著者
大森 康代 鈴木 直哉 高山 誠
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.47, pp.20-23, 2004-07-17

本研究では、開口を設けた逆転懸垂型シェルに対する開口の影響が荷重条件の違いによりどのように変化するのかを調べることを目的とした。試験休は無開口、及び稜線上と対角線上に開口を設けた3タイプを設定し、全休載荷、中央部分載荷の2つの荷重モードで実験を行った。その結果、開口の位置により変形モードが異なり、剛性等にも影響を与えること、また、荷重モードが全体載荷から中央部分載荷に変わると、荷重モードによる影響を受けて、前述の開口による影響が変化することが明らかとなった。
著者
森山 清徹
出版者
佛教大学
雑誌
仏教学部論集 (ISSN:2185419X)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.1-27, 2013-03-01

ダルマキールティのVadanyaya (VN)には<全体性(avayavin)>を始めとするヴァイシーシカ説批判が表されている。そこでは仏教徒にとり非存在であるものに関して、いかに無なる言語行為の確定を導き得るかが大きな争点となっている。プラマーナにより知り得ないことを根拠に<全体性> の無を確定する際、肯定、否定を内容とする無知覚によるとするが、シャーンタラクシタは、その注釈Vadanyayavrttivipancitartha(VNV)において肯定を<自性の対立するものの認識>などとし、否定を<能遍の無知覚> などとしている。対立関係を明示することにより非存在の無の確定へと導いている。この点は、刹那滅論証と共に、後期中観派により、そのまま活用される。また、効果的作用によりグナとドラヴィヤとの存在性の区別無区別(bhedabheda)を吟味する際、ダルマキールティは、一因から多なる果が、多因から一なる果が起こることをもって、それがあり得ないことを論じている。この両者の因果論が、ジュニャーナガルバを始めとする後期中観派により批判的に取り上げられ、四極端の生起の無自性論として形成された。その源泉がVN にあることは、VNV を通じて明瞭に知られる。
著者
加藤 みゆき 大森 正司 加藤 芳伸
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.421-427, 2011-09-15
被引用文献数
2

緑茶を対象としてretroposon-like sequence DNA (RLS-DNA)塩基配列の比較解析により品種の判別を試みた.実験には,やぶきた品種のチャ葉より製造した緑茶と,市販されている中国,ベトナム,ミャンマー,台湾の緑茶,そして日本の緑茶用40品種の生茶葉を用いて実験した.RLS-DNAの塩基配列を比較解析することにより,おくみどり,べにふうき等の品種の判別が生茶葉と緑茶葉を用いた場合,共に可能であることが認められた.また,中国,ベトナム,ミャンマー,台湾の緑茶についてもRLS-DNAの多型解析により我が国の緑茶と識別可能であることが認められた.今回の実験から,RLS-DNAを指標とした塩基配列の多型解析は,おくみどり,べにふうき品種等の品種を判別するための手法に適用できるものと考える.
著者
森本 兼曩 丸山 総一郎
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.241-251, 2001-04-01
被引用文献数
2

情報化社会, 高齢化社会の到来といった社会経済構造の変革, 疾病構造の変化などにより, われわれのライフスタイルは大きく変わろうとしている.このような現代社会において, 国民の健康意識は高く, 病気になって考えるのではなく, 健康な時期に将来発生するかもしれない疾病に対する一次予防の方法を積極的かつ科学的に考え, さらにQuality of Life(QOL)を高める具体的方策を追求していくことが, 緊急かつ重要な課題となっている.こうした問題に対するアプローチとして, われわれが必要と考えているのはストレスに強いライフスタイル, より健康的なライフスタイルへの変容に個々人が自主的, 自発的に取り組むことである.喫煙, 飲酒, 運動などのライフスタイルが, 心身の健康と関連性のあることをこれまでに報告してきた.われわれは, 勤労者, 地域住民, 高齢者, 阪神・淡路大震災被災者を対象に, 一般的健康質問票, 健診データ, 染色体変異, NK細胞活性, IgE, コルチゾールなどを調べた.われわれは, これまでの研究やBreslowの報告に基づき, 8つの健康習慣として, (1)喫煙しない, (2)適量飲酒, (3)定期的な運動, (4)7〜8時間の睡眠, (5)栄養バランスを考える, (6)労働時間10時間未満, (7)毎日朝食を食べる, (8)ストレスを適正に保つ, を抽出した.同時に, この8つの健康習慣をいくつ守るかによって健康習慣指数(HPI)を算出した.2, 148人の勤労者における6年間の追跡調査の結果からは, 不健康なライフスタイルの人は, 慢性疾患の発症の割合が有意に高いことを示した.一方, 癌免疫力の指標の一つであるNK細胞活性は, 良好なライフスタイルの人で有意に高いことも明らかにした.遺伝的健康度は, リンパ球染色体変異の頻度(姉妹染色分体;SCE, 小核;MN)で測定した.その結果, 良好なライフスタイルを多くもつ人ほど, 染色体変異の頻度が有意に低かった.また, 不健康なライフスタイルの人で異常にIgEが高くなっていることも明らかにした.震災の被災者を対象にした調査では, 不良なライフスタイルの人ほど, また心的外傷後ストレス傷害(PTSD)傾向の強い人ほど, NK細胞活性が有意に低く, コルチゾールは有意に高くなっていることを示した.勤労者や高齢者のデータからは, 良いライフスタイルの人やヒューマンサポートの多い人ほど, 高い職場ストレスや身体的健康状態が良くないにもかかわらず, 高いQOLを示していたことを報告した.以上の結果から, われわれがライフスタイルをより健康的なものに変容させようとするのも, 個々人のいわば短い生涯のうちで, なるたけ大きな自己実現に向けての活動が, 健康であればあるほど容易になるからである.そのような意味からは, より健康的なライフスタイルは, 将来のさまざまな健康破綻への負荷に対する防御力, 耐性力, 抵抗力を示す資料でもある.
著者
西森 秀稔
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.494-565, 1991-08-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
藤野 安彦 伊藤 精亮 正井 博之 藤森 正宏
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.917-925, 1978-06-20
被引用文献数
5

