著者
高野 和郎 坂田 暉英 福山 公基 太田 宏 前田 洋 李 雅弘 尾上 保夫 青木 隆一 高場 利博 岩堀 嘉和 松下 功 金子 和義 三富 静夫 唐沢 弘文 藤井 浩一 森本 和大 石井 淳一 上村 正吉 藤巻 悦夫 村田 恒雄 森 義明 菅谷 修一 西堀 実 薄井 武人 安藤 公信 清田 卓也 熊谷 日出丸 前田 正雄 鈴木 庸之 本多 儀一 門馬 満 藤本 昇 安藤 光彦 口石 将博 崔 相羽 高須 克弥 平井 啓 小池 勝 平塚 進 鈴木 武松 土持 喬 初鹿野 誠彦 津田 紘輔 諸岡 俊彦 藤井 陽三 清水 一功 八田 善夫 直江 史郎 坂木 洋 海老原 為博 太田 繁興 佐々木 彰 村山 義治 塚田 政明 清水 晃 山口 明志 江頭 亨 坂本 利正 渡辺 佐 加藤 水木 片桐 敬 吉田 文英 小島 昭輔 新谷 博一 鈴木 孝臣 金沢 英夫 落合 泰彦 堀坂 和敬 藤巻 忠夫 平木 誠一 橋本 敏夫 加藤 国之 石井 靖夫 菅 孝幸 赤坂 裕 今村 一男 甲斐 祥生 中西 欽也 太田 繁興 近藤 常郎 落合 元宏 松井 恒雄 依田 丞司 吉田 英機 丸山 邦夫 池内 隆夫 入江 邦夫 佐々木 彰 清水 晃 鈴木 周一 坂木 洋 塚田 政明 秋田 泰正 森 弘道 天野 長久 本多 平吉 山口 明志 坂本 利正 安達 浩行 草ケ谷 雅志 高野 和郎 中川 克宣 鶴岡 延熹 小野 充 阿万 修二 植原 哲 渋谷 徹 桑原 紘一郎 小黒 由里子 後藤 晋 島袋 良夫 安藤 彰彦 国枝 武幸 今西 耕一 小田切 光男 鄭 政男 佐川 文明 田代 浩二 大瀬戸 隆 菅沼 明人 町田 信夫 前田 尚武 小泉 和雄 鈴木 一 安藤 弘 山崎 健二 井出 宏嗣 福山 公基 木村 明夫 小林 祐一郎 狩野 充二 長嶺 安哉 木村 明夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.820-825, 1970
著者
石川 大樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.265-272, 1996-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

膝関節における半月板の機能的役割が明らかになるにつれ, 半月板損傷の治療に際して損傷半月板の温存が重要であることは諸家の一致した意見であり, 血管が分布する半月板辺縁部での損傷に対して, 今日では半月板縫合術が積極的に行われるようになった.しかし, 修復された損傷半月板が機能的にも正常化するかどうかは不明な点が多い.また, 半月板には神経分布もあると言われているが, 諸家の文献はまちまちであり, 一致した意見がない.そこで今回我々は, 微細血管および末梢神経線維を同一切片上で同時に観察できるneurovascular double staining法 (以後NVDS法と略す) を開発し, イヌ膝関節の半月板における神経線維と血管の分布を観察した.また, 人工的に内側半月板辺縁部損傷を作製した後, 半月板縫合術を行った雑種犬18頭を術後2, 4, 6, 8, 12, 24週で屠殺し, 半刀板辺縁部において断裂された神経と血管の修復過程を, NVDS法をもちいて経時的に観察した.正常半月板では血管は半月板辺縁部より1/2~1/3程度まで内側へ分布していた.しかし神経は1/5程度内側までしか分布していなく, またその数も極めて少なかった.なお神経終末は全て自由神経終末であり, mechanoreceptorは存在しなかった.半月板修復過程において血管系の再生は術後約6週でみられたが, 神経線維の再生は術後24週までみられなかった.NV-DS法は, 半月板の神経・血管分布および両者の相互関係を検索するのに有用な方法であることが実証された.また, 辺縁部断裂縫合後の修復半月板は短期的には完全に再生されていないことが明らかとなった.
著者
佐野 徹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.585-593, 1988-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

