著者
竹田 夏木 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.215, pp.59-63, 2009-10-01

双曲面ハーフミラーを用いた頭部搭載型プロジェクタ(HHMPD,Hyperbolic Head Mounted Projective Display)は,理論的には180度を越える水平視野を供することが可能であり,一般的なHMD(Head Mounted Display)に比べ,没入感や状況認識において有利である.HHMPDは双曲面ハーフミラー・プロジェクタを搭載した装置を頭部に着用し,周辺環境に配した再帰反射スクリーンを介して映像を提示するディスプレイである.再帰反射スクリーンへの入射角や投影距離などの要素により,映像には輝度差が生まれ,またその差は着用者の動きに伴い動的に変化する.本研究では,HHMPDを用いる際の輝度差を表すモデルを作成し,これを補正する手法を検討する.
著者
田中 信吾 山浦 隆博 菅沢 延彦 谷澤 佳道 山口 健作 渋谷 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.39, pp.53-58, 2010-05-13

昨今,映像のハイビジョン化などによる高画質化・高解像度化により,ネットワーク上を流れる映像・音声などのリッチコンテンツのデータ量が増加している.ネットワークにおける通信プロトコルには主にTCP/IPが使われているが,現在その処理はCPUによって行われているため,特に組み込み機器の分野ではCPUの動作周波数や消費電力の増大が問題となってきた.そこで我々は,専用ハードウェア(専用回路)を用いたTCP/IPオフロードエンジンNPEngine^<TM>を開発し,従来の組み込みCPUに比べて動作周波数あたりで80倍,消費電力あたりで22〜28倍の伝送レートを実現した.本稿では,NPEngine^<TM>で用いられている提案方式(ハイブリッド構成,ダイレクト転送,パイプライン処理)を中心にNPEngine^<TM>の構成と特長,及び,その性能評価結果について述べる.
著者
児玉 啓浩 森本 康彦 中村 勝一 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.453, pp.151-156, 2011-02-25

大学における研究活動では,発生する多様な情報を蓄積・活用することが重要である.しかし,研究初学者にとって,これらの蓄積された情報を効率的に活用することは容易ではない.そこで本研究では,ユーザの活動場面に適応的な情報抽出と視覚的提示手法を搭載した研究活動支援システムを開発する.これを達成するためにオペレータモデルを開発する.このオペレータは,活動場面と視覚提示制約によって,適応的な情報抽出と視覚的提示,促進メッセージ提示を行う.これにより,ユーザの活動場面に則した研究情報の抽出と,それらの効果的な活用を支援することが期待できる.本稿では,オペレータの定義と支援システムの開発について述べる.
著者
森 明慧 内田 誠一 倉爪 亮 谷口 倫一郎 長谷川 勉 迫江 博昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.606, pp.31-36, 2007-03-09

本報告では,統計的手法を導入した論理判定型DPマッチングによる類似区間検出手法を提案する.論理判定型DPマッチングとは,サポートと呼ばれる論理関数を基準として用いて2つのパターン問の非線形マッチングを行うアルゴリズムであり,パターン間に複数存在する類似区間を同時に検出できるという特長を持つ.この論理判定型DPマッチングに統計的手法を導入することで,パターンの変動のしやすさを考慮したより高精度な類似区間検出が可能になると考えられる.また実際の応用例として,本報告では本手法を用いたジェスチャの基本動作抽出についても検討する.実際に統計的手法の導入による効果を検証するための実験を行った結果,本手法の有効性を示すことができた.
著者
楫 勇一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.363, pp.1-6, 2011-01-11

フラッシュ符号の一種であるindex-less indexed flash codes (ILIFC)の改良を行う.フラッシュメモリの利用にあたっては,セルと呼ばれる記録素子に対する操作への非対称性,ブロック消去に伴うセル特性の劣化等に十分注意して,情報の記録を行う必要がある.ILIFCは,セル全体をブロックと呼ばれる小単位に分割し,各ブロックを有効に利用することで性能確保を目指す方式であるが,ブロックサイズが固定されていることから様々な問題が発生する.本研究では,ILIFCのブロックサイズを半減し,性能を改善するとともに,その適用範囲を拡大することを検討する.
著者
安藤 政志 堀田 政二 渋谷 久恵 前田 俊二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.127-130, 2011-03-03
被引用文献数
1

