著者
齊藤 正彰
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.1-22, 2023-03-31
著者
幸 大二郎 中村 潤平 齊藤 智顕 柏木 伸幸 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.23-021, (Released:2023-09-15)
参考文献数
16

The pipehorse genus Solegnathus Swaison, 1839 is divided into two subgenera, Solegnathus Swaison, 1839 (superior trunk ridge discontinuous, with superior tail ridge) and Runcinatus Whitley, 1929 (ridges continuous), the former including Solegnathus (Solegnathus) hardwickii (Gray, 1830), S. (S.) lettiensis Bleeker, 1860, S. (S.) spinosissimus (Günther, 1870), and S. (S.) robustus McCulloch, 1911, and the latter, S. (Runcinatus) dunckeri Whitley, 1927. Of these five species, only S. (S.) hardwickii and S. (S.) lettiensis, have been recorded to date from Japanese waters, the latter being known from only two specimens [259.6 mm and 284.6 mm total length (TL)], both reported from the middle of the Okinawa Trough, southern East China Sea in 1978. However, a single specimen (KAUM–I. 182558, 367.0 mm TL) of S. (S.) lettiensis was found on a beach on Kamikoshiki-shima Island, Koshiki Islands, northern East China Sea, Kagoshima Prefecture, Japan in December 2022, probably a discarded bycatch from a deepwater bottom trawl fishery operating off the island. The specimen was characterized by having the superior trunk ridge discontinuous, with a superior tail ridge; opercular membrane without bony side platelets; body surface mainly tuberculate; length of dorsal-fin base 1.41 in head length; 23 trunk rings; and 74 total rings, and its identification confirmed after comparison with the two previously-collected specimens (above). The former, representing the second Japanese record and northernmost record of S. (S.) lettiensis, is described herein in detail, and the new standard Japanese name “Shinkai-sumitsuki-yoji” proposed for the species.
著者
齊藤 忠光
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.2_1-2_16, 2014-06-30 (Released:2016-11-17)
参考文献数
19

This paper looks at the process of establishing the historic administrative district areas and county areas as Japan established itself as a single nation and the transitional changes that led to today's prefectures, and the perspective for future wide-area administrative districts in Japan.Japan's historic administrative district areas and county areas comprised a regional administration system, established by the ancient Japanese state under the Ritsuryo legal code, based on the regional systems of China and Korea.The old maps from these times show the process of change from administrative districts to territorial divisions that identify regions, that occurred in the early modern period of feudal society, after the historic administrative district areas and county areas that formed the administrative districts of ancient Japan became superficial in medieval times.These maps also show that, with the further progression into the Meiji Restoration period, prefectures were established in the place of feudal domains, although these prefectural districts were established in line with the historic administrative district areas and county areas that formed the regions of early modern feudal society. The process through which counties became regional administrative districts possessing juridical personality, and then subsequently returned to geographical naming that identified regions after acquiring the role of administrative regions is also shown.In addition, these maps show the meandering process through which the prefectural districts, in other words the wide-area administrative districts that followed the establishment of prefectures in the place of feudal domains, were established, and they can also be applied to the analyses of proposals for the far-sighted yet un-realized further merging of prefectural districts.The ancient Japanese administrative district areas and county areas that underwent these transitional changes maintained regions that were coherent in terms of geography and climate and still exist today as cultural and historical regions.Meanwhile, the municipalities that comprise the basic local authorities that are closest to today's residents were expanded during the mergers of municipalities from the Meiji to the Showa period and subsequent mergers in the Heisei period, and inverse phenomena, namely the creation of cities with wider areas than prefectures, also occurred. However, many instances where the old county districts have literally become cities in their own right give testimony to the geographical coherence of the old county districts.In view of these prefectures, which comprise the new wide-area administrative districts, and the current status of the expanded municipalities, the objective of this study is to introduce proposals for wide-area provinces that will form the next new wide-area administrative districts, and to form a perspective for future wide-area administrative districts in Japan.
著者
齊藤 昇
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.263-270, 2011 (Released:2011-07-15)
参考文献数
27
被引用文献数
12 8

