著者
佐藤 恵 田中 ゆかり 藤本 真奈美 鴫原 正世
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

<b>【目的】 </b>北海道は明治維新後の国策により、沖縄を除く日本各地からの移住者が入植し、この地を築いた開拓の歴史があり、その中から独自の文化が生まれた。食文化についても例外ではなく、各々出身地の伝統食を継承しつつ、そこに厳寒の地で生き抜くための工夫が施され、北海道独自のものへと変化していった。本研究は、北海道が発祥ともいわれ、道民に慣れ親しまれている郷土料理の一つ「甘納豆(金時豆等)入り赤飯」について、そのルーツを辿り、他都府県とは異なる&ldquo;北海道の赤飯文化&rdquo;を明らかにすることを目的とした。<br><b>【方法】 </b>2008年~2011年の入学生に対し、6月~8月に『赤飯アンケート調査』・『家庭での聞き取り調査』・『市場調査』を実施した。調査対象者は、本学学生、食物栄養科569名・保育科585名、合計1154名である。回答者のうち、北海道出身学生の回答を集計し、甘納豆入り赤飯の実態を調査した。<br><b>【結果】 </b>アンケート調査の結果、甘納豆入り赤飯の認知度は100%であったが、全国的に認知度が低いことを「知らなかった」「聞いたことがある・最近知った」と回答した学生が、全体で67%、多い年で74%であった。好きな赤飯の種類については、「甘納豆入り赤飯が好き」と回答した学生が全体で68%、多い年で76%、「小豆の赤飯が好き」と回答した学生が全体で9%、多い年で10%であった。また、市場調査の結果、北海道で販売されている赤飯は、年中行事に関係なくお弁当やおにぎりと常に同等に扱われ、販売店のもち米売り場では甘納豆と食紅が並べられている等、陳列方法も独特であった。これらのことから、道民には甘納豆入り赤飯が、北海道の赤飯として一般的であることが示唆された。
著者
西原 健司 山岸 功 安田 健一郎 石森 健一郎 田中 究 久野 剛彦 稲田 聡 後藤 雄一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.247, 2012 (Released:2012-08-15)

日本原子力学会和文論文誌 Vol. 11, No. 1 (2012), pp.13-19   著者の申し出により,14–16頁の Table 4, 7(1/2), 7(2/2)に誤りがありましたので,PDFの通り訂正いたします。
著者
鈴木 福二 田中 宗男
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.413-428, 1982-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1
著者
会沢 成彦 田中 寛人 Z. Kuznetsova F. Toppan
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.3087, 2017 (Released:2018-04-19)

非相対論系におけるスピン1/2粒子の方程式であるLevy-Leblond方程式の対称性について調べた結果を報告する. まず,古典的なリー対称性の範囲では N=1 super Schrodinger 代数が最大の対称性であることを報告する. 次に,微分方程式の対称性としてより一般的な定義を採用すると,Z_2 !LaTeX$\times$ Z_2 次数付代数が対称性として現れることを示す. この事実は空間3次元のLevy-Leblond方程式に限らない. その実例として,クリフォード代数の表現論を応用して空間の次元が1と2の場合にも同様の結果が得られたことを報告する.
著者
田中 晃代
出版者
近畿大学総合社会学部
雑誌
近畿大学総合社会学部紀要 (ISSN:21866260)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.11-18, 2012-03

[Abstract] The purpose of this study is to verify whether to support citizen participation in community planning in the City Hall and study how to do it. In this study, community planning in Toyonaka has been taken up as a case study. Initially, technical assistance that the administrative staff provided to the citizens involved in community planning in Toyonaka was later to be inherited. Technical assistance is provided by the project team comprising local government officials, and business representatives give advice to citizens. Such technical support measures are likely to decline. Therefore, it is necessary to improve staff morale.著者専攻: まちづくり
著者
田中 和彦
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.136, pp.143-152, 2017-03-31

