著者
土肥 慶亮 頼田 祐二 柴田 裕一郎 小栗 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.31, pp.7-12, 2011-05-05

本稿では,拡張現実(AR)技術の一種であるPTAMで用いられているFAST Corner Detectionの,ストリーム処理を用いたFPGA上での実装を示す.機械学習付きFAST Corner Detectionをコンパクトなハードウェアで実装する上での問題の一つとして,膨大な数のコーナーパターンとのマッチング処理が上げられる.我々は,コーナーパターンの判別式の分割と,回転や反転などの対称性を利用したコーナーパターンの圧縮手法を提案する.提案手法により,組み合わせ回路としてコーナーパターンのマッチング処理が実現できる.FPGA上に実装した機械学習付きFAST Corner Detectionは,リアルタイム処理を実現し,その際のスライス利用率はVirtex-5 FPGAにおいて7〜9%であった.
著者
馬場 暁 山崎 亮輔 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.469, pp.7-11, 2009-02-27
参考文献数
8

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致してSPを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。本研究では、金属グレーティング上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ったので報告する。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みた。
著者
神山 剛 鈴木 敬 野田 千恵 竹下 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.39, pp.1-6, 2007-05-10

近年では,携帯端末のブラウザを用いたショッピングサイトの利用など,ユーザ情報をWebフオームへ入力する機会が増えている.携帯端末における入力操作は従来に比べ格段に向上しているが,なおユーザの負担を強いるものである.ユーザの入力支援を行う技術の一つとして,自動入力エンジンがある.本稿では,まず従来の入力方式と比較した自動入力エンジンの入力効率を測るための評価方法の検討をし,プロトタイプを用いた評価実験から自動入力エンジンの有効性を示した.次に評価結果の分析から,さらなる改善の必要性を示し,ユーザインタフェースと連携した改善を行うことを提案し,評価によりその効果を示した.
著者
武井 智彦 関 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.282, pp.101-105, 2008-10-31

把握動作はヒトを含めた霊長類が外部環境の情報を獲得するのに必須な運動である。この把握運動制御の脳内機構については、大脳皮質や小脳に関する研究が進んでいる一方、脊髄を対象とした研究は存在しなかった。この報告では把握運動の制御において脊髄が重要な役割を果たしている可能性について、実験結果をもとに議論する。
著者
吉沢 剛 寶田 吉文 三好 匠 平田 千浩 二木 志郎 渡邊 浩文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.197-200, 2010-02-25

無線メッシュネットワークでは,複数のAP(Access Point)を無線通信で接続することにより,スケーラビリティの高い無線ネットワークを構築することが可能となる.これらのAPは他のAPと無線接続できるが,無線インタフェースが限定されているため,リンク構築の最適化が必要となる.更に,インターネットへ向けたトラヒックが多い場合,GW(Gateway)機能をもつAPやリンクに負荷がかかる.この問題に対し,経路木の最適化手法とGWの負荷分散手法が提案されているが,トラヒックの変動に対して有効ではない.そこで本稿では,蟻コロニー最適化を用いてトラヒック変動を考慮したリンク構築手法を提案し,その有効性を定量評価により示す.
著者
佐藤 大 杉浦 彰彦 米村 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.537, pp.51-54, 2007-02-16

本研究は認知症の予防に対する作り笑いの可能性を探ることを目的としている.本稿では,作り笑いがストループ効果と顔表面温度に与える影響について述べる.はじめに実験で用いた作り笑いじゃんけんシステム,笑み筋体操およびストループ効果について述べる.実験ではストループ効果を指標として用いて,作り笑いじゃんけん評価実験を行い,認知症の予防に対する作り笑いの可能性を示した.次に笑み筋体操顔表面温度変化実験を行い,笑み筋体操によって顔の表面温度を上昇させることを示した.
著者
岩本 一樹 和崎 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.82, pp.57-62, 2011-06-09

多くのマルウェアはパッカーと呼ばれるコードを圧縮し難読化するプログラムでパックされており,そのままでは解析できない.そこでパックされたプログラムから自動的にオリジナルのコードを抽出するアンパッカーが研究されている.アンパッカーで問題となるのは,オリジナルのエントリーポイントの特定とオリジナルのコードが展開されたことを確認してアンパック作業の終了を決定することである.本研究では多くのマルウェアは既知のコンパイラで作成されていることに注目し,ランタイムライブラリのコードと比較することで,この問題の解決を試みた.
著者
竹内 康人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.331, pp.19-22, 2003-09-22

