著者
河田 潤一 小川 有美 加藤 淳子 小林 正弥 仙石 学 田中 善一郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本共同研究は、日本、韓国、イタリア、フランス、南欧諸国、中束欧諸国、EUを直接の対象とする、政治汚職・腐敗、クライエンテリズム、社会資本をめぐる、実証的・理論的・比較政治学的研究を行うことを目的とするものである。我々一同は、汚職・腐敗(corruption)とクライエンテリズム(clientelism)の区別に留意しつつ、クライエンテリズムを近代化の残滓と見る従来の考え方を批判的に乗り越えようとした。そのことは、同時に、汚職とクライエンテリズムの衰徴はパラレルに進行するとの楽観的見方を克服しようとするものである。従来の近代化論的視座は、汚職とクライエンテリズムを資本蓄積(=資本主義)、合理化(=官僚制化)、政治参加(=民主主義)の多様な要求がもたらす利益の共生=相反関係が構造化する権力構造の構造的・制度的産物と見てこなかったのである。汚職とクライエンテリズムは、行政効率の点で「潤滑油」として評価すべきなのか。両者は、社会的・経済的不平等あるいは経済発展を修正するための社会の周辺部分からの正当な要求として評価すべきなのか。それらは、「社会資本」/「道徳資本」の欠如によって強化される「悪循環」の結果として理解されるべきなのか。政治汚職・腐敗を規制する法律の強化はいかなる効果を持ちうるのか。あるいは選挙制度改革や地方分権化は汚職やクライエンテリズムの抑制の万能薬でありうるのか。こうした問いに答えるべく、我々は、広範な理論的アプローチと実証的証拠を駆使し、「腐った(corrupted)」・恩顧主義的(clientelistic)慣行を形成する歴史的・制度的・社会=文化的要因の解明に努力した。こうした作業の一端は、公開報告として、2006年度世界政治学会(International Political Science Association)福岡大会のRC06(Political Sociology)なるセッションにて2006年7月10日に行った。本研究にとって益すること大であった。研究成果の一部は、Junichi Kawata (ed.), Comparing Political Corruption and Clientelism (Hampshire : Ashgate)として既に上梓されている。我々は、本共同研究の知見が、我々が生きる時代の民主主義をよりよく機能させることに役立つものと確信するものである。
著者
田中 尚道 越智 直正 島田 淳志 高田 孝充
出版者
近畿大学資源再生研究所
雑誌
近畿大学資源再生研究所報告 = Annual report of the institute of resource recycling of Kinki University
巻号頁・発行日
no.10, pp.29-32, 2012-03-01

[Synopsis] It is due to inquire by being. Although it became clear by this trial for cultivation of cotton to be possible also in the Tohoku district, problems, such as a point which is not paid in cultivation of cotton, also have many the profitability and farm subsidies as agriculture, and it is required to build the mechanism in which cultivation farmhouses can live. Moreover, the necessity of examining the growing method with establishment of the efficient growing method, i.e., the increase in a yield, and the effective salt removal effect was accepted. Furthermore, since the weed control in a cultivation period, the damage of the night thief insect, etc. were seen, it was suggested that the measure against a noxious insect must also be taken.
著者
北野 義徳 田中 晃 井上 潔彦 船井 貞往
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.3370-3374, 2009 (Released:2010-04-05)
参考文献数
19
被引用文献数
3

症例は82歳,女性.左下腹部痛を主訴に来院.腹部CTでS状結腸にhigh densityな異物像を認め,遊離ガスおよび腹水貯留を認めた.異物によるS状結腸穿孔と診断し,腹膜刺激症状を認めることから緊急開腹術を施行した.S状結腸に5mm大の穿孔を認め,穿孔部直下に異物を触知した.異物を摘出したのち,S状結腸部分切除,人工肛門造設術を施行した.切除標本では穿孔部と連続した部位に憩室が存在し,また術後の問診で柿を種子ごと摂取したことが判明したことから,柿の種子によるS状結腸憩室穿孔と診断した.種子による消化管穿孔は本邦においてこれまで2例の報告しかなく,非常に稀な症例であり,文献的考察を加えて報告する.
著者
宮里 信寿 仲座 栄三 田中 聡 福森 匡泰 SCHAAB Carolyn
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1003-I_1008, 2018