隆鼻術において, 固形シリコンインプラントの使用は, ますます増大してきている.インプラントの挿入は, 骨・軟骨の容積を補う目的であるので, 土台となる骨面との固定性は重要なことである.術後に患者が指で鼻を押さえて, 鼻筋と一体となってグラグラ動くようでは, 本来の目的を達していないと思われる.ひいてはこの固定性の良否が術後の合併症を予防する上でも重要な点であると考えられる.隆鼻術は無視野の手術であるため, インプラントの挿入された部位の確認が明確でなく, 骨膜下に挿入すべきものであるのか, 骨膜上でよいのかは, 従来議論の別れるところであった.ラットを用いた実験で, 骨面にじかにインプラントを置いたものと, 骨膜上に置いたものとに分けて, その固定性を比べてみたが, あたかも骨と一体化したように固定されるのは, 前者であった.このことから, 隆鼻術の際の骨膜剥離操作の重要性が確認された.次に, 隆鼻術の際に骨膜下に, インプラントの先端を挿入し得るポケットの作成が可能であるか否かの問題点である.肉眼的には, 鼻部腫瘍の手術の際, 骨膜剥離子の先端で鼻骨骨膜の剥離は可能であり, 光顕的には, 骨膜および周辺の組織を2倍の長さに牽引しても, 伸びた骨膜は連続しており, 結果として骨膜下の剥離そのポケットの作成は可能であった.しかし, 骨膜が破壊されても, その結果, 骨面に接してインプラントがあれば, 同様に良い固定性を得ることができると思われる.いずれにしても, 隆鼻術の際の鼻骨剥離操作を十分に行うことが重要となる.
著者
小川 竜平 真鍋 厚史 中山 貞男 小口 勝司
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.118-127, 1994-04-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

カルシウム (Ca) とリン (P) の吸収, 排泄ならびに実験的骨粗鬆症の骨代謝に対するシュウ酸 (OA) , 酒石酸 (TA) の影響をWistar系雌性ラットを用いて検討した.1または3%のOAあるいはTAを含む飲料水を1~3週間自由に摂取させCa, Pの糞中, 尿中排泄量を測定した.OAおよびTAともCaの糞中排泄をいずれの摂取期間においても明らかに増加させた.Pの糞中排泄もOAおよびTA摂取により増加あるいは増加傾向を示した.一方, CaおよびPの尿中排泄には明らかな変化は認められなかった.すなわちOAおよびTAはCa, Pの腸管からの吸収阻害により糞中排泄を増加させたと考えられる.卵巣摘出 (OVX) による実験的骨粗鬆症に対する影響は, 1%OA (OVX・OA) , 1%TA (OVX・TA) を6カ月間自由摂取させ検討した.大腿骨と脛骨の灰分重量と乾燥重量の比は灰分重量の減少によってShamに比較しOVX, OVX・OA, OVX・TAにおいても低下したが, 3群問に差は認められなかった.大腿骨, 脛骨のCaはOVXで減少を示し, OVX・OAとOVX・TAではこの減少が著明に促進された.骨中PはOVXで有意な減少を示さなかったが, OVX・OAとOVX・TAではSham, OVXに比べて減少を示した.組織学的にはOVX・OA, OVX・TAで脛骨骨幹端部の骨梁の減少および単位骨量の減少を認めた.以上の結果より, OAとTAは腸管からのCaとPの吸収を阻害し骨粗鬆症を悪化させる可能性が示唆された.
著者
堀之内 達郎 副島 和彦 神田 実喜男 吉村 誠 福島 一雄 阪本 桂造 藤巻 悦夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.111-115, 1993

血管腫は, 良性腫瘍としては比較的多い腫瘍であるが, 筋肉内血管腫は比較的まれな腫瘍で, 臨床的に特徴的な所見に乏しく病変が深部にあることが多いため, 診断が困難である.今回我々は, 大腿中間広筋内にびまん性に発生した筋肉内血管腫を経験した.症例は, 28歳, 男性, 左大腿部腫瘤と疼痛を主訴に来院.左大腿部に8×6cmの弾性硬, 境界不鮮明で圧痛のある腫瘤を触知した.CT, MRIで同部に境界不明瞭な腫瘍陰影を認めた.血管造影では, 静脈相で不整な集積像を認めた.手術所見は, 中間広筋内に1~2cmの腫瘍を数個認め, 内容は暗赤色を呈しており, 一部正常組織を含めて一塊として摘出した.病理組織所見では, 筋肉内血管腫の混合型で主に海綿型を呈し, 一部に毛細管型を伴っていた.
著者
福井 智康 平野 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.120-126, 2005-04-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
26
著者
野嶽 幸正
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.307-317, 2005-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
9
著者
石野 尚吾
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.28-30, 2004-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
3
著者
永田 和弘
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.123-147, 1961

