著者
小出 英範 西村 明
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.77, no.12, pp.766-771, 2021-12-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
11

これまで従来楽器とは異なるインタフェースによって容易に演奏できることを目指した電子楽器や,コンピュータが楽器の演奏練習を支援するシステムを開発する研究が行われてきた。しかし,演奏者がそれらを使って演奏練習をしたいかは調査されたことはなかった。本報では大学生を対象に楽器演奏に対する意識調査を実施して,電子楽器や演奏練習支援のニーズを調査した。その結果,演奏技術の難しさを理由に楽器をやめた学生や,演奏者が思ったような演奏ができると楽しく感じる学生がいた。更に,音の表現が制限されるが演奏が容易な電子楽器やその演奏練習支援システムに肯定的な学生が約半数おり,そのうち約80%はそれらの併用に肯定的だった。
著者
近藤 萌 西山 和宏 西村 明幸 加藤 百合 西田 基宏
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.157, no.5, pp.356-360, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
14

Gタンパク質共役型受容体(GPCRs)は,細胞内環境の変化(物理化学的刺激)を細胞内情報に変換し,伝達する上で極めて重要な役割を果たしている.リガンド刺激後,多くのGPCRはリン酸化され,β-アレスチン依存性の内在化によって再利用または分解される.このプロセスは,GPCRタンパク質の品質管理を維持するための重要な機構である.一方で,β-アレスチン感受性の低いGPCRがどのように品質管理されるかは不明であった.我々は,β-アレスチン低感受性のプリン作動性P2Y6受容体(P2Y6R)に着目し,リン酸化に依存しないGPCR内在化経路(Redox-dependent Alternative Internalization:REDAI)の存在を新たに見出した.P2Y6Rはマクロファージに高発現しており,大腸炎の発症・進展に深くかかわっている.我々は,食品中に含まれる親電子物質がP2Y6RのREDAIを誘導し,抗炎症効果をもたらす一方で,REDAIの抑制が大腸炎の悪化をもたらすことをマウスで実証した.これらの結果は,GPCRのREDAIを標的にする創薬が,炎症性疾患の画期的な治療戦略となることを強く示唆している.
著者
西村 明
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.147, pp.65-76, 2008-12

本稿は、アジア・太平洋戦争期の宗教学・宗教研究の動向、とくに戦時下の日本宗教学会の状況と、当時の学会誌に表れた戦争にかんする研究の二つに焦点をあて、当時の宗教学・宗教研究のおかれた社会的ポジションの理解を試みるものである。戦時期の一九三〇年・四〇年代前半は、日本宗教学会の草創期にあたり、宗教をとりまく大きな状況の変化が起った時期でもあった。学術大会における会長挨拶では、同時代の状況にたいする当事者的参加が要請され、諸宗教の理解という学問的関心の社会的意義が強調されたが、それは同時に本国や占領地等における政府の宗教統制・宗教政策と奇妙な同調を見せる結果となっている。一九四〇年前後に『宗教研究』誌に登場した、戦時下の宗教現象にかんする論考は、千人針などの当時の前線・銃後の日本人たちの宗教的・民俗的営みを視野に入れたものであったが、あくまで戦争遂行や天皇にたいする尊崇を第一義とするような体制的な価値判断に基づくものであったと言える。In this paper, I would like to try to understand the social position of religious studies in Japan under the Asian-Pacific War, focusing upon that situation of the Japanese Association of Religious Studies and the war researches appearing upon the Journal of Religious Studies.1930's and the former half of 40's were the pioneer days of the Association and also the days when the religious situation had changed drastically. In his address in the meeting, the president made a request for the engagement as interested parties to the members and a point of the meaning in the society of the academic interest in religions, which eventually came around with the religious policy of the Japanese government.The papers dealing with religious phenomena under the war appeared on the Journal around 1940. They were based upon the framework of social order which placed first priority upon the conduct of the war and the reverence for the Emperor although they brought the religious and folk practices of Japanese people in that situation into view.
著者
西村 明人
出版者
関西大学独逸文学会
雑誌
独逸文学 (ISSN:0286682X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.p21-23, 1995

藤井啓行教授追悼記念号
著者
西村 明 坂本 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.91-99, 2010-02-01
参考文献数
16

