著者
鈴木 章浩
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.59-74, 2015 (Released:2016-02-05)
参考文献数
51

本稿の研究課題は、日系多国籍企業の海外研究開発 (R&D) 拠点が、R&D 活動に関わる知識・技術・情報を日本の本社や R&D 拠点へ移転させる要因を探ることである。海外拠点から本国へ知識・技術・情報を移転させることは、“Reverse Knowledge Transfer”と呼ばれ、グローバル・ビジネス研究分野では高い関心を集めている。本稿はこの知識逆移転についての実証研究である。具体的には 137 の海外 R&D拠点から集めたアンケート調査結果をもとに、日本への R&D 知識の逆移転を従属変数とする階層的重回帰分析を行った。 本研究の特徴は知識逆移転を、拠点の役割、人材の国際移動、拠点の自律という 3 つの面から考察した点である。まず、拠点の役割については、先端的な研究・先行テーマに取り組んでいる拠点と、それ以外の役割の拠点とに分けて知識逆移転への影響のちがいを考察した。つぎに、人材の国際移動に関しては、日本から海外へ、反対に海外から日本へ、研究開発者の 3 ヶ月以上の派遣がどのくらい行われているかを調べ、知識伝達するうえでの人材移動の効果の有無を確かめた。さいごに、拠点の自律性については多くの企業で現地人材の裁量を広げていくなどの動きがみられ分析上重要なファクターであると考えられる。ところが、自律の知識逆移転への効果を探った研究では、逆移転を促進するという結果もあれば阻害するという結果もあり、両方が混在している。そこで、自律を単独ではなく、先端的研究に従事している拠点では自律度をどうすべきか、人材の国際移動を頻繁に行っている拠点では自律度をどうすべきか、というように他変数との兼ね合いの視座から検証した。 分析の結果、先端的な研究テーマに取り組んでいる拠点はそれ以外の拠点と比べ、日本へ多くの知識を逆移転していることが明らかになった。また、日本から海外へ研究開発者を密に派遣している拠点も知識逆移転が多い。さらに、先端的研究に従事している拠点ではその自律度を低くすることで、日本から海外への人材の国際移動を頻繁に行っている拠点ではその自律度を高くすることで、知識逆移転が促されることが見出された。
著者
鈴木 章浩
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.59-74, 2015

本稿の研究課題は、日系多国籍企業の海外研究開発 (R&D) 拠点が、R&D 活動に関わる知識・技術・情報を日本の本社や R&D 拠点へ移転させる要因を探ることである。海外拠点から本国へ知識・技術・情報を移転させることは、&ldquo;Reverse Knowledge Transfer&rdquo;と呼ばれ、グローバル・ビジネス研究分野では高い関心を集めている。本稿はこの知識逆移転についての実証研究である。具体的には 137 の海外 R&D拠点から集めたアンケート調査結果をもとに、日本への R&D 知識の逆移転を従属変数とする階層的重回帰分析を行った。<br> 本研究の特徴は知識逆移転を、拠点の役割、人材の国際移動、拠点の自律という 3 つの面から考察した点である。まず、拠点の役割については、先端的な研究・先行テーマに取り組んでいる拠点と、それ以外の役割の拠点とに分けて知識逆移転への影響のちがいを考察した。つぎに、人材の国際移動に関しては、日本から海外へ、反対に海外から日本へ、研究開発者の 3 ヶ月以上の派遣がどのくらい行われているかを調べ、知識伝達するうえでの人材移動の効果の有無を確かめた。さいごに、拠点の自律性については多くの企業で現地人材の裁量を広げていくなどの動きがみられ分析上重要なファクターであると考えられる。ところが、自律の知識逆移転への効果を探った研究では、逆移転を促進するという結果もあれば阻害するという結果もあり、両方が混在している。そこで、自律を単独ではなく、先端的研究に従事している拠点では自律度をどうすべきか、人材の国際移動を頻繁に行っている拠点では自律度をどうすべきか、というように他変数との兼ね合いの視座から検証した。<br> 分析の結果、先端的な研究テーマに取り組んでいる拠点はそれ以外の拠点と比べ、日本へ多くの知識を逆移転していることが明らかになった。また、日本から海外へ研究開発者を密に派遣している拠点も知識逆移転が多い。さらに、先端的研究に従事している拠点ではその自律度を低くすることで、日本から海外への人材の国際移動を頻繁に行っている拠点ではその自律度を高くすることで、知識逆移転が促されることが見出された。
著者
新野 浩隆 鈴木 章 廣野 文隆 中野 美紀 八木下 克博 岡部 敏幸
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.G1741-G1741, 2008

