著者
Bond Francis 藤田 早苗 橋本 力 笠原 要 成山 重子 Nichols Eric 大谷 朗 田中 貴秋 天野 成昭
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1(2003-NL-159), pp.83-90, 2004-01-13

本稿では、基本語彙知識ベース構築の一環として構築した、ツリーバンク「檜」を紹介する。「檜」は、HPSGで書かれた日本語文法JaCYに基づいて辞書の語義文を解析したものであり、詳細な統語情報と意味情報の両方が付与されている。本稿では、「檜」構築の目的や理論的基盤などについて述べる。 また、「檜」の有効性を示す一例として、知識獲得の予備実験を行なった結果について報告する。
著者
田中 貴宏 三笠 友洋 内平 隆之 山崎 義人 重村 力
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.698, pp.933-938, 2014
被引用文献数
4

"Yato" is a landscape unit that is horseshoe-shaped flatland surrounded by the hill in three directions. In the hilly cities, such as Yokohama, many Yatos can be seen. Some previous researches mention about the importance of Yato from the perspective of ecological, hydrological, thermal environmental and social aspects. This study aims to developing the method for making Yato map by using GIS and DEM, and also classifying all Yatos based on the land use in Yokohama. By comparing previous researches, it becomes clear that this method is suite for making Yato map. Actually, Yato map is made in Yokohama and 4657 Yatos are extracted. It was also found that about 50% of all Yatos are already developed as low-rise residential areas, and about 30% are still undeveloped, by overlaying Yato map and land use map. Evaluating each Yatos from the perspective of natural and social environments will be needed as a future work.
著者
諏澤 吉彦 田中 貴 永井 克彦
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.659, pp.659_207-659_239, 2022-12-31 (Released:2024-01-10)
参考文献数
31

本研究の目的は,健康増進型医療保険契約の引き受けが,保険会社の財務状況に及ぼす影響を,健康保険組合データを用いたシミュレーション分析に基づいて明らかにすることである。分析は,生活習慣病に関わる健康診断計測項目としてBMI,血圧,HbA1cおよびALTに注目し,被保険者がこれらの値を改善させた場合に,保険終期までの最良予測に基づく期待保険金削減額を原資とした保険料割引を適用する医療保険契約を引き受けるわが国の平均的な架空の生命保険会社を想定して行った。保険会社の財務状況の分析には,2025年にわが国でも導入が予定されている国際保険資本基準における貸借対照表および経済価値ベースのソルベンシー比率を用いた。その結果,健康診断計測値の改善は,期待保険金の低下分に相当する保険料割引を対象者に適用してもなお,保険会社の財務状況を改善することがわかった。
著者
田中 貴子 斎藤 忍
出版者
一般社団法人 日本ソフトウェア科学会 ソフトウェア工学の基礎研究会
雑誌
ソフトウェア工学の基礎ワークショップ論文集 第29回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2022) (ISSN:2436634X)
巻号頁・発行日
pp.141-146, 2022 (Released:2023-05-18)

フィンランドの初等教育で活用されているツールであるアヤ トゥス・カルタを拡張して,ユーザ視点に基づいた MVP を抽出する手法 を提案する.提案手法は,ゴール指向分析とアヤトゥス・カルタを応用し ており,要求工学の初学者でも容易にユーザ視点で MVP の抽出ができる のが特徴である.本稿では本手法の手順,および適用例を示す.
著者
森 大地 板木 雅俊 岩佐 恭平 大濱 慎一郎 北川 知佳 田中 貴子 池内 智之 河野 哲也 津田 徹 神津 玲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.305-310, 2023-08-31 (Released:2023-08-31)
参考文献数
19

