著者
阿部 信行
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.1997, pp.181-208, 1998-10-30 (Released:2009-02-12)
参考文献数
4
著者
阿部 康久 金 紅梅
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.248-266, 2014-05-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
43
被引用文献数
1

本稿では日系電機・電子部品メーカーA社の中間材を扱う上海における三つの販売部門を取り上げ,製品特性の違いにより取引先企業の本社所在地別構成や人材現地化の程度にどのような差異があるのかを検討した.結論として三つの総括部のうち,中国企業向けの販売比率が最も高い第1総括部では,管理職などへの中国人人材の登用が進んでおり,現地法人からの提案を受けるかたちで中国市場の需要に合わせた製品の開発・販売も行われていたが,それが低い第2総括部と第3総括部ではこのような傾向はみられなかった.特に第3総括部では,垂直統合型の製品を販売しているため,グループ企業などの日系企業への販売が多く,中国人人材の管理職への登用はあまり進んでいなかった.同社では今後一層人材の現地化を進めていく必要性が認識されていた.その一方で同社は,日本本社が取引に関する決定権を持ち続けながら,本社の現地法人への支援機能を強化する方針も採っていた.
著者
大友 篤 カオリー リヤウ 阿部 隆
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1-23, 1991-06-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2

本論文は, 1980年国勢調査の結果に基づき,日本における1979—80年の都道府県間人口移動の流出及び到着地選択過程を年齢別パターンをとおして明らかにしたもので,その概要は以下のとおりである。 流出過程に関しては, (1) 全体の流出率の空間パターンは,複雑であるが,体系的であり,流出率は,都道府県の経済機会や住宅事情ばかりでなく,出生地や住宅の所有の関係に関わる都道府県の人口構成に依存していることが示唆されること, (2) 流出率の空間パターンは,年齢にしたがって体系的に異なり,とくに都市地域で低く,農村地域で高いという最も単純なパターンをもつ15—19歳の年齢層と関わっていること,そして, (3) 流出率の年齢別パターンは,大都市地域の中心部と縁辺の農村県との間で著しく異なることが明らかになった。 到着地選択過程に関しては, (1) 東京都と大阪府は,流出超過を示すにもかかわらず,多数の県からの最も好ましい到着地であること, (2) 到着地選択過程は,年齢にしたがって体系的に異なり,とくに最も顕著な集中パターンを示す15—19歳の年齢層と関わっていること, (3) 35—39歳の年齢層は,かなり分散した到着地選択パターンを示し,この年齢層の東京と大阪の影響圏は,地方中核都市や出発地の近傍の到着地によって大きく分断されているごと,そして,(4)流出選択過程の年齢選好性は,大都市県からの移動者の場合にはかなり弱く,非大都市県からの移動者の場合にはかなり強いという,大都市地域と非大都市地域の間で,明瞭な対照を示していることが明らかになった。
著者
阿部 和俊
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.17-24, 1990-06-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
5
被引用文献数
3 3

本稿の目的は,日本の首都東京を経済的中枢管理機能という高次都市機能の分析を通して,日本におけるその地位を検討することである。 都市機能の観点からみると,現在の東京を特色づけているのは何よりも大企業本社の集中である。本稿では,日本の民間大企業と日本における外資系企業の本社立地の分析を通して,首都東京の姿を浮き彫りにすることを目的とする。 我が国においては,民間企業本社の東京集中は著しい。しかし,東京への本社集中はとりたてて最近の現象ではない。それは早い時期からみられたのであり,今でもそれが強まりつつ継続している状態であると言えよう。そのことは当然の結果として,日本第2位の都市たる大阪の東京に対する相対的地位低下という事態を招いた。しかも,その傾向は今後しばらくの間は続くことが予想された。 外資系企業本社の立地動向をみると,日本の企業以上に東京への集中は激しく,東京と他都市との差は大きなものであった。
著者
寺阪 昭信 若林 芳樹 中林 一樹 阿部 和俊
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.159-173, 1988-05-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

本論文は,情報の伝達が空間に果たしている役割を,高度情報化社会といわれている現在の日本の状況のなかで捕らえてみることにある。コンピュータ技術の発展と通信のデジタル化による新しいネットワークの形成は, 1982年の第2次通信の自由化により,ニューメディアの進展となって現れた。地域的なネットワークの例として, NTTによるINSモデルの実験は東京武蔵野・三鷹地区で1984年から行われたが,これを実用化するまでには解決すべき多くの問題があることが明らかとなった。 CATVは初期の難視聴対策から出発して,ニューメディアとして普及するにまでに至った。可視チャンネル数の増加に加えて自主放送を行うことにより,地方都市では地域活動の活性化と自治体と住民をつなぐ役割を果たし,農村地区では地域の振興に,ニュータウンや大都市域では住民への情報の供給やコミュニティーの形成に役立つ可能性を開いている。 情報化の進展にともない,企業の分散が予測されたが,東京区部,とくに都心3区への中枢管理機能はかえって集中する傾向が見られる。これはマネージメントのための情報を求める企業の立地行動によるものである。さらに,最近では東京は世界的な規模での金融市場としての重要度を高めてきたことから,外資系企業のオフィスの立地が盛んになってきている。その需要にたいしてオフィス用ビルの建設が進んでいるが,不足ぎみなので値上がりが著しい。こうして都心のビジネス地区は拡大している。 このような動向から,日本における情報の地域格差は拡大している。東京を中心とする首都圏への情報の集中は著しく,大阪を初めとする他の大都市や地方都市の比重は相対的に低下している。民間における情報化の進展や情報サービス業の発展のほかにも,郵政省のテレトピア計画や通産省のニューメディアコミュニティー構想など,政府は情報化の進展をはかっている。これらが実現すると地域社会や住民の生活を大きく変える可能性がある。このような社会の変化に対して,我が国の地理学からの研究は立ち遅れている。
著者
阿部 和俊
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.43-67, 1984-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
5
被引用文献数
14 16

