著者
横山 真太郎 角田 直人 富樫 貴子 濱田 靖弘 中村 真人 落藤 澄
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.78, pp.1-8, 2000-07-25
被引用文献数
5

部位別特性を考慮した生体内温度予測プログラムの開発のために,皮膚血流量調節の数理モデルを検討した.モデル式は,生理学的知見に基づき,視床下部温および平均皮膚温の各セットポイントからの変位を入力因子とする線形モデルを採用し,さらに部位別特性を表す血流変化量相対比を式中に導入することによって精度向上を図った.提案した数理モデル式を生体内温度予測プログラムに組み込むことにより,生体内温度に与える血流量調節の効果をシミュレーションによって定量的に示し,その有効性を明らかにした.
著者
古屋 温美 中泉 昌光 横山 真吾 長野 章
出版者
日本地域学会
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.761-776, 2008 (Released:2009-04-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

The diet and advancement of fishing villages are supported by the production and distribution of fishery products, so the control of quality and hygiene for these products is very important. In docking areas, infrastructures and countermeasures for quality and hygiene control such as traceability systems have been established by governments and regional HACCP. However, food poisoning incidents caused by fishery products and rumors of food poisioning have brought serious economic damages to the industry and consumers. Countermeasures are needed to reduce the losses. In order to confront those conditions, the following four topics were investigated and the results are reported in this paper: (1) Analysis of economic damages caused by shellfish poisoning accidents and rumors—Case study of oysters in Akkeshi town, Hokkaido; (2) Development of scenarios for the economic damages from the accidents and the rumors; (3) Expectations of the direct economic impacts, and spread of economic impacts on the gross domestic products and analysis of damages and losses to both docking and consuming areas; (4) Consideration of the issues and ways to analyze, evaluate and control the risks in quality and hygiene of fishery products. The results of this paper are as follows. (1) By the shellfish poison accidents occurred in Akkeshi town in April, 2005, the economic impacts such as the direct expense for recall and disposal of oysters continued for one month, and the loss of crops and the decrease in shipping also continued for one month. Equally, by the rumor in December, 2006, the three month decrease in shipping oysters was reported.; (2) Three scenarios were supposed. The first scenario is based on the accident in April, 2005, and the second one is based on the rumor in December, 2006. The last one is the most serious scenario.; (3) The direct economic impacts caused by each scenario were estimated. The economic spreading impact and the gross domestic product were calculated by the I-O table. In the most serious scenario, the amount of the direct economic impact and economic spreading impact was 27 hundred million yen in Hokkaido and 14 hundred million yen in the whole of Japan except Hokkaido. The decrease of the gross domestic product was 12 hundred million yen in Hokkaido and 5 hundred million yen in the whole of Japan except Hokkaido.; (4) The economic spreading impacts in region and the outside of it were proved. And, in order to reduce the impacts toward both landing and consuming areas, important things are the strict control in the quality and hygiene of fishery products, the provision of the correct knowledge, and the risk management for the accidents.JEL Classification: R15
著者
長野 克則 横山 真太郎 濱田 靖弘 絵内 正道 藤田 巧
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)調湿材料の選択とその吸放湿特性:種々の天然調湿材料を比較検討した結果、価格対調湿効果の点で、稚内層珪質頁岩が優れた特性を有することがわかり、この稚内層珪質頁岩を建材や塗料に混入させた場合の静的および動的特性について実験的に明らかにした。(2)調湿機能を有する内装材を設置した実証実験:床面積7.5m^2の部屋の内壁23.2m^2部分に、稚内層珪質頁岩を1.92kg/m^2含有する石膏ボードを設置した場合と、普通石膏ボード表面に稚内層珪質頁岩を0.68kg/m^2含有する人工漆喰を塗布した場合について、日単位で加湿、除湿を繰り返した時のパッシブ調湿作用について検討した結果、両条件とも普通石膏ボード仕上げの場合に比べて、顕著な調湿作用を示した。(3)室内調湿効果予測のためのシミュレーターの開発:室内仕上げ材に調湿機能を持つ建材を導入した時の室内湿度を予測するシミュレーターを開発した。調湿建材の使用により、たとえば東京では梅雨時期にかび発生の危険域と言われる相対湿度90%以上となる時間を10分の一以下に減少できることが示された。(4)各種ガス吸着、調湿作用がある物質のVOC吸着・脱着特性に関する実験的検討:容量20Lの密閉チャンバー内を一定温湿度に保ち、トルエン、アセトアルデヒド、標準VOC7成分のそれぞれに対して稚内層珪質頁岩の吸着量を測定した。いずれのガスに対しても、稚内層珪質頁岩は活性炭とほぼ同等の吸着性能を持つことがわかった。一方、高温・低湿度環境下において、一度吸着したガスの脱着について測定したところ、アセトアルデヒドに関しては明らかに脱着が確認されたものの、トルエン、VOC7成分に関しては活性炭と同様に脱着は見られなかった。さらに、悪臭成分のアンモニアに対する最大吸着量を調べた結果、高い吸湿性能を有する稚内層珪質頁岩は水溶性のアンモニアの吸着に優れており、最大吸着量は活性炭の30倍以上となることが明らかにされた。
著者
横山 真男 青山 一美 菊池 英明 帆足 啓一郎 白井 克彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.487-496, 1999-02-15
被引用文献数
16