振幅変調に基づく音響データハイディング技術を用いて,スピーカから再生される音に同期して情報を呈示するシステムを提案する.振幅変調に基づく音響データハイディング技術の特徴は,数秒の埋込時間フレームを用いて,広い周波数範囲にデータを埋め込むことによって残響や反射音,変動する付加雑音に対して頑強な点である.データ埋込済み音楽信号に対してPEAQを用いた音質劣化の客観評価を行った結果,劣化は平均的に「やや気になる」以下であることが分かった.また,データ埋込済み信号への残響及び背景雑音付加,入力過大による振幅制限,カラオケ伴奏と同期した歌詞表示利用を前提とする歌唱音の重畳による検出力への影響を,コンピュータシミュレーションによって調べた.その結果,それらの変形を経た信号からも,十分埋込データの検出は可能であり,表示の時間制御のもととなるデータフレーム境界時刻の検出精度も十分であることが分かった.
著者
杉田 正明 西村 明展 加藤 公 福田 亜紀 松田 和道 須藤 啓広
出版者
Society for Science and Technology
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.31-34, 2013

高地で行われるスポーツ競技会に対し、平地と同様のパフォーマンスが発揮できるよう「高地順化」が求められる。しかし、高地にまとまった期間、滞在しトレーニングを行うには経済的、時間的にも負担が大きく、さらに高地でのトレーニングではトレーニングの強度や量の低下が心配される。2010年に開催されたワールドカップ南アフリカ大会のサッカー男子日本代表は、事前に平地(国内)で安静時に低酸素を吸入し、高地順化を促進する取り組みを行い、ある一定の成果を収めることができたとされている。しかし、特殊なツールを用いた安静時での低酸素吸入に関しては、不明な部分も多く、トレーニングの順序性を考える上で、安静時の低酸素吸入がその直後に行うトレーニングへ悪影響を及ぼす可能性が危惧されるところである。そこで、本研究の目的は、低酸素吸入後にオールアウトまでの運動を行い、通常環境(常酸素)で行った運動と比較して、生体への負担度や運動能力に影響が生じないかどうかを検討することである。8名の健常な男性を対象とし、安静時に低酸素吸入ツールを用いて低酸素吸入(SpO2 88~92 %;1時間のプログラム)をさせ、安静(常酸素)30分後にハンドエルゴメーターを用いて多段階漸増負荷法でトレーニングをさせた。また、低酸素吸入をしない環境(常酸素)でも同様のことを行わせた。各負荷での心拍数、血中乳酸濃度および主観的運動強度(RPE)の値は負荷が上がることに上昇したが、各測定項目の最大値も含めて低酸素吸入の有無による差は認められず、運動継続時間についても有意な差は認められなかった。本研究の結果より、平地で安静時に低酸素吸入をさせても、30分後の平地での通常の運動トレーニングには悪影響を及ぼさないと考えられた。
著者
西村 明 小泉 宣夫 ニシムラ アキラ コイズミ ノブオ Akira Nishimura Nobuo Koizumi
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.79-92, 2004-02-20

いくつかの種類のディジタルオーディオ機器におけるサンプリングジッター測定の結果を示した。解析信号を用いたジッター測定は、CD-Rメディアの製造メーカの違い、信号のビットパターン、ディジタル信号伝送系、DAC, ADCそしてプレーヤのクロック発振器など、複数の要因が、オーディオ機器の微細なジッター特性に影響を与えていることを示した。ジッター測定を通じて得られた最大のジッター成分振幅は、ジッター周波数2 Hz以上において、2nsを下回った。従来の周波数変動検知実験の結果と比較すると、この程度のジッターが音質に与える影響を聴取者が検知することは困難であると予想される。
著者
島内 司 西村 明幸 石川 達也 西田 基宏
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.149, no.6, pp.269-273, 2017 (Released:2017-06-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1

