著者
田中 治 西村 恒彦 山上 卓士 一条 祐輔 大内 宏之 大野 浩司 光本 保英 森 敬弘 吉川 敏一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.703-711, 2010-05-05
参考文献数
33

画像診断装置の性能向上および造影剤の進歩により,肝細胞癌の画像診断は近年飛躍的に進歩した.2008年1月に肝細胞特異性造影剤であるGod-EOB-DTPA(gadolinium ethoxybenzyl diethlenetriamine pentaacetic acid,ガドキセト酸ナトリウム;EOB・プリモビスト<sup>&reg;</sup>)が本邦で発売され,約2年が経過した.肝細胞機能評価のみならず,これまでの細胞外液性MRI造影剤の性能を併せ持っているために1回の検査で血流評価と肝細胞機能評価が同時に可能となり,肝細胞癌の診断,特に境界・前癌病変と癌との鑑別においてその有用性が期待される.<br>
著者
田中 貴子
出版者
神戸女子大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文
著者
田中 淳
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkiu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.398, pp.52-81, 2009-08-31

Introduction The magazine Seitô (Bluestockings) was first published in September 1911 by a group centered on Hiratsuka Raichô. It was the first magazine in the history of modern Japan to assert women's liberation through literary works. At the time, the term "atarashii onna," literally "new woman, " was popular in Japan, largely in journalism. The aim of this research note is to test the hypothesis that Yorozu Tetsugorô had this "new woman" image and the new expressive form of Italian Futurist paintings in mind when he created his work entitled Woman with a Balloon.1. A meeting at a Zen center, Ryobôan: Yorozu Tetsugorô and Hiratsuka Raicho This article indicated that, at the very least, Yorozu Tetsugorô and Hiratsuka Raichô knew each other's faces, even if they had not actually met, thanks to having both attended a Zen center in Tokyo called Ryobôan for a few months in 1906.2. The "New Woman" as visual image Yorozu exhibited his Landscape with Chimney featuring a dazzling sun in the Fusain Society exhibition held in October 1912. Hiratsuka Raichô and her fellow Seitô members went to see this exhibition and undoubtedly saw Yorozu's entry. While Hiratsuka layered images of the sun with images of women, Yorozu, influenced by Van Gogh and others, painted a glittering sun. Further, Hiratsuka' s statement at the time likened herself and her magazine fellows as "balloons" created by journalism and like those balloons, they would float away in many different directions. The article indicates that amidst such influences, Yorozu linked the image of "new woman" with that of "balloons."3. From Italian Futurists to Woman with a Balloon In June and July 1913, two major general magazines of the day, Taiyo and Chûô Kôron, both featured special issues on the question of "the female problem" which evoked great reaction. Around that time "the new woman" was created as both a social issue and as a visual image. Concurrently, the painter Yorozu's interests turned from his earlier focus on Post-Impressionist painting to the early 20th century Italian Futurists and Cubism. Yorozu was also interested in the theater and he provided the stage decoration for Matsui Sumako's theater group in September 1913. Indeed, "actresses" could be seen as one form of "new woman." The article concludes that Woman with a Balloon was a symbolic expression of an unidentified "new woman" created by Yorozu at that time in the "new expression" of contemporary European art.
著者
田中 愽一
出版者
兵庫大学
雑誌
兵庫大学論集 (ISSN:13421646)
巻号頁・発行日
no.23, pp.161-174, 2018
著者
田中 一成 西園 祥子 加瀬 綾子 巨椋 澄子 栗田 翠 村上 智子 久木野 憲司 松本 仁 池田 郁男
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.175-179, 2003-06-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
21
被引用文献数
9 10

