著者
丹後 俊郎 阿部 一洋 狩野 紀昭
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-18, 1990-10-25 (Released:2009-06-12)
参考文献数
15

ある人間集団の状態推移を分析する方法として,マルコフモデルがよく適用されている.このモデルでは個々の人間の状態推移の差異,つまり個人差を考慮していないが,実際には無視できない場合も多い.本稿では,推移確率が個人別の変量であってディリクレ分布に従うことを仮定する.個人ごとの推移確率は経験ベイズ推定量により推定する.個人差の有無の検定はスコア検定によって行う.具体例として状態数2の場合について,前立腺癌患者の状態推移のデータにモデルを適用する.また,シミュレーションによって個人ごとの推移確率の経験ベイズ推定量の性質を検討する.
著者
阿部 一博
出版者
日経BP社
雑誌
日経automotive
巻号頁・発行日
no.91, pp.61-63, 2018-10

最後の最後にならないと、クルマの本当の出来映えは分からないですよ。途中段階の試作車でこんなにいい性能になるでしょ、すごいでしょとエンジニアは目を輝かせて言うわけです。でも信じられないんです。そうじゃないかもしれない。
著者
阿部 一幾 小金沢 知己
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.57, no.179, pp.27-35, 2015 (Released:2018-01-26)
参考文献数
20

Humid air turbine systems that are regenerative cycle using humidified air can achieve higher thermal efficiency than gas turbine combined cycle (GTCC) power plant even though they do not require steam turbine, high combustion temperature, or high pressure ratio. In particular, the advanced humid air turbine (AHAT) system appears to be highly suitable for practical use because its composition is simpler than that of other systems. Moreover, the difference in thermal efficiency between AHAT and GTCC is greater for small and medium-size gas turbines. To verify the system concept and the cycle performance of the AHAT system, a 3 MW-class pilot plant was constructed. As a result of an operation test, the planned power output of 3.6 MW was achieved, so that it was confirmed the feasibility of the AHAT as a power-generating system. Moreover, the 40 MW-class AHAT test facility was developed and confirmed practicability of the AHAT system with a heavy-duty gas turbine for industrial use. In these AHAT systems, a cluster nozzle burner configuration, which has many coaxial jet streams of fuel and air, was adapted to cope with both flame stability and NOx reduction problems. From the test results, NOx emission is expected to be less than 10ppm for the future commercial AHAT system.
著者
阿部 一博 緒方 邦安
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
コールドチェーン研究 (ISSN:02851377)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.104-108, 1976-10-10 (Released:2011-05-20)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

この研究は,ナス果実の低温障害に関する研究の一環として,低温障害の発生におよぼす温度ならびに湿度の影響について調べたものである。1) ナス果実を1℃,6℃,10℃,20℃の各温度下に有孔ポリエチレン袋詰めとし貯蔵すると,商品性の保存期間はそれぞれ,9,11,21,23日であった.商品性を低下させる主な原因は,1℃,6℃貯蔵では,ピッティングで,10℃,20℃貯蔵では,がく部から始まる腐敗であった。2) ピッティングの発生は,1℃,6℃貯蔵のみでみられ,その発生は適熟果(開花14日)で多く,未熟果(開花5-7日),過熟果(開花24-27日)で少なかった。両貯蔵温度区において冷涼期に収穫された果実では発生は減少し,また一時10℃で貯蔵することによってその後の低温貯蔵中の発生を減少させることができた。3) 1℃の温度下で,乾燥状態の貯蔵区では黒色の陥没が多く発生し,湿潤状態の貯蔵区ではピッティングが多く発生した。光学顕微鏡での観察により,黒色の陥没は表皮細胞の崩壊,ピッティングは柔組織の細胞の崩壊により始まることがわかった。4) ナス果実の貯蔵条件としては,10℃-20℃の温度域で,やや過湿状態がよいと思われる。
著者
阿知波 信夫 片寄 政彦 阿部 一博
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.341-346, 2003-12-30
参考文献数
28
被引用文献数
13 9

