著者
永松 敦 足立 泰二 陳 蘭庄 篠原 久枝 宮崎公立大学民俗学演習 Atsushi NAGAMATSU Taiji ADACHI Lanzhuan CHEN Hisae SHINOHARA SEMINAR-MMU FOLKLORE 宮崎公立大学人文学部 宮崎大学 南九州大学 宮崎大学 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Miyazaki University Minami Kyushu University Miyazaki University Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.121-200, 2020-03-06

現在、伝統野菜・在来野菜のブームが地域創生との関連で湧き上がっている。特定の地域に根差した食材としての野菜を地域づくりに活用する試みが、全国各地で展開している。ただ、伝統野菜・在来野菜の定義が曖昧なまま広範囲に利用だけが促進されると、逆に、地域文化の改変、及び、損失につながりかねない状況も起こりうる危険性も孕んでいる。本稿では、従来の見解を一度、整理しなおし、宮崎、鹿児島(種子島)の事例を中心に、理想的な伝統野菜・在来野菜利用のあるべき姿を探ってみたい。 末尾に、在来野菜に関する助成事業の報告書3種を添付する。
著者
篠原 久枝 長野 宏子 磯部 由香 秋永 優子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】日本調理科学会特別研究平成24~25年度「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の聞き書き調査を元に,宮崎県の家庭料理の主菜の特徴を明らかにすることである。<br>【方法】平成24~26年度に県内の8地区11ヶ所の昭和2年~昭和22年生の女性35人を対象に,昭和30~40年代から作られていた家庭料理について聞き書き調査を行い,主菜に分類される料理を抽出し特徴について検討した。<br>【結果】昭和30~40年代は、多くの農家の庭先で鶏が飼われていたが、卵は貴重品であり生で食したり、卵焼きにして弁当のおかずとした。正月や祭り、屋根の吹き替えなどの行事がある時には、鶏をつぶして刺身や煮物、すき焼きにして食された。大ばらし(足分け)までは男性の仕事であった。北部山間部では、豚一匹を使った料理(諸塚村)やアシナガやキイロなどの蜂の子を使った料理(五ヶ瀬町)も見られた。魚介類は地域差が見られ、北部沿岸部(延岡市)では、ぐち、いか、鰯、アジなどが多くとれ、日々の食事に魚を切らすことはなかった。内陸部や山間部では、昭和30年代までは、塩をしていない魚(無塩)は滅多に手に入らず、塩イワシやイワシの丸干しが食されていた。北諸県地区(都城市)では、イワシの丸干しをてんぷらにした「魚んてんぷら」が運動会や田植えのさのぼりの時のご馳走であった。南那珂地区(日南市)ではイワシのすり身に豆腐と黒砂糖を合わせて揚げた「飫肥のてんぷら」が冠婚葬祭の時に食されていた。豆腐は各家庭で作られていたが、東臼杵南部の椎葉村では、焼畑で栽培した大豆を使って、平家カブの葉や藤の花を入れた「菜豆腐」が作られていた。以上より、ひなたの海幸・山幸を活かした主菜が各地区でみられた。
著者
篠原 久男
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.23-24, 1953

In this paper the anther studied on the air temperature of which influences the first flowering-date of the flowering cherry at the five places in Korea. Each periods which air temperature influence first flowering. Mate is as follows. And() shows daily mean air temperature &deg;C.<br>Pusan Feb. 12 (2.5)-Apr. 3 (10.3). Wonsan Feb. 10 (-2.8)-Apr. 21 (10.2).<br>Mokko Feb. 24 (2.1)-Apr. 10 (10.2). Sonchin Feb. 15 (-3.0)-May 6 (9.3).<br>Chonju Feb. 11 (-0.9)-Apr. 12 (10.3).
著者
篠原 久枝 金子 佳代子 品川 明
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.16, 2017 (Released:2017-07-08)

