著者
渡辺 勝敏 前田 洋志
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.409-420, 1995-02-21 (Released:2010-06-28)
参考文献数
23

遺伝学的に別種であることが示されている日本産ギギ科魚類2種, Pseudobagrus aurantiacus (Temminck and Schlegel) (アリアケギバチ) とそのシノニムとして扱われてきたP. tokiensis Döderlein (ギバチ) について, 模式標本を含む多数の標本を基に両種を再記載し, 形態比較を行った.その結果, P. aurantiacusは, より高い背鰭, 胸鰭棘前縁を広く覆う顕著な鋸歯列, 外向きの1-3歯を伴うより高密度な同後縁鋸歯列, より幅広い上後頭骨突起, 上後頭骨突起と同程度の長さの大きな上神経骨, 幅広い擬鎖骨後方突起 (後端>20°), 外翼状骨から大きく離れた舌顎骨前縁より明瞭な若魚の体斑パターン, 等によってP. tokiensisから区別された.
著者
前田 洋介
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.425-448, 2008-07-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
56
被引用文献数
5 1

本研究は, ローカルに活動するNPO法人の担い手と成立ちを明らかにすることを通して, 東京大都市圏におけるNPO法人の分布の空間的特徴に説明を加えることを目的とする. 分析結果からは, 東京大都市圏では, 都心部にNPO法人が集中する一方で, 東京西郊を中心とする郊外にもNPO法人が広く分布しており, そこではローカルに活動するNPO法人の割合が多いという空間的特徴が示された. そして, 多摩市で実施したインタビュー調査からは, ローカルに活動するNPO法人は性別役割分業のもと, 既婚女性を中心に日常的活動が支えられていること, そして地縁を越え, 多摩市程度の広がりを持ったさまざまな選択縁ゐもとに成立していると特徴づけられた. これらの点は, 東京西郊を中心とする郊外にNPO法人が多いことの一っの背景として考えられる. また, ローカルに活動するNPO法人の分布は, 担い手レベルで東京大都市圏の社会地域構造と関係していると考えられる.
著者
前田 洋光
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.58-67, 2008

Currently, brand equity has various definitions and forms. In this study, brand equity is defined, from the cognitive aspects of consumers, as "a set of brand values perceived by consumers based on past brand-marketing conducted by a corporation." The purpose of this study is to examine the structural analysis of brand equity. The author conducted a survey of three brand categories (tea, shampoo, and PCs) on 274 undergraduates. The main findings were as follows: (a) Brand equity consists of primary values (qualitative values) and secondary values (incremental values beyond product quality), (b) The value that consumers attribute to a corporation (corporate value) affects brand equity directly or indirectly, (c) Brand equity causes "consumer-brand relation-ships." (d) These "relationships" influence secondary value. Based on these findings, the validity of a circulated brand equity model is discussed.
著者
石橋 正二郎 田中 聖隆 前田 洋作 吉田 弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集 2021.26 (ISSN:24242691)
巻号頁・発行日
pp.17C09, 2020-03-13 (Released:2021-03-02)

There are lots of knowledge gaps concerning the sea ice of the Arctic Ocean, such as sea ice thickness, sea ice dynamics and sea ice – ocean interactions. Therefore JAMSTEC is now developing a special platform that will be able to move under ice and measure various kinds of data continuously and automatically. It is an intelligence underwater drone for the Arctic Ocean named as COMAI-Drone (COMAI-Drone:Challenge of Observation and Measurement under Arctic Ice - Drone). Now its proto-type have been already designed and initiated to build. Additionally, some aid systems, which can detect its position, can detect the relative direction to a support ship and can communicate between the drone and the support ship, are now developing. At the same time, watertank-tests and field-tests have been conducted gradually. In near future, COMAI-Drone will collect invaluable data under the sea ice in the Arctic Ocean. In this paper, its outline including its mechanism, functions and operation system are described.
著者
前田 洋介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.220-241, 2011-05-01 (Released:2015-09-28)
参考文献数
114
被引用文献数
3 4

