著者
土谷 敏雄 堀内 哲郎 森谷 太郎
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.85, no.979, pp.127-133, 1977-03-01

Ag<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>系ガラスは60mol% Ag<sub>2</sub>Oまでガラス化出来た. 赤外吸収の比較から, Ag<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>とNa<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>は同じ様な構造を持つが, Ag<sub>2</sub>O含有ガラスの1280, 1100cm<sup>-1</sup>の低波数へのshiftは, Ag-O-Pボンドが共有結合的性格を持つことが示唆された. 電気伝導の結果から, logσはAg<sub>2</sub>O量の増大と共に増加し, 熔融温度と時間の増加と共に増加した. Ag<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>はNa<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>にくらべ, logσが非常に高く, 低い温度係数を示した. 一方, 誘電測定からのε', ε''は, Ag<sub>2</sub>O量の増加と共に急激に増加し, Na<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>よりも非常に大きな値を示し, 誘電緩和の大きさ<i>Δ</i>εは約50mol% Ag<sub>2</sub>Oで極大が観察された. Ag<sub>2</sub>O-P<sub>2</sub>O<sub>5</sub>ガラスの誘電緩和は, 40mol% Ag<sub>2</sub>Oより少ない組成ではmigration loss, 50mol% Ag<sub>2</sub>O以上の組成ではMaxwell-Wagner lossにもとづく. 銀を含むガラスの特異性は, 他のアルカリイオンの様に, Ag<sup>+</sup>を単なる1価のイオンと見なして電気的性質を理解する事は, 困難である事が示唆された.
著者
森谷 貴行 日浦 慎作 佐藤 宏介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.1579-1591, 2007-06-01

シーンの三次元モデルから生成したCG画像と入力画像の差の最小化によりシーンに対するカメラの位置・姿勢の変化を追跡し,同時にステレオカメラによりシーンの三次元形状を求めることで,自己位置と環境マップの同時推定(SLAM)を行う手法について述べる.ステレオカメラによる距離画像取得処理計算は濃淡画像入力に比べ著しくCPU負荷が高いため処理サイクルが不均一となりがちで,この間に追跡が不安定になったり,シーンの三次元形状の位置合せ精度が低下するおそれがある.そこで本論文ではモデリングと追跡の2種の処理を並列化し,加えてステレオ計算中の運動追跡処理を改良することによって追跡の安定度と位置合せ精度を向上させる方法について述べる.実験ではシーンモデルの更新の有無にかかわらず高精度に追跡とモデリングが同時実行できることが確認された.
著者
小田 史郎 清野 彩 森谷 〓
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.245-254, 2001-04-01
被引用文献数
1 1 3

The present study was aimed to survey the relation between habitual exercise and the quality of nocturnal sleep. Questionnaires on exercise behavior and sleep were given to 452 male and female unuversity students. The questionnaires included such questions as; on their habitual exercise the kind of exercise, duration and frequency of doing the exercise, the period of continuation, rating of perceived exertion (RPE) and subjective feeling of their exercise load for health (heavy, suitable, light). TMIN Life Habits Inventory were conducted to ascertain the quality of sleep. The results of all the students showed that they were more likely to experience insufficient asleep period (64.6%), were not refreshed in the morning (40.0%), found unbearable daytime napping (38.5%). The student group with habitual exercise (n=237) showed significant "more easily fall asleep" (p<0.05) and" more insufficient asleep period" (p<0.05) tendencies than the group without habitual exercise. Further, three groups divided by their subjective feeling toward their exercise load showed some significantly different quality of sleep. The students who felt that their habitual exercise was "suitable" or "light" showed better sleep, with reference to frequency of naid-sleep awakening and deepness of sleep, as compared with students who felt that their exercise was "heavy" (p<0.05). These results indicate that suitable or light habitual exercise might facilitate better quality of sleep while heavy exercise which strongly activate the sympathetic nervous system, pose a risk to disrupt sleep.
著者
竹村 元秀 米原 典史 小林 真之 杉生 真一 森谷 正之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

