著者
吉田 勝 浅野 雅春 嘉悦 勲 今井 強一 真下 透 湯浅 久子 山中 英寿 鈴木 慶二
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.809-812, 1985
被引用文献数
1

テストステロンを含む卵状の生体非分解ポリマー義睾丸を親水性ビニルモノマーの低温放射線重合によって調製した。得られた義睾丸は1個当り約2.05g(40wt%テストステロン含有)の重さをもつ。この義睾丸からのテストステロンの媒液中(水が主成分)における放出速度はビニルモノマーに対するテストステロンの溶解性(生成ポリマー中での分散状態)および得られたポリマー担体の親水性に依存することが分った。すなわち, テストステロンの溶解性とポリマーの親水性の増加とともに, 義睾丸からのテストステロンの放出は著明に増大した。本研究では, HEMA/HPMA(70/30)コポリマーより成る義睾丸を去勢した家兎の陰のう部位に埋入留置した。この義睾丸からのテストステロンのみかけのin vivoにおける平均放出速度は, 1.2mg/dayであった。一方, 血清中のテストステロン濃度は, 初期段階でゆるやかに減少し, そののち一定値を維持する傾向がみられた。
著者
鈴木 弘道
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.4, pp.p1-10, 1975-12

従来、御伽草子、「鉢かづき」 における変装の趣向や物語の原拠につき、詳細な考察を試みた研究はあまり見られないので、ここに、私はかなり大胆な試論を展開してみようと思う。
著者
鈴木 譲
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

感染の場であり,防御の最前線となる粘膜組織には,腸管におけるパイエル板のような特殊なリンパ組織の存在が哺乳類では知られているが,魚類では明確ではない.そうした中で,魚の鯛にリンパ球集塊が存在することを見出した.この組織がリンパ器官としての機能を持つのではないかとの仮説を立て,その検証を進めた.組織学的な観察によりリンパ球集塊の表皮内に存在することが明確になったことから,トラフグ上皮間隙白血球の単離を行った.メイギムザ染色観察の結果,リンパ球が多数を占め,次いでマクロファージ,そして少数の好中球,好塩基球が認められた.さらに,哺乳類の粘膜リンパ組織で抗原の取り込みに重要な働きをするM細胞をUEA-1染色により探索した.しかし、鰓のリンパ球集塊近傍のUEA-1陽性細胞は形態的には塩類細胞であった。魚類ではM細胞は存在しない、あるいは同じ系統の細胞が哺乳類とは異なる機能を持っているものと考えられる.鰓におけるRT-PCRの結果,B細胞のマーカーであるIgM,IgT,ヘルパーT細胞のCD4,細胞障害性T細胞のCD8の発現が認められたが,In situ Hybridizationの結果,IgT陽性細胞はリンパ球集塊に特に多く蓄積しており、防御の最前線である末梢でその役割を果たしているものと推測された.一方,IgM,CD4,CD8陽性の細胞は比較的少数であり,哺乳類腸管に見られる胸腺外T細胞分化を示す材料は認められなかった.組織特異的に発現するケモカインが,それぞれの部位に必要な白血球を誘導することが哺乳類では知られている.トラフグのケモカインを明らかにし,鰓で発現する種類から機能の推定を試みた.7種類のCCケモカインの発現をトラフグで調べたところいずれも鰓での発現が認められ,鰓のリンパ球集塊とヒトの各リンパ組織との相同性を類推することはできなかった.しかし、このように多くのケモカインが発現していることから,鰓が免疫系において重要な役割を担っているものと推測された。
著者
鈴木 雅之 西村 多久磨 孫 媛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.372-385, 2015
被引用文献数
7

本研究では, 中学生の学習動機づけの変化を規定する要因として, 「テストの実施目的・役割に対する学習者の認識」であるテスト観に着目して研究を行った。中学1—3年生2730名を対象に, 定期テストが実施される度に調査を行い(2013年6月, 9月, 12月, 2014年2月の計4回), マルチレベル分析によって学習動機づけとテスト観の個人内での共変関係を検討するとともに, 構造方程式モデリングによって, テスト観が学習動機づけに与える影響について検討を行った。これらの分析の結果, テストの学習改善としての役割を強く認識することによって, 内的調整や同一化的調整といった自律的な学習動機づけが高まることが示された。その一方で, 学習を強制するためにテストが実施されていると認識することによって, 内的調整が低下し, 統制的な学習動機づけとされる取り入れ的調整と外的調整は高まることが示された。以上のことから, 中学生のテスト観に介入することによって, 自律的な学習動機づけを維持・向上させることが可能であることが示唆された。
著者
鈴木 潤子
出版者
日本比較教育学会
雑誌
比較教育学研究 (ISSN:09166785)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.21, pp.61-71,212, 1995-06-30 (Released:2011-01-27)