【はじめに】<BR> 静岡県でのメディカルサポートを開始して5年が経過し、今年度の第89回選手権静岡大会(以下、今大会)からは1回戦10球場からのサポートが実現した。<BR> 静岡県高等学校野球連盟(以下、静岡県高野連)の理事長は「傷害予防の一環として各チームにトレーナーが何らかの関わりを持つ組織づくり」を課題に挙げている。その組織づくりの第一歩として、静岡県内の高校野球部におけるトレーナーの現状を把握するためのアンケート調査を、静岡県高野連より依頼を受け実施したので報告する。<BR>【対象と方法】<BR> 対象は、静岡県高野連に加盟し今大会に参加した全120校。大会前の責任教師・監督会議において主旨の説明と協力要請を行い、1回戦、2回戦の先攻後攻を決める際に、試合後のクーリングダウンを実施するかどうかの確認と合わせて口頭による質問を行った。項目は、トレーナーが「いる」・「いない」であり、「いる」と回答があった場合、「何名いるか」、「本日、帯同しているか」、「いない」と回答があった場合、「トレーナーが必要(欲しい)と思うか」とした。<BR>【結果】<BR> トレーナーのいる高校は39校(全高校の32.5%)で、公立で27校(公立全体の27.8%)、私立で12校(私立全体の52.2%)であった。人数は延べ43名で、2名、3名いる高校がそれぞれ1校ずつであり、その他は1名であった。大会への帯同については、39校中22校(56.4%)であった。<BR> 逆に、トレーナーのいない高校は81校(うち、公立70校、私立11校)であり、全体の67.5%であった。さらに、トレーナーのいないチームで、「必要だと思うか」という質問に対しては、「必要」は47校(全体の39.1%)、「不要」は34校(全体の28.3%)であった。<BR> 「必要・不要」の具体的な理由としては、「いてくれればありがたいが、今はそこまで深く考えていない」、「金銭面の問題がクリアできればトレーナーは欲しい」、「責任教師、監督などの指導者が兼任しているから不要」、「居てくれても良いが、そこまでのチームではない」等であった。<BR>【まとめと今後の展望】<BR> トレーナーのいる高校は全高校の約3割で、公立高校より私立高校で割合が高かった。また、トレーナーのいる高校と、いないが「必要」と考えている高校を合わせると全体の7割にのぼった。逆に、約3割の高校でトレーナーを「不要」と考えていることがわかった。<BR> 以前、当部門でおこなったアンケートでは、「自校にトレーナーがいるため、サポートは不要である」という意見があった。普段よりチームに関わっているトレーナーが選手、監督らの信頼が厚いのは当然である。現在、大会中に球場内で選手に関われるのは当部門の理学療法士のみであるため、各校のトレーナーとの連携が必要であると考える。<BR> 今回の調査結果を踏まえ、今後も静岡県高野連と協力し、選手が安心してプレーできる環境および組織づくりに取り組んでいきたい。
著者
鈴木 章泰 内藤 美保 功刀 利夫
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.500-503, 1994
被引用文献数
3

ポリメタクリル酸メチル (PMMA) フィルムのネッキングゾーン延伸における臨界ネッキング応力 (σ<SUB>c</SUB>) と延伸温度 (T<SUB>d</SUB>) との関係を調べた. その結果, ガラス転移温度 (T<SUB>g</SUB>=110.4℃) 以下の温度域で<SUB>c</SUB>T<SUB>d</SUB>の低下に伴いほぼ直線的に増加することが確認された. そこで, T<SUB>g</SUB>以下の温度域でのσ<SUB>c</SUB>をT<SUB>g</SUB>T<SUB>d</SUB>の差 (T<SUB>g</SUB>-T<SUB>d</SUB>) についてプロットしたところ, 次式で示されるような簡単な実験式を得た. σ<SUB>c</SUB>=C (T<SUB>g</SUB>-T<SUB>d</SUB>) (ただ, T<SUB>g</SUB>>T<SUB>d</SUB>) なお, この定数Cは0.490MPa・℃<SUP>-1</SUP>となり, ポリエーテル・エーテル・ケトン (PEEK) フィルムの0.539MPa・℃<SUP>-1</SUP>およびポリ (エチレンテレフタレート) (PET) 繊維の0.546MPa・℃<SUP>-1</SUP>に近い. 種々のT<SUB>d</SUB>でネッキングゾーン延伸して得られたフィルムのネッキング延伸倍率 (λ<SUB>n</SUB>) では, T<SUB>g</SUB>以下で延伸したフィルムのλnがT<SUB>g</SUB>以上で得られたィルムより大きく, また, T<SUB>g</SUB>以下の延伸ではT<SUB>d</SUB>が高いほどλnが大きくなる傾向にある. 負の複屈折 (Δn) を示すPMMAで, T<SUB>d</SUB>=80℃で延伸したフィルムのΔnは-16×10<SUP>-4</SUP>であるが, T<SUB>d</SUB>の上昇とともに負の値が小さくな, T<SUB>d</SUB>=132℃で延伸したフィルムはほとんど無配向である.
著者
森 稔 倉掛 正治 杉村 利明 塩 昭夫 鈴木 章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J83-D2, no.7, pp.1658-1666, 2000-07-25