The author has obtained the following results after examination of the actions of antagonistic muscles of stiffened shoulders.<BR>I) Spontaneous-discharge, The frequency of the discharge was higher in the cases of stiffened shoulders than in the cases of non-stiffened shoulders, in particular, in the cases of so-called gojukata it was the highest at m. latissimus dorsi in contrast with other caused stiffened shoulders.<BR>II) Antagonist-discharge: The frequency is high in the cases of stiffened shoulders as well as of spontaneous discharge, in particular, it was frequently observed where the umbalance of the strength of holding muscles of shoulder joint is evident, but the more frequency was detected at m. latissimus dorsi in the cases of so-called gojukata. This fact shows, to the best of my knowledge, tnat the m, latissimus dorsi has strong functions to escape the pain by holding the upper extremity at adducted position, and at the same time, to prevent the instability of humerus-head which might appear through regressive changes of tendon of m. supra spinam.<BR>III) The author found that under the age of 34, relatively less cases were observed in which these two discharges appear at shoulders, while they often observed in the cases of so-called gojukata.
著者
渡辺 幹彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.258-265, 2000

投球障害肩の病態を明らかにすることを目的として, 投球障害肩の関節鏡所見による病変の把握と投球障害を有する者と有さない者との投球動作の比較検討を行った.関節鏡所見では上方関節唇損傷を10名中9名, 棘上筋腱の関節面不全断裂を10名中7名に認めた.関節窩上方から前上方にかけての関節唇剥離に伴う関節唇複合体損傷が投球障害肩の特徴的関節鏡所見と考えられた.動作解析のstick-figureの比較ではコントロール群は加速期からボールリリースまで体幹の回旋によってボールを加速していたが, 障害肩群では加速期の途中で体幹の回旋が止まり, 上肢の動きでボールを加速していた.各関節の最大速度の達するまでの時間の比較検討では, 障害肩群では投球相の加速期において肩関節, 肘関節ともにコントロール群に比較して早く最大速度に達し, 逆に肘関節-手関節間の最大速度到達時間間隔は有意に延長していた.これは加速期において肩関節, 肘関節は減速しながら, ボールを加速する時間が長いことを意味し, 肩関節へのストレスとして働いていると考えられた.<BR>動作解析の結果と関節鏡所見の病変部位から投球障害肩の病態は, 投球動作の加速期における体幹と上肢の協調運動の破綻によって発生するストレスによる関節窩前上方の関節安定化機構の破綻であり, 結果的に上方関節唇損傷や腱板関節面不全断裂を導くと考えられた.
著者
横川 礼二郎
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.286-292, 1958-07-30 (Released:2010-09-09)
参考文献数
2

In 117 patientss who visisted our clinic, their staphylines ane intervals of palatal arch in both sides, front and rear were observed before or after tonsillectomy. The postoperative staphylines became shorter average 0.21 cm in length and longer 0.11 cm in basal wideth as compared with the preoperative. The intervals of palatal arch were all lengthened as compared with preoperation. As for difference by sex staphylines had a litte worse defoormity in females than in men, but had no difference in the intervals of palatal arch. By degrees of tonsilar hypertrophy, staphylines showed somewhat worse deformity in the moderate cases cases than in the severe or mild. As for the intervals of palatal arch, the mild cases were not so deformed as the severe or moderate. Deformities of staphylines due to tonsillectomy were divided into six classes.

1 0 0 0 IR 心原性失神

著者
小貫 龍也
出版者
昭和大学・昭和医学会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.558-563, 2011
著者
伊藤 良作
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.43-54, 1983-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