ささやき声の安定した収録には多少の工夫を要する。それは呼気の風圧が通常の声よりはるかに大きい、つまり息の量を消費しつつ行われるからである。結果として口に接近したマイクロホンには何らかの風防が必要とる。本研究においては風圧下ないし呼気の脈動する流れの中で広帯域信号採取するために従来概念の発泡体の覆いなどではなく平滑な表面の弱加圧薄膜閉鎖ソナドームを用いて良い結果を得たので報告する。これは本研究会で同時に発表するもう1つの演題に対する必須な支援技術となっている。
著者
横瀬 弘幸 鳥飼 弘幸 斎藤 利通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.625, pp.49-54, 2003-01-27
被引用文献数
4

Adaptive Resonance Theoryネットワークは、特徴空間上に分布したデータをカテゴリーの集合に分類出来ると知られている。本稿では各カテゴリーが超球体で記述されるARTネットワークを提案する。入力とカテゴリーの類似度を測る新しい距離を提案することにより学習が簡素化される。数値実験により、パラメータに対する分類能力の特性を考察する。
著者
小塚 誠一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.443, pp.55-60, 2001-11-14

パソコンなどのコピーマシンの普及に加え、P2P通信ネットワークによる音楽ファイルの交換が始まり、音楽など開放環境で利用されるデータ型コンテンツの著作権保護が極めて困難になってきている。従来は、コンテンツの権利者と利用者と仲介事業者の三者の間で利害対立があり、妥協の産物としての著作権保護策はそれら三者を満足させるものではなかった。そこで、本稿では、それら三者の既得権益の維持を前提に、慣れ親しんだコンテンツ利用文化を損なわない著作権保護策として「三方一両得モデル」を提案し、その具体的な実現方法を示すと共にその適用効果について述べた。
著者
武田 清大 金 均東 中村 宏 宇佐美 公良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.316, pp.93-98, 2010-11-22

パワーゲーティング回路向けのゲート遅延解析法を提案する.提案手法では動的タイミング解析に基づく論理ゲートのスイチンッグ情報の取得,および仮想グランド線電位解析の高精度化によって従来手法と比較して悲観性を大きく削減した遅延解析ができる.評価の結果,スリープトランジスタの面積率が27%の3bit Ripple Carry Adderにおいて,従来手法と比較して57パーセンテージポイントの誤差の改善を達成した.
著者
中畑 和之 木本 和志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.88, pp.1-6, 2011-06-16

超音波探傷において,均質材料中など波動の伝搬経路が容易に推定できる場合には,B,Cスキャンや開口合成法(SAFT)等による欠陥像の映像化が行われている.しかし,局所的に非均質・異方性を有する材料や複雑な形状を持つ界面を介して超音波を送受信する場合には適用が困難である.そこで,本研究ではレイトレースが解析的に難しい材料に対して,イメージベース有限積分法(FIT)を援用した時間反転法による欠陥の映像化を試みる.ここでは,アレイ探触子を用いて全波形サンプリング処理(FSAP)方式によって欠陥エコーを計測し,そのエコーを反転させてイメージベースFITに入力する.時間反転アルゴリズムによって超音波が欠陥に集束する性質を利用して,シミュレーション中の波動場の可視化結果から欠陥の形状を推定する.
著者
綿貫 克彦 片岡 信弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.185, pp.15-19, 2008-08-15

近年SOAによるシステム開発が注目を浴び始めた.SOAではサービスを接続することによりシステムを構築する.本提案ではBPMNを使用することによりビジネスプロセスモデルからESBによるサービス接続定義を自動生成させる.
著者
山上 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.46, pp.7-12, 2002-05-07

Microsoft Wordによる電子情報通信学会技術研究報告形式のテンプレートファイルです.携帯電話インターネットユーザが5000万人を越え、オフィス情報システムにおいても、さまざまな異なるクライアントに対応できるシステム設計が求められている.最近の携帯電話インターネットの標準化動向、機器独立指向システムに関するW3Cでの動きを解説する。機器独立なオフィス情報設計に向けての課題と、クライアント側の進歩の方向性について論ずる.
著者
影沢 政隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.376, pp.5-8, 2004-10-19
被引用文献数
1

道路交通システムでは,近年情報化が非常に進み,実時間交通情報提供は実用化され,運転支援システムについても実用化が進められている.高速道路の自動運転システムは,デモ実験レベルでの実証がすんでいる.しかしながら,人命を預かる安全システムとしてみたとき,まだこれらの技術レベルは残念ながら十分な信頼性があるとはいえない.本稿では,こうした状況で信頼性に関して行われてきた議論を,筆者の私見を交えて紹介する.Microsoft Wordによる電子情報通信学会技術研究報告形式のテンプレートファイルです.
著者
倪 晋富 河井 恒 津崎 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.263, pp.19-24, 2003-08-14

