著者
東本 遼太郎 森 崇志 中井 仁大 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.80, pp.1-6, 2014-03-06

実体験を伴った経験は学習にとって効果的で,学校教育などでは実際に学習対象に触れるような学習が推奨されている.しかし過去の歴史や文化について学ぼうとした場合,実際に体験をすることで知識を得ることは難しい.本稿で提案するシステム,EFfEct: Experiential Foundation for Education では,歴史的な事象を定義でき,プレイヤは登場人物の 1 人として場面に参加することで,様々な視点から多面的に事象を理解できる.システムは様々なゲームコンテンツの基盤となるもので,学習したい場所,時代に対応する.今回は過去の生活習慣や文化に着目し,町を再現したヴァーチャルな 3D 空間の中で人々の暮らしを観察,体験できるゲームコンテンツを制作可能とした.評価として,日本の江戸時代の町における人々の生活を体験できるゲームコンテンツを制作,実現した体験的学習に学習効果があるのか,どういった要素が効果的であるのかを確認した.Experience is effective for learning. Learning with observing or touching on the object actually is recommended, such as school education. However, if we try to learn about the history or culture of the past, it is difficult to learn it from actual experience. In this paper, We developed a game system called EFfEct (Experiential Foundation for Education) using Episode System that allows players the historical and cultural experiential learning. Users as the characters of scenes can actively learn contents with experiencing the time, the place and the change with them. System is foundation, so creators of game contents can produce them representing various age or place with this system. We performed experiments to evaluate the system by getting users to play game content can experience the life of people and entertainments in the town of the Edo period of Japan. In these experiments, it was confirmed whether there is a learning effect and what element is effective.
著者
森 一彦 伊藤 三千代
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

(目的)本研究はその公的環境の中で駅ターミナル施設に着目し、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を明らかにすることを目的とした。(方法)具体的には、視覚障害者・聴覚障害者および比較のための健常者の探索行動実験を行い、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を分析した。特に探索行動時の探索方法の内容および情報入手の状況を整理し、そのデータを基に被験者相互の迷い行動を比較分析した。(結論)結果として、以下の点が整理された。(1)情報障害者は、入手情報が制限されるものの、適切に情報が提供されれば、迷うことなく目的のプラットホームに到達する事ができる。(2)むしろ、健常者の方が複数の情報が入手可能なため、色々な行動が誘発されやすく、結果的に「迷い」が大きくなるケースが多くあった。(3)聴覚障害者は健常者に類似した傾向があるものの、補足データとしての聴覚的な情報が乏しく、迷いやすく、状況判断しにくく慎重な行動になる傾向がある。(4)視覚障害者は点字などのサインよりも、その場所に置かれたもの・機器を手がかりとし、場所・方向を認知して行動する傾向がある分かった。(5)視覚・聴覚共に情報障害者は、探索途中で適切な情報入手ができずに迷いが生じた場合に大きな問題が生じ、どのように迷いからブレイクスルーするかが重要な要件となる。
著者
大森 房吉
出版者
震災豫防調査會
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.28, pp.71-78, 1899-09-10

付録3頁
著者
泉井 力 森 健一
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.346-354, 1995-12-15
被引用文献数
2

小集団活動の活性化要因を検証する.サークルリーダーの行動スタイルとして, PM理論の課題遂行型と集団維持型に新しい2次元が追加される.自己規律のS型と知識技術教示のT型の有効性が検証される.製造業6社から166サークルの有効回答を得た.有効性の検証には集団凝集性, 集団規範, 凝集性×規範, 自主性, 職制との関係, 成果を用いた.状況変数として, 6次元のリーダーの気質の他に9変数が検討された.
著者
河村 卓二 趙 栄済 宮田 正年 酒田 宗博 河端 秀明 郡 靖裕 小川 真実 森川 宗一郎 芦原 亨
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-145, 2007 (Released:2008-10-31)
参考文献数
12