【目的】慢性呼吸器疾患患者の要介護度は過小評価される傾向にあり,患者の不満が多いと報告されている.今回,認定結果に対する不満の有無とその関連因子について検討した.【方法】通所リハビリテーションを利用する慢性呼吸器疾患患者を対象とした.認定結果への不満の有無で2群に分け,比較検討を行った.患者特性,身体機能,ADL(BI,NRADL),呼吸困難,呼吸機能,心理状態を調査・解析し,不満の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った.【結果】解析対象は31例で,不満なし群(21例),不満あり群(10例)であった.ロジスティック回帰分析の結果,NRADL(オッズ比0.914,95%CI 0.852-0.980)が不満の有無と有意な関連を認めた.【結論】認定結果への不満にはNRADLが関連しており,NRADLの点数を考慮することで,要介護度の過小評価を是正できる可能性が示唆された.
著者
田中 貴男
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.67-74, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1

味覚障害の発症には, 一部亜鉛欠乏が関与すると考えられており, 亜鉛製剤であるポラプレジンクが味覚障害患者に対して有効であることも報告されている. しかし, 味覚障害に対する亜鉛補充の重要性を示した基礎研究の報告は少ない. ポラプレジンク (プロマック®) は亜鉛とL-カルノシンの錯体であり, 胃潰瘍治療剤として我が国で広く使用されている. 本稿では, 亜鉛欠乏ラットに対するポラプレジンクの味覚障害改善作用を示すと共に, その作用機序として, ポラプレジンクに由来する亜鉛の舌への分布, 舌上皮の亜鉛含量, 味蕾細胞の増殖能及び舌の病理組織学的変化に対するポラプレジンクの作用について言及する.
著者
田中 聡 山本 一徹 権藤 学司 渡辺 剛史 堀田 和子 田中 貴大 田中 雅彦
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.312-315, 2021 (Released:2021-12-28)
参考文献数
13

Calcification of ligamentum flavum (CLF) is a degenerative spinal disease in which calcium crystals deposit in the ligamentum flavum. The CLF may cause spinal cord compression, and the patient may need decompressive surgery. However, CLF can spontaneously regress with some medications as well as no treatment. Here, the authors reported a case in which small CLF remaining after cervical decompression surgery markedly enlarged during the follow-up period and spontaneously regressed after pregabalin administration. Therefore, pregabalin might be involved in the spontaneous regression of CLF.  A 66-year-old female complaining of right upper limb pain and numbness was diagnosed with CLF at C5/6 and C6/7 by computed tomography (CT) and magnetic resonance imaging (MRI). The symptoms improved after removal of the CLF at C5/6 with C5 laminectomy and C4, C6 laminoplasty. Postoperative CT showed small residual CLF at C6/7. Six years after surgery, she suffered pain and numbness in her right arm. Her cervical MRI showed a marked increase of CLF at C6/7. The pain disappeared after the administration of pregabalin. Six months later, a marked reduction of CLF was observed on MRI.  It has been reported that the administration of cimetidine or etidronate resulted in the regression of CLF. Cimetidine affects calcium metabolism via parathyroid hormone (PTH), and etidronate has an inhibitory effect on calcification. It was reported that the serum PTH was markedly reduced in a uremic patient after the administration of pregabalin. The efficacy of pregabalin was also reported for a case with refractory paroxysmal kinesigenic choreoathetosis whose parathyroid glands were removed. It is presumed that pregabalin was involved in calcification regression via PTH metabolism in this case.
著者
森 大地 板木 雅俊 岩佐 恭平 大濱 慎一郎 北川 知佳 田中 貴子 池内 智之 河野 哲也 津田 徹 神津 玲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
pp.22-01, (Released:2023-03-29)