本稿では,尤度ヒストゲラムと呼ばれる複数のセンサごとに求めた尤度を累積したヒストゲラムを特徴量とする記述子を提案し,これを用いてその日が正常に稼働した日(正常日)であるか,あるいは異常を起こした日(異常日)であるのかをSupport Vector Machine (SVM)でクラス分類する方法を提案する.このヒストグラムを求めるために,まずガウス関数を用いてセンサごと・時刻ごとのモデルを構築する.次に,各時刻でモデルごと(センサごと)に尤度を計算し,それらの累積値を投票数にもつヒストグラムを作成する.さらに,ヒストグラムを時間階層化(ピラミッド化)することで,異常検知の精度改善を試みる.これらの記述子を用いることで,one classの分類器以外の分類器による正常日,異常日の分類が可能となる.実際に稼働している精密機器のセンサデータを用いた実験により,提案手法の有効性を管理図と比較しながら検証する.
著者
高橋 宏圭 安村 禎明 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.386, pp.31-36, 2011-01-17

本稿では,ブログから注目話題の早期発見を行う手法を提案する.本手法では,一部で話題になりその後全体に広まった注目話題の出現頻度推移から学習することで,一部で話題になっているものが注目話題に発展するかを判別する.学習には十分な量のラベル付きデータを確保する必要があるが,このためには膨大なコストがかかる.そこで半教師付き学習を用いて注目話題を早期に発見する手法を提案する.本手法ではまず,ブログをカテゴリに分類し,そのカテゴリ内で盛り上がった話題を抽出する.抽出した話題を今後ブログ全体で盛り上がる候補として,分類器で今後盛り上がるかどうかを判別する.実データを用いた実験の結果,半教師付き学習によって注目話題の分類器を作成可能であることを示した.
著者
前田 一也 唐山 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.155, pp.5-10, 2011-07-16
被引用文献数
1

本研究は,従来のBCIの欠点であったユーザの身体拘束の緩和のため,携行性を持たせたウェアラブルブレインコンピュータインタフェースシステムを開発するのが目的である.そのために本研究では脳情報のみを用いて撮影することができるBCIカメラシステムを試作し,その性能を検証した.実験はラーニングフェイズとテストフェイズから成り,ラーニングフェイズでは,被験者は直立状態で2種類の聴覚刺激を用いたオドボール課題を行い,被験者のP300を計測した。ラーニングフェイズで計測した脳波を教師データとして,テストフェイズで被験者は屋外においてBCIカメラシステムを使って対象物を撮影する課題を行った,実験の結果,すべての被験者が課題を達成した.
著者
道関 隆国
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.188, pp.41-46, 2011-08-18

多数のセンサー群を人、物、環境中に配置し、各種の情報をセンシングするセンサーネットワークでは、各センサー群をネットワークに接続するための近距離無線端末が必要になる。これらの端末は電池交換のいらないメンテナンスフリーシステムにすることが有用となる。本論文では、微小ではあるが我々の身の回りに常に存在するアンビエント・エネエルギーを用いた自力発電型のバッテリレス・センサー端末を紹介する。先ず、バッテリレスシステムでは、発電技術に加えてシステムのパワーマネージメント技術が非常に重要となることを示す。次に、我々が最近試作した3つのバッテリレスシステムとして、照明光通信による音声受信機、LED発電を用いた自動スイッチ、および、尿発電電池を用いた尿漏れセンサーの特徴を述べる。最後に、今後のバッテリレスシステム開発においては、エネルギーの生成(発電技術)、変換(電源変換技術)、消費(極低電力LSI)を考慮したアプリケーション指向の総合的なシステム設計が重要となることを示す。
著者
石橋 孝一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.117, pp.91-96, 2011-06-30