2013 年(平成25)年にアルコール健康障害対策基本法が成立し,わが国のアルコール依存症を含めたアルコール健康障害対策は新たなステージに入った.2016(平成28)年に閣議決定された「アルコール健康障害対策推進基本計画」では,「アルコール健康障害に対する予防及び相談から治療,回復支援にある切れ目のない支援体制の整備」が挙げられており,地域におけるアルコール依存症治療における連携体制の確立が急がれる.わが国では,アルコール依存症が医療化した1961(昭和36)年以降,自助グループの誕生と相まって,各地の実情に合わせたアルコール依存症治療のための連携が取り組まれていた.その代表的なものが,大阪方式,世田谷方式,三重モデルである.本稿では,この3 つのモデルのレビューと比較検証を行った.その結果,3 つのモデルは二次予防から三次予防に比重を置いた連携体制であることがわかり,アルコール依存症の「医療化」という目的に基づいた連携体制であることが分かった.一方でそれぞれのモデルが進化,発展を遂げており,一次予防を含めた取り組み,すそ野の広がるアルコール問題への対応などに取り組んでいることも明らかになった.今後の課題として,医療化してきたアルコール問題を,医療化の視点のみならず,地域課題としてとらえていく視点の重要性,アルコール問題の予防から,早期発見,介入,治療,回復支援と地域生活を支えるアルコール問題トータルサポートネットワークの必要性が示唆された.
著者
田中 啓治
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.246-248, 1994-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7
著者
鶴田 穣士 岡 夏樹 田中 一晶
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

音楽を用いたコミュニケーション手段として,ジャムセッションというものがある.それを人間と機械の間でも可能としたものがジャムセッションシステムであり,今まで多く研究がなされてきた.ジャムセッションではボーカルがスキャットと呼ばれる歌唱法を用いることがある.本稿では,ユーザの演奏に対してシステムが初音ミクを用いてスキャットを返すという形態のジャムセッションシステムを提案する.また,この提案システムでは,ジャムセッションを通してユーザが好むスキャットの言葉を強化学習することを目指した.提案システムの実装を行い,ユーザが好むスキャットの言葉の学習を確かめた.
著者
田中 美保子
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.289-304, 2016-03-15

Lucy M. BostonのGreen Knoweシリーズは、Bostonが長年住んでいた、ケンブリッジ州セント・アイヴズ市近くのヘミングフォード・グレイ村にある大ウーズ川沿いの家で、イングランドで人が住み続けている最古の民家と言われているものを元に創られた想像上の館を舞台に書かれた全6巻からなるシリーズである。シリーズ全体が、非常に深いレベルで「宇宙に受け入れられる」感覚と、時の変化と死を受け入れることにまつわる物語になっている。そして、シリーズのどの作品においても、音と静寂が繊細で神秘的な効果をもたらしている。ともすればBostonの情景描写の巧みさに目がいくが、真に注目すべきは、それぞれの巻には独特のテーマがあり、文体や構成なども巻ごとにテーマ(あるいはBoston自身が語ろうとしているもの)に合わせて、随時、選択されていることである。作家の姿勢として、児童書に当然とされているものを拒み、幼い子ども読者にもかなり多くの理解力を要求する点も個性的である。第1巻The Children of Green Knowe (1954)では、「歓迎」と「帰郷」という奥深い物語と共に、時間と過去の世代という中心的テーマが語られる。そこでは複雑な時代模様が提示され、過去がさまざまな形で主人公の少年の周りを囲んでいる。また、その文体も、「音調詩」や「雰囲気語り」とでも命名したい独特のものである。第2巻The Chimneys of Green Knowe (1958)でも現在と過去の物語が語られるが、第1巻よりも物語は淡々と進む。「音」の小説であると言えると同時に、Bostonは、描写できないことを描写する言葉の使い方に文体上の挑戦を行い、イメージのないものを意識的にイメージして、見えない存在を言葉の絵画に塗りこめたような描き方を選択している。第3巻のThe River at Green Knowe (1959)では、Bostonは、三人の新しい人物を登場させることで、ふさわしくない場に無理矢理移住させられることへの問題意識を明らかにしている。また、この作品は「子どもであること」についての物語でもある。そこには、作家Bostonの、子どもという存在に対する飾りのない一貫した理解が表れている。Bostonは子どもたちと同じ地平に立つ同類なのである。同時に、この作品は、時間と宇宙の全体論的観点と、その中にいる子どもたちの位置を示しているとも言える。章立てをせず、大きな絵の中に描き込まれたエピソードのようにさまざまな事件が起きる。(次号に続く)
著者
表 摩耶 脇本 裕 亀井 秀剛 浮田 祐司 原田 佳世子 福井 淳史 田中 宏幸 柴原 浩章
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.134-142, 2018

