著者
吉留 浩 長友 博文 水田 隆史 佐藤 健一郎 宮前 稔 古野 鶴吉
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.125, pp.7-23, 2018-06-30 (Released:2020-07-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

‘はると34’は,1997年に宮崎県総合農業試験場茶業支場において,‘さえみどり’を種子親,‘さきみどり’を花粉親として交配した実生群から選抜された極早生の緑茶用品種である。2007年から2015年まで‘宮崎34号’の系統名で宮崎県を含む全国の14試験場所 (一部の場所は2010年まで) で系統適応性検定試験第12群として地域適応性試験等を実施した。更に,2011年から2013年までは農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業23014に参画した試験場所の一部で特性調査を行った。その結果,‘はると34’は,温暖地の好適条件の茶産地であれば,高価格が期待できる一番茶の極早期に製茶できる品種で,煎茶,釜炒り茶いずれにおいても品質が優れる良質極早生品種として普及に移し得ると判断され,2016年1月12日に種苗法に基づく品種登録出願を行い,2016年12月27日に品種登録出願公表された。‘はると34’の特性の概要は次のとおりである。1) 樹姿は‘中間’,樹勢は‘強’,株張りは‘やぶきた’より大きい。一番茶期の新芽は,萌芽後18日目の早い極みる芽の時期から30日目のやや硬化した時期まで‘さえみどり’より葉色が濃く,鮮やかな緑色である。2) 晩霜による生育遅延を受けなかった場合の一番茶の萌芽期は,‘やぶきた’より7日程度,摘採期は5日程度早い極早生品種であり,特に温暖な茶産地では摘採期が‘やぶきた’より10日程度,‘さえみどり’より5日程度早い。3) 一番茶,二番茶の収量は‘やぶきた,さえみどり’より多い。4) 耐寒性は,裂傷型凍害や赤枯れ,青枯れには‘やぶきた,さえみどり’より強いが,越冬芽の凍害は‘ゆたかみどり,さえみどり’並に弱い。5) 耐病虫性は,輪斑病は‘やや強’,炭疽病,もち病には‘弱’である。クワシロカイガラムシに対する抵抗性は‘極弱’である。6) 製茶品質は,煎茶の一番茶は色沢,水色が特に優れ,‘やぶきた’より優れる。防霜施設が整えられた温暖地での栽培等,条件が良ければ‘さえみどり’より優れる時がある。煎茶の二番茶は色沢,香気,滋味が特に優れ,‘やぶきた,さえみどり’より優れる。釜炒り茶の一番茶では色沢,香気,滋味が特に優れ,‘やぶきた,さえみどり’より優れる。7) 煎茶及び釜炒り茶における一番茶荒茶の化学成分含有率は‘やぶきた’より遊離アミノ酸含有率が高く,タンニン含有率は低い。煎茶の二番茶荒茶の化学成分含有率は‘やぶきた,さえみどり’より遊離アミノ酸含有率が高く,タンニン含有率は低い。8) 一番茶の3.5葉期頃から80%遮光率5日間程度の直接短期被覆処理を行うと,製茶品質では形状,色沢,水色が向上し,化学成分含有率では遊離アミノ酸が増加し,タンニンが減少するため品質が向上する。
著者
齋藤 健一郎
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 = THE ECONOMIC REVIEW (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.143-174, 2019-07-26
著者
金森 岳広 竹下 有美枝 御簾 博文 加藤 健一郎 太田 嗣人 金子 周一 篁 俊成
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.803-808, 2012 (Released:2012-11-16)
参考文献数
16

症例はCMT病の48歳,男性.45歳時から口渇・多飲多尿を認め,46歳時の検診でHbA1c 10.8 %(NGSP)を認めた.当科に第一回入院時,身体所見で内臓脂肪型肥満(体重84 kg, BMI 28.1 kg/m2,腹囲101 cm)と四肢遠位部の筋萎縮を認め,高インスリン正常血糖クランプ検査はMCR 4.38 ml/kg/分と末梢組織における高度のインスリン抵抗性を示した.また,肝生検にて肝線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断した.食事・運動療法とインスリン療法を開始し,1年半の外来経過中に19.6 kgの減量(体重64.4 kg, BMI 21.8 kg/m2,腹囲75.5 cm)に成功し,HbA1c 5 %台の良好な血糖コントロールを得た.第二回入院時にMCR 6.86 ml/kg/分とインスリン抵抗性の著明な改善を認め,肝生検ではNAFLDの所見が消失した.CMT病合併糖尿病も肥満を伴う症例では,食事・運動療法による減量がインスリン抵抗性の改善と血糖コントロールに有効と考えられた.
著者
藤 健一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.51-65, 1996-03-25 (Released:2010-11-18)
参考文献数
37
被引用文献数
2 1

