著者
一方井 祐子 中村 史一 麻生 尚文 神谷 隆之 近藤 菜穂 久保田 好美 徳田 周子 豊田 丈典 古川 遼 宮田 舞 渡邉 俊一 横山 広美
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.83-93, 2012-06

This study focuses on the difference of public interest and expectation for eight scientific fields. The investigated fields included astronomy, planetary science, particle physics, mathematics, solid state physics, paleontology, seismology, and molecular biology. For analyzing the interest and expectation for the eight science fields, a survey was administered to 780 people over 20 years old. Expectation was rated high in the fields in which research contents are easy to understand and the research findings are believed to be linked to daily life. On the other hand, fields considered to be abstract and not related with daily life were rated lower in public interest and expectation. On the basis of these findings, we will discuss the future of science communication in these fields.
著者
蔦谷 匠 安藤 康伸 飯田 有希 井上 志保里 貴舩 永津子 小寺 千絵 近藤 菜穂 猿谷 友孝 豊田 丈典 中村 史一 宮武 広直 渡邉 俊一 横山 広美
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.23-34, 2011-06

Studies for iPS (induced Pluripotent Stem) cells are so important field for both basic science and regenerative medicine that they have attracted a great deal of attention and expectation from scientists, media and public. We revealed that unlike scientists, media and public had not paid attention to mouse iPS cell, the first achievement of the research, however, they were enthusiastic about human iPS cell. Our results suggest that the area of interest about iPS cells differed among scientists, media and public.
著者
渡邉 俊彦
出版者
拓殖大学海外事情研究所附属台湾研究センター
雑誌
拓殖大学台湾研究 = Journal of Taiwan studies, Takushoku University (ISSN:24328219)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.59-76, 2020-03-25

台湾では2015年6月に中華民国国家発展委員会より公布の「推動ODFCNS15251為政府文件標準格式實施計畫」および2017年10月に公布の「推動ODF-CNS15251為政府文件標準格式續階實施計畫」により,「開放性檔案」と呼ばれる仕様が公開されたファイル形式の利用が進む。台湾が選択したその形式は国際標準化団体OASISにより国際標準として策定されたODFであり,それをODF-CNS15251として国内規格化させ,次に上記実施計画を以て同規格を政府文書の標準ファイル形式と位置づけ,普及の措置を提示した。本稿は実施計画の概観と,その普及の一例として一部大学の対応を取り上げ考察への根拠とした。現状台湾では入力編集が必要な文書はODFを用い,閲覧専用ではPDFを用いるとの方針が既に徹底され,ODFは一定程度普及したものと考えられる。一方ここで言う普及とは,政府機関がダウンロードを通じ閲覧者へ提供するファイルにおいて,と限定的ではある。他方,方策により教育機関でODFの利用を主軸とした情報教育が今後更に行われることが予想され,ODFが個人利用においても浸透する可能性を台湾は持ち合わせる。実施計画はそれを見越したものである点も指摘されるべきであり,要するに台湾でのODF普及の位置づけとは,政府側による標準化と個人側によるそれの受身的な利用,そしてその延長上には教育を通じた個人側の自主的な利用を段階的に促すものである。この一連の流れは台湾をODF普及の先駆的事例として見做すべきモデルであると結論付けた。
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 廣瀨 智理 下平 佳代 渡邉 俊行 舩田 雅之 原 由香利 窓場 勝之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.709-713, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

〔目的〕臨床実習指導者からみた学生の「好感がもてる行動」を明らかにすることを目的とした.〔方法〕第1次調査では,臨床実習指導者を対象に自由記述式のアンケート調査を行い,学生に求められている148項目の行動を明らかにした.第2次調査では,1次調査で得られた好感がもてる行動の重要度を明らかにした.〔結果〕臨床実習指導者からみた学生の好感がもてる行動は「患者にはっきりと挨拶ができる」など,患者に対する態度に関する項目が上位を占めていた.一方,下位項目は学生の知識や身だしなみ,デイリーノートに関する項目であった.〔結語〕臨床実習指導者は,患者に対する挨拶や態度を重要視しているが,学生の知識や身だしなみ,デイリーノートの記載量は重要視していないことが示唆された.
著者
渡邉 俊彦
出版者
拓殖大学海外事情研究所附属台湾研究センター
雑誌
拓殖大学台湾研究 = Journal of Taiwan studies, Takushoku University (ISSN:24328219)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.55-76, 2021-03-25