神経損傷ラットの情報伝達機構が大きく変化することが、神経因性疼痛発現の基礎にあることが明らかになった。ぺプチド性C線維を介したシグナリングが侵害刺激をよりシャープに上位中枢に送るが、非ぺプチド性C線維のシグナリングがそのぺプチド性C線維を抑制するといった制御に関わっている可能性を示すデーターを得た
著者
望月 康恵 大形 里美 森谷 裕美子 田村 慶子 織田 由紀子
出版者
北九州市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、東南アジア地域におけるジェンダー主流化の動きとNGOの役割について考察したものである。望月康恵(研究代表者)は、東南アジアの国際機構・制度に着目し、ジェンダー主流化への対応と加盟国との関係について考察を行い、機構・制度の独自の取り組みについて検証した。また、職務権限上の制限、加盟国への影響、取り組みの評価の必要性や将来への課題についても検討した。田村慶子(研究分担者)は、マレーシアおよびシンガポールの女性政策とNGOの関わりについて現地調査と具体的な検討を行った。それぞれの政府の女性政策と女性の地位について歴史的に明らかにし、またNGOが政府や州の政策にどのような役割を果たしているのか、その協力および対抗関係について分析し、問題点と課題を明らかにした。森谷裕美子(研究分担者)は、フィリピン、パラワン社会におけるNGO活動の個別、具体的な調査を行った。その結果、少数民族社会におけるNGO活動にはジェンダー主流化の配慮が欠けている例が多く見られたため、さらに、少数民族社会に影響力の大きいNGOにどのような課題が残されているかを明らかにし、今後、少数民族社会とNGOにどのような関係が期待されるのかを検討した。大形里美(研究分担者)は、インドネシアの女性政策の流れ、そして女性組織(社会団体、及びNGO)の発展について、インドネシア政府による2000年以降のジェンダー主流化政策が女性NGOの活動とアドボカシー活動によって実現したものであることを確認した。また、ジェンダー主流化に関連する様々な分野で活動を展開している女性NGOに着目し、組織の発展、活動内容について検討した。織田由紀子(研究分担者)は、ジェンダー主流化政策の歴史的変遷を踏まえつつ、アジア地域においてジェンダー問題に関わるNGOについて現状分析を行い、NGOが国境を越えたネットワークを通じて多様な課題におけるジェンダーの主流化の推進に影響を及ぼしてきていることを研究した。なお、研究代表者および分担者は、研究会を定期的に開催し、報告および意見交換を行うことによって、研究の進捗状況および方向性を確認しながら分析を深めた。その成果を日本国際政治学会東南アジア分科会(2002年11月淡路夢舞台国際会議場)にて報告し、また成果の一部を『アジア女性研究』(12号、2003年)の特集「ジェンダー主流化におけるNGOの役割-東南アジアを中心に」に掲載した。
著者
白濵 成希 松本 圭司 森谷 健二 合志 和洋 渡邉 志
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 32 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.A2-1, 2019-11-23 (Released:2021-02-01)

We have been researching subjective evaluation experiments using Visual Analog Scale (VAS). VAS has the advantage of expressing subjectivity more intuitively. In this paper, we report an attempt of the subjective evaluation related to human lightness sense as fundamental research on what kind of color sense human has. We used VAS to obtain answers on where each gray image with different lightness corresponds to on the grayscale. Numeric values obtained by this evaluation experiment were analyzed to confirm the characteristics of the sensitivity of the individual. Moreover, at the same time, it was examined whether the VAS accurately reflected the subjective view of the person by the answer of what percentage of the grayscale was by the numeric value input. In order to conduct experiments smoothly, we developed an app that can perform VAS measurement and numeric value input simultaneously. We presented ten grayscale images to 13 subjects and obtained subjective measurements using this app. It was confirmed that when the lightness of the grayscale image is high, it can be recognized relatively accurately, but when the lightness is low, it tends to feel darker.
著者
森谷 理紗
出版者
大東文化大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-01-04