一般に食用とされていないクロナマコの有効利用を図ることを目的として, クロナマコ摂取がラットの脂質代謝に及ぼす影響を検討した。生のクロナマコの可食部をフードカッターで粉砕し, 凍結乾燥後粉末状にしたものを試料としてラットの餌を調製した。タンパク質レベルを20%とし, クロナマコを用いた食餌ではタンパク質源としてカゼインとクロナマコを窒素含量で3:1の割合にした。対照として, タンパク質源にカゼインのみを用いたコントロール群を設けた。コレステロール (Chol) を0.2%添加したこれら飼料をSD系雄ラットに4週間自由摂食させた。クロナマコは血清および肝臓Chol濃度をコントロール群より有意に低下させ, HDL-Chol/総Chol比を上昇させた。クロナマコ摂取ラットで糞中への中性および酸性ステロイド排泄は促進した。これらの結果より, クロナマコは糞中へのステロイド排泄促進によりChol低下作用を発現することが明らかとなった。
著者
山本 隆太 阪上 弘彬 泉 貴久 田中 岳人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

1. 国際的な地理教育界におけるシステムアプローチ<br>国際地理学連合地理教育専門委員会(IGU-CGE)の地理教育国際憲章(IGU-CGE 1992)では,主題学習のカリキュラム編成原理としてシステマティックアプローチ(Systematic Approach)やシステムズアプローチ(Systems Approach)が示された。以後,地理教育にシステム論やシステム思考を導入するという考え方は世界に共通する地理教育論の一つとなっている。志村(2014)では,1970年にはすでに,IGU-CGEのローマ委員会が「空間システム的な環境&minus;人間関係」を地理教育として重視する方向性を示したことや,2000年頃の地理教育国際比較調査においてシステム思考が中等教育段階のカリキュラム編成原理の一つとなっていることが示されている。IGU-CGEのルツェルン宣言(大西2008)では,ESDを念頭に,自然,文化,社会,経済といった各圏・領域を包括的に扱う「人間-地球」エコシステム(Human-Earth ecosystem)の概念を地理教育として重視することを表明している。これに強く同調している国のひとつにドイツがある。ドイツでは地理教育スタンダードを2006年に公刊し,そこでシステムとしての空間を地理教育の中心的な目標として位置付けた(阪上2013)。また,この目標の下,地理教育システムコンピテンシーを開発し(山本2016),各州におけるカリキュラムに位置付ける動きがみられる(阪上・山本2017, 山本2016)。<br><br>2. 国内における地理教育システムアプローチの展開<br>ドイツの地理教育システムコンピテンシーは,「システム思考,ネットワーク思考ともいわれるシステム的な見方・考え方に基づき,ダイナミクス,複雑系,創発などのシステムの概念から地理的な事象や課題の構造と挙動を理解し,世界を観察・考察する教育/学習方法」と定義されている(山本2016)。この地理教育システムコンピテンシーに基づき,筆者らはシステムアプローチとしての授業実践を構想,実践した(実践一覧はhttps://geosysapp.jimdo.com/に記載)。なお,ドイツの定義に基づいて日本国内の教育実践を参照すると,例えば,鉄川(2013)では地理的事象を構造化するアプローチをとっている一方で,挙動については触れていない。システムアプローチの視座に立つと,地理授業においてすでに構造化については実践がなされている一方,挙動については課題があることが考えられる。<br><br>3. 授業実践事例 アラル海の縮小<br><br>アラル海の縮小を題材として,システムアプローチに基づく授業実践を行った。実践校は埼玉県内私立高校で,高校3年次の地理A(6時間)で実践を行った。授業は,(1)教科書や資料集を用いてアラル海の縮小に関する記述を理解する,(2)関係構造図(第1図)で問題の構造を解明する,(3)最悪シナリオ/持続可能な解決策を考えることで挙動を解明する,という展開で実践した。授業後,授業に関する生徒アンケートを実施した。<br><br>4.考察<br>システムアプローチを用いた実践では,持続可能な社会づくりを目指し,環境条件と人間の営みとの関わりに着目して現代の地理的な諸課題を考察する科目的特徴を具体化できることがわかった。また,関係構造図を用いることで,生徒自ら自分自身の思考を可視化できた。<br>