ヒト棘腕筋 (前鋸筋, 僧帽筋, 大・小菱形筋, 肩甲挙筋) について, 筋重量, 筋層の厚さ, 筋線維数および筋線維の太さの計測を行い, 相互に比較するとともに, ヒトの他筋およびサルの同筋と比較して, ヒト上肢帯筋の特徴を検討した.材料は10%ホルマリン水注屍10体 (男性; 5, 女性; 5) の右側から得られたもので, セロイジン包埋, H・E染色によった.結果は次の通りである.1.検査した筋の筋重量は僧帽筋が最も大で前鋸筋もこれに近かったが, 一般に男性の方が女性に優る傾向を示した.また, 筋層の厚さは前鋸筋の頭側部, 僧帽筋の中間部, 大菱形筋の頭側部が最も厚い部類に属した.2.1mm2中の筋線維数は前鋸筋が最も多く, 以下, 大菱形筋, 肩甲挙筋の順となり, 僧帽筋の中間部が最も少なかった.性別的に女性の方が男性よりも多い傾向を示した.3.筋線維の太さは僧帽筋の中間部が最も大で, 小菱形筋と肩甲挙筋がほぼ等しくてこれにつぎ, 大菱形筋と前鋸筋の各部が最も小であり, 性別的には前鋸筋と僧帽筋では男性の方が女性よりも大なる傾向が認められた.4.カニクイザルと比較すると, 前鋸筋と菱形筋ではサルは尾側部が他の部位よりも著しく発達したのに対し, ヒトでは部位間に明らかな差が認められなかった.また, ヒトの菱形筋ではむしろ小菱形筋の筋線維が大菱形筋のそれよりも大であった.さらに, サルの僧帽筋では中間部の発達が悪かったのに対し, ヒトでは同部の発達が最も著しかった.5.以上のことから, ヒトでは肩甲骨の内転あるいは固定に関与する筋または部位が最も発達し, サルと異った部位差を示すことが明らかであり, これらはサルとヒトの上肢運動の相違に基くものと考えられた.
著者
宇内 康郎
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.524-529, 2001-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
24
著者
宅間 永至 杉田 幸二郎 真木 寿之 伴 良雄 佐藤 温
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.343-355, 1988-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
42

未治療の原発性甲状腺機能低下症61例を対象として, 無選択的に筋障害について神経学的面から検討を加えた.1) 筋脱力感を89%に訴え, 動作緩慢80%, 他覚的脱力51%, 筋肥大89%に認めた.深部反射の弛緩相の遅延 (Lambert徴候) は92%, mounding現象71%, 異常感覚は46%が訴え, 他覚的感覚障害は25%に認めた.2) 筋症状の程度に関係なく, 大腿四頭筋生検材料を用いて組織学的検索 (21例) を施行し, 全例に筋原性変化を認めた.その内容は筋線維の大小不同16例 (76%) , 筋鞘核の増加11例 (52%) , 中心核13例 (62%) , リンパ球浸潤6例 (29%) , ムコ蛋白沈着4例 (19%) であった.21例中17例の組織化学検索では, ミトコンドリア異常はsubsarcolemmal hyperactivity5例 (29%) , moth eaton所見4例 (24%) に認めた.Small angulated fiber, 小群集萎縮は21例中12例 (57%) , そのうち, 明らかなneuromyopathy例は3例 (14%) であった.3) 甲状腺機能重症度を血中T4値およびTSH値から判定し, その重症度を組織学的筋障害程度と対比して検討した結果, 組織学的筋障害程度とは関連性がみられなかった.4) 甲状腺機能低下症の罹病期間と組織学的筋障害程度の関連をみると, 罹病期間が短い症例は筋組織病変が軽度であり, 10年以上の症例は高度な筋原性変化に加えて神経原性変化の混在所見も高率となった.5) 筋線維タイプ別分類からみると, 17例中16例 (94%) はタイプII線維数の占める比率が, タイプI線維より高いか, 同率であった.また, タイプII線維の萎縮が8例 (47%) と多く, タイプ1線維の萎縮を2例 (12%) , 筋組織病変が高度になると両型線維の萎縮を3例 (18%) に認め, atrophy factorも高値となった.肥大筋線維はタイプI線維の肥大を2例, 両型線維の肥大を1例認めた.6) 腓腹神経の検索 (6例) では有髄神経線維数の減少, 節性脱髄, endoneurial fibrosisが主体で, 軸索の変化は軽度であった.7) 髄液検査 (21例) では蛋白増加を10例 (48%) に認め, 筋生検施行例 (13例) では髄液圧亢進, 蛋白量増加は筋組織上の神経原性変化とは関連がなかった.筋電図 (23例) は15例 (65%) に異常を認め, 15例中筋原性パターン13例 (87%) , 多相性電位8例 (53%) , 高振幅電位3例 (20%) で, 罹病期間が長期例では神経原性パターンが高率にみられた.末梢運動神経伝導速度は, 正中神経 (16例) で2例 (13%) , 脛骨神経 (7例) で2例 (29%) に遅延を認めた.
著者
菊嶋 修示 小林 洋一 蔵野 康造 矢澤 卓 馬場 隆男 向井 英之
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.249-260, 1991-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
27
被引用文献数
3