行動実験の実験動物として多用される脊椎動物のハトやラット, サルなどにおいて見いだされた強化スケジュールの機能について, 系統発生的に遠い共通の祖先を持つ現生の魚類の真骨類骨鰾目のキンギョを対象に選び, 反復実験を行った。その結果, 正の強化スケジュールの行動統制機能は, キンギョにおいても確認された。しかしながら, 魚類を対象とした強化スケジュール研究には多くの強化スケジュールが未着手のまま残されており, こういったスケジュールが, 既にその行動統制力が確認された動物種におけるのと同様の統制力を有しているという保証は無い。また, 魚類は陸生動物と異なり, 環境に直接はたらきかける身体器官が限定されており, このことがオペラント行動にもたらす制約についても研究される必要がある。さらに, 脊椎動物とは異なった進化の道筋をたどって現在に至った他の動物種, たとえば節足動物や軟体動物における強化スケジュールの行動統制力の体系的分析は, 現在のところ非常に少ない (Abramson, 1986) 。行動分析学の進むべき一つの方向としての行動分析学的比較行動学ないしは行動進化学 (佐藤, 1993) は, 体系的実験の行われることの少なかった脊椎動物や無脊椎動物についての強化スケジュール研究をも要請していると考えられる。
著者
齋藤 健一郎
出版者
小樽商科大学
雑誌
商學討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.139-193, 2016-07
著者
須藤 健一 Ken'ichi Sudo
出版者
小学館
雑誌
創造の世界
巻号頁・発行日
vol.109, pp.60-85, 1999-02-01
著者
松浦 陽子 佐藤 健一 川野 徳幸
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
広島平和科学 (ISSN:03863565)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.75-100, 2015-03

The purpose of this paper is to explore the peace concepts in Nagasaki by analyzing "Nagasaki Peace Declarations". First, we discuss the meaning components of a concept of peace in three dimensions: the substance or value dimension; the promoting factor dimension; and locus dimension. The results show: (1) The meaning components of the peace concept in the substance or value dimension come down to three further concepts; "nuclear abolition," "absence of war," and "relief for the atomic bomb survivors." (2) The meaning components in the promoting factor dimension can be divided into seven groups; "atomic bomb experience," "the Japanese government," "the United Nations," "treaty," "nuclear states," "countries" and "individual persons". (3) Each promoting factor dimension corresponds with specified meaning components in the substance or value dimension. For example, Nagasaki Peace Declaration expects "the United Nations" to promote "nuclear abolition" and "absence of war." (4) The concept of peace can be divided into two aspects; unchangeable and changeable aspects. (5) Unchangeable peace concept is the absence of war in the world and in the next generations. (6) The most important changeable components of the peace concepts are "nuclear abolition" and "relief for the Atomic Bomb Survivors" promoted by the Japanese government after 1980s.
著者
須藤 健一 Ken'ichi Sudo
出版者
弘文堂
雑誌
合田濤編 (弘文堂入門双書)
巻号頁・発行日
pp.50-73, 1989-12-20

現代社会人類学
著者
伊藤 健一 野村 龍太郎 小林 一隆
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.43-52, 1973-01-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9

X線テレビあるいは電子顕微鏡といった, 本来白黒の情報しかない映像にその濃淡に応じて着色するカラーディスプレイのひとつとしてスライス方式のものを完成した.本又ではその着色原理および使用したスライス回路, カラーマトリックス, ビデオフィルター, マグニファイア回路シェーディング補正回路などにつき説明し, 最後に本方式の誤差に言及した.
著者
中尾 佳行 地村 彰之 佐藤 健一 大野 英志
出版者
福山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

話法の研究は、近代の小説が中心的に行われ、その発達過程の調査は少ない。中世の韻文は殆ど扱われず、特に意味論では、Fludernik (1993, 1996)やMoore (2015)により部分的な検証がある程度で、チョーサーでの体系立てた調査は殆どなされていない。話法の設定の切り替えは、多くの場合その言語の意味を変容させ、話法は本質的に意味論の問題である。本研究では、話法を意味付けるタグを精緻化し、そのタグを多様な社会層の巡礼者が話をし、話法の多様性が見られる『カンタベリー物語』、これまでの研究で作成した電子化された4テクスト、Hg, El写本及び刊本に付加し、話法の意味論コーパスを構築する。
著者
石渡 信吾 鈴木 敦 岡 駿資 首藤 健一
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.442-445, 2015 (Released:2015-12-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1

In order to fabricate scanning probe tips, control of the electrochemical current is crucial to the radii of the head point. Equipment that monitors the current with a hysteresis switch, realized by means of a Schmitt trigger mechanism, enables the stable fabrication of high-quality tips. The details of the circuit design are described.
著者
佐藤 健一 冨田 哲治 大谷 敬子 佐藤 裕哉 原 憲行 丸山 博文 川上 秀史 田代 聡 星 正治 大瀧 慈
出版者
長崎大学
雑誌
長崎医学会雑誌 (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.186-190, 2012-09

平成20年度に広島県・市が主体となり黒い雨を含む原爆被爆体験による心身への健康影響や黒い雨の体験状況に関するアンケート調査が行われ,平成22年に「原子爆弾被爆地域の拡大に関する要望書」が厚生労働省に提出された.しかしながら,「黒い雨」そのものを危険因子として死亡危険度を評価した疫学的研究は未だない状況である. 一方で,黒い雨を含む放射性降下物などによる間接被爆あるいは内部被爆の影響を評価する試みとして,被爆時所在地の位置情報を用いた死亡危険度の評価が考えられる.