本稿は,英語圏地理学で展開されてきたボランタリー・セクター(VS)研究の歩みと論点を整理することで,日本における研究の方向性を探ることを目的とする.1970年代後半から1980年代にかけ,Julian WolpertとJennifer Wolchを中心に,地理学でVSが本格的に研究されるようになった.先進資本主義国において,福祉国家の再編に伴い,VSが公共サービスの提供主体として期待されるようになる中,地理学は第1に,VSの空間的特徴を示してきた.また,Wolchにより「シャドー・ステート」が議論されてからは,公的資金を通じた政府とVSの関係性に最も焦点があてられ,その背景にある新自由主義の進展とともに批判的に検討されてきた.しかし,最近では,シャドー・ステート概念ではとらえられない両者のより複雑な関係性も示される中,新たな枠組が求められているといえる.その中で,近年のボランティア等の担い手をめぐる研究は,地理学のVS研究を前進させる一つの鍵になると思われる.
著者
前田 洋一 大野木 裕明
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.23-30, 1994-06-10 (Released:2018-05-08)

中学1年生351名(男子173名,女子178名)を対象に,教師作成テストと知能検査から得られるいくつかの知的指数の関連性を調べたところ,以下の結果を見いだした。(1)教師作成テストはB式知能偏差値よりA式知能偏差値との相関が高い。教科間で各偏差値との関連性を検討した結果,男子群で,B式知能偏差値と高い相関を示す教科として理科・数学が得られた。(2)知能検査から得られる知的指標の内,創造的思考を表す指標である[流暢性]と[柔軟性]について教師作成テストとの相関を検討した結果,これらの2指標と教師作成テストとの相関は著しく低かった。教科ごとに各知的指標との相関を検討した結果,女子群では[認知]との相関が高かった。(3)教師作成テストから教科の構造を見るためにクラスター分析を行った結果,男子群では中学校1年段階で理系教科と文系教科に分類することができるが,女子群では未分化であった。
著者
横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠 山上 朋彦 阿部 克也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.264, pp.1-4, 2011-10-19

複合ターゲットを用いた反応性スパッタリング法を用いてCuAlO_2薄膜の作製と構造評価を行った。本研究での複合ターゲットはAl円板上に三角形のCu板を載せただけという簡易な構造をしている。Alのターゲット面積比率(Al/(Al+Cu))を大きくしていくと膜中のAlとCuの比を制御できることがわかり、また酸素流量を増加させることでCuターゲットのスパッタレートが減少し、相対的にAl元素の組成比が増加することがわかった。Alの面積比率95%、酸素流量3sccmの時、ストイキオメトリーに近い膜を得ることができた。また、この膜のXRD測定を行ったところアモルファスライクな膜であることがわかった。
著者
阿部 克也 横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.176, pp.51-54, 2011-08-03

Cuターゲット上にAl板を配置した複合ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタ法によって、p型透明酸化物半導体として期待されるCuAlO_2薄膜の作製を試みた。Alターゲット面積比Al/(Cu+Al)を変化させ成膜を行った結果、面積比を70%とAlリッチにすることでストイキオメトリに近い膜組成が得られることが分かった。しかしながらXRD測定の結果から、as-depositionではアモルファスライクな薄膜であることが明らかとなった。作製した膜に800℃以上のアニールを施した結果、配向性のあるCuAlO_2膜を形成することに成功した。また、Taucプロットにより見積もった光学的バンドギャップは、CuAlO_2の報告値である3.5eVに近い3.6eVであり、アニール後の膜構造がデラフォサイト構造のCuAlO_2であることを確認した。
著者
渡邉 聡 前田 洋枝
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Humanities and Social Sciences (ISSN:24339180)
巻号頁・発行日
no.1, pp.129-142, 2018-03-15

本論文は、倫理的消費やソーシャルビジネスに参入する消費者ならびに生産者の行動動機と、それを支える経済・社会的メカニズム(「倫理的市場」と呼ぶ)を、経済学的に明らかにすることを目的としている。結果として、倫理的市場を形成するには、倫理的消費とソーシャルビジネスをつなぐプラットフォームの媒介的機能が必要であること、また、チャリティーショップを事例に、家庭におけるボランティアの参加が倫理的市場を形成する要因になることを示した。
著者
前田 洋介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.1-24, 2017-01-01 (Released:2022-03-02)
参考文献数
53