最終年度は、新型コロナウイルスの影響で当初計画していた海外出張が遂行できなかったが、これまでに収集したロシア公文書館の資料分析を続行した他、国内でシベリア抑留中に作られた曲の楽譜や当時書き留められた歌詞集の手稿、さらにシベリアから持ち帰られた楽器等が新たに見つかりこれらをもとにシベリア抑留をめぐる芸術文化の歴史を知る上で重要な新たな発見があった。特に、公文書館で入手したイルクーツク州タイシェットの第7収容所で活動した「新声楽劇団」関連資料を補完する楽劇団の当事者であった元抑留者の手記が見つかり、日本とロシアの史料を照合して楽劇団活動の実情を詳らかにした。研究成果はロシアで開催された若手研究者のための国際学術会議『古代から21世紀までのロシア史: 課題・議論・新しい視点』(モスクワ、ロシア歴史大学)でオンラインにて発表した。さらに、この学術会議の論文集に、論文「シベリア抑留下の日本人捕虜たちの創造活動(1945-1956)」(論文集『古代から21世紀までのロシア史: 課題・議論・新しい視点』、Y.ペトロフ、O.プレフ編、ロシア歴史大学、2021年、466-476頁)が掲載された。また、複数の手記や写真資料などから素材・製法・形状などの情報を総合して再現楽器「ラッパ付きヴァイオリン」を製作したほか、収容所で印刷され捕虜たちに配布された『ソヴェート歌曲集(附)日本闘争歌集』の歌の音源資料化を行い、平和祈念展示資料館の企画展「シベリアでの出会いー抑留者の心に残った異国の人と文化」に出展した。さらに大東文化大学、舞鶴引揚記念館、舞鶴市立若浦中学校(京都府)で『シベリア抑留と音楽・文化ー記憶の継承へ』と題したレクチャーコンサートを企画し、シベリア抑留研究者や日本人・ロシア人アーティストを招いた講演と演奏を行い、抑留中に創作された曲の初演をするなどアウトリーチ活動にも力を注いだ。
著者
塩野 剛司 佐藤 ひろゆき 森谷 幸紀 岡本 泰則
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.409-412, 2010-06-15 (Released:2010-06-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

Tsuchi-kabe (called as soil wall or mud wall in English) utilized in Japanese traditional buildings is well known to have the characteristics of humidity conditioning. However, the characteristics have not been well examined. For preparing tsuchi-kabe material, soil, sand and rice straw are well mixed with water and then kept from a few weeks to months to promote fermentation. This aging process that is called as “Nekashi” gives plasticity to the material and is very important to construct tsuchi-kabe. In the present study, effect of “Nekashi” on the characteristics of humidity conditioning was examined. Long period of “Nekashi” enhanced the characteristics in nakanuri-kabe with a smaller amount of clay component.
著者
末廣 吉男 森谷 裕司 山口 京子 夏目 恵美子 井上 保介 武山 直志 中川 隆 野口 宏
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.375-379, 2010-06-30 (Released:2023-03-31)
参考文献数
8

近年,臨床検査関連団体や学会が認定する専門臨床検査技師制度の普及により,専門分野に特化した臨床検査技師が増加している。しかし,救急医療に関連した専門臨床検査技師制度の整備は遅れている。当院では,緊急検査担当の臨床検査技師が救急蘇生外傷治療室にて検査関連業務を実施することで,医師による検査依頼から結果確認までの時間(TTAT:Therapeutic turn around time)を従来と比べ約22分間短縮した。救急蘇生外傷治療室における初療時検査は,病態把握や治療方針決定のために実施されるものであり,医師が最も必要としている検査結果を推測し,的確な検査項目について結果報告することが重要である。これらを実践するため,救急医療に携わる臨床検査技師にはさまざまな疾患に対応するための幅広い臨床検査知識や技術のほかに,救急医療の基礎知識および技術の習得が必須であると考える。救急医療における臨床検査技師の専門性とは,積極的に救急医療の現場へ介入して検査関連業務を実施し,検査依頼から結果確認までの時間を短縮するとともに,医師や看護師が本来業務に特化できるように業務支援することであると考える。
著者
森谷 美羽 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.290-292, 2023-08-23