医薬品の開発研究は,新たな薬剤を生み出す創薬研究と既存の薬剤の新たな作用を見出し応用する育薬研究に分けられる.創薬標的はますます複雑化の一途を辿り,新薬創出の研究に必要とされる時間とコストも膨れ上がっている.新薬開発に比べて既承認薬はヒトでの安全性,薬物動態が確立されており,他の疾患への治療薬として適応するにあたって大幅な時間とコストの削減が可能となる.このような新しい医薬品研究のあり方は「エコファーマ(またはドラッグ・リポジショニング)」として提唱されている.ミトコンドリアは分裂と融合を動的に制御することでその品質を維持している.ミトコンドリアの機能異常は様々な疾患の原因となるため,その品質管理が新しい治療標的として注目されている.我々は心筋梗塞後に心筋が早期老化を引き起こす前段階において,ミトコンドリア過剰分裂が起こること,およびこの原因が低酸素に依存したミトコンドリア分裂促進GTP結合タンパク質dynamin-related protein 1(Drp1)の活性化にあることを見出した.ラット新生児心筋細胞において,低酸素/再酸素化刺激は心筋細胞の早期老化を引き起こし,低酸素誘発性のミトコンドリア分裂を阻害することで再酸素化後の心筋早期老化が抑制された.低酸素刺激によるミトコンドリア分裂を阻害しうる既承認薬のスクリーニングを行った結果,ジヒドロピリジン系Ca2+チャネル阻害薬であるシルニジピン(cilnidipine:CIL)がミトコンドリア分裂を抑制することを見出した.CILはCa2+チャネル阻害作用と無関係にDrp1活性化を抑制し,心筋老化を抑制した.以上の結果は,CILがミトコンドリア過剰分裂に起因する様々な疾患の治療薬に適応拡大できることを強く示している.
著者
杉田 正明 西村 明展 加藤 公 福田 亜紀 松田 和道 須藤 啓広
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.31-34, 2013 (Released:2013-07-04)
参考文献数
14

高地で行われるスポーツ競技会に対し、平地と同様のパフォーマンスが発揮できるよう「高地順化」が求められる。しかし、高地にまとまった期間、滞在しトレーニングを行うには経済的、時間的にも負担が大きく、さらに高地でのトレーニングではトレーニングの強度や量の低下が心配される。2010年に開催されたワールドカップ南アフリカ大会のサッカー男子日本代表は、事前に平地(国内)で安静時に低酸素を吸入し、高地順化を促進する取り組みを行い、ある一定の成果を収めることができたとされている。しかし、特殊なツールを用いた安静時での低酸素吸入に関しては、不明な部分も多く、トレーニングの順序性を考える上で、安静時の低酸素吸入がその直後に行うトレーニングへ悪影響を及ぼす可能性が危惧されるところである。そこで、本研究の目的は、低酸素吸入後にオールアウトまでの運動を行い、通常環境(常酸素)で行った運動と比較して、生体への負担度や運動能力に影響が生じないかどうかを検討することである。8名の健常な男性を対象とし、安静時に低酸素吸入ツールを用いて低酸素吸入(SpO2 88~92 %;1時間のプログラム)をさせ、安静(常酸素)30分後にハンドエルゴメーターを用いて多段階漸増負荷法でトレーニングをさせた。また、低酸素吸入をしない環境(常酸素)でも同様のことを行わせた。各負荷での心拍数、血中乳酸濃度および主観的運動強度(RPE)の値は負荷が上がることに上昇したが、各測定項目の最大値も含めて低酸素吸入の有無による差は認められず、運動継続時間についても有意な差は認められなかった。本研究の結果より、平地で安静時に低酸素吸入をさせても、30分後の平地での通常の運動トレーニングには悪影響を及ぼさないと考えられた。
著者
西村 明
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
no.17, pp.145-158, 1999

In 1895, there was a cholera epidemic in Japan. Masuda Keitaro, a policeman, died of the epidemic as he instructed people about hygiene and nursing patients in Takakushi, Saga. He is said to have said, "I will take away the cholera of this area when I die." After he died, people in Takakushi considered Masuda a deity and made a monument in stone to him. Later, people regarded him as a god of disease, and worshippers praying for their recovery from illness increased in number. The monument became Masuda Shrine. Early in the Showa era, people in police and education circles began admiring Masuda for his self-sacrificing behavior. A nationalistic thought movement, "Nihonseishin ron" (the Japanese Spirit argument), was behind these admiring movements. After the war, a doctor, Uchida Mamoru, interpreted Masuda's behavior as philanthropy. The policy "Shinto Shirei" of GHQ lay behind this thought. In this process of Masuda worship the acceptance of the death by the living changed from the second personal death "thy death" to the third personal death "his death". It is possible to interpret Masuda worship by examining this shift.
著者
ペルジーニ ジュゼッピーナ 森田 義之 大竹 秀実 西村 明子 池田 奈緒
出版者
愛知県立芸術大学
雑誌
愛知県立芸術大学紀要 (ISSN:03898369)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.A15-A26, 2006-03-31