1988年8月から2004年8月までの16年間に, 当科において15歳以下の小児32症例に全大腸内視鏡検査47回を含む計143回の大腸内視鏡検査を施行した. 30例は鎮静剤の静脈投与を用いて内視鏡室で, 2例は全身麻酔を用いて手術室でそれぞれ施行した. 挿入および観察は無透視一人法で行った. 血便症例は22例で, 内視鏡施行により15例 (68.2%) で出血源の同定が可能であった. 全大腸内視鏡検査は試行した47回においてすべて可能であり, 回盲部までの平均到達時間は10分22秒であった. 成人と同様に腸管洗浄液を用いた場合は前処置の効果は良好となったが, 小児での腸管洗浄液に対する受容性は低かった. 塩酸ペチジンにミダゾラムを併用した前投薬の鎮静効果はおおむね良好であり, 3例の治療を含む全検査で偶発症を認めなかった. 小児に対する大腸内視鏡検査は適正な前投薬の使用で安全に施行可能であり, 診断および治療に有用である.
著者
大森 暢久 岸 篤 岡部 五成 長田 宗憲 浅見 正彦 平山 雄
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.644-648,A40, 1959 (Released:2010-11-19)
参考文献数
6

In order to investigate the actual state of cancer within the jurisdiction of the Kawagoe Helth Centre of the Saitama Prefecture, we have visited all the 110 hospitals and clinics within the jurisdiction, under the cooperation of the Doctors' Ass'n., and the Health Centre. We have not only inquired of the doctors, but have also gone through the protocols of the patients who have come during the investigation period, and we have chosen those who were diagnosed as cancer or malignant ulcer, making our observations according to sex, age, and disease types. We have calculated the death rate by comparing the contraction percentage of cancer, the prevalence rate, and the death certificate ; and have compared it with the figures of various parts of the U.S.A., and the Miyagi, Okayama, and Saitama Prefectures. Furthermore, the monthly survival rate was obtained, and the drawing up of basic data was attempted in order to devise measures of the prevention of cancer.
著者
酒井 悠輔 坂本 信介 加藤 悟郎 岩本 直治郎 尾崎 良介 江藤 毅 篠原 明男 森田 哲夫 越本 知大
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-65, 2013 (Released:2013-08-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1

飼育下でアカネズミ(Apodemus speciosus)の自然交配による繁殖を誘導できる飼育交配手法を検討した.巣穴環境を擬似的に再現することで繁殖が誘導できるとの作業仮説のもと,ケージ内の床敷きを覆うように板を設置した中蓋あり飼育ケージを考案した.季節的な環境要因の影響を考慮するため,自然環境温度・自然光周期条件である半野外飼育施設において中蓋あり条件と中蓋なし条件で交配実験を行った.さらに環境条件が一定の室内飼育施設においても中蓋あり条件で交配実験を行った.その結果,半野外飼育施設の中蓋なし条件で雌個体の妊娠が確認されたのは11個体中1個体で1例のみだったのに対し,同施設での中蓋あり条件では9個体中4個体で6例の繁殖が誘導された.さらに室内飼育施設での中蓋あり条件では10個体中4個体で12例の繁殖が誘導でき,繁殖したペアの多くが複数回の繁殖を行った.半野外飼育施設の結果から,飼育ケージに中蓋を設置し疑似巣穴環境を再現することで,飼育下においてアカネズミの繁殖が誘導できることが示唆された.さらに繁殖の誘導が困難とされてきた室内飼育条件においても,繁殖に適した物理環境条件下であれば中蓋を用いることで繁殖を誘導できることが明らかとなった.これらのことから,飼育下における本種の繁殖誘導には飼育ケージに中蓋を設置するという簡便な手法が有効であると考えられる.
著者
樋川 暁 小川 雄平 森 雄一郎 山口 高平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