点眼が苦手な人はある一定数存在している.しかし,それを支援するシステムは少ない.そこで本研究では,映像を見ながら点眼を行える「ぱちぱちドロップ」を提案する.このシステムは映像の持つ,鑑賞者を惹きつける特性を活かし,映像鑑賞時に目が開いているタイミングをカメラ画像から検出し点眼する.また,両目同時に点眼を行うことで,点眼されることへの恐怖心を抱いている時間を削減できる.ぱちぱちドロップはobniz Board,それによって制御されるDC モータ駆動ポンプ,スマートフォン上で使用するWeb アプリケーション等で構成される.
著者
黄 啓徳 田中 齊太郎 泉 唯史 森谷 敏夫
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.F4P2297, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】 高齢社会が進む昨今、高齢者がADLやQOLを保ち続けるためには、機能的自立度を維持・向上することが、不可欠である。特に、歩行能力は機能的自立度の大きな要因となっており、例えば、歩行速度の改善により、死亡率が改善することが報告されている(Hardy et al. 2007)。また、高齢者における歩行制限は、転倒・骨折、寝たきり、認知症などの問題に関連し、ADL低下(Guralink JM.1995)などの予測因子になる。このことから、高齢者の歩行能力の維持・向上は大きな課題といえよう。 近年、筋力が低下した高齢者や糖尿病などの疾患保有者に対する運動療法として、筋電気刺激(以下EMS)が着目されている。EMSの特徴は、運動弱者に対しても、弱い強度で、選択的に速筋線維を動員する(Hamada et al. 2003)ことで、筋肥大を引き起こす可能性が示唆されている。 本研究では、通所リハビリテーション(以下デイケア)を利用する高齢者に対し継続的にEMSを行い、機能的自立度、特に歩行能力に及ぼす影響を検証することを目的とした。【方法】 実験参加者は当院併設のデイケア施設の利用者のうち、10m以上の歩行が可能な18名(mean ± SE, age = 76.3 ± 1.9 yr, 介護度 = 1.9 ± 0.2 )とし、EMS群10名(通常のデイケアプログラムに加えて、EMSを行う群)とCON群8名(通常のデイケアプログラムのみを行う群)にランダムに振り分けた。EMS群は1日20分週3回のEMSを下肢4箇所(大腿四頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋、下腿三頭筋)に対して8週間行った。 EMS群、CON群とも8週間の実験期間の前後に、10m歩行テスト(通常歩行の歩行速度・歩調・歩幅)、チェアスタンドテスト(5回の立ち上がり)、関節可動域(膝関節屈曲角度・股関節屈曲角度)、握力、ファンクショナルリーチテスト、ステッピング、開眼片脚立位、膝伸展筋力の体力テストを行い、機能的自立度を評価した。【説明と同意】 本研究に対しては、実験計画書を当院倫理委員会に提出、承認を得た。また、実験参加者に対しては口頭および文章にて本研究の趣旨、研究内容、期間等を説明し、同意書にて署名をし、本研究の同意を得た。【結果】 EMS群では、10m歩行テスト中の歩行速度、歩幅、歩調、チェアスタンドテスト、膝関節屈曲角度、股関節屈曲角度、握力、ステッピングについて、実験後の体力テストにおいて、実験前に比べ、有意に上昇した(p<0.05)。また、それ以外の項目に関しては、有意な変化は見られなかった。 一方、CON群は、すべての項目について、有意な変化は見られなかった。【考察】 本実験では、EMS群においてのみ、歩行速度の有意な増加が確認された。歩行速度=歩幅×歩調で表されることをふまえると、歩行速度の増加は、歩幅、歩調の両方の増加によるものであると示唆された。また、歩幅の増加は、チェアスタンドテストで表される筋パワーの増大と関節可動域の改善によるものと示唆される。一方、歩調の増加は、ステッピングによって表される敏捷性の改善によるものと示唆される。 このことにより、通常のデイケアのプログラムにEMS20分を週3回・8週間付加することにより、歩行速度を中心とした機能的自立度の改善の可能性が示された。【理学療法学研究としての意義】 本実験では、通常のデイケアプログラムのみを行った群では、実験前後の変化が確認されなかった。このことは、通常のデイケアプログラムのみを8週間行うことにより、機能的自立度が維持されることを示唆している。だが、電気刺激を短期間(8週間)付加することにより、機能的自立度の維持だけではなく、一部の機能において向上することが認められた。 脳血管疾患、転倒・骨折、関節症、認知症などの理由で、通常の運動療法では、機能的自立度の改善に必要な運動強度に達しない高齢者は少なからず存在する。そのような高齢者に対してEMSは、能動的な運動療法が困難な高齢者に対しても、今後非常に有用な手段になると考えられる。
著者
森谷 博之
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-22, 2020 (Released:2020-04-15)
参考文献数
11