目的:高齢入院患者は慢性便秘症を伴い勝ちで,緩下剤として酸化マグネシウム(MgO)が処方される機会も多く,また腎機能障害例も少なくない.MgO服用により血清マグネシウム(Mg)は増加傾向で,この時腎機能低下があれば血清Mgはさらに増加する.平成20年にMgO服用による副作用が問題となった.そこで高齢入院患者でMgO 1日0.5~3 gの使用が血清Mgにどう影響するかを腎機能と関連させて調べた.方法:高齢入院患者延べ1,282例(男505,女777),平均79.6歳が対象であった.早朝空腹時に採血し,血清Mgをキシリジルブルー法により測定した.推算糸球体ろ過量(estimated glomerular filtration rate,eGFR)が計算された.このeGFR(ml /min/1.73 m2)により症例を5群に分け,eGFR 30未満(第1群),30以上,60未満(第2群),60以上,90未満(第3群),90以上,130未満(第4群),130以上(第5群)とした.4群で分ける場合には第1~3群は上記と同じで,90以上をまとめて第4群とした.1 入院患者をMgO無しの552例(男212,女340),平均79.5歳とMgO服用の272例(男115,女157),78歳に分け,それぞれeGFRにより5群にさらに分類した.これら各群につき血清Mgの分布を調べた.2 MgO無しとMgO服用とを比較した.男性ではMgO無しの22例,平均79.4歳とMgO服用の18例,79.2歳であり,女性ではそれぞれ39例,84.2歳と30例,82.4歳であった.3 4症例(男1,女3),平均86.8歳の経過を4~14カ月観察した.4 MgO無しの88例(男31,女57),平均81歳と,MgO 1日0.5~1.5 g服用の116例(男42,女74),80.3歳と,MgO 1日2~3 g服用の118例(男55,女63),78.5歳との3集団を比較した.5 血清Mg3.8 mg/dl 以上(基準値1.7~2.6 mg/dl)の症例でMgO無し7例(男2,女5),平均84.2歳とMgO服用16例(男7,女9),85.7歳とを比較した.結果:1 eGFRによる5群ではMgO服用例でMgO無しの例に比較し,第1群は第3~5群に比較し血清Mgはより高い値の分布をχ2で有意に示した.2 MgO無しの男性平均6.9カ月,女性6.4カ月の経過でeGFRは有意に低下し,血清Mgは有意に増加した.MgO服用の男性6.1カ月,女性10カ月ではeGFRは有意な変化でなかったが,血清Mgは有意に増加した.3 4症例ではeGFRが低下すれば血清Mgが高くなり,その逆もあった.4 eGFRによる4群すべてでMgO無しに比較しMgO服用で血清Mgは有意に高かった.MgO無しでは第1群で第3,4群に比較し血清Mgは有意に高かった.MgO服用量による比較では第1群のみで1日2~3 gは0.5~1.5 gよりも血清Mgは有意に高くなった.5 血清Mg3.8 mg/dl 以上の症例をMgO無しとMgO服用に分けると,血清Mgは両者でほぼ同じで,eGFRはMgO無しで有意に低かった.血清Mgの最高値はMgO無しで5.2 mg/dl,MgO服用で5.9 mg/dl であった.結論:入院患者についてMgO服用で血清Mgは増加し,またeGFRの低下は血清Mgを増加させた.特にeGFRが30 ml /min/1.73 m2未満(第1群)では血清Mgは高かった.
著者
小林 一樹 齊藤 由空 廣神 奏音 広井 勉 小野田 淳人
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.199-206, 2017-06-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

世界中で消費され始めている日本の伝統的な食材の一つにこんにゃくがある。こんにゃく製品を製造する過程で多量のこんにゃく飛粉が副産物として生み出されているが,有効な活用方法が少なく,その付加価値を高めるために利用方法を模索する研究が求められている。本研究は,こんにゃく飛粉から再生可能エネルギーの一つであるバイオエタノールを生成することが可能かどうか検証することを目的として行った。硫酸,塩酸または硝酸を用いてこんにゃく飛粉中に含まれる多糖類を単糖類に分解(糖化)し,発酵で単糖類をエタノールと二酸化炭素に分解,蒸留による精製を行うことでエタノールの濃縮を試みた。また,糖化,発酵,精製の各工程後に生成する物質を明らかにするため,高速液体クロマトグラフならびにガスクロマトグラフによる成分分析を行った。本研究により,硫酸を用いた糖化を経ることで,こんにゃく飛粉(30 g)から他の食糧廃棄物と同様にエタノール水溶液(9.1 g/L,600 mL)の生成が可能であることが,明らかになった。本研究は,肥料や家畜飼料の他に,こんにゃく飛粉の新たな活用方法としてバイオエタノールが製造できる可能性を示した。
著者
岡田有司 大久保智生 半澤礼之 中井大介 水野君平 林田美咲 齊藤誠一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第60回総会
巻号頁・発行日
2018-08-31