波の入・反射波の分離法には,Healy法をはじめとしていくつか存在する.非線形性の強い波に対するそれらの特性ついてはいまだ十分に議論されていない.CADMAS-SURFを用いた数値計算により,Healy法が小さめの反射率を与えること,その補正として合田によって提案された補正値も大幅な改善には至らないことが示されている.不規則波を対象として提案された合田の入・反射分離推定法の規則波への適用性を調べ,波の非線形性が入・反射分離に影響を及ぼすことを明らかにしている.疑似非線形波を対象とした久保田らの方法が検討され,波高値よりもrms値を用いた方が良い結果を与え,さらに離れた2点のデータを用いる方がより良い結果を与えることが明らかにされている.さらに,これらの結果は横山・水口らのデータと比較され,その有用性が示されている.
著者
福森 匡泰 仲座 栄三 田中 聡 宮里 信寿 SCHAAB Carolyn 下地 涼太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1009-I_1014, 2018
被引用文献数
3

数値波動水槽CADMAS-SURFは,砕波や越波を伴う波浪場の解析に有用性を示してきている.直立護岸上の越波に関する研究は,古くから行われ,特に合田の越波流量算定図表は実務設計に活用されてきている.最近,合田はEUによるCLASHデータベースを活用し,その見直しを図った.しかし,データのばらつきが大きく,流量係数の詳細な検討が求められている.実験的に護岸上越波時の詳細な流速データを得ることは困難である.本研究は,CADMAS-SURFによる数値計算の有用性を大型実験値との比較で示した上で,直立護岸上越波の流量係数及び流速係数について調べ,それらが護岸上越波の非定常性を示す無次元越波時間によって影響を受けること,さらに波の接近流速の影響を受けることを明らかにしている.
著者
田中 聡 仲座 栄三 SCHAAB Carolyn 福森 匡泰 宮里 信寿 本屋敷 涼
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1033-I_1038, 2018
被引用文献数
2

合田は,ヨーロッパ諸国が中心として進めたCLASHデータに基づいて,自らが提案した護岸上越波流量推定図表に代わる経験式を提案し,その成果が今後の海岸保全施設の設計・計画に役立つことを期待すると述べている.しかしながら,合田の与えた越波量算定式による推定値と実験値や現地観測値との比較はかなりのばらつきを見せており,現場技術者はその活用に躊躇している.合田の与えた経験式が実際に活かされるためには,現設計法との比較が必須である.本研究は,合田の与えた経験式による推定値と合田の越波流量推定図表との比較を行い,経験式の修正を行っている.さらに,合田の越波流量推定図表との隔たりの要因を,CADMAS-SURFによる数値計算値との比較で明らかにしている.
著者
田中 則章
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.128-130, 1998-04-15 (Released:2017-04-30)
著者
田中 弘
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.47-67, 2003-03
著者
森吉 雄大 荒牧 真悟 中島 翔太 田中 幹也
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.18-19, 2015

高齢化の深刻に伴い,介助者が不足しています。介助者は,高齢者がベッドから離れる際の安否確認が必要とされているが,それが難しくなっています。そこでマットセンサを用いたが,マットセンサは検知範囲が一定であり,またマットでつまずく可能性があります。これらを解決するために本研究では,1次元輝度分布センサを用いた離床検知を提案する。
著者
田中 隆一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

福島原発事故に対応して、文部科学省は小中高向けの放射線副読本を昨年10月に作成し、今年度はそれを使用した放射線授業の全国的な実施を指導している。本報告では副読本の記述内容の傾向に関する調査をもとに、放射線教育の問題点と方向性を考察する。
著者
山本 雄平 田中 成典 姜 文渊 中村 健二 田中 ちひろ 清尾 直輝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.1334-1350, 2018-05-15