近年の無線テクノロジーや電子デバイスの進展、及びモバイル・ノードの普及に伴い、無線ノード間によりネットワークを構築できる無線メッシュ(或いはアドホック及びマルチホップ)・ネットワークが注目されている。このような状況のもと、無線メッシュネットワークを構築するための経路制御方式に関して各所で研究・開発が行われてきている。本稿では、On-demand型と呼ばれるルーティング・プロトコルを適用する、数百台規模のノードより構成される大規模なデータ収集システムを一つのターゲット・アプリケーションとして考え、大規模無線メッシュネットワークの実現に向けた課題を整理するとともに、その取組の一例を示している。
著者
佐野 智章 神原 誠之 萩田 紀博 宮下 敬宏 篠沢 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.178, pp.29-32, 2011-08-17

twitter等のリアルタイムコミュニケーションサービスの登場により,個人間での即応性の高いやりとり(Q&A)が行われている.それらを利用して,時間や場所に依存した疑問に答えるサービスが提供されているが,素早く信頼性の高い回答を集める仕組みがない点や,類似の疑問を集約できないという問題が残る.そこで本研究では,即応性の高いQ&Aシステムを実現するために,1)類似した疑問の集約,2)信頼性の高い回答ができるユーザの推定,3)そのユーザへの疑問の提示,を行う機能を持つtwitter上でのエージェントを提案する.本稿では,課題2)へ主眼をおき,専門知識の有無,回答候補者の返答の可能性,返答の信頼性の観点に着目し,4人の被験者による実験結果について述べる.
著者
岩井 邦昭 広中 清一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.11-16, 2003-10-10

強磁性体のすべり摩耗に関するトライボロジー特性について, 摩擦面に作用する磁界の磁束密度と炭素鋼の同種組合せのすべり摩耗試験を行い, 誘起電圧調整法を併用した制御について検討した. 摩耗は磁界中で著しく減少し, 磁束密度の増加とともに減少し, 誘起電圧調整を併せて行うとさらに減少する. X線マイクロアナライザによる面・線分折から, 磁界中で誘起電圧を調整した摩擦面には酸化物が形成され, 摩耗はマイルドになることを示した.
著者
伊藤 潤 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.421, pp.153-158, 2011-02-14

近年,我が国の交通事故死亡者数は減少傾向にあるが,依然高い水準にある.死亡事故発生の大きな要因の一つとしてドライバの居眠り運転が考えられる.これを防止するため,居眠り運転検知に関する研究はこれまでに様々な方法が検討されてきた.このとき,ドライバの呼吸情報については,居眠り運転検知の特徴量として利用されることはあったが,これまでに詳しく報告された例はない.そこで,本研究ではドライバの眠気の変化と呼吸間隔の関係について,ドライビングシミュレータを用いた実験よりその相関を評価した.この結果,眠気の進行と呼吸間隔の変化に相関関係が見られただけでなく,呼吸間隔を意図的にコントロールすることによって,眠気の進行を遅延させる効果が示唆されたので報告する.
著者
宮地 功 野瀬 重人 中山 広文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.397, pp.31-38, 2001-10-19
被引用文献数
5

岡山県立A高等学校は、平成9年度に普通科10クラスのうち2クラスを減じて、2クラスの理数科(定員80名)を設置して運営が行われている。この理数科は、大学との連携を図って運営し、できるだけ大学の指導や研究に触れる機会を多くして、生徒の理数系教科に対する興味や関心を高めることをねらっている。今年度が完成年次であるので, 理数科を設置した目的がかなっているかどうかを知るために, その一期生である理数科3年生と普通科理系の3年生に、意識調査を行った.その結果の一部を報告する。
著者
桑原 恒夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.359, pp.67-74, 1994-11-24
被引用文献数
2

学習者の課題達成時間に基づいて教材の難易度を評価する方法において、被験者のメンタルモデル形成能力や学習途中の質問の影響を考慮に入れた評価モデルを提案した。メンタルモデル形成能力は学習者に科す三段論法試験の点数により指標化する。プログラミング言語の一つであるObjective-C用の5種類の教材を用いた実験の結果、本方法によって少数の学習者のデータから教材の難易度を小さな偏差で評価できることが示された。
著者
櫻井 啓志 宮本 貴朗 青木 茂樹 岩田 基 汐崎 陽
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.442, pp.213-220, 2011-02-24