本稿の目的はわが国の主要都市における本社,支所機能について,歴史的経緯をふまえつつ現況を中心に述べることにある.考察した結果は,以下の通りである. まず第一に,都市におけるこの機能の集積をみると, 1907年にはかつての6大都市(東京,大阪,名古屋,横浜,京都,神戸)に多くの集積がみられ,さらに地方の都市にも相当数の本社の存在が認められた.しかし,次第に地方都市の本社は減少し,かわって大都市,とくに東京の本社が増加し続ける.この傾向は基本的に現在も変わっていない. 横浜,京都,神戸における集積は1935年以降,とくに戦後になってあまり伸びず,逆に1935年に成長の兆しをみせ始めていた地方の中心的な都市での集積が急激に伸長し, 1960年以後完全に逆転した.また,新潟,静岡,千葉,金沢,富山,岡山といった地方都市での増加も著しい.第1表からみてもこの傾向は今後続くであろう.しかし,東京,大阪,名古屋では1980年においては,対象企業数が増加しなかったためか,その集積は停滞気味であった。地方の中心的な都市がわずかとはいえ増加していることと対照的で,今後これがどのように推移するかを注目したい. これら本社,支所の業種を検討すると,初期においては鉄鋼諸機械,化学・ゴム・窯業部門は少なかったが, 1935年を境にこの部門は増加する.とくに, 1960年以後はこの傾向が一層強まる.とりわけ鉄鋼諸機械の支所は1935年から増加し始め,第二次大戦後は最も重要な業種となった.その集積は当初,東京,大阪,名古屋の三大都市に多くみられたが,次第に地方の中心的な都市においても増加してきている.建設業の本社,支所が戦後に増加するのも注目しておきたい.もっとも,支所の延べ数においては,金融・保険がその性格上圧倒的に多い.横浜,京都,神戸と上述の新潟以下の諸都市では,これら機能の集積が多い割に鉄鋼諸機械などの支所が少ないことも重要である. 戦後を対象に本社機能の動向をみると,東京の重要性がますます高くなっていることが指摘できる.とりわけ大阪系企業においては,商社にみられるように発祥の地である大阪よりも東京の機能を強化するようになってきており,この点における大阪の衰退傾向が感じられる.大阪が西日本の中心的地位を保ち続けうるか,あるいはもう一ランク下位階層の広域中心的性格の方をより強めていくのかが,今後大いに注目されるところである.
著者
小作 浩美 相良 かおる 阿部 明典 納谷 太 大村 廉 桑原 教彰 小暮 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.7, pp.2H510, 2007

<p>我々は、看護業務サポートシステムの構築の一環として、看護師の業務に関する音声データを収集し、看護業務を分析し、データベースを構築している。データベースは、イベント時間、看護師コード、患者コード、業務コード、音声書き起こしデータ等から構成されている。我々は、各コードからの業務量を視覚化するツールを開発した。これにより、各キー毎に簡単に看護業務量を視覚化することが可能となる。この結果、看護必要度を推定するための多面的な客観的データの提示が可能となる。<br>本稿では、看護業務分析のデータベースから、患者情報を抽出し、同一期間の看護師の業務量を算出法および、視覚化するツールについて紹介する。<br></p>
著者
阿部 正雄
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-11, 1995 (Released:2018-08-26)

In the West such positive principles as being, life, and the good have ontological priority over negative principles such as non-being, death, and evil. In this sense, negative principles are always apprehended as something secondary. By contrast, in the East, especially in Taoism and Buddhism, negative principles are not secondary but co-equal to the positive principles and even may be said to be primary and central. This is so in the sense that the realization of negativity is crucial to reveal ultimate Reality, and in the sense that the nameless Tao or Emptiness is realized as the root-source of both positive and negative principles in their relative sense. In short, the ultimate which is beyond the opposition between positive and negative is realized in the East in terms of negativity and in the West in terms of positivity.
著者
阿部 美知子 久米 光 奥平 雅彦
出版者
日本医真菌学会
雑誌
真菌と真菌症 (ISSN:05830516)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.289-295, 1985
被引用文献数
1

真菌症の免疫血清学的検査の診断学的有用性について臨床材料652検体および健康者88検体の合計740検体を供試材料として, counterimmunoelectrophoresis (以下CIE), passive haemagglutination (以下PHA) および latex agglutination test (以下LA) の三法で比較検討した.<br>臨床的および病理組織学的にカンジダ症が確認された66例中, CIEによる抗カンジダ抗体陽性率は48.5%およびPHA37.9%で, 病型別には内臓カンジダ症の陽性率が高かった.<br>同様にアスペルギルス症が確認された39例中, CIEによる抗アスペギルス抗体陽性率は38.5%およびPHA 77.3%であった.<br>クリプトコックス症11例のCIEによる血清中抗クリプトコックス抗体陽性率は30.0%, 同様に抗原陽性率50.0%で, 髄液中の抗体陽性率は0%, 同様に抗原陽性率は62.5%であった. また, LAによる抗原検出率は血清および髄液ともに100%で, クリプトコックス症では抗原検索の有用性が示唆された.<br>なお,内因性の感染症であるカンジダ症の診断では, 確定しえなかった症例でも臨床材料より頻回に大量のカンジダが分離される症例では高頻度にカンジダ抗体の検出をみた. このことは検索成績の評価に充分な配慮が必要であることを示唆するものである.