【目的】慢性呼吸器疾患患者の要介護度は過小評価される傾向にあり,患者の不満が多いと報告されている.今回,認定結果に対する不満の有無とその関連因子について検討した.【方法】通所リハビリテーションを利用する慢性呼吸器疾患患者を対象とした.認定結果への不満の有無で2群に分け,比較検討を行った.患者特性,身体機能,ADL(BI,NRADL),呼吸困難,呼吸機能,心理状態を調査・解析し,不満の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った.【結果】解析対象は31例で,不満なし群(21例),不満あり群(10例)であった.ロジスティック回帰分析の結果,NRADL(オッズ比0.914,95%CI 0.852 - 0.980)が不満の有無と有意な関連を認めた.【結論】認定結果への不満にはNRADLが関連しており,NRADLの点数を考慮することで,要介護度の過小評価を是正できる可能性が示唆された.
著者
中曽根 美咲 田中 貴大 赤木 淳二
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】“防風通聖散(以下、BTS)”は、18種類の生薬から構成されている漢方薬であり、肥満症やメタボリックシンドロームの改善を目的に広く用いられている。これまでに臨床試験や動物試験においてBTSによる内臓脂肪の減少効果が明らかにされており、その作用メカニズムとして褐色脂肪組織の活性化を介した脂肪燃焼促進作用や、リパーゼ阻害による脂質排泄促進作用などが報告されている。我々はこれまでに、構成生薬のひとつである生姜 (Zingiber officinale) の分量が高いBTS (BTS-Z)で、辛味成分である6-gingerolが増加し、内臓脂肪低減効果や糖代謝改善作用が増強されることを明らかにしている。本研究では、BTS-Zの作用メカニズムの解明研究の一環として、肥満モデル動物にBTS-Zを投与した時の肝臓における脂質代謝への影響について検討することとした。【方法】C57BL/6雄性マウスに高脂肪食飼料を4週間与えることで作成した肥満モデルマウスに、BTS-Zを2%配合した高脂肪食飼料を与え、体重推移を測定した。飼育7日目に採血し、中性脂肪や肝数値について測定した。また、肝臓を摘出し、脂肪酸代謝に関わるPPARαのmRNA発現量にて評価した。【結果・考察】肥満マウスにBTS-Zを投与した結果、体重や血中中性脂肪の増加抑制効果が確認された。肝数値についてはいずれの群も正常域であり、 BTS-Zの投与による影響は認められなかった。肝臓のPPARαの発現量は BTS-Zの投与により有意に増加し、その増加量は同様に試験を行ったフィブラート系製剤と同程度であった。以上の結果から、BTS-Zの肥満症改善に関与する作用メカニズムとして、新たに肝臓での脂肪酸代謝の促進が関与し、肝臓の脂肪代謝を促進する有用な薬剤であることを見出した。
著者
野口 翔平 田中 貴宏 佐土原 聡
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.20, no.46, pp.1029-1034, 2014-10-20 (Released:2014-10-20)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

The purpose of this study is to investigate the main factors of the air temperature distribution in basin city in summer. Hadano is a basin city located in Kanagawa. At first, authors measured the air temperature of 14 points in Hadano during the summer (July 13 - August 31) in 2011. As a result, the spatial distribution patterns of the maximum and minimum temperature are different from each other. In the analyses, authors picked green coverage, ventilation condition, amount of solar radiation and elevation, as main factors of forming air temperature distributions. As a result, daytime temperature is influenced by the ventilation and nighttime temperature is strongly influenced by green cover.
著者
笠原 要 佐藤浩史 フランシス ボンド 田中 貴秋 藤田 早苗 金杉 友子 天野 成昭
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1(2003-NL-159), pp.75-82, 2004-01-13

単語の意味を用いた情報処理技術の基盤となりうる基本語の言語知識ベースとして,「基本語彙知識ベース」の構築を進めている.本稿では,その構想と,中核となる2.8万の基本語の意味記述である「基本語意味データベース」の構築状況について説明する.
著者
井上 莞志 田中 健太 田中 貴宏 松尾 薫 横山 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.931-938, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

