著者
都甲 由紀子 朝比奈 はるか 王 立松 王 東 張 穎君
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

目的:中国雲南省山岳地域において少数民族の彝族が纏う民族衣装の装飾方法に関する伝統知識や技術、その伝承について調査する。<br>方法:2011~2013年にわたり雲南省各地で3回のフィールド調査を行った。 街中で手刺繍をしたり手刺繍の民族衣装を身につけていたりした人々や、手刺繍商品販売会社の社長、山間部の村人らに手作りの衣装に関してインタビューを行い、現状を把握し記録をとった。村人の踊りや衣装の様子、そして演者が現地で刺繍職人から技術指導を受けている様子などの動画や画像を撮影し、技術につき分析した。<br>結果:中国雲南省の少数民族の中で最も人口が多いのが彝族である。雲南省の中だけでも彝族はいくつものグループに分かれ、それぞれが形、色などにおいて特徴をもった民族衣装を身に着けていた。彝族の民族衣装には多くの刺繍が施されているのが特徴であり、彝族の宗教観がはっきりした色使いと輪郭をもった刺繍、すなわち題材のモチーフ化という形に表れており、自然写実を好む漢民族との大きな違いであることが今回の調査の結果確認された。また刺繍の技術は母から娘に伝承されてきたが、現在は市場において手刺繍が施されたパーツが販売され、ミシン刺繍が施された民族衣装もあり、技術の伝承も行われなくなりつつある。しかし道端や公園で刺繍をする少数民族女性の姿はよく見かけ、刺繍などの針仕事が今なお日常の中に存在していることが確認された。
著者
飯山 悟 池田 知宏 都甲 潔 八尋 美希
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.615-622, 1997-09-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

日本古来の調味料である醤油の味の客観的評価を目指し,味覚センサを用いた醤油の測定を行った.(1) 合成基準液を作ることにより,識別能力ならびに再現性のよい測定法を確立することができた.(2) 各地から集めた25種の醤油を測定したところ,濃い口,うす口,さしみの3種に分類できなかったが,同一メーカーの醤油は味が比較的似ていることを示唆する結果が得られた.(3) 同一メーカーの醤油の類似性は,アミノ酸分析や官能検査でも確かめることができた.それぞれの醤油メーカーの味の独自性が強いのは醤油製造の伝統に基づくものと考えられる.今後,味覚センサを用いて醤油の製造工程の管理や最終製品の品質管理の簡易迅速化が可能になるものと期待される.
著者
都甲 康至 田村 良一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、食の地域ブランドに関する定義と構成要素、消費者の脳内に形成されるブランド知識形成モデル等の基礎研究を基盤に、自治体主導の都市ブランド創生活動において食の地域ブランドづくりが果たす役割を、事例研究を通じて地域の利害関係者で構成される協議会の機能・組織、食の地域ブランドの認証制度等を考察し、結論として社会システムデザインの観点に基づく食の地域ブランド戦略デザインプロセスを提案したものである。
著者
都甲 薫
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:研究活動スタート支援 2011-2012
著者
都甲 由紀子 駒城 素子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
生活工学研究
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.136-139, 2007
著者
都甲 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.805-811, 1997-08-25
被引用文献数
4

快・不快や好き・嫌いといった感情は生物の生存にかかわる本質的応答である. 「感性」とは五感を総動員し, しかも過去の体験等も考慮して生じる感覚, 感受性である. 来るべき21世紀では, 感性に立脚した, 人に優しい技術について再考する時代であろう. 本稿では, 感性の中でも最もあいまいな感覚である味覚と嗅覚に客観的物差しを与えるセンサについて紹介する.
著者
堀川 和彦 小野寺 武 三浦 則雄 松本 清 都甲 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.228, pp.85-88, 2006-09-01
被引用文献数
1