企画趣旨 学校適応に関する研究は近年ますます活発になり,小学校・中学校・高校・大学と各学校段階における学校適応研究が蓄積されてきている。学校段階によって学校環境や児童・青年の発達の様相は異なるといえ,学校適応研究においても学校段階を意識することが重要だといえる。こうした問題意識から,企画者らは2017年度は小学校段階に焦点をあてて学校適応について検討を行った(大久保・半澤・岡田,2017)。本シンポジウムでは,中学校段階に注目し,主に友人関係の観点から学校適応にアプローチする。 先行研究では中学生の学校適応に影響を与える様々な要因について検討されてきたが,その中でも友人やクラスメイトとの関係は学校への適応に大きなインパクトがあることが示されてきた(岡田,2008;大久保,2005など)。 中学校段階は心理的離乳を背景に友人関係の重要度が増すとともに,同性で比較的少人数の親密な友人関係である,チャムグループを形成する時期であるとされる(保坂・岡村,1986)。そして,この時期の友人関係では,内面的な類似性が重視され,排他性や同調圧力が強くなるといった特徴のあることが指摘されている。このような友人関係を形成することは発達的に重要な意味がある一方で,中学校段階において顕在化しやすい学校適応上の諸問題と密接に関連していると考えられる。 以上の問題意識から,本シンポジウムでは友人という観点を含めながら中学生の学校適応について研究をされてきた登壇者の話題提供をもとに,この問題について理解を深めてゆきたい。中学生の「親密な友人関係」から捉える青年期の学校適応中井大介 近年,青年期の友人関係に関する研究では青年が親密な関係を求めつつも表面的で希薄な関係をとることや状況に応じた切替を行うといった複雑な様相が指摘されている(藤井,2001;大谷,2007)。その中で,依然として「親友」と呼ばれるような「親密な友人関係」が青年期の学校適応や精神的健康に影響することも指摘されている(岡田,2008;Wentzel, Barry, & Caldwell, 2004)。 一方で,このように重要とされている青年期の親密な友人関係であるが,そもそも青年にとって,このような親密な友人関係がどのようなものであるかを検討した研究は少ない(池田・葉山・高坂・佐藤,2013;水野,2004)。その中でこのような青年期の親密な友人関係をとらえる枠組みの一つとして,近年,青年期の友人に対する「信頼感」の重要性が指摘されている。 しかし,この青年期の友人に対する「信頼感」については,質的研究は行われているものの量的研究が少ないため未だ抽象的な概念である。この点を踏まえれば青年期の親密な友人関係について主体としての青年自身が信頼できる友人との関係をどのように捉えているのかを量的研究によって検討する必要があると考えられる。 加えて上記のように中学生にとって親密な友人関係が学校適応や精神的健康に影響を及ぼすことを踏まえれば,友人に対する信頼感と学校適応の関連を詳細に検討する必要性があると考えられる。しかし,これまで友人に対する信頼感が学校適応とどのような関連を示すかその詳細は検討されていない。そのため生徒の学年差や性差などによる相違についても検討する必要がある。 そこで本発表では中井(2016)の結果をもとに,第一に,「生徒の友人に対する信頼感尺度」の因子構造と学年別,性別の特徴を検討し,第二に,友人に対する信頼感と学校適応との関連を学年別,性別に検討する。これにより中学生の学校適応にとって「親密な友人関係」がどのような意味を持つかについて今後の研究課題も含め検討したい。スクールカーストと学校適応感の心理的メカニズムと学級間差水野君平 思春期の友人関係では,「グループ」と呼ばれるような同性で,凝集性の高いインフォーマルな小集団が形成されるだけでなく(e.g., 石田・小島, 2009),グループ間にはしばしば「スクールカースト」という階層関係が形成されることが指摘されている(鈴木, 2012)。スクールカーストは,生徒の学校適応やいじめに関係することが指摘されている(森口, 2007;鈴木, 2012)。