映像から切り出されたテロップ文字の認識では,輪郭形状の鋸状劣化及び背景の残存ノイズが問題となる.本論文では,この問題に対処する(1)輪郭形状の劣化にロバストなWLDC特徴と(2)ノイズの影響を抑制する動的修正ユークリッド距離を用いたテロップ文字認識手法を提案する.(1)は,背景及び文字両領域の形状を記述・正規化することにより,輪郭形状の劣化に対するロバスト性を高めた特徴である.(2)は,局所領域ごとに画素の変動量を求め,画素の変動量に応じて距離値を修正することにより,ノイズの影響を動的に抑制する識別関数である.人工的に画質を劣化させた文字を用いた認識実験の結果,各提案手法は劣化文字に対して従来手法より大幅に認識率が向上することを確認した.また,実映像中のテロップ文字を用いた認識実験では,提案手法により識別率73%,第10位累積分類率90%の結果を得た.
著者
草地 良規 伊藤 直己 鈴木 章 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.369, pp.37-42, 2004-10-14
被引用文献数
7

我々は,画像検索のための景観画像へのインデクス付与を目的として,視点/背景テクスチャ/コントラストの制約を設けずに撮影された景観画像中の文字認識法を提案している.提案法では,文字領域を切り出す必要がなく,シェーディングを伴う文字,立体文字,複雑背景上の文字,切り出しに失敗した傾斜文字,を識別する能力があるが,識別に多大な時間がかかるという課題があった.本稿では,カテゴリを特徴の類似性に基づいて階層的に分類し,各分類パターン(クラス)に対して階層的な辞書を構成することで,提案法の処理量削減を実現する.識別率の測定実験を行い,84%の識別率で処理量を1/20程度に削減できることを確認した.また,日本語キーワード(ひらがな,カタカナを含む)による画像検索精度の測定実験を行い,平均適合率76.8‰平均再現率70.4%を確認した.
著者
鈴木 章
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.105-108, 2005-02-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
2

症例の概要: 本症例は咀嚼・審美障害を主訴とする51歳男性に対して, 支台歯への負担軽減, 清掃性の向上, 審美性などの点から, コーヌス義歯治療を選択した. しかし, 食事が味気ない, 温度感覚がないなどの口腔機能感覚のさらなる改善を求められたため, 上顎臼歯部にインプラント補綴治療を行った. 前歯部についてはコーヌス義歯の内外冠を利用した可撤性ブリッジに改良した.考察: 本症例を通じて, 患者の要望に応じた適切な治療計画を選択することの難しさが痛感された.結論: 治療計画を変更したことにより, 口腔内不快感は消失し患者のQOLは改善された. 定期的にメインテナンスを行い装着後3年経過するが, 良好に推移しており患者も大変満足している.
著者
榎本 麗子 菊谷 武 鈴木 章 稲葉 繁
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.95-101, 2007 (Released:2007-03-03)
参考文献数
28
被引用文献数
4 6