人間型ロボットのコミュニケーション能力を人間のそれに近付けるために 人間同士のコミュニケーションにおいて重要な役割を持つ視線や手振りなど非言語情報の利用を検討した. 本論文では まず人間同士の対話において 各種非言語情報の出現タイミングについての分析を行う. さらに ロボット側の非言語情報の出力タイミングによる対話への影響を分析する. 分析の結果 非言語情報の種類による発話交替における制約としての強さや自然性の違いが明確になった. また 非言語情報の出力タイミングとして 人間同士と同様に発話開始直後あるいは終了時が自然かつ円滑な対話の実現にとって適切であることが確かめられた. 最後に ロボットへの視線情報制御の適用を行い インタフェース評価実験の結果より ロボットの対話インタフェースにおける非言語情報制御の有効性について述べる.In this research, we consider the use of non-verbal information in human-robot dialogue to draw the communication ability of robots closer to that of human beings. This paper describes analysis of output timing of non-verbal informatin in the dialogues between human beings. Moreover, we analyse infuluences of the output timing by controlling it in the dialogue of a CG robot. As the result, we clarify the strength of constraint and naturalness of various types of non-vervbal information. Also, we confirm that appropriate output timing of non-verbal information is during or at the end of utterances, which is the same as in human-human dialogue. At last, we applied non-verbal information to the humanoid robot and made similar experiments. As a rsult, non-verbal information made speaker-changing more smoothly for the humanoid robot than in the case of the CG robot.
著者
林健司 横山真男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.189-191, 2013-03-06

本研究は、視覚障害者のためのメール読み上げシステムにおける感情表現の手段を検証し、 視覚障害者に役立つコミュニケーション補助の手法を示す。我々は普段メールを作成するにあたって、絵文字や顔文字などを用いて文字だけでは伝えきれない感情を伝えようとしている。だが、現在のメール読み上げソフトでは、絵文字や顔文字で表現される感情伝達においてはまだ不十分であり、視覚障害者にはテキストの文字情報は伝わるが、健常者にはわかる絵文字や顔文字によって表される感情の伝達は困難である。そこで顔文字付きメール読み上げ音声に感情を付与させる手法の提案をする。実験に当たっては視覚障害者に協力していただき、実際に視覚障害者の役に立つかで評価した。
著者
間野 勉 大井 徹 横山 真弓 山崎 晃司 釣賀 一二三 高柳 敦 山中 正実
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.39-41, 2008-06-30

日本におけるクマ類の調査研究や特定鳥獣保護管理計画の発展に寄与することを目指して,この特集を企画した.本特集は,日本哺乳類学会2007年度大会で開催されたクマに関する3つの自由集会の成果をまとめたものであり,特定鳥獣保護管理計画の実施状況や,新たな手法として注目されるヘア・トラップ法によるクマ類の密度推定の問題点などを概観する11編の報告と,2編のコメントから構成される.<br>
著者
日下部 裕美 横山 真一郎
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.89-92, 2005