我が国では,2020年の東京オリンピックに向けて,スポーツに関わる政策が積極的に推し進められている.その施策の1つである「スポーツ × ICT」では,スポーツ分野における計測機器の開発やデータ計測と可視化手法の高度化,そして新サービスの提案など,最新ICTの効果的な利活用が進められている.しかし,スポーツ分野にICTを適用する試みは始まったばかりの黎明期であり,教育現場や地域クラブの指導者のみならず,高度な専門知識を保有したスタッフにおいても,自在に操ることは難しい.そこで,本研究では,「スポーツ × ICT」に関わる既存研究を調査し,現状把握と効果的な活用方法を模索するとともに,アメリカンフットボールのプレーデータの可視化システムを開発する.そして,選手にセンシング機器を適用し,統計的手法と組み合わせてプレー分析を行い,カレッジフットボールの監督・コーチなどの指導者に新たな気づきを提供できるかの観点に基づき,実用の可能性を検証する.In our country, policies regarding sports are actively advanced towards the Tokyo 2020 Olympic Games. One of those policies, "Sports × ICT" considers effective methods of utilizing ICT (Information and Communication Technology), such as development of measurement instruments, measurement and visualization of data, and proposals for new services in the field of sports. However, since attempts to apply ICT to sports have just started these days, it is difficult not only for the leaders in schools and local sports clubs but also for the staff who possess advanced expert knowledge about sports to make full use of ICT as desired. In this research, an investigation is made into the trend of studies related to "Sports × ICT" with a focus on field sports, and a visualization system for a positional play analysis is developed to grasp the present state of team and to grope the methods of practical use. Then, its practicality is verified through motion analysis of American football players using the measuring terminal device to be combined the statistical methods, based on whether it is capable allowing the college football leaders such as managers and coaches to perceive something new.
著者
田中 和幸 寺島 茂 岩本 洋 黒石 正子 山内 格
出版者
一般社団法人 日本超音波検査学会
雑誌
超音波検査技術 (ISSN:18814506)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.52-59, 2015

今回我々は,妊娠中期での胎児超音波スクリーニング検査にてまれな先天性奇形の一つとされる単眼症を強く疑う1例を経験したので報告する.症例は22歳女性(妊娠17週5日),妊娠歴は1経妊1経産.超音波検査で体幹は週数相応で異常を認めないが,頭部は小さく,大脳の位置する前頭部頭蓋内部構造は非対称性でやや偏位しmid line echoおよび透明中隔の描出は困難であった.また顔面には二つの眼球が接して存在し,前額部に長鼻構造を認め単眼症が強く疑われた.流産児は,顔面中央一眼裂内に二つの眼球が接した接眼と前額部に長鼻構造を認め,耳介は両側頭部下部に認めた.胎児染色体検査では異常は認められなかった.<br>本症例は顔面所見より単眼症が強く疑われ,小頭症,頭蓋内構造異常も認められた.単眼症の多くは自然流産すると考えられ出生はまれとされる.また出生できても予後は非常に不良とされる.成因については染色体異常も報告されているが詳細は不明とされる.本症例でも明らかな成因はなく,偶発的に発生したものと思われる.<br>生存の可能性がない単眼症を妊娠早期に診断できれば,早期に母体の負担を軽減することも可能となることから,これを十分に考慮した胎児超音波スクリーニング検査が重要と考える.
著者
田中 孝幸
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.452-456, 1988 (Released:2007-07-05)
参考文献数
10
被引用文献数
3 4

ツバキ属植物が自家不和合性を持つことを利用して‘凱旋’と類似品種の同定を次のような考えで行った.すなわち, 1) A×Bの交雑で結実が見られない時, AとBとは同じクローンであるか, または偶然に同じ自家不和合遺伝子を持っている, 2) A×Bの交雑で結実が見られた時, AとBとは異なるクローンである. このことを利用して, ‘紅玲’, ‘楊貴妃’と‘凱旋’とが同じクローンであろうと推定した. その検定期間を短縮し, より正確なデータを得るため, 柱頭内での花粉管の伸長と胚珠内での受精の有無を調べた. 後者の方法で, 受粉後9日目から自家授粉と他家授粉との区別が明らかとなった.
著者
田中 和
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会雑誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, 1962-04