺跡が文書にある「伊循城」である可能性を否定するものではない. 3.蜂の巣パターン遺跡 緑城南方約1km付近の泥質の平坦地には,水路跡を挟み50mほど隔たった2件の西夏住居址東側に,東西約85m,南北約40mの範囲に蜂の巣状土地パターン(蜂の巣パターン遺跡)が認められる.そのパターンは,元代に積極的に推奨された王禎『農書』区田図の坎種法(井黒,2007)に類似し,区田法施行地の可能性が示唆される.しかし,「目」の規模が1-5mとやや大きく,凹凸が逆の部分も存在することから,この遺跡を「擬似区田法」施行地とする.「擬似区田法」であれ,「区田法」に関連する遺跡の報告は初めてである.また,当地では,元代に先立ち,既に西夏で区田法が実施されたことなども判明した. 本研究は,平成20年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2)(海外)(19251009)「高解像度衛星データによる古灌漑水路・耕地跡の復元とその系譜の類型化」(代表:相馬秀廣)による研究成果の一部である.
著者
永井 成美 菱川 美由紀 三谷 信 中西 類子 脇坂 しおり 山本 百希奈 池田 雅子 小橋 理代 坂根 直樹 森谷 敏夫
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.263-270, 2010-12-10
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

本研究の目的は, 若年女性の肌状態に栄養, 生理学的要因が関与するかどうかを検討することである。横断的研究として, 肌状態, 生理学的検査, 2日間の食事調査, 精神状態, ライフスタイルに関するデータを皮膚疾患のない54名 (2022歳) の女子学生より得た。肌状態と生理学的検査項目 (体温, エネルギー消費量, 自律神経活動) は非侵襲的手法により測定した。統計解析の結果, 角層細胞面積とエネルギー代謝, 角層水分量とビタミンA・B<sub>1</sub>摂取量, 交感神経活動指標に関連が認められた。バリア機能の指標である経皮水分蒸散量と炭水化物, ビタミンB<sub>1</sub>, 野菜摂取量にも関連が認められた。また, 肌状態はメンタルな面や自宅での冷暖房使用とも関連していた。以上の結果から, 若年女性の肌状態には栄養的な因子とともに活発な代謝と自律神経活動が関与することが示唆された。
著者
谷野 祐子 小野 恵美 朝比奈 七緒 大塚 志乃ぶ 森谷 美智子 藤井 美穂子 松井 典子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.90-96, 2007-04-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

父親対象の産前産後の育児指導受講の有無が,1ヵ月後の育児参加に与える影響を明らかにするために,児の1ヵ月健康診査で来院した父親99名を対象に無記名式質問紙調査を行った。その結果64名から有効回答が得られ,産前・産後の育児指導の受講状況別に比較検討したところ,次の結果が得られた。1.産前に育児指導を受講した父親35名のうち,産後指導を受講した父親21名(60.0%)であった。また,産後指導の受講の有無にかかわらず,父親の育児態度は高かった。しかし,産後指導を受講した父親のほうが育児技術を実施していた。2.産前の育児指導を受講しなかった父親29名のうち,産後指導を受講した父親は8名(27.6%)であった。また,産後指導の受講の有無と,父親の育児態度や育児技術実施状況に関連はみられなかった。以上より,父親の育児参加を高めるためには,産後の育児指導を受講するだけでは効果が不十分であり,産前からの継続的な受講が有効であることが示唆された。
著者
鷹嘴 亜里 飯嶋 一侑樹 森谷 祐介 鈴木 南帆 倉橋 慎太郎 山川 信子 高橋 若生
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.30-34, 2019 (Released:2019-07-10)
参考文献数
9

身体疾患で入院した認知症患者に対する認知症ケアサポートチーム(以下ケアチーム)の役割について検討を行った.対象は,ケアチームが介入した65歳以上で,かつ認知症生活自立度III以上の130例(平均年齢86±6歳)とした.入院の原因は肺炎,骨折が多く,行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)が67%の症例で認められた.ケアチームによる介入は入院後平均9.1日で開始され,介入期間は平均34.0日間であり,その内訳は看護ケア単独57%,看護ケア+薬剤調整40%,前者+家族指導3%であった.介入終了時,BPSDは改善64%,不変35%,悪化1%の割合であった.自宅から入院した症例のうち,退院後自宅へ戻ったのは46%で,54%は転院もしくは施設に入所した.BPSDを伴う認知症の入院患者に対しては,認知症の専門知識を持った多職種からなるケアチームのサポートが有用と思われる.
著者
有賀 恭広 伊藤 成海 徳増 信之 砂川 宗一郎 森谷 友昭 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.10, pp.57-60, 2011

近年普及著しいIR-センサや圧力センサを用いて様々な動作解析を行っている.その応用として,打楽器演奏システム,初心者向けカヌー体験シミュレータ,パラグライダー体験シミュレータのプロトタイプを試作している.本稿では,3 つのプロトタイプの機能とその構成法について述べる.(1) 打楽器演奏システムでは,エアドラムシステム"Imagination Drums"を開発している.IR-LED を取り付けたドラムスティックの動きをIR-センサで検出し,その動きに合わせて,強弱も含めて,ドラム音を出力できる.(2) 初心者向けカヌー体験シミュレータは,パドル型の自作コントローラを実際のカヌーのように陸上で漕ぐと,カヌーの進行方向と速度が決まり,実際にカヌーを漕いでいるかのような体験ができるシステムを目指している.(3) ライザーの操作によって変形するグライダーの形状を視覚的に捉え,初心者が実際にフライトする前に練習するパラグライダー体験システムを目指している.体重移動により操縦できる機能を構築中である.