本稿は,台湾華語の句頭語気助詞「啊」を用いる表現に対して初歩的分析を試みることを目的とする。分析方法は,蘋果日報の記事中でかぎ括弧を用いて記録された「啊」を含む実例から,「啊你」で始まるフレーズ200例を対象として,閩南方言に対する先行研究が指摘する「啊」が有す,尋ねる意味を強調する・突出した感情を表すとの二つの意味を参考として,台湾華語の「啊」が閩南方言から台湾華語へ転移したものなのかを検討し,同時に用法に対して考察を加えた。結果,台湾華語の「啊」が示す意味は,閩南方言の先行研究が指摘の二つのいずれかを意味しており,実例より「啊」は閩南方言から台湾華語へ転移したものだと結論付けた。用法の特徴としては,疑問の表現では,話者は相手に対して今話題となっている事柄に強い関心があることを示し,かつ相手から回答や反応を聞き出したい目的や思惑が込められているものと考えられた。一方,陳述の表現では「啊」の後文に感情面を直接的に描写する語彙が同時に出現する特徴が見られたが,このような語彙はそれら自体だけでも感情面を一定程度表すことができるため,これらが「啊」と同時に使われることで,「啊」がある場合とない場合では,それが突出する感情面の表現に対しどれほどの差異となりえるのか,さらに言えば「啊」の有無による表現上の違いの境界線については,更なる言及が必要であることを指摘した。
著者
渡邉 俊彦
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.259-277, 2020-03-25

本稿は,台湾華語の句頭に出現する「啊」を扱い,関連の先行研究からこの「啊」が台湾で使われる理由を整理することを目的とする。句頭とは,発話の最初あるいはフレーズの最初の位置のことを指す。この台湾華語で句頭に「啊」と表記されるものの中には,感嘆詞の用例のみでは解釈しがたいもの,すなわち規範的とされる用法から逸脱するものが存在する。その発音は多く[aʔ](-ah)と発音されること,ならびに台湾という地域における言語環境の歴史的な経緯から閩南語の影響を受けたものと推測し,閩南語の「啊」に関する先行研究を整理した。その結果,先行研究では閩南方言を母語のひとつとする地域において使われる標準中国語を「地方普通話」として部類した上で,それは規範的とされる中国語の習得途中で形成された一種の中間言語であると見做す。つまり,本稿で扱った台湾華語における句頭語気助詞「啊」を含む方言要素は,基本的に転移の結果であることが先行研究からの大まかな見解であった。一方で行政院主計総処(2010)の統計を前提として,台湾人口の約8 割にあたる人が家庭内で閩南語,あるいは閩南語ともうひとつの言語として台湾華語を使っていることを考慮すると,一概に習得途中において形成された一種の中間言語として台湾華語を位置づけ,その中で句頭語気助詞「啊」を単なる転移の結果とするのは,今後も引続き議論が必要であることを本稿は指摘した。
著者
梶川 和武 西 翔太郎 中村 武史 毛利 雅彦 川崎 潤二 濱野 明 渡邉 俊輝 吉村 和正
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.68-70, 2017 (Released:2017-01-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

いわし棒受網漁業では,操業時に集魚した魚群を水中集魚灯周辺に滞留させる必要がある。本研究では,カタクチイワシ魚群が水中集魚灯(ハロゲン灯,LED灯)周辺の滞留時の分布位置を音響機器で計測した。さらに,本研究で定義したカタクチイワシの視感度に基づいた照度を用い,それぞれの灯具の海中の照度分布を算出した。魚群の分布位置と灯具の照度分布とを照合した結果,滞留時の魚群はそれぞれの灯具の等照度線に沿い,かつ,灯具が異なってもほぼ同じ照度域に分布した。この現象は本種の好適照度の存在を示唆するものと考えられる。
著者
宮本 行庸 渡邉 俊介 橋本 卓也 森 洸介
出版者
明石工業高等専門学校
雑誌
明石工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:02861917)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.9-13, 2007-12

Image processing is one of the most complex methods around data processing using computers. Many researchers have been developing the systems for solving image processing problems, but it is difficult for them to make features for characterizing images. One example of these problems is an image detection problem, which involves detecting the physical location and direction of one piece which respect to the original full image. In this paper, we propose an example of adapting image processing methods for image detection problems provided by the 16th Programming Contest for All-Japan Colleges of Technology. We have taken part in this contest and will show the results of the contest in this paper.
著者
渡邉 俊彦
出版者
拓殖大学海外事情研究所附属台湾研究センター
雑誌
拓殖大学台湾研究 = Journal of Taiwan studies, Takushoku University (ISSN:24328219)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-81, 2019-03-08

