著者
田中 義照 遠藤 久芳
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.164, pp.456-467, 1988 (Released:2010-05-07)
参考文献数
23
被引用文献数
17 30

Though a lot of experimental and theoretical investigations on the strength of stiffened plates in compression have been carried out, there are few to suggest the rational correlation between panel and stiffener associated with their local buckling and collapse. The main purpose of the paper is to present a method of analysis which may be effective not only in estimation of ultimate strength but also in mode shape analysis taking account of the interaction between panel and stiffener.The proposed procedure is composed of two parts, elastic large deformation analysis and rigid-plastic analysis. The fundamental concept of method was proposed by Fujitao and it has been developed to be applicable to the problem relating with panel-stiffener interaction. The presented method has been verified through comparing its results with the experiment and FEM calculation and it has been found to be practical for the estimation of ultimate load and post-buckling behavior of stiffened plates with flatbar stiffeners.Through the mode shape analysis, has been obtained a clear scope for the local collapse mode, which had been most commonly observed in the experiment conducted with continuous multi-span models.The critical slenderness ratio of flatbar stiffener has been studied through the analyses. They show that there is a threshold of the slenderness ratio, h/ts, over which the dominant buckling mode in a stiffener changes from a panel-buckling-induced one to an inter-frame overall and the buckling strength rapidly decreases. The critical value is found to be about 18, which indicates the existing rule requirements are a little too conservative.
著者
田中伸尚著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2018
著者
田中 志信 小川 充洋 野川 雅道
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