中学生を対象にした水野・太田(2017)では学級内での自身の所属グループの地位が高いと質問紙で回答した生徒ほど,集団支配志向性という集団間の格差関係を肯定する価値観(Ho et al., 2012;杉浦他, 2015)を通して学校適応感に関連することを明らかにした。このように,スクールカーストに関する心理学的・実証的な知見は未だに少ないことが指摘されているが(高坂, 2017),スクールカーストと学校適応の心理的プロセスが少しずつ示されてきている。 また,個人内の心理的プロセスだけでなく,学級レベルの視点を取り入れた研究も必要であると考えられる。なぜなら,学校適応とは「個人と環境のマッチング」(近藤, 1994;大久保・加藤, 2005)と言われるように,個人(児童や生徒)と環境(学級や学校)の相性や相互作用によって捉える議論も存在するからである。さらに,近年のマルチレベル分析を取り入れた研究から,学級レベルの要因が個人レベルの適応感を予測することや(利根川,2016),学級レベルの要因が学習方略に対する個人レベルの効果を調整すること(e.g., 大谷他,2012)のように,日本においても学級の役割が実証的に示されてきているからである。 本発表では中学生のスクールカーストと学校適応の関連について,スクールカーストと学校適応の関連にはどのような心理的メカニズムが働いているのか,またどのような学級ではスクールカーストと学校適応の関係が強まってしまう(反対に弱まってしまう)のかを質問紙調査に基づいた研究を紹介して議論をすすめたい。友人・教師関係および親子関係と学校適応感林田美咲 従来の学校適応感に関する多くの研究では,友人や教師との関係が良好であり,学業に積極的に取り組む生徒が最も学校に適応していると考えられてきた。しかし,学業が出来ていない生徒や教師との関係がうまくいっていない生徒が必ずしも不適応に陥っているとは限らない。そこで,今回は学校適応感を「学校環境の中でうまく生活しているという生徒の個人的かつ主観的な感覚(中井・庄司,2008)」として捉え,検討していく。 友人関係や教師との関係が学校適応感に及ぼす影響については,これまでも検討されてきている (例えば,大久保,2005;小林・仲田,1997)。さらに,家族関係も学校適応感と関連することが示されており,学校適応について検討する際には家族関係やクラス内にとどまらない友人関係も考慮するという視点が必要であると指摘されている (石本,2010)。人生の初期に形成される親子関係は,後の対人関係を形成する上での基盤となることが考えられる。そこで,親への愛着を家族関係の指標とし,友人関係,教師との関係と合わせて,学校適応感にどのような影響を及ぼすのかについて検討した(林田,2018)。 その結果,愛着と学校内の対人関係はそれぞれに学校適応感に影響を及ぼすだけでなく,組み合わせの効果があることが示唆された。親子関係が不安定なまま育ってきた生徒であっても,友人関係や教師との関係に満足していることが補償的に働き,学校適応感が高められることや,友人関係や教師との関係に満足できていない場合,親への愛着の良好さに関わらず,高い学校適応感が得られにくいことが示唆された。つまり,学校適応感を高めるためには,友人関係や教師との関係が満足できるものであることが特に重要であると考えられる。 本発表では,親への愛着や友人関係,教師との関係といった中学生を取り巻くさまざまな対人関係が学校適応感にどのような影響を及ぼしているのかについて,研究結果を紹介しながら考えていきたい。
著者
齊藤 正彰
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.1-22, 2023-05-31
著者
白水 始 飯窪 真也 齊藤 萌木
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.137-154, 2021-03-30 (Released:2021-11-16)
参考文献数
82