従来,日本の「地域」は町内会などの地縁組織を中心に編成されていた.しかし,今日では,ボランタリー組織など,地縁組織とは地理的・社会的に特徴を異にする新たな組織もまた,「地域」を構成するようになっている.本稿は,名古屋市緑区で活動する災害ボランティア団体を事例に,活動の展開の詳述を通じ,ボランタリー組織が地縁組織を中心とした既存の「地域」にどのように織り重なっていくのか検討した.同団体は設立当初,「地域」と接点を有していなかったが,公的機関とスムーズに連携できたことや,さまざまな動機で集まったメンバーのネットワークにより,地縁組織やほかのボランタリー組織と接点を築きながら,「地域」での防災活動の場を増やしていった.同団体の活動は,既存の「地域」を補完する一方で,既存の「地域」を前提としながら,地縁を越えたネットワークによる新たな「地域」の担い方を実践していると特徴づけられる.
著者
前田 洋枝 杉浦 淳吉 安藤 香織
出版者
NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.12-23, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
34

環境政策に関する科目において,Covid-19の流行により2020・2021年度に説得納得ゲームをZoomのブレイクアウトルームを使用してオンラインで実践し,2019年度の対面授業での実践と比較した.2020年度は説得納得ゲーム相互観察版を参考にしつつ,独自の改変点として説得者が被説得者に説得を行う説得セッションと観察者が説得者・被説得者に対して気づいた点をフィードバックするフィードバックセッションを交互に行うなどした.2021年度は説得者1名・被説得者2~3名とし,説得者が複数の被説得者に説得できるようにするなどした.最後にオンラインでの実践の成果・長所と課題・展望について,2021年度のゲーム後のアンケートの結果も提示しながら,参加者はオンラインでのゲーム体験からも説得が成功した時の喜びや達成感を感じ,環境配慮行動への理解を深めたことや,ブレイクアウトルームの自動割当機能を使用する利点やアイデアカードの活用について論じた.
著者
高野 和郎 坂田 暉英 福山 公基 太田 宏 前田 洋 李 雅弘 尾上 保夫 青木 隆一 高場 利博 岩堀 嘉和 松下 功 金子 和義 三富 静夫 唐沢 弘文 藤井 浩一 森本 和大 石井 淳一 上村 正吉 藤巻 悦夫 村田 恒雄 森 義明 菅谷 修一 西堀 実 薄井 武人 安藤 公信 清田 卓也 熊谷 日出丸 前田 正雄 鈴木 庸之 本多 儀一 門馬 満 藤本 昇 安藤 光彦 口石 将博 崔 相羽 高須 克弥 平井 啓 小池 勝 平塚 進 鈴木 武松 土持 喬 初鹿野 誠彦 津田 紘輔 諸岡 俊彦 藤井 陽三 清水 一功 八田 善夫 直江 史郎 坂木 洋 海老原 為博 太田 繁興 佐々木 彰 村山 義治 塚田 政明 清水 晃 山口 明志 江頭 亨 坂本 利正 渡辺 佐 加藤 水木 片桐 敬 吉田 文英 小島 昭輔 新谷 博一 鈴木 孝臣 金沢 英夫 落合 泰彦 堀坂 和敬 藤巻 忠夫 平木 誠一 橋本 敏夫 加藤 国之 石井 靖夫 菅 孝幸 赤坂 裕 今村 一男 甲斐 祥生 中西 欽也 太田 繁興 近藤 常郎 落合 元宏 松井 恒雄 依田 丞司 吉田 英機 丸山 邦夫 池内 隆夫 入江 邦夫 佐々木 彰 清水 晃 鈴木 周一 坂木 洋 塚田 政明 秋田 泰正 森 弘道 天野 長久 本多 平吉 山口 明志 坂本 利正 安達 浩行 草ケ谷 雅志 高野 和郎 中川 克宣 鶴岡 延熹 小野 充 阿万 修二 植原 哲 渋谷 徹 桑原 紘一郎 小黒 由里子 後藤 晋 島袋 良夫 安藤 彰彦 国枝 武幸 今西 耕一 小田切 光男 鄭 政男 佐川 文明 田代 浩二 大瀬戸 隆 菅沼 明人 町田 信夫 前田 尚武 小泉 和雄 鈴木 一 安藤 弘 山崎 健二 井出 宏嗣 福山 公基 木村 明夫 小林 祐一郎 狩野 充二 長嶺 安哉 木村 明夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.820-825, 1970