CTAの行政上の取り扱い、歴史、投資戦略等をまず簡単に説明する。CTAとは金融先物、オプション、スワップを対象とした取り引きに関する投資のアドバイスやサービスを個人、ファンドに提供する個人、または組織に対する金融行政上の用語で、正式名はCommodity trading advisorである。CTAという用語は投資信託、ETFを含むヘッジファンド、プライベートファンドへの投資アドバイスにも適応される。CTAs は米国連邦政府による規制対象であり Commodity Futures Trading Commission (CFTC) への登録と National Futures Association (NFA) のメンバーになることが義務付けられている。また、CTAはヘッジファンドの投資スタイルのひとつ (Global Macro) でもある。
著者
寺田 裕 長澤 敏行 小西 ゆみ子 尾立 達治 森 真理 森谷 満 舞田 健夫 井出 肇 辻 昌宏 川上 智史 古市 保志
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.432-443, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
40

目的 : 歯周病を含む口腔の健康状態と脳梗塞や虚血性心疾患といった心血管疾患との関連については以前から研究されているが, 残存歯の咬合状態を含めて検討したものはほとんどない. 本研究では心臓血管疾患の既往と, 残存歯の健康状態ならびに咬合接触との関係を明らかにすることを目的として, 大学病院の内科と歯科の両方を受診している患者の歯科および内科の診療記録を分析した. 対象と方法 : 北海道医療大学病院の内科と歯科を受診しており, 血液検査・歯周組織検査ずみの93名を対象とした. 対象者は脳梗塞および虚血性心疾患既往の有無で分類後, 診査または検査項目の種類に応じてPearsonのカイ二乗検定, Fisherの正確確率検定, あるいはMann-Whitney検定を行った後, 二項ロジスティック回帰分析で関与している予測因子を解析した. 結果 : 93名中脳梗塞の既往者は8名, 虚血性心疾患の既往者は16名であった. 脳梗塞の既往者はEichner Cで有意に多く, Eichner Aで少なかった (p=0.015). 脳梗塞の既往者の総コレステロール (p=0.023) とHDLコレステロール (p=0.005) は低かった. 虚血性心疾患の既往者では, どの変数にも有意差はみられなかった. 脳梗塞の既往を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析では, Eichner C該当者 {p=0.013, オッズ比 (OR)=17.381, 95%信頼区間 (95%CI)=1.848~163.489} およびHDLコレステロール (p=0.020, OR=0.894, 95%CI=0.813~0.982) が有意な独立変数であることが明らかになった. 虚血性心疾患の既往者に対しては, 統計学的に有意に成立する回帰モデルは構築できなかった. 結論 : 脳梗塞の既往と, 上下顎の咬合接触の喪失を伴う歯の欠損との間で関連が示唆された.
著者
川副 雄史 中尾 一貴 高亀 弘隆 小嶋 大二朗 立山 慎一郎 熊井 惟志 大枝 基樹 森谷 茂太
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.15-28, 2022 (Released:2022-07-12)
参考文献数
29

