著者
小田口 浩 若杉 安希乃 伊東 秀憲 正田 久和 五野 由佳理 金 成俊 遠藤 真理 及川 哲郎 坂井 文彦 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1099-1105, 2007-11-20 (Released:2008-09-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

長年にわたる先人の経験に基づいて形成されてきた呉茱萸湯証を再考した。84名の慢性頭痛患者に対してツムラ呉茱萸湯エキス (TJ-31) 7.5g/日を4週間投与した。投与後に患者がレスポンダーか否か判定を行った。投与前に43項目からなる漢方医学的所見をとり, レスポンダーか否かを目的変数にした判別分析 (厳密に言えば数量化II類) を施行した。最終判定を行った80名のうち57名がレスポンダー, 23名がノンレスポンダーであった。ステップワイズ変数選択により「 (他覚的) 足冷」, 「胃内停水」, 「胸脇苦満」, 「臍傍圧痛」, 「腹部動悸」の5項目が有用な項目として抽出された。これらを使用した判別分析の誤判別率は35%であった。特に23名のノンレスポンダーのうち20名を正確に判別することができ, この5項目は呉茱萸湯証でない者を除外するのに役立つと考えられた。経験的に形成された呉茱萸湯証に, 「臍傍圧痛」や「腹部動悸」といった徴候も加えることでさらに診断の正確度が増す可能性が示唆された。
著者
西口 満 二村 典宏 大宮 泰徳 遠藤 真咲 三上 雅史 土岐 精一 小長谷 賢一 七里 吉彦 谷口 亨 丸山 E. 毅
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.131, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)

スギ(Cryptomeria japonica)花粉症は、日本国民の約3割に広がっているとの報告もあり、深刻な社会問題となっている。花粉症対策の一つとして、花粉の形成機構を解明し阻害することができれば、花粉の飛散量を減らすことが可能となる。本研究では、ゲノム編集技術の一つであるCRISPR/Cas9法を用いて、スギの花粉形成に関わる遺伝子に変異を導入し、花粉形成への影響を調べた。スギの花粉形成関連遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9ベクターを構築し、アグロバクテリウム法により遺伝子組換えスギを作出した。遺伝子組換えスギのゲノムDNA中の標的遺伝子には欠失変異が見つかり、スギでもゲノム編集による遺伝子変異が生じることが分かった。夏季にジベレリンを散布し、遺伝子組換えスギの花芽形成を誘導した。標的遺伝子の両対立遺伝子に欠失変異が生じた遺伝子組換えスギでは雄花中に花粉が検出されなかったが、非組換えスギでは花粉が作られていた。従って、スギの花粉形成関連遺伝子に変異が起こることにより、無花粉になることが示された。本研究は、内閣府SIP次世代農林水産業創造技術により実施されました。
著者
西田 博 小柳 仁 本田 喬 関口 守衛 椎川 彰 江石 清行 高 英成 富沢 康子 中野 清治 清野 隆吉 遠藤 真弘 林 久恵
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.139-143, 1987

今回, 自験例の4例を中心に緊急手術を目的としたIABP駆動下CCU間搬送の問題点, および10機種のIABPの移送に際した性能, 特性の比較検討をおこなった。移送に際し, 問題となる点としては, IABPのサイズと搬送車のサイズの問題, 搬送距離と消費電力, 内蔵バッテリー容量, そしてその容量を越える長距離間の搬送時の電源確保などであった。新型になるにつれ, 装置の小型化がはかられているが, 旧型のものでは, サイズ的に一般救急車には搭載不能でワゴン車などのレンタカーを用いる必要があった。また省エネ化も進んでいるが, 長距離搬送の際の電源としては, 予備バッテリーの使用, 100VACへのインバーターを用いて車より確保する方法, ポータブル発電機の使用などがあげられるが, 高容量車からの確保がもっとも実際的と考えられた。
著者
久田 嘉章 野田 五十樹 松井 宏樹 久保 智弘 大貝 彰 村上 正浩 座間 信作 遠藤 真 柴山 明寛 市居 嗣之 関澤 愛 末松 孝司 山田 武志
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.130-147, 2009
被引用文献数
1