Adenosine三リン酸 (ATP) は上室性頻拍 (PSVT) の停止薬として用いられるが心停止, 灼熱感などの副作用が多い.ATPの刺激伝導系への作用はATP自身とadenosineに基づき, 副作用もATP自身とadenosineに基づくと思われる.ATP使用に際し, dipyridamole (DIP) (adenosineの細胞内吸収阻害薬) を併用しATP作用のadenosineに依る作用のみ増強させることで, ATPの副作用を軽減し得るか検討した.対象は32例, 内20例がPSVT例である. ATPの半減期は短いため, ATPは漸増注入 (0.025-0.5mg/kg) した.前処置薬としてDIP, aminophylline (adenosineの競合的阻害薬) , atropine, propranolol, isoproterenolを用いた.前研究として洞調律時にATPを注入し, 前後での洞周期と房室伝導時間を経時的に求め, ATP注入前後でcyclic-AMP (c-AMP) , epinephrine, norepinephrine血中濃度を測定した.ATPを洞調律時に注入すると, 一過性の陰性変時作用と陰性変伝導作用が出現, その後陽性変時作用がみられた.陰性変時作用と陰性変伝導作用はDIPで増強, aminophyllineで減弱, atropineでは不変であった.陽性変時作用はaminophyllineで増強された.陰性変時作用はisoproterenolで増強, propranololで抑制された.血中epinephrine, norepinephrine, c-AMPはほぼ全例でATP注入後上昇した.以上より, 陰性変時作用, 陰性変伝導作用は主にadenosineに基づき, 陽性変時作用は自覚症状などに基づく二次的作用と考えられた.少量のATP投与時には陰性変時作用が陰性変伝導作用より早期に出現したことより, ATPでのPSVT停止に際し, 少量のATPほど停止時に洞停止が短かかった.PSVT停止に関しては心房内回帰性頻拍以外のすべてのPSVTで停止が得られ, 停止量は房室ブロック量の約半量であった {ATP単独 (停止量vs房室ブロック量: 0.16±0.07mg/kgvs0.30±0.12mg/kg, p<0.01) , DIP=0.1mg/kg併用 (0.09±0.06mg/kgvs0.15±0.07mg/kg, p<0.05) } .停止量はDIP=0.1mg/kg併用でATP単独投与時の約半量となった (p<0.01) .停止時に房室ブロックを回避でき, ATP量が小であるDIP=0.1mg/kg併用が最適と考えられる.灼熱感, 嘔気などがATP単独投与時には全例にみられたが, DIP併用時には2例で消失, 他の全例で減弱した.ATP-DIP (0.1mg/kg) 併用療法は副作用を軽減し, 有効であると考えられた.
著者
村井 春雄
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3-4, pp.260-264, 1939-12-31 (Released:2010-09-09)

元來オゾンの身體に及ぼす益は何人も認むる處なれ共主として吸入療法に用ひられて居るなり.然るに余は最近硬質硝子製の純粹オゾン發生器を入手せるを以て, 先づ試みにオゾン吸入に依り緩和さるる喘息様疾患及び其の殺菌鎭靜作用の應用に依り效力を思考さるる一二の外科的疾患に應用し見たるに何れに於ても豫想外の成績を納めたり.即ち完全なる氣管枝喘息發作患兒4例中1例は唯1囘, 3例は3囘のオゾン注射 (20.0c.c.宛胸部の皮下に施行す) のみにて全く全治したり.尚百日咳或は氣管枝加答兒の經過中合併し來れる4例の喘息様症状の例に於ては僅か1-2囘の同様注射に依りて明かに其の合併状態を消失せしむるを得たり.且1例の脊椎カリエスは1年有餘の局所疼痛を1-2囘の局所注射に依りて忘れしむるを得, 約10囘にして10糎の右彎を矯正し得たり.又1例の打撲性の股關筋痛をも唯1囘の局所注射に依りて完治せしめ得たり.1例の大腸加答兒に於ては3囘の注射により腹痛を去り, 急激に便性を良好ならしむるを得たり.