Generalmente s'intende per restauro qualsiasi intervento volto a rimettere in efficienza un prodotto dell'attivita umana, e il restauro relativo ad un'opera d'arte include i problemi assai piu delicati e complicati, perche un'opera d'arte e la materia ed, allo stesso tempo, e l'essere storico-artistico. Un'opera d'arte presenta un'istanza estetica ed un'istanza storica, pertanto si puo definire il restauro come ≪il momento metodologico del riconoscimento dell'opera d'arte nella sua consistenza fisica nella sua duplice polarita storica ed estetica in vista della sua trasmissione al futuro≫. Questa definizione e stata data da Cesare Brandi nel suo libro intitolato Teoria del restauro (1963), che e ancora oggi indispensabile per chiunque voglia interessarsi ai problemi del restauro. In questo capitolo si analizzera, in primo luogo, la ≪Teoria≫ del Brandi, cioe i principi fondamentali del restauro e poi i piu recenti sviluppi della teoria e della pratica del restauro che sono strettamente legati ai mutamenti economici, sociali e culturali negli ultimi venti anni.
著者
久間 由利子 加沼 安喜良 矢口 俊行 中田 繁治 西村 明 小川 直 建部 啓二 西山 隆英 川崎 壮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.93, no.16, pp.17-24, 1993-04-23

当社の高位16ビットオリジナルマイコンとしてTLCS9000,16CPUコアを開発した。最近のリアルタイム制御の高度化の要求にこたえ、幅広い機器制御用途に応じられるように、チップ面積、プログラムサイズを節約しつつ、割り込み及び処理の高速化を図った構成になっている。算術/論理演算やビット操作命令の多くは、短縮型で1ワードで表現でき、1CPIで実行する。さらに、64ビットのバンクバスを用いたスーパバンクアーキテクチャでは最大256バンクまで実現し割り込み処理の高速化を図るとともに、C言語のサブルーチンコールでのパラメータ受け渡しも高速に対応している。積和演算命令、最大/最小命令は、DSP処理やファジィ制御にも適している。117K素子で4.98mm角である。
著者
新井 勝紘 西村 明
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、軍事郵便と従軍日記をパーソナルメディアとしてとらえ、資料の所在を明らかにするとともに、軍事郵便の内容や制度史、軍事郵便・従軍日記を記した人々の戦争に対する意識や対外認識についての考察を重ねた。そのために現地調査を実施し、資料の収集や写真撮影を行ない、その分析を試みた。また、研究成果を公開し、各地の研究団体と積極的に連携を図った。こうしたなかで現在、全国各地で個人及び保存機関などが軍事郵便・従軍日記の翻刻や出版をさかんに取り組んでいることを把握した。それにより軍事郵便・従軍日記がいまだに多くの人々に強い影響力をもっていることを認識するとともに、その内容分析の深化をはからなければならないという認識に至った。
著者
志田 修 西村 明
出版者
水産海洋学会
雑誌
水産海洋研究 (ISSN:03889149)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.232-238, 2002-11-30
被引用文献数
8

Miyakeは、春季の襟裳岬以東の北海道東部太平洋沿岸(道東海域)に分布する0歳魚のAbundance Indexが、VPAによって推定された太平洋系群の0歳魚の資源尾数と同様の年変動を示すことを観察している。また、近年の調査研究においても道東海域は、太平洋系群の幼魚および未成魚にとって重要な育成場であることが示されつつある。しかし、この道東海域における0歳魚の初期生活史については、産卵場との関連を含めてほとんど知見が得られていない。太平洋系群の主産卵場は噴火湾周辺海域と考えられている(Tsuji、1989)が、道東海域にも小規模な産卵場の存在が報告されており、春季には浮游期のスケトウダラ稚魚も採集されている。さらに志田は、秋期の道東海域に分布する0歳魚の尾叉長組成を調べ、孵化時期の異なる2群が存在する可能性を指摘している。従って、道東海域に分布する0歳魚がどの産卵場に由来するものなのかは、0歳魚の動態を明らかにする上でも、また太平洋系群の資源構造を明らかにする上でも解明されるべき重要な課題として残されている。近年、耳石内部に日周的に形成される微細な輪紋構造(日周輪)を利用して、仔稚魚期から底層生活移行後の0歳魚の孵化時期や産卵期の推定が行われており、ベーリング海やアラスカ湾においては、推定された孵化日組成と産卵期から、幼魚と産卵場の関係が論じられている。噴火湾周辺海域の産卵盛期は1月から2月であるが、道東海域はこれより遅く、3月であることが報告されている。産卵時期の違いは孵化日組成に反映すると推測されることから、この産卵期の違いを利用して0歳魚と産卵場の関係を検討することができる。そこで本研究では、1996年から1998年秋に道東海域において採集されたスケトウダラ0歳魚の耳石日周輪を計数して、その孵化日組成を調べ、産卵場との関連を検討した。