プロジェクトには多くの不確実性,すなわちリスクが存在する.そのため,リスクマネジメントがプロジェクト成功にとって重要な役割を担っている.プロジェクトのリスクは「不確実性」,「損失」,「時間的要素」の3つの特性を持っている.ここで,「時間的要素」はプロジェクトのリスクが有期的であるということを指している.しかし,現在,「時間的要素」を考慮し,リスクマネジメントを行うための具体的な手法がない.一方,信頼性工学の手法の1つにFTA(Fault TreeAnalysis)がある.FTAは,故障の結果から原因に遡るトップダウン型の手法により故障が発生する因果関係を明確にし,視覚的,演繹的な解析が可能である.そこで,本研究では,FTAを用いたリスクマネジメントについての提案を行うことを目的とした.本稿では,リスク事象抽出と同時にFT図を作成する手順および,FT図の活用方法についての提案を行った.
著者
増田 浩通 横瀬 智彦 角田 喜章 横山 真一郎
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.380-388, 2000-10-15
被引用文献数
1

安全問題が昨今話題となっている.社会の構造が効率とは違う価値を見いだそうとしている現れであろう.特に1995年7月1日にPL(Product Liability : 製造物責任)法が施行され, 日本の産業界, 法曹界, 消費者がそれぞれの立場でPLの対応を模索している.対応は主にPS(Product Safety : 製品安全)とPLD(PL Defense : PL防御)とに分類できる.製造の立場からは, PLDよりもPSの方を重要視するべきである.またPSを考える上で, 製品のライフサイクルを考慮して長期的な視点で見た安全性を作り込むことも必要になってきた.建築産業においては, 欠陥住宅は依然として多く社会問題になっている.事故分析をすると類似の事故が繰り返し発生しているのが分かる.過去の事故情報が再発防止のために活用されていないためであると考えられる.建築産業界は事故の情報や事故につながるクレーム情報をより積極的に収集解析し, その結果を建築物の安全性のために利用することが必要である.本研究では, まず安全性の観点から過去の判例及び事故・事例, クレームを調査し, 顧客の実際の使用状態の把握を行った.そしてこのクレーム情報を活用した安全品質保証システムの構築を目的とした.
著者
横山 真貴子
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

幼児の「ことばの力」と絵本とのかかわりの関連を検討した結果、家庭での絵本体験が豊かな幼児は、保育の場での絵本とのかかわりも多く、発揮される「ことばの力」も概して高かった。一方、家庭での絵本体験があまり豊かでない幼児の場合、両者との関連は見られなかった。また園での絵本体験は、家庭での絵本体験量を増やし、多様に変化させており、家庭の経験を補い、幼児と絵本との出会いを創り出す保育者の役割の大きさが指摘された。
著者
横山 真一郎 渡部 俊介
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.425-433, 2004-07-01
被引用文献数
1

本研究は,チェーン展開しているファミリーレストランに協力を頂き,数年間(1998〜2003)顧客不満足度に関して調査を行った結果に基づくものである.本研究ではまず,調査結果に基づき,店舗に対する多くの顧客に一致する不満足発生構造をFT図として把握した.次に,その構造を顧客満足度(CS)向上活動につなげるために,確率重要度による基本事象の評価を検討した.そして,時間経過に伴い重要となるサービス項目が変化することに着目したサービスの管理方法を提案した.さらに,顧客を層別した上で行うCS向上活動の有効性を示し,飲食店におけるFTAを用いたサービス評価が,CS向上活動に有効であることを述べた.
著者
渡部 俊介 横山 真一郎
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.41-44, 2003-10-24

飲食店における顧客の不満足は重大な問題である。そこで, その顧客不満足の発生を体系的に捉え, 工学的に解析を行った。筆者らは事前研究としてまず, ファミリーレストラン(FR)を対象に顧客不満足の発生構造をFT図として把握した。次に, その構造の適用範囲の可能性について検討した。そして, 本研究では顧客不満足の発生は時間経過とともに変化することに着目し, その変化を関数形で表現することで不満足の発生を予測し, サービスの管理につなげることができる可能性を示唆した。