現在,爆発物の探知には訓練された犬や金属探知機などが使用されているが,これらの方法には信頼性,コストなどの面で多くの課題がある.そこで本研究では,抗原抗体反応と表面プラズモン共鳴(SPR)センサを組み合わせたSPR免疫センサを用いて,爆薬であるトリニトロトルエン(TNT)の検出を行った.このとき置換法と呼ばれる検出方法を用い,この置換法に用いる複合体抗原の種類を変えることでTNT検出下限にどのような影響が現れるかを調べた.その結果,複合体抗原-抗体の自然解離が大きい複合体抗原を用いることで検出下限を低下させられることが示唆された.
著者
都甲 潔
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.34-38, 2006-01-10 (Released:2007-07-07)
参考文献数
12
被引用文献数
6 3

A taste sensor is composed of several kinds of lipid/polymer membranes for transforming information of taste substances into electric signal. The sensor output shows different patterns for chemical substances which have different taste qualities such as saltiness and sourness. Taste interactions such as suppression effect, which occurs between bitterness and sweetness, can be detected and quantified using the taste sensor. The taste and also smell of foodstuffs such as beer, coffee, tea, mineral water, soup and milk can be discussed quantitatively. The taste sensor provides the objective scale for the human sensory expression. We are now standing at the beginning of a new age of communication using digitized taste.
著者
釘宮 雄一 林 健司 都甲 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.612, pp.49-52, 2002-01-19

食品, 化粧品, 香料の製造において, 現在でも官能検査と呼ばれる人間の鼻を使った品質管理や製品開発が不可欠である.しかし人間は長時間の検査に耐えられず, 健康状態などによっても結果が左右される.また, 環境計測や安全管理においては, 悪臭・危険臭などの人間が嫌がる検査を行わなくてはならない.さらに個人差による評価結果の違いが存在することが大きな問題である.以上のことから匂いを客観的に評価できるデバイスの開発が望まれている.本研究では新しい匂いセンサ用トランスデューサとなるガスセンサとしてグラファイト分散系に注目し, パーコレーション(percolation, 浸透)現象を利用した素子を作製した後, その特性を明らかにした.またその特性を利用し, 匂い物質のひとつであるクロロホルムに対する感度を向上させることが出来た.
著者
宗森 信 山本 勇麓 日色 和夫 田中 孝 熊丸 尚宏 林 康久 都甲 仁
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.T19-T23, 1978-05-05

2種類の合成試料水中のヒ素の分析に関する共同実験を行った.参加分析所は12箇所,分析方法はJISK0102-1974に規定されたジエチルジチオカルパミン酸銀-吸光光度法を用い,各分析所では1口2回ずつ3日間で計6回の分析を実施した.試料Aではヒ素含有量の標準値0.0220ppmに対し定量値の総平均値が0.0222ppm,試料Bでは0.0250ppmに対し0.0255ppmであった.試料Aでは定量結果は正確であったが,分析所間のばらつきが比較的大きく,又3箇所の分析所では分析所内平均値が管理限界を越えていた.一方,共存物質が存在する試料Bでは分析所内及び所間のばらつきは小さかったが,量結果に偏りがあった.
著者
志堂寺 和則 都甲 潔
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-8, 2007-01-15
被引用文献数
6 4

食品の見た目のおいしさについて検討するために,ケーキの写真を見た際に生じる印象について,SD法によるアンケート調査を実施した.その結果,3ないしは4因子を抽出することができた.この結果を参考に,4種類の初期モデルを構築し,共分散構造分析を実施した.モデルを修正しながら,ケーキ写真毎にアンケート調査データと適合性を検討した.最も適合すると考えられたモデルは以下のものであった.<BR>ケーキ写真から色彩に関する印象と形態に関する印象が生じる.両者には相互に因果関係があり,両者からケーキ写真についての全体印象が生じる.見る人の甘味に関する嗜好は色彩に関する印象に影響を及ぼす.また,甘味に関する嗜好とケーキ写真についての全体印象から,ケーキ写真についての評価が定まり,見た目のおいしさが決定される.