目的 食べる機能の障害は栄養状態や身体機能に影響を及ぼすことから,生命予後にまで影響を与えるとされている.中でも,認知機能の低下した高齢者は,先行期を中心とした食べる機能の障害が多く認められると考えられる.今後,認知機能の低下した高齢者の増加が予想される中で,摂食・嚥下機能の先行期障害と生命予後との関係を明らかにすることは重要であると考え,本研究を行った.方法 対象は,某介護老人福祉施設に入居する98名(平均年齢86.3±5.9歳)である.これらのうち,施設内および入院先で入院時より1週以内に死亡した者を「死亡」とし,死亡日時と死因の調査を行った.また予後因子として以下の11因子を調査した.1)基礎疾患,2)日常生活動作(以下ADLと略す),3)先行期障害,4)嚥下機能,5)食事介助,6)6カ月間の体重減少率,7)Body Mass Index(以下BMIと略す),8)Mini Nutritional Assessment(以下MNAと略す),9)咬合状態,10)年齢,11)性別.これら11因子を,Kaplan-Meier生存曲線の理論にもとづき,各因子の陽性者と陰性者における生存日数の有意差をLog-rank法にて検討した.次に非線形多変量解析法であるCOXの比例ハザードモデルを用いて回帰分析を行い,寄与率の高い因子を抽出した.結果 ADL(p<0.05),先行期障害(p<0.01),嚥下機能(p<0.01),食事介助(p<0.05),BMI(p<0.01),MNA(p<0.05)の6因子においてリスクの有無により生存日数に有意差が認められた.またハザードモデルによる解析では先行期障害,嚥下機能,BMIの3因子がハザード比も高く,生命予後の短縮に関与していることが示された(先行期障害:ハザード比2.85, 95%信頼区間1.04∼7.83,嚥下機能:ハザード比2.90, 95%信頼区間1.06∼7.91, BMI:ハザード比2.54, 95%信頼区間1.00∼6.44).結論 本研究の結果から,先行期障害,嚥下機能,BMIはいずれも比例ハザード比も高く,生命予後の短縮に強く関与していることが示唆された.
著者
亘理 陽一 三浦 孝 永倉 由里 鈴木 章能
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、平成21年3月告示の高等学校学習指導要領「外国語」の方針に則り、普通科高校における英語授業の改革の具体的モデルを示すことである。多くの普通科高校で行われている訳読と文法説明一辺倒の授業を克服して、本来のコミュニケーション能力を育て、なおかつ進路選択のニーズにも対応でき、しかも英語という教科の特徴を生かして生徒の知性を高められる授業のモデルの開発である。改革モデルは教材・授業運営法・言語活動の3領域にまたがって開発し、実際に高校の授業において学習効果を確認した上で、その成果を出版物や研究発表会を通して広く全国に還元した。
著者
山田 真大 林 和宏 鈴木 章浩 岡本 幸太 小林 良岳 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-7, 2013-07-24

組込み向け機器に利用されるハードウェアの高性能化に伴い,組込み OS として Linux などの汎用 OS が搭載されるようになった.組込み機器では,リアルタイム性が重要視されるため,Linux を採用する場合,カーネルに改良を施すことでリアルタイム性を確保している.また,マルチコア CPU を搭載する組込み機器では,Linux が持つ CPU affinity の機能を用いることで,シングルコアでは不可能であった高負荷時におけるリアルタイム性も確保することが可能になった.しかし,CPU コア毎に存在するカーネルスレッドは CPU affinity を適用することができず,また,この処理がまれに引き起こすタイマのカスケード処理には多くの処理時間を必要とし,リアルタイム性を阻害する原因となる.本論文では,マルチコア CPU の各コアを,リアルタイム性を必要とする CPU コアと不要とする CPU コアに分割し,リアルタイム性を必要とする CPU コアでは,タイマのカスケード処理を発生させないよう事前に対策を施すことで,リアルタイム性を確保する手法を提案する.With the increase in hardware performance of modern embedded systems, general-purpose operating systems (OS) such as Linux are commonly used as embedded OSs. Furthermore, the use of multi-core CPUs enables Linux to improve its real-time performance even on high-load scenarios which is rather hard to achieve on single-core CPUs thanks to its "CPU affinity" functionality. However, we found two issues in the current version of the Linux kernel: the CPU affinity of some kernel threads cannot be specified; and the use of timer cascading (use of multiple hardware timers to count time) increases the worst-case response time of real-time tasks. In this paper, we classify the cores in a multi-core CPU into 2 different groups: cores which require real-time performance guarantees; and cores which do not require such guarantees. Then, we propose and evaluate a method that improves the real-time performance of the system by disabling timer cascading on cores which require real-time performance guarantees.
著者
若原 徹 木村 義政 鈴木 章 塩 昭夫 佐野 睦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.63-71, 2003-01-01
参考文献数
15
被引用文献数
23

身体特徴を用いた個人認証手段として指紋照合技術への期待が大きい.本論文では,高精度な回転・位置ずれ補正,高速・安定なマニューシャマッチングを実現する指紋照合方式を提案する.処理の流れとしては,濃淡指紋画像の 2 値化を行った後,1) 局所領域ごとの指紋隆線方向分布を用いた登録指紋-入力指紋間の高精度な回転・位置ずれ補正,2) 登録-入力マニューシャ間での高速組合せ探索による最適対応付け,3) 指紋隆線方向分布間距離及びマニューシャ照合率のしきい値処理による本人受理/拒否の判定,の過程を経る.静電容量方式の市販半導体式指紋センサを用いて収集した80名×4指×10枚の指紋画像データを対象とした指紋照合実験より,本人拒否率及び他人受理率を評価して,提案手法の有効性を示す.
著者
小林 大二 浅見 圭貴 米村 俊一 鈴木 章 嶌田 聡 山本 栄
出版者
日本プラント・ヒューマンファクター学会
雑誌
ヒューマンファクターズ (ISSN:13494910)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.52-62, 2011 (Released:2011-11-15)
参考文献数
12

