著者
桑田 耕太郎 松嶋 登 石川 哲也 高田 昌樹 原 拓志 高尾 義明 松尾 隆 井上 福子 高橋 勅徳 西村 孝史 水越 康介 宮尾 学
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、所与の科学技術を産業利用する既存のイノベーション研究ではなく、科学技術の変化や産業構造の変化を伴った根源的なイノベーションのプロセスを理解するための分析枠組みと理論を構築し、先端科学技術と産業の国際競争力の向上をダイナミックに結びつける理論と方法を確立することにある。ビッグサイエンスのリサーチサイトとして、理化学研究所の協力の下、大型放射光施設(SACLAやSPring-8)を取り上げる。本研究では、「科学は社会化され、社会は科学化される」という視角を採用し、世界最先端の大型放射光施設を生み出す産業の実践、その施設を利用する科学技術者の実践、その研究成果を利用する産業の実践のダイナミクスを研究し、科学・技術と産業社会の分業構造が根幹から再編成されるプロセスを分析する。研究3年目となった本年は、これまでの研究蓄積を踏まえつつ、大きく4つの論点についてそれぞれ研究を進めた。第一に、科学と産業の相互影響の歴史に取り組み、これまでに引き続き研究蓄積の整理分析を行うとともに、各分野でのヒアリング調査を中心として、放射光科学の歴史を確認した。第二に、ビッグサイエンスを支えるビジネス・エコシステムの社会的形成、および、第三にビッグサイエンスを媒介にした社会的実践の変化を捉えるため、大型放射光施設に関わる企業のイノベーションを確認した。さらに第4として、地球レベルでのイノベーション・システムの探求に取り組むべく、研究会や学会報告を行い、研究枠組みの精緻化を進めた。
著者
木村 真依子 川口 武彦 首村 守俊 熊倉 慧 岡田 絵里 上原 正樹 岡島 真理 山川 貴史 西村 元伸 石川 哲 今澤 俊之
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.641-646, 2017 (Released:2017-10-28)
参考文献数
29
被引用文献数
1

71歳男性. 透析歴2年. 発熱, 前胸部痛を主訴とし, 酸素化低下と胸部単純X線で左肺野の浸潤影を認め, 肺炎の診断で緊急入院となった. 細菌性肺炎を疑い, セフトリアキソンの投与を開始したが, 第4病日, 炎症反応の上昇, 浸潤影の拡大を認めた. 非定型肺炎の合併を疑い, シプロフロキサシン (CPFX) を追加した. 第5病日, 無尿のため血清を代用した尿中レジオネラ抗原検出試薬による検査 (抗原検査) を行ったところ, 陽性であった. 導尿にて少量の尿が採取され, 尿中抗原陽性も確認した. レジオネラ肺炎と診断し, CPFXからレボフロキサシンへの変更にて軽快, 治癒し, 血清の抗原検査で陰性化を認めた. 透析患者は, レジオネラ肺炎の診断に用いられる尿の採取が困難であることが多い. 無尿の透析患者においては, レジオネラ肺炎の診断に, 血清を代用した抗原検査が有用である可能性が示された.
著者
石川 哲 宮田 幹夫 坂部 貢
出版者
メディカル葵出版
雑誌
あたらしい眼科 = Journal of the eye (ISSN:09101810)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.479-490, 2008-04-30
参考文献数
60
被引用文献数
2
著者
吉富 健志 松井 孝子 向野 和雄 石川 哲
雑誌
日本眼科學会雜誌 (ISSN:00290208)
巻号頁・発行日
vol.100, no.10, pp.825-831, 1996-10-10
参考文献数
18
被引用文献数
12
著者
石川 哲也
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.4-8, 2014-02-28 (Released:2014-03-05)
参考文献数
17

SPring-8 Angstrom Compact free electron LAser(SACLA)is the world second X-ray laser which started user operation in 2012. As an introduction of the special issue, here we show how the SACLA project got started. While originated as a tiny R&D program within RIKEN, the SACLA project has been grown to one of the five National Key Technology projects in Japan. SACLA is the first step of the Compact X-ray free electron laser. Further downsizing of the facility is envisaged.
著者
横田 成司 伊藤 文夫 石川 哲生 山下 かおり 中澤 速和
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.104, no.4, pp.616-619, 2013-07-20 (Released:2014-08-04)
参考文献数
6

症例は75歳,男性.局所浸潤性膀胱癌(cT2N0M0)に対して根治的膀胱全摘術及びStuder法による代用膀胱造設術を施行した.術後20日目に多量の水様性下痢症状を認め,膀胱造影にて代用膀胱直腸瘻と診断した.代用膀胱内にフォーリーカテーテルを留置し保存的に加療した.4カ月後の膀胱造影にて瘻孔の閉鎖を認めた.代用膀胱直腸瘻は稀有な合併症であり,我々が調べえた限り,これまでに文献的な報告はみられない.症例を提示するとともに,代用膀胱・膣瘻に関する文献を参考に,その成因,診断,治療について考察を加えた.
著者
石川 哲郎 高田 未来美 徳永 圭史 立原 一憲
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-18, 2013-05-30