本研究では、震災直後を想定し、地域住民と自治体との協働による速やかな被害情報の収集・共有を可能とする体制作りを行い、「まちなか発災対応型訓練」(町内に被災状況を模擬的に構築して行なう発災対応型訓練)を活用した震災対応力の向上と同時に、住民・自治体間の情報共有を可能とする防災訓練を実施した。協力頂いたのは愛知県豊橋市であり、住民・市職員による協働体制を構築するために、地域点検マップを作成する防災ワークショップと防災訓練を行なう活動を2005~2006年に実施した。地域点検マップによって地域の地震防災上の現況を把握し、実状に即した発災対応型の防災訓練を企画した。さらに防災訓練では、まず住民による「まちなか発災対応型訓練」を行い、その後で校区の避難所を拠点として地域被災マップを作成し、市の災害対策本部へ速やかに伝送した。一方、対策本部では市全域の被災像を把握し、延焼・避難・交通シミュレーション結果などから住民へ避難勧告の発令など、重要な情報を市から住民に伝達する訓練を行った。さらに自治体担当者を主とする訓練参加者にアンケート及びヒアリング調査を実施し、協働体制および訓練の有効性と今後の課題を確認した。
著者
大西 隆之 谷生 良太 長沼 次郎 遠藤 真
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-6, 2001
参考文献数
5

高品質なMPEG-2モバイルアプリケーションを実現するため, 筆者らはノートPCを用いたモバイル環境に適した超小型MPEG-2エンコーダPCカードを開発した.本稿では, このMPEG-2エンコーダPCカードを用いたポータブルなIP映像伝送システムによる, 日本とマレーシア間の双方向国際映像伝送実験について示す.低ビットレートに対応可能なMPEG-2符号化パラメータの選定, および, 伝送遅延の測定と画品質の評価を行い, MPEG-2伝送レートが1.2Mbps程度の国際長距離回線においても, 本システムによるテレビ会議アプリケーションが実用的に運用可能であることを実証した.
著者
中根 志保 沖 淳義 薄葉 文彦 桐山 誠一 浜田 俊之 野村 文一 遠藤 真弘
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.443-448, 2009 (Released:2013-05-23)
参考文献数
12

左冠動脈肺動脈起始症は先天性心奇形の0.3%を占める極めて稀な疾患である. 本症には側副血行路の発達が悪く, 無治療では生後1年以内に約90%が心筋虚血や致死的心室性不整脈などで突然死するといわれている乳児型と, 側副血行路が発達し無症状で小児期を経過し, 成人になってから発見される成人型がある. 成人型は本症の約10%を占めるとされるが, 今回, 高齢にいたるまで無症状であった本症を経験し, 稀な症例と考えられたので報告する. 症例は70歳, 女性. 労作時息切れにて当院循環器科を受診した. 心エコーでは左心房, 左室の拡大, 心収縮率の低下, 左室壁運動の低下, 僧帽弁逆流症が認められた. 冠動脈造影では, 右冠動脈は約8mmと著明に拡張し, 発達した側副血行路を介して左前下行枝が逆行性に造影された後, 主肺動脈への造影剤の流入がみられた. 以上より左冠動脈は主肺動脈より起始していることが判明し, 僧帽弁形成術, 左冠動脈主幹部移植術, 三尖弁形成術を施行し, 退院した.
著者
木村 仁 遠藤 真美 小関 道彦 伊能 教夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.74, no.740, pp.806-813, 2008-04-25
参考文献数
17

A phenomenon that passengers are getting sleepy is often found in running cars or trains. If a mechanism can reproduce this phenomenon, it is feasible to put insomnia patients or infants to sleep without any harmful effects. This will bring extreme benefit for insomnia patients or parents of babies. The purpose of this study is to elucidate the sleep-inducing factors of running cars or trains, and the final goal is to develop a machine which reproduces the environment to put people to sleep. For the first step of this study, we investigated the relationship between sleepiness and vibrations on several trains. The sleepability of each train is discussed by the ratio of sleeping passengers. According to the vibration analyses, the results suggest that comfortable vibration for sleep has mainly low-frequency (〜2 Hz) vibration with particular fluctuation. In addition, it is also guessed that low level jerks contribute the sleepability.