The concept of mental algorithm, a way of understanding the plant operator's thinking process for identifying malfunctions, has been proposed. According to the concept of the mental algorithm, the operator's thinking process includes many subtle decision–making affected by metacognition activity and the each subtle decision–making makes or chooses an operator's cognitive state (CS) and a behavioral strategy (BS). Most behavior as a result of subtle thinking is affected by performance shaping factors (PSFs), and the both the CS and the BS could be deteriorated. In this regard,a mental algorithm indicates the quality of problem–solving affected by PSFs,and could be applicable not only to the plant operator's thinking process but also to similar problem–solving. As an example of the problem-solving,this study dealt with the thinking for evacuation behavior. The participants moved from a start location to an evacuation center using a custom digital map on a personal digital assistance (PDA). As the results, we assumed that the thinking for evacuation could be represented as a mental algorithm. Further, the CS was categorized into three types and the four types of BS were extracted and the PSF items which lead to the deterioration of evacuation behavioral quality was estimated. Consequently,it was revealed that the concept of mental algorithm was applicable to evacuation behavioral assessment.
著者
須甲 憲明 山本 宏司 藤田 雅章 鈴木 章彦 井上 幹朗
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.372-374, 1996-05-25
参考文献数
8
被引用文献数
5

症例は55歳, 男性。小児期および30歳頃に肺炎の既往あり。平成7年6月20日頃より微熱, 咳嗽, 全身倦怠感が続き, 6月26日咳嗽とともに血痰が出現したため当科を受診。胸部レ線および胸部CT上, 左下肺野に炎症後変化を認めた。気管支鏡にて左B^<10>入口部を横断する橋様構造物を認め, 気管支mucosal bridgeと診断した。既往歴及び画像所見から, 過去の気管支炎, 肺炎に由来する気管支mucosal bridgeと考えられた。
著者
鈴木 章悟 平井 昭司^[○!R]
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.596-600, 1984-11-05
被引用文献数
4 9

国立公害研究所で製作された環境標準試料ムラサキイガイ中の微量元素を機器中性子放射化分析法により非破壊・多元素・同時定量した.分析法の信頼性を増すために,試料量(50〜250mg)を変化させ,更に数回の繰り返し照射・測定を行った.試料は武蔵工大炉で短時間照射(気送管2分間)及び長時間照射(中央実験管5時間)を行い,冷却時間を変えてそれぞれ2回ずつGe(Li)検出器と4096チャンネル多重波高分析器(GAMAシステム)でγ線スペクトルの測定を行い,約50元素を分析した.その結果,20元素の濃度が数%の精度で定量され,そのほか18元素の濃度が多少精度が悪いが定量できた.
著者
鈴木 章夫
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成23年7月25日授与 (甲第5894号)
著者
菅谷佳子 安藤 慎吾 鈴木 章 小池 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.27, pp.73-78, 2008-03-10

単眼カメラで姿勢変動にロバストな顔認識を行うためには、任意視点の顔画像を認識辞書として登録する手法が有効である。本稿では、連続的に撮影された複数視点の顔画像から顔の 3 次元形状復元を行い、任意視点の顔画像を生成する手法を提案する。本手法では、多視点画像からの顔の特徴点追跡に Active Appearance Model を使用し、因子分解法を用いて3次元形状復元することでユーザーごとの3次元顔モデルを生成する。得られた3次元顔モデルから任意視点画像を生成するため、大きな向き変動のある顔画像も生成することが可能である。本稿では、生成した任意視点顔画像と様々な方向から実際に撮影された顔画像とで評価実験を行い、本手法の有効性を示す。Registrating multiple view face images is an effective way of improving the robustness of face recognition against pose variations. This paper proposes a method that generates multiple view face images based on 3D face reconstruction from one image sequence. The proposed method constructs a 3D face model from the Active Appearance Model in the facial feature tracking stage and the factorization method for 3D shape reconstruction. The constructed 3D face model allows many face images with large pose variation to be generated easily. Experiments using the generated face images and real images show the effectiveness of the proposed method.