1996〜2011年に、沖縄島の266河川において、外来魚類の定着状況と分布パターンを詳細に調査した結果、13科に属する30種1雑種の外来魚類を確認した。このうち、温帯域から熱帯域を含む様々な地域を原産とする合計22種(国外外来種19種、国内外来種4種)が沖縄島の陸水域で繁殖していると判断され、外来魚類の種数は在来魚類(7種)の3倍以上に達していた。繁殖している外来魚類の種数は、20年前のデータと比較して2倍以上に増加していたが、これは1985年以降に18種もの観賞用魚類が相次いで野外へ遺棄され、うち10種が繁殖に成功したことが原因であると考えられた。外来魚類の分布は、各種の出現パターンから4グループに分けられた:極めて分布が広範な種(カワスズメOreochromis mossambicusおよびグッピーPoecilia reticulata)、分布が広範な種(カダヤシGambusia affinisなど4種)、分布が中程度の広さの種(マダラロリカリアPterygoplichthys disjunctivusなど5種)および分布が狭い種(ウォーキングキャットフィッシュClarias batrachusなど20種)。外来魚類の出現頻度と人口密度との間には正の相関が認められ、外来魚類の出現パターンと人間活動との間に密接な関係があることが示唆された。外来魚類は、導入から時間が経過するほど分布を拡大する傾向があったが、その速度は種ごとに異なっていた。特に、日本本土やヨーロッパにおいて極めて侵略的な外来魚類であると考えられているモツゴPseudorasbora parva、オオクチバスMicropterus salmoidesおよびブルーギルLepomis macrochirusの分布拡大が遅く、外来魚類の侵略性が導入された環境により異なることが示唆された。沖縄島の陸水域において新たな外来魚類の導入を阻止するためには、観賞用魚類の野外への遺棄を禁ずる法規制の整備と共に、生物多様性に対する外来生物の脅威について地域住民に啓発していくことが重要である。
著者
永西 修 寺田 文典 石川 哲也
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.599-603, 2002-02-15
被引用文献数
3

実験1ではアミロース含有率が異なる3品種(コシヒカリ, ミルキークイーン, コシヒカリ糯の玄米について, 実験2では窒素の施用水準を変えて栽培した2品種(アケノホシ, 夕カナリ)の玄米について, 飼料成分とナイロンバック法で第一胃内消化性を比較検討した。実験1で供試した玄米の飼料成分には品種間で明瞭な違いはなかったものの, 乾物(DM), 粗タンパク質(CP)およびデンブンの第一胃内での有効分解率(ED)はアミロース含有率が低い品種で高かった。また, 実験2では窒素の施用量の増加により玄米のCP含有率は増加するとともに, CP中の結合性タンパク質比率は低くなった。DM, CPおよびデンプンのEDは施肥条件による明瞭な違いは認められなかったものの, いずれのEDもタカナリがアケノホシよりも有意に低かった。以上のことから, 玄米の第一胃内DM, CPおよびデンプンの消化性はCP含有率よりもアミロース含有率に影響を受けると考えられた。
著者
城間 直司 石川 哲史 井上 康介 福岡 泰宏 森 善一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.763, pp.619-626, 2010-03-25

Autonomous control of an articulated steering type vehicle such as a wheel loader, which is usually used at surface mining fields to load mineral resources and rocks, is highly expected for operation cost reduction. A wheel loader is one of heavy machines which is also used for snow removing and/or loading operation at construction fields because of its high mobility. Its steering system is articulated steering and the rear wheels follow tracks where the front wheels have traveled. We have introduced a new virtual velocity constraint of the vehicle and formulated nonlinear state equations using two velocity constraints. A nonlinear state-feedback controller is designed using exact linearization. Simulation and experimental results show that an articulated steering type vehicle can follow a straight line with the proposed feedback control method.
著者
石川 哲也 山本 照子 佐々木 真一 高橋 賢次 藤山 光治 三谷 清二
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.65-75, 1999
被引用文献数
10

不正咬合や矯正治療が患者に与える心理的・機能的影響を知ることを目的として岡山大学歯学部附属病院矯正科における患者および保護者にアンケート調査を実施し, 回答不備, 口唇裂・口蓋裂, 外科的矯正治療, 特殊疾病を伴わない患者719人(男子233人, 女子486人), 保護者555人(男子患者199人, 女子患者356人)から以下のような結果を得た.1. 「矯正治療前, 歯並びや口元のことでからかわれたりいじめられたことがあった」と答えたのは男子9.4%, 女子12.1%であった.また, 「歯並びが気になり消極的な性格だったと思う」と答えたのは男子1.7%, 女子6.8%であったが, その中で「治療後積極的になった」と答えたのは58.8%であった.2. 「歯並びや口元が悪いと将来何か損をする」と思っている患者は, 男子27.9%, 女子38.7%で, 「将来子供の歯並びが自分と同じようになるか心配している」患者は, 男子16.7%, 女子32.7%であった.またともに男女別, アンケート調査時の年齢別において有意差がみられた.3. 装置装着を「はずかしい」と答えたのは金属ブラケット使用者では男子40.0%, 女子56.9%, 白色又は透明ブラケット使用者では男子26.8%, 女子42.8%であった.4. 「矯正治療して良かった」と答えたのは男子患者89.0%, 女子患者88.6%, 男子患者の保護者96.2%, 女子患者の保護者94.2%であった.5. 「矯正治療前, 前歯または奥歯で良く噛めなかった」と答えたのは全体の18.5%であったが, その中で70.3%が「もっと噛むるようになりたい」と望んでおり, 79.6%が「治療後良く噛めるようになった」と答えた.