There is vocal public demand for more space in higher education in Thailand. From long ago, higher education was just for a small number of young people, the so-called ‘Elite’.But recently, the situation has changed. Many Thai people want to reach for a university-level education. In 1990, the number of students in higher education was about 730, 000. In this figure is included 510, 000 students enrolled in open universities. Therefore, open universities play an important role in higher education in Thailand.There are two open universities in Thailand. Ramkhamhaeng University was founded in 1971 and has its own campus in Bangkok. Some students attend classes every day, while others come only to register for credits or take course-examinations. Lectures are done for numerous students in a huge-sized class through microphones.Sukhouthai Thammathirat Open University was founded in 1978 and adopted ‘distance-learning’, which is an educational system through multimedi (for example, printed material, cassette-tapes, and radio or T. V. program on the air). Students basically study at home, and at the end of the school-term, they can take course-examinations at study-centers in each prefecture.The functions of open universities are the following; The Open University, (OU) as a national university, provides a B. A. degree and professional knowledge. The OU expand educational opportunities for many Thai people who cannot afford school fees for private universities. The OU also equalize the higher-educational opportunity-gap between urban and rural areas. The OU can offer university-level education for both working people and full-time students.On the other hand, Ramkhamhaeng University absorbs young students who cannot pass national-entrance-examination for normal universities.Another impact should be noticed. In Sukhouthai Thammathirat Open University, many students want to reach the master-course study level. This may show evidence of the ‘Diploma Disease’ in Thailand.These two open universities in Thailand have multiple functions, and diffuse higher-educational opportunities to the Thai people.
著者
鈴木 寿
出版者
史料館
雑誌
史料館研究紀要 = The Bulletin of Historical Archives
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-58, 1969-03-31
著者
鈴木 慶子 三浦 和尚
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

急速かつ確実に「手書き離れ=PC依存」が進行している。手書き離れによる影響は「漢字が書けない」という現象を引き起こしていることに止まらない。学生は「読み」の力をも低下させている。同一問題を黙読して解答した群と視写して解答した群では総合点で視写群が高得点となった。視写することは、正確な「読み」に導く契機となる。 一方で、学生は、PC依存を自覚している。構想を練る時、全体と細部との関係を整合する時、及び立ち止まって自分の考えを吟味する時、PCでは不都合であると。同時に、下書き及び書き直しという概念が消失しつつある。両者の繰り返しによって鍛えられてきた、正確に「書く力」が危機的状況にある。
著者
鈴木 一馨
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.69-98, 1998-03
著者
前村 公彦 鈴木 康弘 高松 薫
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.415-424, 2005-07-10

The purpose of this study was to investigate the effects of sprint training (30-s maximal cycle ergometer sprinting) on bicarbonate buffering capacity and anaerobic capacity. Fourteen healthy males were assigned to either a training group (TG; n=7) or a control group (CG; n=7). The TG performed sprint training 2 days per week for 8 weeks. Before and after training, exercise performance (mean power) and excess CO_2 output (ExcessCO_2) were measured by 30-s maximal cycle ergometer sprinting, and maximal accumulated oxygen deficit (MAOD) was measured by 2-3 min exhaustive cycling test. Mean power (pre: 8.5±0.9W/kg, post: 9.3±0.8W/kg, p<0.01), ExcessCO_2 (pre: 93.4±12.8ml/kg, post: 102.3±12.2ml/kg, p<0.05), and MAOD (pre: 59.6±14.4ml/kg, post: 68.2±11.0ml/kg, p<0.01) were significantly increased after training in the TG. A significant correlation was demonstrated between percentage change in ExcessCO_2 and that in MAOD (r=0.755, p<0.05). Before and after training, mean power was significantly correlated with ExcessCO_2 and MAOD, respectively. These results suggest that the increase in ExcessCO_2 caused by sprint training may enhance the energy supplied from anaerobic metabolism, and improve short-duration intensive exercise performance.
著者
菅原 和宏 井出 充彦 酒井 明久 鈴木 隆夫 久米 宏人 亀甲 武志 西森 克浩 関 慎介
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.45-52, 2014 (Released:2014-01-29)
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

琵琶湖でのビワマス引縄釣遊漁の現状を把握するために,2008 年 12 月から遊漁者に対して琵琶湖海区漁業調整委員会指示により届出と採捕報告書の提出を義務付けた。2011 年 9 月までの結果を集計したところ,届出者数は年々増加していた。採捕報告書の提出率は約 90% であった。釣行日数と総採捕尾数は冬期に少なく,夏期に多い傾向を示した。毎年約 1 万尾が採捕され,そのうち 41.4~67.3% は再放流されていた。遊漁者による採捕量は 6.6~8.6 t と推定され,漁業者による漁獲量は 23.2~45.8 t であった。
著者
高野 裕士 鈴木 健嗣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J99-D, no.1, pp.67-75, 2016-01-01

本研究では,他者と表情を共有するための新しい装着型インタフェースを開発し,表情によるコミュニケーションが困難な方々への支援機器の実現を目指す.開発したインタフェースは顔面上を伝播する表面筋電位から得られる生体信号のパターンに基づき表情を識別し,LEDや振動デバイスを通じて実時間で表情識別結果を提示することで,自身や他者の表情を知覚することを支援し,共有することを可能にする.ここでは,表情の中でも特にコミュニケーションに重要だと考えられる笑顔に着目し,笑顔の識別及び共有が可能であるかを明らかにする.また,取得する表面筋電位は乾式電極により前頭部及び側頭部上の領域から複数チャネルを通じて計測する手法を提案する.これを頭部装着型インタフェースとして実装することで,使用者の自由な動作が可能な空間的制約の小さい計測を実現する.開発したインタフェースの性能を検証するため,複数の評価実験を行い,提案した表情識別手法が頭部の動きや発話,頭部姿勢に対して頑健であることを明らかにした.更に実証実験を行い,振動提示による表情の共有が視覚障害者の支援に有効であるという結果が示唆された.