本稿は,中華民国教育部 の「国字標準字体教師手冊」で解説される標準字体の通則と,フォント「Arial Unicode MS」の繁体字グリフ(字形),この二者の対応性についてまとめることを目的とする。Arial Unicode MS が持つ繁体字専用グリフは,繁体字専用にデザインされてはいるが,その字形は教育部の標準字体に準じたものではない。これは,現行のMicrosoft Windows に標準搭載された繁体字フォントの全てが原則標準字体に準じたものとなった台湾の現状からすると,Arial Unicode MS はコンピュータに標準搭載の繁体字フォントにおいて少数派となる「非標準字体」を表示可能とする存在となった。1998 年に登場したArial Unicode MS は,かつて文書処理ソフトMicrosoft Word の機能的制約から,繁体字グリフを使うことができず,台湾の文章処理で利用されることは限定的であった。そのため該当フォントが繁体字フォントの一種として考察の対象となることもやはり稀であった。そこで本稿はArial Unicode MS に着目することがフォントの標準字体化が進む台湾において,標準化前の繁体字の様相を知る手がかりとなり得ると考え,これを動機とした。分析の結果,標準字体の通則とArial Unicode MS の対応性は,同じ通則の中でも,対応している文字と,対応していない文字が混在している点,および通則を基準にArial Unicode MS の繁体字グリフを見た場合,通則で挙げられた例字が仮に標準字体だとしても,規則を同じとする他の文字・偏・旁のすべてが一概に同じく標準字体であるとは限らないことを指摘した。
著者
渡邉 俊綱 向井 智彦 熱田 清明
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.113-114, 2019-02-28

本研究ではアクションモーションの簡易的な自動品質判定システムを実現することで,CGアニメーション制作現場におけるデザイナーとディレクターのチェックに関わる負荷の削減を目指している.これまでの研究では身体特徴量を元に機械学習を行うことで識別する手法を提案してきたが,その際完成版データのみを正例をとしていたため完成間近の高品質なデータも不例として扱う問題があった.そのため本報告では,編集履歴データ内の試行錯誤途中のデータに対し,動的時間伸縮法を用いて定義される類似度を元にラベル付けを行う.その上でサポートベクターマシーンによる判定を行う手法について報告する.
著者
深澤 友里 倉田 勇 小暮 正晴 立石 秀勝 鈴木 裕 仲村 明恒 下山田 博明 望月 眞 柴原 純二 森 秀明 古瀬 純司 土岐 真朗 久松 理一 杉山 政則 後藤 知之 吉田 翼 太田 博崇 落合 一成 権藤 興一 渡邉 俊介 岡野 尚弘
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.129-136, 2017

<p> 症例は,2016年1月に特発性脾被膜下出血後の膿瘍形成及び急性膵炎にて緊急入院となった50歳代男性。退院後,1ヶ月で膵炎の再燃がみられ,入院となった。膵炎に対しては禁食,補液, 抗菌薬, 蛋白分解酵素阻害薬の投与を行い軽快したが,造影CT,造影MRI検査で,膵体尾部に膵実質より造影・増強効果の乏しい腫瘤が認められ,超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)を施行した。病理所見は,腺癌であり,膵体尾部癌cT3N0M0 stage IIAの診断で,膵体尾部脾合併切除術を施行した。術後補助化学療法として,S-1を4 コース施行後,現在に至るまで約1年間再発なく経過している。本症例のように,短期間で膵炎を繰り返す症例では膵癌の合併を念頭に,様々なmodalityを用いて迅速な精査を行う必要があると考えられた。</p>
著者
佐藤 孝 善本 さゆり 渡邉 俊一 金田 吉弘 佐藤 敦
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.53-60, 2007
参考文献数
24
被引用文献数
2

重粘土水田転換畑では,土壌の物理性(通気性,排水性)が悪いために,畑作物の生育が抑制され,生産性が著しく劣る場合が多い.本報では,マメ科カバークロップのヘアリーベッチによる重粘土の物理性改善効果と,ダイズの初期生育に及ぼす影響について検討した.秋田県八郎潟干拓地内の水田転換畑にヘアリーベッチを水稲立毛間に播種した.ヘアリーベッチは旺盛に生長し,根は深度約45cmまで達していた.HV区では土壌構造が発達し,特に亀裂構造が深度50cmまで形成されており,圃場の排水性は向上していた.また,HV区ではダイズの生育初期において根の吸収活性および根粒の窒素固定活性が高く維持され,生育も良くなっていた.以上の結果から,転換畑においてヘアリーベッチを前作に植栽することで,ヘアリーベッチの蒸散作用により土壌の乾燥化を促進させるとともに,根の伸長により土壌の亀裂構造(粗孔隙)および毛管孔隙が発達し,土壌の物理性が大きく改善されて,ダイズの初期生育が促進されることが明らかになった.