我々はこれまで,目的の異なる複数のオントロジーを関連付けすることにより,知識,振舞い,身体性,組込みソフトウェアの次元の異なる領域を統合し,対話と動作の連携,および異機能ロボット連携によるHRIを実現してきた.本研究では,より意味的な関係性に基づくHRIを実現するために,聴覚・言語情報に加え,人間の振舞いに表れる非言語情報を利用した,マルチモーダルオントロジーロボットの実現を目的とする.
著者
梅本 堯夫 森川 弥寿雄 伊吹 昌夫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.148-155, 1955 (Released:2010-07-16)
参考文献数
4
被引用文献数
17 42

A table of Japanese nonsense syllables was already standardized by Umemoto in 1950 (1). But association values of Umemoto's table are generally too low, and it is very difficult to memorize a list taken from the table. So we measured anew the association value and meaningfulness of all possible Japanese two-letter pure-sound syllables. As our new tables contain many meaningful words, we thought it would be more convenient to express the index as 100-association value, and we called it non-association value. Furthermore the number of associated words per syllable were computed, and we called this the index of meaningfulness of the syllables. This index is the same as that of Noble (2).Subjects were 975 boys and girls of high schools in Kyoto city. The time allowed for association task was ten seconds per syllable. 1892 syllables were divided into 40 subtables. One and same control list was given to all groups of Ss for testing the homogeneity of groups, and according to the results some conversions were made.To test the validity of these tables, and experiment was conducted. Materials were three lists of seven pairs each, with alphabet capitals on the stimulus side and the syllables from our tables on the response side. The non-association values of response syllables were 0-4, 25-29 and 50-54. Ss were university students. Exposure time was two seconds. Anticipation method was used. Results showed as in Fig. 3 and Table 5, that the higher the non-association values, the more trials were needed to reach the criterion.
著者
大村 幸弘 松村 公仁 大村 正子 山下 守 吉田 大輔 中井 泉 赤沼 英男 増淵 麻里耶 大森 貴之 熊谷 和博
出版者
公益財団法人 中近東文化センター
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

当該研究の主目的「文化編年の構築」は、IV~VIII区で中間期のIVa層、前期青銅器時代のIVb層を中心に行なった。特にIVa層は、出土した炭化物の分析から2135calBC-1958calBC、2063calBC-1948calBCということが判明した。2014年はIVa層直下の火災を受けた建築遺構の発掘を行なったが、出土する土器には轆轤製がほとんど認められず手捏ねの粗製土器が中心であることなど、それまでの製作技法とは大きな差異が認められた。また建築遺構の形態も脆弱であった。先史時代の土器の形式編年等は未解明部分が多く、層序を中心とした研究によって先史時代の編年に大きく貢献できたと考える。
著者
北村 智 橋元 良明 是永 論 辻 大介 木村 忠正 森 康俊 小笠原 盛浩
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、現代における情報行動の変容について、加齢効果・時代効果・コーホート効果を弁別して明らかにすることを目的とした。2015年に「日本人の情報行動」調査を実施し、2005年調査および2010年調査のデータと合わせて分析を行なった。分析の結果、テレビ視聴時間に関しては、有意な年齢効果と世代効果は確認されたが、時代効果は認められなかった。インターネット利用時間においては、PCインターネット利用時間に関しては2005年から2010年にかけて増加する時代効果のみが確認された一方、モバイル・インターネット利用時間に関して世代効果と一貫して増加を示す時代効果が認められた。
著者
佐藤 伸宏 加藤 達彦 高橋 秀太郎 土屋 忍 野口 哲也 畑中 健二 森岡 卓司 山崎 義光
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「小品」とは、明治時代の後半期に成立した短小な散文テクストであり、近代長篇小説の確立の傍らで、それとは異なる脱ジャンル的で多面的な性格を備えた特異な散文として、非常な隆盛を示すことになった。この「小品」に関して、先行研究の蓄積はほとんど皆無に等しい状況であったが、本研究では、雑誌メディアを対象とした文献調査をとおして「小品」という枠組みの成立と展開を跡付けるとともに、北原白秋や水野葉舟その他が生み出した「小品」の様式的特徴を明らかにすることによって、「小品」の性格と意義を解明した。