強酸性電解水を利用したカットキャベツの実用的な殺菌処理方法を確立した。カットキャベツの処理量に対する処理水量の比率および処理時間を, 従来の殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム水処理と比較して同等の殺菌効果となる条件を明らかにした。続いて強酸性電解水と次亜塩素酸ナトリウム水で処理後のカットキャベツ中のトリハロメタン量を経時的に測定したところ, 次亜塩素酸ナトリウム水処理では保存72時間後までほぼ一定して0.05mg/kgのクロロホルムが検出し続けたのに対し, 強酸性電解水処理では直後でも不検出であった。官能試験 (パネラー30名) では次亜塩素酸ナトリウム水処理直後臭いや食味に問題ありと判定した人が半数以上いたが, 強酸性電解水処理では直後でも異常ありと判定した人は1名以下であった。また, 次亜塩素酸ナトリウム水処理では放置60分後には臭いや食味で異常ありと判定した人は2名以下となった。つまり, トリハロメタンは残存していたにもかかわらず, 臭いや食味では異常を感じないということが判明した。強酸性電解水処理ではトリハロメタンの生成もなく, 消費者へ提供する直前に食品を処理しても臭いや食味にほとんど異常を与えない点からも, 有効な処理方法であるといえる。
著者
阿部 一
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.91-108, 2011-03-15
著者
阿部 一博 棚瀬 匡彰 茶珍 和雄
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.123-129, 1998-01-15
参考文献数
17
被引用文献数
5 15

本研究では, バナナ果実(熟度;グリーンチップ段階)から種々の形状の切片を調製し, 切片の生理・化学的特性を調べた.ポリエチレン包装した切片では, 実験期間(96時間, 20℃)には明らかな糸状菌を伴った腐敗はみられなかったが, 果皮と果肉の切断面の褐変ならびに果肉の軟化がみられた.これらの変化は切断角度が大きくなるに従って顕著であった.果皮と果肉の切断面のハンター測色値(L値)の低下は0度切片で最も少なく, 切断角度が大きくなるに従って低下が明らかとなり, 縦切り切片で最も顕著であった.果肉硬度の変化は0度切片で最も少なく, 切断角度が大きくなるに従って硬度の低下が明らかとなり, 縦切り切片での軟化が最も顕著であった.C<SUB>2</SUB>H<SUB>4</SUB>生成量は貯蔵に伴って多くなり, 増加は縦切り切片が最も顕著で, 切断角度が小さくなるに従ってC<SUB>2</SUB>H<SUB>4</SUB>生成量も減少した.縦切り切片のCO<SUB>2</SUB>排出量は他の切片より多かったが, 0度, 30度, 60度切片間の差は小さかった.バナナ果実切片の貯蔵性とC<SUB>2</SUB>H<SUB>4</SUB>生成量には関連性がみられた.貯蔵環境中のC<SUB>2</SUB>H<SUB>4</SUB>を除去したり, C<SUB>2</SUB>H<SUB>4</SUB>濃度を高めても(20μl・l<SUP>-1</SUP>), L値ならびに果肉硬度の低下は0度切片で最も少なく, 切断角度が大きくなるに従ってこれらの低下が明らかとなり, 縦切り切片での低下が最も顕著であった.
著者
島 裕也 中村 龍哉 松井 裕樹 山田 義博 宮内 啓成 橋本 聡司 阿部 一雄
出版者
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.729-733, 2010-11-15
参考文献数
13
被引用文献数
1

LiFePO<SUB>4</SUB>/C composite particles were prepared by gas-solid phase reaction. The reaction temperature had a detrimental effect on the purity of the composite particles. The suitable temperature was around 650°C, above and below which ferromagnetic impurities were found. The retention time influenced only the carbon deposition amount, but the excess amount of carbon caused the degradation of the electrochemical performance. The specimen prepared at the optimum conditions exhibited superior performances in both rate capability and cycle stability as well as less impedance growth during the cycling.
著者
和田 光生 池田 英男 松下 健司 神原 晃 平井 宏昭 阿部 一博
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.51-58, 2006 (Released:2006-02-21)
参考文献数
32
被引用文献数
7 22