<p>慢性早剥羊水過少症候群(chronic abruption oligohydramnios sequence;CAOS)は,一般に周産期予後は不良で初回出血の週数が早いほど予後が悪いとされている.今回,われわれは異なる経過をたどり,CAOSの予後規定因子について示唆に富む2症例を経験したので報告する.症例1は妊娠14週4日より性器出血と絨毛膜下血腫(sub-chorionic hematoma;SCH)を認め,妊娠23週4日に腹痛と多量の性器出血により当院に救急搬送され入院管理となった.入院後も性器出血は持続し,妊娠24週1日で羊水過少を認めCAOSと診断した.妊娠31週6日に陣痛が発来し経腟分娩となり健児を得た.胎盤病理は絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis;CAM)を認めなかった.症例2は妊娠15週4日に性器出血を認め当院に受診し,SCHを認めた.妊娠16週1日より持続する性器出血と子宮収縮を認め入院管理とした.同時期より羊水過少を認めCAOSと診断した.妊娠21週3日より子宮内胎児発育停止を認め,妊娠24週1日で子宮内胎児死亡となり,妊娠24週6日に経腟分娩した.胎盤病理はCAM III度であった.2例の経過を比較すると,CAOSにおいてもCAMという炎症の長期持続が児の予後不良因子であった可能性が示唆された.SCHに羊水過少を認めた場合はCAOSを念頭に,児の関連合併症に注目するとNICU併設の高次医療機関での周産期管理が推奨できる.〔産婦の進歩70(2):134-142, 2018(平成30年5月)〕</p>
著者
田中 和重 落合 裕之 野田 喜寛 勝見 良子 小林 智子 石丸 智之 土屋 隆之
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.54, 2003 (Released:2004-01-08)

足関節外側靭帯損傷は足関節の外傷中最多であり、捻挫をして治療を受けないまま放置し、繰り返し再発を来たして足関節に不安定性を呈し、習慣性捻挫や変形性関節症(以下OA)を来たす事が知られている。今回、陳旧性前距腓靭帯損傷に対し、薄筋での靭帯再建術を施行し、日常生活において装具除去は術後3ヶ月、レクリエーションレベルの運動は装具装着にて2.5_から_3ヶ月、競技レベルの運動は術後半年より開始とした。膝屈伸筋トルクの健側との比較も行い術後3ヶ月の時点で膝屈曲:64.0%(60°/sec)、67.3%(180°/sec)、伸展80.3%、96.4%へと改善見られた為、ジョギング開始。3.5ヶ月よりサイドステップを開始。6ヶ月で底屈筋力5/5となり安定性も良好な為、クラブレベルのスポーツ復帰した2症例を経験したので報告する。今回の術式は強固な安定性が得られる為、膝屈曲筋力と荷重時期に重きをおいた。膝の筋トルクを比較し、スポーツ復帰の1つの指標とした。1症例については足関節安定性が得られても、遊離軟骨や、OAを伴う症例は後療法が長期化し、不安定性が長期化した場合、軟骨損傷は避けられずOAへ移行する事が予想される。