波形素片接続型音声合成の音質を向上させようとすると,大規模な音声コーパスが必要となり,結果的に音声収録に数ヶ月〜数年という長期間を要する。録音セッションが異なると録音系の特性が変化する可能性があり,その結果多少とも声質が変化する。本稿では,1名の男性話者が2年間に677回発声した同一の日本語文の音声データを試料として用い,長時間平均パワースペクトルの等価に関する実験を行った結果について報告する。まず,フレーム長の設定など,長時間平均パワースペクトル推定の最適条件について検討する。さらに,4種類のフィルタ,すなわちLPC係数を介して設計されたIIRフィルタ,MLSAフィルタ,ケプストラムにもとづく平滑化を伴うFIR,メルケプストラムにもとづく平滑化を伴うFIR,を等価フィルタとして取り上げ,それぞれの最適な設計条件を検討する。各フィルタの等価効果の比較は,等価対象音声の音響的特微量のガウス分布に関する尤度にもとづいて行う。予備的な主観評価実験の結果,提案手法が録音系周波数特性の等価に有効であり,かつ音質劣化を生じないことが示唆された。
著者
河井 恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.97, pp.19-24, 2005-05-19
被引用文献数
4

筆者らが100時間超の大規模音声コーパスを用いる波形素片接続型音声合成システムを開発した過程で得た知見にもとづいて、(1)音声コーパス規模と合成音声の音質の関係、(2)コーパス設計手法とその効果、(3)音声コーパス作成手順と若干のノウハウ、(4)音素自動セグメンテーションの精度と有効性、(5)声質変動、に関して述べる。
著者
西澤 信行 河井 恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.572, pp.67-72, 2006-01-20

最良優先探索に基づく素片選択処理について検討を行う. 多くの素片接続型音声合成システムでは, 動的計画法に基づく素片選択処理が行われているが, それ以外の探索手法として, ヒューリスティックを基づく手法が考えられる. 本研究ではA^*アルゴリズムに着目し, 許容的でないヒューリスティック関数を用いた場合も考慮した, 素片選択アルゴリズムを導入する. 素片選択処理において, 複雑な処理を要するヒューリスティック関数の導入は現実的ではないことから, 本研究では, 平均コストを用いた単純なヒューリスティック関数を用いることとした. 実際の素片選択処理では, 可能な処理時間が限られているが, これに対応する実験として, 従来法であるビームサーチを併用した動的計画法に基づく探索と, 最良優先探索のそれぞれについて, 接続コスト計算回数が同一条件となるような素片選択実験を行い, それら結果をコスト上で比較した. 実験結果では, 従来手法と比較し, 最良優先探索により良い結果を得ることができなかったが, 素片選択への最良優先探索適用は, 同一仮説の重複展開の影響による探索の非効率性が現れやすいものと考えられる.
著者
木本 雅也 並木 寿枝 清水 忠昭 井須 尚紀 菅田 一博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.270, pp.31-38, 2001-08-23

小規模な応用に向けたVCV規則音声合成方式において, 素片選択の為の2つの基準, i)音韻環境類似度とii)LSP距離による素片の接続歪みについて実験的に検討した.前者を採用した方式は, 後者より各素片に音韻環境情報を余分に付加しておかなければならない.後者を採用した場合, 前者より素片選択処理に時間を要する.VCV音素単位を選択するときに考慮する音韻環境の長さを短く出来れば, 音素片辞書の記憶容量を小さく出来る.筆者らは, 音質を保ちながら音韻環境の長さをどこまで短く出来るかを実験で調べた.実験の結果, 先行2音韻・後続1音韻にまで削減して素片選択しても, 先行5音韻・後続5音韻で素片選択した音声とほぼ同品質の音声を合成出来ることが判った.
著者
戸田 智基 河井 恒 津崎 実 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.291, pp.19-24, 2002-08-22
被引用文献数
2

素片選択に基づく波形接続型テキスト音声合成において自然性の高い合成音声を得るためには,知覚特性に一致したコストを用いることが重要である.本稿では知覚実験により求めた知覚スコアを用いることにより,コストの知覚特性に基づく評価を行う.その際に,コストと知覚スコア間の対応関係を明らかにするだけでなく,素片系列のコストを求めるために必要な各素片におけるコストを統合する関数についても検討する.実験結果から,合成音声全体における平均的な自然性劣化を表す平均コストは,局所的な自然性劣化を表す最大コストよりも知覚スコアとの対応が良いことを示す.また,平均的な自然性劣化と局所的な自然性劣化の両方を考慮するコストであるRMSコストを用いた際に,最も知覚スコアとの対応が良いことも示す.さらに,RMSコストによる素片選択に関しての検討を行うことにより,RMSコスト使用時には局所的な大きな自然性劣化を防ぐために,より短い単位の素片が多く用いられる傾向があることを示す.