近年、地球温暖化と都市ヒートアイランド現象による都市高温化が進んでおり、特に多くの人が利用する都心部においては、快適な屋外空間を形成するために、熱環境改善策を積極的に取り入れた都市環境デザインが求められる。またこのような取り組みを効果的に進めていくためには、都市内における熱環境改善策導入が優先度の高いエリアの抽出が必要である。そのため、広域の気温分布形成要因の分析から中心市街地周辺の気候的特徴(特に海風効果と河川効果)を把握し、さらに中心市街地の熱環境の詳細な現状把握とその形成要因分析を行った上で、中心市街地における熱環境改善策導入推進エリアを抽出することを目的とした。その結果、都心部の昼間の気温分布は河川距離、周辺緑量、周辺建物密度に影響を受けており、その中でも陸風が止み、かつ海風が十分に発達する前の時間帯で地表面被覆の影響が相対的に強くなる。これらの気温形成要因と猛暑日の定義から熱環境改善策導入推進エリアの抽出し、建物密度を減らしつつ、緑化を推進することが効果的であることを示唆した。
著者
片野 裕貴 赤松 一澄 田村 将太 田中 貴宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.851-857, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

近年、我が国では、降雨の集中化、激甚化が進んでおり、全国各地で毎年のように大規模な豪雨災害が発生している。中でも、平成30年6月28日から7月8日にかけて、梅雨前線と台風7号が引き起こした豪雨は、西日本を中心に甚大な被害を広域にもたらした(平成30年7月豪雨)。豪雨災害による被害拡大の要因としては、降雨強度の増大以外にも、危険性が相対的に高いエリアの都市化(市街地縁辺部へのスプロール、低平地の農地転用による宅地開発など)があると考えられ、これによる土砂災害や水害の危険性増大も指摘されている。そのため、豪雨災害対策としては、堤防やダム等の防災施設整備に加え、土地利用のコントロールや危険性の高いエリアにおける建物の建て方の工夫等も必要と考えられる。そして、そのためには、被害を受けやすいと考えられるエリアや建物の特性を把握する必要があると考えられる。そこで本研究では、実際の建物被害データとして罹災証明書発行のための調査データ(罹災証明書データ)を用い、土砂災害、水害を合わせて対象とし、被害を受けた建物の特性やその立地特性を把握することを目的とした。
著者
平野 一貴 田中 貴宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.697-704, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
78

近年、地球の環境問題として、化石燃料の枯渇や地球温暖化が挙げられており、その対策の一つとして再生可能エネルギー活用が求められている。一方、我が国の島嶼部では多くの地域で人口減少や高齢化、およびそれに伴う地域社会の衰退が課題となっている。本研究の対象地を含む瀬戸内海の島嶼部においてもこれらの課題が見られるが、その一方、温暖な気候や豊かな森林、豊富な果樹園などの自然資源に恵まれており、冒頭の課題解決の方策の一つとして木質バイオマスエネルギーの活用が考えられる。木質バイオマスの利用はカーボンニュートラルであり、また、その利用過程において雇用創出や地域内経済循環を生み出すことも可能と考えられる。以上より、瀬戸内海の島嶼部における木質バイオマスエネルギー活用可能性を検討する必要があると考えた。本研究では瀬戸内海の大三島を対象に、地形や、森林多面的機能を考慮した伐採エリアを抽出し、そこから得られる木質バイオマス量を推定する。その後、経済性、CO2排出削減を考慮した木質バイオマスエネルギーの活用シナリオを作成し、評価することにより、その活用可能性を明らかにすることを目的とする。
著者
芳原 拓実 田中 貴宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.274-281, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
14
被引用文献数
2

わが国の密集市街地の多くは、防災上の問題を抱えているため、一部では、これらの問題の解消を主な目的とし、道路拡幅等が実施されている。一方で、密集市街地は、街路幅員が狭く建物が密集していることから、このような空間に対して人々が親近感や安心感などを持つことも指摘されている。そのため、密集市街地整備の計画に際しては、このような空間特性にも配慮した整備の方向性を示す必要があると思われる。そこで本研究では、密集市街地の整備方針作成に向けた基礎的検討として、全国の市街地を対象に、立地的、物理的特性の指標を用いた類型化を行い、類型ごとにその課題と特徴を明らかにすることで、整備の方向性を示すことを目的とした。その結果、立地的特性では、人口特性や用途等においてクラスター間に顕著な差が見られた。物理的特性では、建物・街区の規模や建物の密集度に差が見られ、密集市街地をその特性によって類型化し、各類型の課題や特徴を把握することができた。