【目的】牛乳は良質のたんぱく質やカルシウムの給源として学校給食にも導入され、家庭科における食品群の学習にも明記されてきた。一方、近年は乳アレルギーなどの問題も指摘されている。そこで、本研究では小学校~中学校の家庭科の教科書において「牛乳・乳製品」がいつごろから、どのように取り扱われてきたのかを明らかにすることを目的とした。【方法】公益財団法人教科書研究センター附属教科書図書館所蔵の学習指導要領に準拠した平成27年までに発刊・使用されてきた小学校家庭科、中学校技術・家庭科の教科書を分析対象とした。【結果・考察】「牛乳・乳製品」は、小・中学校を通じて「三色食品群」、「6つの基礎食品」などに一貫して必ず記載されてきた。中学校家庭科においては、我が国の食生活における「牛乳・乳製品」の受容の変化に伴い、「食品の保存方法」や「食品添加物の使用例」、「特定保健用食品」、「アレルギー原因物質」、「食糧自給率の例」など多彩な記載となり、調理実習における使用例も増加した。しかしながら、牛乳の種類による栄養成分の比較や殺菌方法などの記載はなく、今後は、調理科学的な視点や消費者として適切な食品選択、消費生活と環境の視点なども必要であろう。
著者
渡邉 文之 篠原 久仁子 土橋 朗 天貝 賢二 原 和夫 倉田 香織 飯嶋 秀郎 島川 清 島田 匡彦 阿部 櫻子 武井 敬司 亀井 美和子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI
巻号頁・発行日
vol.136, no.9, pp.1243-1254, 2016
被引用文献数
3

&emsp;This study built a protocol for drug therapy management (hereinafter &ldquo;the protocol&rdquo;) that would enable continuous support from the decision making of smoking cessation therapy to the completion of therapy through the collaboration of physicians and community pharmacists, after which we evaluated whether the use of this protocol would be helpful to smoking cessation therapy. This study utilized the &ldquo;On the Promotion of Team-Based Medical Care&rdquo;, a Notification by the Health Policy Bureau as one of the resources for judgment, and referred to collaborative drug therapy management (CDTM) in the United States. After the implementation of this protocol, the success rate of smoking cessation at the participating medical institutions rose to approximately 70%, approximately 28-point improvement compared to the rate before the implementation. In addition to the benefits of the standard smoking cessation program, this result may have been affected by the intervention of pharmacists, who assisted in continuing cessation by advising to reduce drug dosage as necessary approximately one week after the smoking cessation, when side effects and the urge to smoke tend to occur. Additionally, the awareness survey for the intervention group revealed that all respondents, including patients who failed to quit smoking, answered that they were satisfied to the question on general satisfaction. The question about the reason for successful cessation revealed that the support by pharmacists was as important as, or more important than, that by physicians and nurses. This infers that the pharmacists' active engagement in drug therapy for individual patients was favorably acknowledged.<br>
著者
篠原 久枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.161, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 月経は生理的な現象であるが,武谷雄二氏らの調査によると,調査対象者の3割の女性が鎮痛剤服用にも関わらず日常生活に支障をきたすほどの月経随伴症状に悩まされていると報告されている。そこで本研究においては,女子学生の月経随伴症状の実態と問題点,課題を明らかにし,今後の適切なセルフケアのあり方について考察することを目的とした。方法 M大学に在籍する女子学生を対象に,平成24年10月~11月無記名自記式質問紙を実施した。調査項目は月経随伴症状の実態や対処法,食生活・生活習慣などである。配布数252部,有効回答数195部,有効回答率は77.4%であった。倫理的配慮ならびに個人情報の保護については十分に留意した。結果 調査対象者の約半数が重度の月経痛を抱えていた。月経随伴症状16項目について因子分析を行なったところ,「痛み以外の身体症状」,「情緒的な症状」,「吐き気や痛み」の3因子が抽出された。これらの症状には,先行研究と同様に不規則な食生活が影響しているという結果が得られた。「布ナプキン」についての関心は,約2割しかみられなかった。月経随伴症状を抱えていても「がまんしている」という回答も多く見られ,望ましい食生活の指導や,マンスリービクスや布ナプキンなどのセルフケアの周知が課題であろう。
著者
篠原 久
出版者
関西学院大学
雑誌
經濟學論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.73-100, 1976-02-25
著者
篠原 久
出版者
関西学院大学
雑誌
経済学論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.p83-101, 1978-01
著者
菅井 俊樹 篠原 久典
出版者
名古屋大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