今年度は、昨年度10波長まで絞り込んだ使用波長について、慢性腎症の進行予防に有用な指標である「尿素・クレアチニン比(U/Cr)」を得るための至適波長組み合わせについて検討した。その結果、各成分の濃度を4または5種類の波長で高精度(実測濃度と推定濃度との相関係数:γ>0.99)で推定可能な波長組み合わせを見出すことが出来た。このうち2波長は各成分で同一だったため実質「7波長」でU/Crを得ることができ、その精度もγ=0.904と極めて良好であることが確認された。一方実用化への移行(光源のLED化)を考慮して近赤外マルチチップLEDを新たに試作し,グルコース,尿素の単一水溶液を用いて濃度推定の可否を検討した. LED試作に当たってはグルコース及び尿素の感度波長であり、かつ近赤外領域において水の吸収が最も大きな2,200nmをピーク波長とするマルチチップ(4個×6列)LEDを試作した.そして各成分の濃度推定に必要なLEDの光強度(換言すればチップ数)を明らかにすることで,他の波長の必要チップ数に関する知見を得ることを目的とた.溶質としてはグルコース及び尿素を選び、それぞれの単一水溶液(10, 50, 100mg/dl)を調製し,各溶液の差分吸光度から重回帰分析により各成分におけるγを求めた。その結果、尿素では1列(4チップ)発光でγ=0.995という高精度が得られたのに対して、グルコースでは3列(12チップ)発光でようやくγ=0.669という結果となった。これらの結果は、2200nmが尿素の感度波長であるのに対して、グルコースにおいては感度波長ではあるもののモル分子吸光係数自体が尿素に比べ極めて小さいために濃度予測が難しかったと考えられ、多波長のマルチチップLEDの設計(波長選定)にこの結果を生かしていく予定である。
著者
田中 孝平 田中 稔 竹垣 淳也 藤野 英己
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0361, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】心不全,慢性閉塞性肺疾患,腎臓病等の慢性疾患では,呼吸循環器系の機能低下に伴い身体活動量が減少し,骨格筋の代謝機能の低下が生じる。さらに,疾患の重症化により炎症性サイトカインの血中濃度が上昇し,代謝異常症候群である悪液質を呈する。悪液質では,身体活動量の低下だけでなく炎症性サイトカインの増加が骨格筋の代謝機能を低下させる主要な原因となる。炎症性サイトカインはミトコンドリア新生やTCA回路における酵素活性を抑制し,骨格筋の有酸素性代謝能力を低下させることが知られている。一方,治療的電気刺激(TES)は積極的な運動療法が困難な場合に筋活動を代償するための代替手段として注目されており,骨格筋の代謝機能を改善する効果が多く報告されている。骨格筋の有酸素性代謝能力の維持は,効率的なATP産生により運動耐容能を維持する効果が期待できるが,これまで悪液質状態の骨格筋に対するTESの効果は検討されていない。そこで,本研究では悪液質モデルマウスを用いて,炎症性サイトカインによるミトコンドリア機能障害に対するTESの効果を検討することを目的とした。【方法】5週齢の雄性ICRマウス(n=15)を使用し,対照群(Cont群),リポポリサッカリド(LPS)投与により悪液質を惹起した群(LPS群),LPS投与期間中にTESを行った群(LPS+TES群)の3群を設けた。LSPは1日あたり10μg/gを腹腔内に投与した。TESは前脛骨筋に対して超最大収縮の刺激強度にて実施した。刺激波形には2500Hzの中周波を100Hzに変調した変調波を使用し,1秒間の刺激を2秒毎に20回行い,5分間の休憩を設けて6セット行うセッションを1日2セッション行った(Kim, 2007)。介入期間は4日間とし,介入期間終了後に前脛骨筋を摘出し,体重,筋湿重量を計測した。悪液質の指標として血液サンプルを採取し,血清中の腫瘍壊死因子(TNF-α)産生量をELISA法にて測定した。また,ミトコンドリア機能の指標としてコハク酸脱水素酵素(SDH)活性をSDH染色より計測し,クエン酸合成酵素(CS)活性をSrere法にて測定した。ミトコンドリア新生因子であるPGC-1α発現量,炎症性サイトカインからのシグナルを受けるp38のリン酸化蛋白及び総蛋白発現量をWestern blot法にて測定した。得られた結果の統計処理には一元配置分散分析とTukeyの多重比較検定を使用し,有意水準は5%とした。【結果】LPS群及びLPS+TES群の体重はCont群と比較して低値を示した。また,LPS群及びLPS+TES群の筋湿重量はCont群と比較して低値を示したが,LPS+TES群はLPS群と比較して高値を示した。TNF-αはCont群では検出されなかったが,LPS群及びLPS+TES群では発現が認められ,2群間で発現量に有意差は認められなかった。また,LPS群のSDH及びCS活性はCont群と比較して低値を示したが,LPS+TES群はLPS群と比較して高値を示した。さらに,LPS群及びLPS+TES群のPGC-1α発現量はCont群と比較して低値を示したが,LPS+TES群はLPS群と比較して高値を示した。また,LPS群のp38のリン酸化割合(リン酸化p38/総p38)はCont群と比較して高値を示したが,LPS+TES群はLPS群と比較して低値を示した。【考察】LPS投与による悪液質では,TCA回路の律速酵素であるSDH活性やCS活性の低下が認められた。SDH活性やCS活性等のミトコンドリア酵素活性はミトコンドリア数と密接に関係すると報告されており,本研究ではLPS投与によりミトコンドリア新生に重要な蛋白であるPGC-1α発現量の減少が認められた。また,LPS投与によりTNF-α発現量やp38リン酸化割合が増加した。悪液質において産生が亢進するTNF-α等の炎症性サイトカインは,p38のリン酸化を促進し,PGC-1αの発現を抑制すると報告されている。本研究では,TNF-αによってリン酸化したp38がPGC-1αの発現を抑制し,ミトコンドリア新生が抑制され,ミトコンドリア数が減少し,TCA回路の機能低下が惹起されたと考えられる。一方,TESによる介入はp38のリン酸化を抑制すると報告されている。本研究では,TESによって炎症性サイトカインによるp38のリン酸化を介したPGC-1α発現量の減少を抑制した。PGC-1α発現量の維持によりミトコンドリア新生が促進され,一定のミトコンドリア数が保たれた為,ミトコンドリア酵素活性が維持されたと考えられる。本研究の結果より,TESは悪液質におけるTCA回路の機能低下を予防する介入方法として有効であることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】活動量の低下をもたらす背景となる慢性疾患特有の病態である悪液質に対する治療的電気刺激の有効性を示した点で理学療法研究として意義を持つと考える。
著者
郭 芳 田中 弘美 任 セア 史 邁 カク ホウ タナカ ヒロミ イム セア シ マイ Kaku Hou Tanaka Hiromi Lim Saeah Shi Mai
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Social science review (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.126, pp.15-32, 2018-09