本稿では,学習科学の成立と展開を振り返り,次の課題を同定することで,実践を支える学びの科学になり得る可能性を検討した。1990年代初頭の成立から30年が経ち,学習科学は学習者の学びの複雑さや多様性を可視化し,それを支える教師や教育行政関係者,研究者が実践の中で学びについて学び合うことの重要性を明らかにしつつある。それは研究方法論が,特定の学習理論を具現化した教材などのパッケージを提供するデザイン研究から,ビジョンを提示し,その実装を現場主体で行えるようシステム面で支援するデザイン研究や,教育行政関係者も巻き込んだ連携基盤の上で学校や教師集団の自走を狙うデザイン社会実装研究に変化しつつあることとも呼応する。今後は,児童生徒が授業の中でいかに学ぶかの仮説を教育現場が自ら立てて,そのデザイン仮説を実践結果で検証し,学習プロセスの複雑さや多様性についての理解を深めることを支えられる実践学の創成が求められている。
著者
齊藤 力
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.291-302, 2000-10-01
参考文献数
28

北原白秋は詩人・歌人で,童謡,歌曲,器楽曲,合唱曲,管弦楽曲などの作詞を多数行ったことで,あまりにも高名であるが,校歌,団歌,社歌,市町村歌,地力民謡・音頭,軍歌なども数多くつくっていたことは余り知られていない.これらの中に歯学,医学に関連する学校の校歌,および団歌などをいくつかみることができる。そこで,これらの歌に関して調査するとともに,その歌詞について若干の考察を行った.北原白秋作詞による歯学,医学関係の歌にみられる主な共通語句は「国手」,「醫」,「窮」,「済」,「仁」などであった.これらの歌詞は北原白秋の医学,医療に対する考え方,すなわち医の社会性,平等性,奉仕の精神の重要性,愛の心の必要性などを表現しているものと思われた.
著者
布田 花子 森田 修一 山田 秀樹 花田 晃治 齊藤 力 高木 律男
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.85-93, 2002-12-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the changes of the soft tissue profile in the nose following Le Fort I osteotomy in skeletal Class III patients.The subjects were 30 females who underwent twojaw surgery to correct anterior reversed occlusion, and who were classified into three groups according to the directions of surgical displacement of the maxilla.1. Advancement-Impaction group (n=11)2. Advancement group (n=12)3. Advancement-Downgraft group (n=7)For each patient, lateral cephalograms, taken preoperatively and postoperatively, were traced and superimposed, and linear and angular measurements were obtained. And, alinasal width was measured on frontal facial photographs taken preoperatively and postoperatively. These data from the three groups were compared.The results were as follows:1. In the Advancement-Impaction group, Pronasale and Subnasale were displaced in the upward and forward direction after Le Fort I osteotomy.2. In the Advancement group, Pronasale and Subnasale were displaced in the forward direction after surgery.3. In the Advancement-Downgraft group, Pronasale was displaced in the forward direction, and Subnasale was displaced in the downward direction.4. Alinasal width was increased in the three groups with advancement of the maxilla.In conclusion, there were differences in the postoperative changes of the nose, with different movement of the maxilla.
著者
奥村 康子 小田 雅子 齊藤 浩司
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.34-38, 2015 (Released:2015-06-28)
参考文献数
9

Objective: Consultation contents from medical consumers can become a useful information for medical workers.  However, report which investigated about them is limited.  In this study, we investigated the question contents from medical consumers with telephone.Methods: Nineteen hundred records on the consultation from medical consumers with telephone from 2007 to 2011 were subject to this study.  Using appropriate keywords and check the records, corresponding cases were extracted.Results: Resources of drug information which medical consumers used had various one such as the Internet, television, books, and newspapers.  However the medical consumers did not necessarily understand drug information correctly from the Internet and books.  This means that support by pharmacists was necessary in those cases.Conclusion: We think that information sharing in the medical consumers and medical workers based on a good relationship is important for proper use of drugs.
著者
草野 佑介 粟屋 智就 齊藤 景子 吉田 健司 井手 見名子 加藤 竹雄 平家 俊男 加藤 寿宏
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.445-448, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
9

Irlen症候群は視知覚の異常が原因とされる読字障害の特殊型である. 特定の遮光レンズ眼鏡やカラーフィルムにより症状が改善することが特徴とされているが, それらの効果には懐疑的な意見も多くIrlen症候群の存在自体にも議論がある. 今回, 我々は羞明などの視覚過敏症状を呈し, 遮光レンズ眼鏡の有無により読字能力が大幅に左右された読字障害の8歳女児を経験した. 遮光レンズ眼鏡がプラセボ効果である心因性視力障害の可能性は完全には否定できないものの, その症状や経過はIrlen症候群の特徴に非常によく合致していた. 本症例では, 遮光レンズ眼鏡非装用下では全く本が読めない状態から, 遮光レンズ眼鏡装用下では年齢相応の読字能力を示し, 何らかの光学的な情報処理の異常が読字に影響を与えていると推察された. Irlen症候群は現在では読字障害, 学習障害全般や一般人口を対照に曖昧にその概念を拡げているが, その科学的な意味付けには本症例のような特徴的な症例を集積する必要がある. 同時に, 遮光レンズ眼鏡という簡便な手法により容易に矯正されうる点で, 学習障害に携わる医療関係者や支援者が記憶しておくべき概念であると考えられる.