犬山P/T境界試料中にわれわれは、フラーレンC_<60>を発見し、試料中の濃度は10pptであることをつきとめた。さらに、金華山P/T境界試料や犬山P/T境界近傍試料など複数箇所の試料から、1ppt程度のフラーレンを検出した。C_<60>はサッカーボール型分子でフラーレンの代表的物質であり、これまで主に実験室で合成されてきた。ところが近年、恐竜が絶滅した6500万年前のK/T境界の試料中にC_<60>が発見されるなど、天然試料中にも存在することが明らかになってきた。この地球環境におけるC_<60>をはじめとする炭素フラーレンは木材などの有機物の燃焼や、雷などにより炭素を含む物質が蒸発・反応したことにより生成すると考えられている。フラーレンは生成条件が上述したように特殊であり、また生成後は非常に安定で水にも不溶である。これらの性質から生成時の地球環境を推測する新しい指標として有望である。われわれがC_<60>を発見した2.5億年前のP/T境界では、全地球史史上最大規模の生物の大量絶滅が起こり、海洋生物種の95%が絶滅した。この原因として、超大陸パンゲアの生成による地殻・気候変化と海洋における酸素欠乏などがあげられているが、物証が少なくよく分かっていない。C_<60>は酸素や水素の少ない条件下で効率よく生成するので、P/T境界時のC_<60>の地殻存在濃度を時代を追って調べることにより、各時代にどのような自然環境であったかが明らかになり、生物の大絶滅を解明できる可能性がある。具体的には以下のような方法でC_<60>を発見した。まず愛知県犬山の2.5億年前の黒色泥岩層から約2kgの試料をとり粒径1mm以下に粉砕した。つぎに、珪素や鉄などのC_<60>以外の部分を取り除くため弗化水素酸で一月間溶解させた。C_<60>が含まれている不溶部分をろ過して取り出し、トルエンで超音波洗浄を用いてC_<60>を抽出した。抽出溶液を高速液体クロマトグラフィーとアレイ型検出器を用いて検出・同定した。複数箇所のP/T境界試料からC_<60>が発見されたことで、この時代に地球規模のフラーレン生成を引き起こす現象が起こっていたことが明らかになった。現在のところ生成原因はパンゲアの地殻活動に伴う山火事などで生成したものと考えている。P/T境界時の自然環境との関係とC_<60>濃度の時間・地域依存性を実験に基づいて考慮している。
著者
佐藤 衆介 西脇 亜也 大竹 秀男 篠原 久
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.95-104, 1999-03-03
被引用文献数
1

岩手県の低投入型放牧酪農家2戸(N牧場、K牧場)の家畜福祉性を、主として乳牛の行動の調査結果に基づき、乳生産や疾病記録を加味して評価した。両牧場とも急傾斜地にあり、面積はN、K牧場とそれぞれ46ha、40haで、改良草地放牧地、野草林間放牧地および採草地からなっていた。N牧場には、加えて採草放牧兼用地があった。両牧場ともまき牛繁殖で、放牧地での自然分娩であった。N牧場では2ヵ月齢までの自然哺乳、K牧場では3ヵ月齢まで人工哺乳であった。両牧場ともに、無施肥による放牧地管理をし、フスマやビートパルプといった農産副産物の他には、濃厚飼料は無給与という低投入型で、牛乳を4,000kg/頭/年程度生産していた。N牧場の乳牛では、全行動レパートリーが出現したが、6月の食草・樹葉摂食行動は1日当たり平均11.0時間となり、それは過去の報告例の上限に近い水準であった。強制離乳子牛1頭に模擬舌遊び行動が観察された他には、異常行動は観察されなかった。K牧場では、人工哺乳のため母子行動は発現できなかった。K牧場での全摂食行動(食草、樹葉摂食、給与飼料摂食)は6月および7月には昼夜を問わず間断的にみられ、それぞれ1日当たり平均52時間および82時間であった。しかし、9月の食草・樹葉摂食時間は2.8時間と極端に短くなり、特にシバヘの依存が急激に低下した。N牧場では1994年の治療回数は2回で、捻挫と子牛の奇形による難産が理由であった。K牧場では1995年には下痢子牛3頭、後産停滞2頭、起立不能症1頭で治療を要した。両牧場とも、ウシの疾病率が低く、さらに異常行動は1頭を除き発現せず、行動レパートリーのほとんどが出現し、各行動時間配分も通常範囲内にあり、行動的にもほぼ正常であり、家畜福祉レベルは平均的な酪農家に比べて高いと判断された。しかし、N牧場では、強制離乳された子牛のストレス性の軽減が、K牧場では晩夏以降の草生の改善が、さらなる家畜福祉性改善に必要であると示唆された。日本家畜管理学会誌、34(3) : 95-104、1999 1998年4月16日受付1999年1月7日受理
著者
篠原 久
出版者
関西学院大学
雑誌
經濟學論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.573-593, 2004-12-31

There is a similarity in argument between Adam Smith's posthumous essay 'Of the External Senses' and Thomas Reid's Inquiry into the Human Mind. George Berkeley's New Theory of Vision was their common source of thought. The unique argument for 'instinctive perception' which Smith presents at the end of his essay, however, finds its echoes in the opening paragrath on 'Prudence' in his final edtion of The Theory of the Moral Sentiments.