論文(Article)本研究では「京都子ども調査」を分析することにより,子どもの自己肯定感に及ぼす要因を確認し,それらの要因の自己肯定感への影響の程度について,実証的に検証した。その結果,自己肯定感に影響を与える要因には「性別」「経済的要因」「関係的要因」があることが実証された。また,経済的要因の自己肯定感への影響はある一方で,「親・親戚との関係」「学校での生活」「友人の有無」という関係的要因のいずれもが自己肯定感に影響していることが明らかになった。By a factor analysis and hierarchical multiple regression analysis on the "Children's Survey in Kyoto", this study is confirming the influence factors of self-affirmation of the children and figuring their varying degree. As a result, influencing factors including "Gender", "Economic factors", and "Relationship factors" are empirically verified. Beside "Economic factors", the "Relationship factors" such as "Trust to the parents and relatives", "School life" and "Presence or absence of friends" also have remarkable influence.
著者
田中 博春 小熊 宏之
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.114, pp.280, 2003

I. はじめに 分光日射計データから得られる各種植生指標の季節変化を、CO2吸収量ならびに葉面積指数の季節変化と比較した。データは、国立環境研究所苫小牧フラックスリサーチサイト(カラマツ人工林)のタワーデータを用いた。・各種植生指標:全天分光日射計 英弘精機MS-131WP使用。地上高40mに設置した上向き・下向きの日積算日射量より各種植生指標値を算出。波長帯は、可視(Ch3:590-695nm≒ 赤)と近赤外(Ch5:850-1200nm)の組み合わせ[図1-a]、ならびに可視(Ch2:395-590nm≒青・緑)と 近赤外(Ch4:695-850nm)の組み合わせ[図1-b]の2通りを用いた。・CO2フラックス日中積算値:クローズドパス法非分散型赤外線分析計Li-Cor LI-6262使用。地上高27m 9:00から16:30までの30分値を加算、日中の積算値とした[図1-c]。・葉面積指数(LAI):光合成有効放射計Li-Cor LI-190SB 地上高1.5mと40mの下向き光合成有効放射量(PAR)の日積算値の比から、Lambert-Beerの式を用いPAI(Plant Area Index)を算出。落葉期の測定値を減じLAIとした [図1-d]。II. 日中CO2フラックスと植生指標GEMIの整合性[図1-c] Ch2とCh4から求めた植生指標GEMI(Global Environmental Monitoring Index)の季節変化と、日中積算CO2フラックスの極小値を結んだ包絡線の季節変化の間によい一致がみられた[図1-c]。特にカラマツの萌芽後のGEMI値の急増時期や、展葉に伴うGEMI値の増加傾向が、CO2フラックスの変化傾向とよく一致している。ただし紅葉期は両者は一致しない。これは、光合成活動が低下した葉が落葉せずに残るためと思われる。III. 各種植生指標の季節変化 [図1-a,b] これに対し、植生指標としてよく用いられる正規化植生指標NDVI(Normalized Vegetation Index)は、CO2フラックスの季節変化傾向と一致しなかった。NDVIは春先の融雪に伴う値のジャンプがあり、また6__から__10月の活葉期に値がだいたい一定となる。この特徴は、Ch3とCh5から求めた図1-aの4つの植生指標も同様であった。しかし、Ch2とCh4を用いた図1-bのGEMIと、近赤外と可視の差であるDVI(Difference Vegetation Index)にはこれらの特徴がみられず、CO2フラックスの季節変化傾向と同様に萌芽後に値が急増し、6月にピークを迎えた後なだらかに減少した。IV. 葉面積指数LAIと植生指標GEMIの整合性 [図1-d] 葉面積指数(LAI)が正常値を示す、積雪期以外のLAIの季節変化を、Ch2とCh4によるGEMI(≒CO2フラックスの季節変化)と比較すると、カラマツ萌芽後の展葉期にはGEMIより1__から__2週間ほど遅れてLAIの値が増加した。タワー設置のモニタリングカメラの日々の画像の変化を見ても、カラマツの葉の色の変化が先に現れ、その後に葉が茂ってゆく様子がわかる。 萌芽後、LAIは直線的に増加するが、GEMIの増加は立ち上がりは急なものの徐々に増加量が減ってくる。これは、萌芽後LAIの増加とともに葉の相互遮蔽が生じ、下層まで届く光量が減少するため、群落全体としての光合成活動が低下することが原因と思われる。 他にも、今回の測定方法ではLAIとしてカウントされていない林床植物のCO2フラックスの影響等が想定される。<CO2フラックス・LAIデータ提供: 産業総合技術研究所 三枝 信子・王 輝民>
著者
田中 勝
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は全国110ヶ所の伝建地区を対象として伝建地区における生活文化の継承と歴史的町並み・集落の保存とを一体的に実現していくための地域共創の住まい・まちづくりの多様な実践、仕組み、現代的意義について全国規模の調査より明らかにした。また伝建地区における住まい・まちづくり学習の教材として各地区を代表する民家をモデルにしたペーパークラフト3種類を新たに開発するとともに、小・中学校の総合的な学習の時間を活用した町並み保存学習への導入を試みた。民家ペーパークラフトの活用は身近な町並みや生活文化について子どもたちの主体的な学びを育み、町並み保存や地域共創のまちづくりの担い手育成に有効であることを実証した。
著者
池田 和彦 田中 敏夫
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.9-29, 1967-03-01 (Released:2010-06-04)