トマトを 2 月から 8 月まで毎月10日に播種し,NFT ベッドで一段栽培した.一番花開花10日後より遮光率 0%(対照区),30%(弱遮光),55%(中遮光)および83%(強遮光)の寒冷紗で被覆することによって遮光処理を開始し,果実の収量と品質を調査した.7 月から 9 月までは給液する培養液を25℃に冷却した.7 月から 9 月までは給液する培養液を25℃に冷却した. 遮光率が増加するにつれて,1 果重が減少して全果実収量は低下した.全果実収量は播種月ごとに果実発達期の平均日積算日射量によって直線で回帰された.回帰分析の結果から,果実発達期の平均気温が19℃から27℃に高まった場合,平均日積算日射量 1 MJ・m−2 の減少に伴う収量低下量は,84から100 g/株に増加することが示された.対照区の可販果収量は 2 月播種で最も高く,4 月から 7 月播種では裂果の発生によって有意に低下した.裂果の発生は遮光によって有意に抑制された.平均気温が25℃を超えた場合には,日平均積算日射量を 5~6 MJ・m−2 程度まで低下させる遮光によって,可販果収量は増加する効果が認められた.夏季高温時に収穫される果実は滴定酸含量が高かった.遮光によって,果実の糖度は低下し,滴定酸含量は増加する傾向が認められた.
著者
阿部 一博
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.283-290, 2006-11-30
被引用文献数
3 5

近年の社会情勢や食環境の変化とともに食習慣や食素材の形態も移り変わり、特に簡便性を有するカット青果物の流通・消費量が急激に増加し、日本では最近10年程の間に2,000億円を超える市場規模となっている。カット青果物の先進国であるアメリカ合衆国では、2005年のフレッシュカット青果物の売上総額は前年比10%増の60億ドル(6,900億円/1ドル=115円換算)に達し、全国青果物小売総売上額の16%を占めることが、国際フレッシュカット青果物協会の市場調査で明らかになっており、日本におけるカット青果物の消費量のさらなる増加が予想される。一方、栄養士志望の若い女性を対象として、2005年に筆者が実施したアンケート調査においても、カット青果物の利用頻度が今後も高まることが明らかになっている。筆者は、1987年ごろから十数年間にわたってさまざまなカット青果物を研究の対象としており、また、基礎的な研究から応用研究まで幅広い分野の研究結果を報告しているので、それらを11項目に分けて記載する。
著者
中本 幸一 藪内 健二 尾崎 辰典 原 央哉 岸田 貴成 阿部 一晴 北村 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.367, pp.37-42, 2010-01-14

車載システムやプロセス制御システムなど分散組込みシステムの規模と複雑さが増加している.さらにより環境に配慮した,もしくは安全な制御のために数多くのセンサーデータからデータが収集されネットワークを介してコンピュータに送られる.こうしたシステムを高品質,高生産性で開発するために,筆者らは仮想的なソフトウェア実行環境を開発している.この環境では,多くのCPUシミュレータやデバイスシミュレータを統合し,ネットワークワイドなシミュレーション機能を提供する.本報告では,本仮想実行環境の中でCPUシミュレータ,通信ミドルウェア,ハイブリッドなソフトウェア実行環境について現状を報告する.
著者
尾崎 敦夫 古市 昌一 阿部 一裕 中島 克人 田中 秀俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.2810-2818, 1999-06-15
被引用文献数
5

渋滞解消のための実時間信号制御や 広域な交通網整備などの用途への活用を目指した大規模交通シミュレータを開発した. 本シミュレータは提案した時空間オブジェクトモデルを基礎にインテル社製のMIMD型高並列計算機Paragon上に開発したものである. 本シミュレータの性能評価の一環として 並列処理の単位となる粒度に関して 高性能を得る最適な粒度を求めるための負荷バランス方式の実験を行った. 負荷バランス方式は 道路網を細かく分割して 各プロセッサヘラウンドロビンに割り振る多重マッピング方式を採用した. 横浜市の中心部4km×2km四方の領域の実データを使用し Paragonの32プロセッサを用いて 多重マッピング方式を適用した場合に 約3 000台の車と約1 400の信号付き交差点を実時間実行できることが分かった. このケースでは 負荷バランスを考慮しない単ーマッピング方式と比べて約2倍の性能向上が達成できている.We developed a large scale car traffic simulator based on a Space-Time Object model. The target application of this simulator is real time traffic lights control, design of road network and so on. In this paper, we discuss issues in implementation and the performance evaluation of the simulator. We also present the results of static load balancing. Two mapping schemes have been applied for estimation of the performance of load balancing. One is a one-to-one mapping scheme, in which one sub-road is mapped onto one processor. Another is multiple mapping scheme, in which more than two sub-roads are mapped onto one processor. The simulator based on multiple mapping can simulate about 3,000 cars and 1,400 traffic lights at real time speed on 32 processors of Intel Paragon using the actual road map of a 4km × 2km area in the heart of Yokohama city. The performance of the simulator based on multiple mapping is about two times faster than that of one-to-one mapping in this case.