近年,細菌性脳膿瘍の予後は,外科手術や抗生剤の進歩とともに改善されつつあるが,依然として死亡率は10‒20%と高く,重度の後遺症を生じ得る致死的疾患である.また,抗生剤の選択や投与期間,外科治療のタイミングや術式など,良好な予後につなげるには未だに不明な点が多く,標準的治療は確立されていない.2014年4月から2021年3月までの7年間に,2施設の地域医療支援病院において細菌性脳膿瘍の治療を行った患者を対象に,臨床的特徴と治療成績を後方視的に評価し,転帰に関連する因子を比較検討した.条件を満たした合計20例を対象に,平均年齢は66.7±15.8歳,男女比は3:1だった.脳膿瘍の治療として14例(70%)に外科手術が施行され,6例(30%)は抗生剤治療のみで加療した.起因菌は,15例(75%)の患者で分離同定され,推測される脳膿瘍の原因疾患として,歯科口腔感染症が最多を占めた.本検討では,脳血管疾患の既往,入院時の中等度から高度意識障害および脳室炎の合併が,転帰不良に関連する危険因子だった.これらに対して,年齢,性別,病前modified Rankin Scale(mRS),平均体温,平均白血球数やC‒reactive protein(CRP)値,膿瘍径,単発性か多発性かどうか,eloquent areaにおける局在部位,脳ヘルニアや硬膜下膿瘍合併の有無,起因菌の同定率,抗生剤治療の期間,経過中のてんかん合併の有無は転帰と関連していなかった.また,統計的に有意差はなかったが,発症後72時間未満に手術を行った早期手術群では,全症例で起因菌を分離同定する事ができた.結語として,脳膿瘍の治療において意識障害の強い例や脳室炎の合併リスクが高い例では,積極的な穿刺吸引術が検討され,入院早期から基礎疾患の管理と積極的な離床に努める事が重要である.過去の報告と比べて,本邦では歯科口腔感染症に由来する脳膿瘍が増加傾向にあり,嫌気性菌を念頭に置いたempirical antibiotic therapyが必須である.外科的排膿術を行う場合,抗生剤導入後は起因菌の検出率低下が懸念されるため,起因菌の分離同定の観点からは速やかに手術を行う事が望ましい.
著者
武田 克彦 武田 秀幸 森谷 信次 棚澤 一郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.70, no.689, pp.279-285, 2004-01-25 (Released:2011-03-03)
参考文献数
7

A feasibility study was made on the application of the waste edible oil-ethyl ester fuel to diesel engines. The waste edible oil methyl ester fuel is known as the fuel which emits clean exhaust gas. however, the waste edible oil ethyl ester fuel has not been investigated elsewhere. We prepared the waste edible oil ethyl ester fuel, and tried to apply it to diesel engines. In the experiment described in this paper, the waste edible oil-ethyl ester fuels with 30, 35 and 40% in weight of the ethyl alcohol were prepared in order to decide the amount of the alcohol. The lower calorific value, density, surface tension and kinematic viscosity of the waste edible oil-ethyl ester fuels were measured. It was found that the thermophysical properties of the waste edible oil-ethyl ester fuels are lower than the waste edible oil. In addition, the ignition temperature and the ignition time were measured and found that the ignitionability was improved by the esterification and all ethyl ester fuels are almost the same. Finally the waste edible oil-ethyl ester fuel was burned in a conventional 273-cc diesel engine. Although the specific fuel consumption was a little higher, the smoke scale and NOx in the exhaust gas were lower than the gas oil. Especially, the smoke scale of EE40 (made from 40% in weight of the ethyl alcohol) was reduced drastically, and it was less than half of the gas oil.