The geology in this area consists of such soft rocks as mudstone, sadstone, tuff and many crashed zone that landslides and collapses of a precipice has happened so freguently. For the purpose of the prevention of these disasters we surveyed thoroughly the geology and selected the root of the double line.This new line has resulted in boring of six tunnels (l=2660m, 1570m, 11355m, 3596m, 1055m and 3025m in length). It is anticipated that these tunnels pass through the swell ing rocks and strata with confined water and gar. sThe writer mentions the correlation about the geology as above mentioned with engineering works.
著者
岸 國平 古川 聡子 小林 享夫 白石 俊昌 酒井 宏 田中 一嘉
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.43-49, 1998-02-25
被引用文献数
1

堀による命名以後, アナモルフの記載等に疑問を残したまま放置されてきたネギ黒渋病について研究し, 以下のような事実を明らかにした。(1) 群馬県下仁田町で, 多年にわたり自家採種と連作が繰り返されてきた同町特産の下仁田ネギに, 本病が毎年激しく発生することが認められた。(2) 本病の発生は下仁田町を含む関東北部,東北,北海道地域で多く認められ, 関東南部および関東以西の地域ではまれにしか認められなかった。(3) 培養菌叢片およびほ場病斑の成熟子のう胞子を用いて行った接種実験において, いずれも自然発病と同様に病徴を再現した。(4) 観察されたすべての自然発病および人工接種病斑においてテレオモルフは形成されたが, アナモルフは全く認められなかった。(5) 本病菌の培地上の生育適温は約20℃, 子のうの成熟適温は20〜25℃, 子のう胞子の発芽管伸長の適温は20〜25℃であり, 生育とpHの関係はpH4〜9で生育し, 6〜9で最も良かった。
著者
田中 辰雄
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.263-274, 2009-05-25 (Released:2018-02-26)

情報通信産業ではモジュール化が進んできた。モジュール化とは製品をユニットに分解してそのインタフェースを一般に公開し、ユーザがそれを自由に組みあわせることである。インターネットもパソコンもモジュール化製品の代表格であった。しかし、現在このモジュール化が逆転し、統合化へ回帰する兆しがある。パソコンの家電化、携帯電話の隆盛、VPN・NGN、クラウドコンピューティングなどをその兆しと捕らえることができる。はたしてモジュール化は終焉するのか。そもそもモジュール化はなぜ生じたのか。これらの問いに対し、歴史的な考察と実証分析をもとに答える事を試みる。結論は、今後はモジュール化が終焉し統合への回帰が進むというものである。