近年,通常のキーボード操作による非定型文を対象としたキーストロークの特徴を利用したユーザ認証に関する研究が行われている.本稿では,複数のキーストロークの特徴から得られる指標を組み合わせてユーザを認証する手法を提案する.まず,予め登録しておいた複数のユーザのテンプレートを用いて,各指標のパラメータをユーザごとに適切な値に設定する.次に,設定したパラメータを用いて,ニューラルネットワークの結合重み係数をユーザごとに学習させる.そして,ログイン後に文字を入力することに,テンプレートとの類似度を各指標からそれぞれ算出し,これらの値をニューラルネットワークに入力し,ユーザを認証する.提案手法を用いて実験を行った結果,他人受入率が0.17%,本人拒否率が2.38%となり,従来手法と比較して高い認証精度が得られた.
著者
坂本 一憲 和田 卓人 鷲崎 弘宜 深澤 良彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.107, pp.41-46, 2011-06-23

The amount of test code has increased as the test technology has developed and the amount of duplicated test code that is redundant has also increased. Duplicated test code that does not change defects which are found when testing software even if it is removed. This increases the size of test code and decreases the efficiency of execution and maintenance of software testing. We therefore propose techniques of detecting duplicated test code based on test coverage supporting multiple programming languages. We define the inclusion relation of test code based on test coverage and present techniques of detection and the implementation of a detection tool supporting three programming languages: Java, C and Python. We explain an experiment for detecting duplicated test code in open source software with the detection tool and discuss the benefits of the proposed techniques. Moreover, we show that the duplicated test code that is detected with the detection tool does not influence the results obtained from measuring the test coverage and demonstrate that the change in using test coverage can change the measurement criteria.
著者
松本 有央 岡田 真人 銅谷 賢治 菅生 康子 山根 茂 河野 憲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.686, pp.93-100, 2001-03-14

サル側頭葉に存在する顔細胞集団の活動パターンから視覚刺激画像の階層的な構造を抽出できるかどうかを検証するために, Sugaseらの実験データを解析した. 45個のニューロンの活動から38枚の刺激画像に対する38個の応答ベクトルを生成し, そのベクトルをVariational Bayes (VB)アルゴリズムを用いた混合正規分布解析でクラスタリングした. その結果, 異なった画像に対応するニューロン集団を表すベクトルは, 応答の開始時(90-140ms)において"顔か単純図形"などの大分類情報に対応する3つのクラスターを形成した. それに遅れて(140-190ms)それぞれのクラスターは分離し, "人の個体分類"などの詳細な分類情報に対応するサブクラスターを形成することを発見した. さらに相互情報量を計算することでニューロン集団はヒトは個体, サルは表情, 図形は形によって詳細なクラスターが形成されていることが分かった.
著者
福永 修一 荒井 光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.476, pp.17-21, 2011-03-21

近年,Gaussian Process Bandits (GPB)をモンテカルロ木探索へ適用したアルゴリズムであるガウス過程木探索が提案された.ガウス過程木探索は従来のアルゴリズムよりも性能のよい手法である.そこで本研究では,ガウス過程木探索に基づくモンテカルロ碁を提案する.提案手法は,ガウス過程における共分散行列とカーネル関数を用いて,信頼上限関数を最大化する戦略を選択する.そして提案手法の有効性を数値シミュレーションにより確認する.
著者
河田 直樹 大久保 寛 田川 憲男 土屋 隆生 石塚 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.419, pp.13-18, 2011-02-14
被引用文献数
2

近年,GPU(Graphics Processing Unit)を用いた科学計算の研究・開発が進んでいる.本研究では,GPUを用いて3次元音響数値解析のリアルタイムの可視化(計算と同時に可視化する音響シミュレーション)について検討を行った.3次元音場の可視化法として,PMCCを提案し,その評価を行った.PMCCは従来の3次元空間中の複数断面を表示する(Multi Cross-section Contours)方法に不透過度を組み合わせた非常にシンプルな可視化方法である.波動現象特有の干渉や散乱の把握もボリュームレンダリングに比べてわかりやすく,また,描画のための計算負荷も非常に少ない.平行な複数断面表示を行う場合もオクルージョンがほとんど発生せず,断面表示でありながら,3次元空間を一目で把握できる可視化法である.本研究の結果より,CUDAとOpenGLを利用することで,GPUによる高速な計算と可視化ができることが明らかとなった.また,GPU計算と時間領域手法,そしてPMCCを利用することで,シミュレーションによる3次元音場のリアルタイム可視化を実現することができる.