1.Acetobacter Mから脂質成分を抽出し,ケイ酸カラムクロマトグラフィーとケイ酸薄層クロマトグラフィーで各脂質クラスを分離した。これらを薄層クロマトグラフィー,ガスクロマトグラフィー,マススペクトロメトリーに供し,構造解析を行った。2.全脂質の構成脂肪酸は,約90%がシス-バクセン酸から成っていた。3.全脂質を薄層クロマトグラフィーに供すると,少なくとも15個のスポットが検出された。この主成分はリン脂質で,ホスファチジルコリンが最も多く,ついでホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルグリセロールであった。4.この菌体脂質の著しい特徴として,比較的多量のテルペノイドおよびアミノ脂質が検出されたほか,少量のセラミドが検出された。5.テルペノイドの主成分は,ホーパン-22-オールとC_<35>-ペンタサイクリックテルペンアルコールであった。6.アミノ脂質の主要タイプは,オルニチルタウリン脂質3-(パルミトイル)-オキシパルミトイル-オルニチル-タウリン,オルニチン脂質3-(パルミトイル)-オキシパルミトイル-オルニチンおよびリゾオルニチン脂質3-オキシパルミトイル-オルニチンであった。7.遊離セラミドは単一の分子種N-2-オキシヘキサデカノイル-スフィンガニンから成っていた。
著者
渡辺 正純 豊田 満里子 今田 伊助 森本 浩
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.176-182, 1974-01-25
被引用文献数
1

Urinary metabolites from rabbits dosed with phylloquinone and dl-α-tocopheryl acetate were examined. We found that phylloquinone was excreted as conjugate forms of 2-methyl-3-(5'-carboxy-3'-methyl-2'-pentenyl)-1,4-naphthoquinone and 2-methyl-3-(3'-carboxybutyl)-1,4-naphthoquinone, and dl-α-tocopheryl acetate was excreted mainly as the conjugate form of 2,3,5-trimethyl-6-(5'-carboxy-3'-hydroxy-3'-methylpentyl)-1,4-benzoquinone lactone and in small amounts, as the conjugate form of 2,3,5-trimethyl-6-(3'-carboxybutyl)-1,4-benzoquinone.
著者
神山 保 森村 卓也
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学教育学部紀要. 3, 自然科学 (ISSN:13429272)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.31-40, 2008

Within the frameword of complex network theory, we investigate the nature of the network composed of words which appear in textbooks of natural science used by students of junior high school. To compare the properties, the network composed of words in textbooks of social science is also analyzed. In both networks, the average distance between words is about 3.0, and the degree distribution follows a power law with slope about -2.0. We conclude that the two networks are small worlds with the scale free property. The words considered as hubs of the scale free networks correspond to kernel words which are used to explain higher level of concepts. The cluster coefficient of the networks and the degree dependence indicate that the correlation between words in the textbooks of natural science is stronger than that in the textbooks of social science.
著者
森 優子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.64-65, 1999-10-15

The purpose of this research is to reconsider the fundamental aspects of Japanese typesetting. The results showed as follows. 1.The actual usage of typographical signs in periodicals and books in literature of from 1887 to 1896 during the Meiji poriod were grasped. 2. Books written in classical Chinese and its usage of punctuation had a major influence over the way of using them in Japan. 3. There are some effective and attractive, although they are in the primitive form, of typographical signs in the Meiji period's prints.
著者
西川 潔 森 優子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.212-213, 1998-10-30

The object of this research is to consider appropriate Japanese standards on printing and copy editing styles. For that, we search under typographical signs on the printing : novels and newspapers in the Meiji period. The results of the search are following : We collected 26 kinds of punctuational patterns first. And, we collected about 100 kinds of typographical signs except punctuational marks. we also collected rrLany kinds of various ways to use them. As the result, we recognized that there are some effective or attractive examples of typographical signs on the printings in the Meiji period .
著者
森 優子 西川 潔
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.210-211, 1998-10-30

The purpose of this research is to confirm a history of Japanese typographical signs and to comprehend its total image since the Meiji period. In this paper the authors survey the texts in the editorial handbooks, literatures and encyclopedias, and to classify the usage of punctuational marks, symbols, arranging and tabulating them in chronological order. These procedures may show that the influence of the Western punctuations and their usage appear variously changed the Japanese way of using them in the printing books.